Suit UP

タスクの”粒度”や進捗管理はコミュニケーションで解決!

 

投稿日:2024年1月4日 / 更新日:2024年2月4日

 

株式会社スーツでは、2023年9月27日に経営支援クラウド「Suit UP」(以下「スーツアップ」といいます。)のα版をリリースしました。スーツアップは、中小・中堅企業やスタートアップなど(以下まとめて「中小企業等」といいます。)の労働生産性を高める、全社タスク管理を実現するSaaS(Software as a Serviceの略語、月単位・年単位(サブスクリプション)で活用できるソフトウェアサービス)です。全社タスク管理とは、単なるタスク管理やプロジェクト管理ではなく、個人・部署・経営に至るまで会社全体のタスクを「見える化」し管理する経営管理手法です。

本稿では、「2024年新春企画スーツアップQ&A」として、社内スタッフからスーツアップに関する質問を募りましたので、スーツアップの企画・構想者であり当社の代表者である小松の回答を公表いたします。本稿はその第3回です。ユーザーの皆様を始め、当社を取り巻くステークホルダーの皆様のスーツアップの理解の一助となればと考えています。

経営支援クラウド「Suit UP」α版のサービス開始のお知らせ

第2回 スーツアップは多機能ではない本質的な価値提供で多くのユーザーに使われるタスク管理ツールへ

 

【まとめ】

 

質問1 個人でタスク管理ツールを利用していても、使用するのが億劫になってしまう時があります。その中で、全社的にタスク管理を導入し、全てのスタッフが継続してタスクを入力・管理してくれるようにするためには何が必要だと思いますか?

 

全スタッフのタスク設定・更新の習慣化が必要だと思います。私たちのタスク管理における問題意識は、ご質問のようにタスク管理ツールの使用が面倒になってしまい運用が続かないということです。

ご質問では「億劫になる」という表現をいただきましたが、この「億劫になる」を払拭するには習慣化しかありません。気持ち・感情に左右されないで行動を行うことができる。それこそが習慣化だと思います。習慣化するためには、特に習慣化するまでの初期の行動が重要になります。初期段階で繰り返し同じ作業ができなければ習慣化することはできません。

そこで、スーツアップでは、初期段階でユーザーに新たに大きな学習コストが発生しないように、タスク管理画面をエクセルやスプレッドシートのような表計算ソフトのインターフェースに近づけています。ユーザーの心理的な障壁を取り除く、タスク設定・更新に関する項目を最低限に絞って簡素化する、入力作業自体も自動化する、そして、組織・コミュニケーションを整備してチームで助け合うというアプローチを採っています。

世の中にある多くのプロジェクト・タスク管理ツールは、多機能で、独自インタフェースで素晴らしいツールばかりなのですが、使うユーザーを置いてけぼりにしている印象を持っています。特に、中小企業等の会社経営を長年してきた私の感覚からすると、中小企業等のスタッフの多くの方はITリテラシーが高い方ばかりではなく、これらツールを使いこなせないという声が出るのは非常によく理解できます。

スーツアップでは「やさしいテクノロジー」を掲げて開発をしており、AIなどの最先端技術を用いながらも、使うユーザーを主役に考えて、あくまでシステムは道具であると考えています。

私たちはスーツアップを通じて、タスク設定・更新の入力作業を習慣としてできるようになってもらい、それこそ他システムにおいても、こういった細々としたシステムに関する設定・入力ができるような組織力を身に着けてもらいたいと考えています。

 

質問2 個人によってタスク設定の”粒度”が異なると思いますが、チームでタスク管理を行う場合はどのように対応するのが望ましいのでしょうか。

 

ご質問のとおり、タスク設定の”粒度”は、設定する人のタスクの習熟度によって異なるものであり、当社が推奨する全社タスク管理のようにチームでタスク管理を行う場合は、スタッフによって理解できなかったり見づらくなったりしてしまうものです。しかし、私の長年の全社タスク管理の導入・運用の経験からいえば、このタスク設定の”粒度”の問題は、コミュニケーションで解決されてしまう程度のものでしかありません。

タスク設定の”粒度”の問題とは、タスク設定をする人によって、タスクの概念が大きい・小さいと異なることをいいます。具体的には、スーツアップに、例えば「コーヒーを淹れる」というタスクを入力したい場合、コーヒーの淹れ方を理解している人からすれば、「コーヒーを淹れる」の一行のタスクの記載だけで理解することができます。一方で、やり方をよく理解していない未経験だったり経験の浅かったりする人の場合は、タスクの中項目として「コーヒーを淹れる」、タスク名として①「コーヒー豆を挽く」、②「お湯を沸かす」、③「コーヒーを落とす」というように細分化してタスク設定をすることになります。このように設定する人の習熟度によってタスク設定の”粒度”が異なることはよく生じることなのです。

私はこの問題はコミュニケーションで乗り切れると考えています。なぜならばチームでタスク管理をした時に、タスク設定の”粒度”が揃っていないからといって生じる不利益は一覧で見た時の見づらさでしかないと考えているからです。その見づらさについても、多くの場合は、先ほどの「コーヒーを淹れる」の事例のように数行増えるだけです。一度把握してしまえば、読み飛ばすことも十分に可能です。

タスク設定の”粒度”については、むしろタスクの実行を優先させて、習熟度が低い人には細分化して設定することの方が重要だと思います。私も、タスク管理の有無に関わらず業務を推進するために、習熟度が低いスタッフに対して「因数分解をしてください」といった話をします。一般的にタスクは、一つの作業や工程で終わる場合もありますが、多くの場合はその小さな作業の集合体です。そのため、このレベルまで細分化すれば、一つひとつの作業は決して難しいものではないことも多いのです。そのためタスクを細かく分解すれば、習熟度が低い人でも一つひとつ作業を終わらせることができるのです。

なお、このタスクの分解の仕方については、時系列、もしくは、論理的に分解することが一般的です。前者の時系列は、手順ごと、前工程の作業ごとに、一つずつタスクの設定を行っていきます。一方、後者の論理的は、並列の関係で行わなければならないタスクがある場合の分解方法です。これらのどちらか、または、組み合わせでタスクを分解することになります。

このようにスーツアップでは、タスク設定の”粒度”については、タスクの実行を優先させて、”粒度”のバラつきについてはコミュニケーションで乗り切ることを推奨しています。

本件も含め、スーツアップでは、システム開発にあたり、改めてタスク管理やプロジェクト・タスク管理ツールに関して今まで議論となっていた論点を検討しています。その上で、システム上での解決と運用での解決の2つのアプローチを用意しています。スーツアップでは、特にコミュニケーション画面を設けて、会社内のコミュニケーションの整備をしやすいようにしています。タスク管理は、部署やプロジェクト内でコミュニケーションを図ることで解決した方が良いことも多くあると思っています。

 

質問3 管理職スタッフは各タスクの進捗が気になると思いますが、スーツアップには進捗に関する入力項目がありません。どのように進捗管理をすればいいのでしょうか。

 

ご指摘のとおり、スーツアップではタスクの進捗状況に関する入力項目がありません。私たちはタスクの進捗管理については、システムでの機能的な解決ではなく、部署・プロジェクト内でコミュニケーションを図ることで進捗管理をしていくことが望ましいと考えています。

そもそも、なぜタスクの進捗管理を行うかというと、それは期限の遵守がビジネスの世界において非常に重要だからです。文字通り「時は金なり」で、時間は価格に直接的に影響を及ぼします。そのため、期限を遵守するために、管理職スタッフが、担当スタッフのタスクの進捗状況を把握したいと思うのは当然です。

これについて、私たちは、他のプロジェクト・タスク管理ツールによくあるシステム内に担当者が進捗状況を入力する方式を採用しませんでした。なぜなら担当者の自己評価による進捗状況ほど客観性にかけるものはないと思うからです。なお、本件に限らずですが、システム内でタスク設定・更新にかかる入力項目が増えることも、運用の観点からスタッフの負担になるため望ましいとは考えませんでした。

例えば入社して間もない新入社員がタスクの進捗状況を80%と入力したとします。まともな管理職スタッフであれば、この経験が浅く、信頼関係もまだ構築できているとは言い難い状態の新入社員の80%という評価はそのまま鵜吞みにせずに、本当に80%と評価できる進捗状況か新入社員に確認をすると思います。この事例でご理解いただけると思いますが、自己評価で進捗状況を報告させることは信頼性が高い入力項目ではありません。

そこで私たちは本来あるべきタスクの進捗状況の報告方法について考えました。そして、それは期限管理の徹底と、部署・プロジェクトでの定例会議による小まめなコミュニケーションという結論に至りました。

タスクの進捗管理をするためには、いつまでにそのタスクを実行しなければならないのかという期限の確認とタスクの実行から完了までに費やす時間の見積りが必要になります。タスクの期限については、スーツアップでは「期限1週間前」「期限3日前」「本日期限」「期限超過」及び「完了」などの期限について5つの一覧表示を選択できます。また、タスクごとに期限通知を設定することもできます。これらがあれば期限管理の徹底は可能です。

タスクの完了までに費やす時間の見積りと進捗状況については、タスク管理ツール「外」で起きている要素が多過ぎて、システム管理に適しません。タスクの完了までに費やす時間の見積りについては、タスクの設定の仕方、担当者の習熟度、担当者のそれ以外のタスクの状況、また、タスクが自己完結せずに他者と連携するものであった場合はその人との連携状況など変数が多過ぎるのです。進捗状況も同様で、定型タスクで進捗を客観的に分かりやすく評価できるタスクを除いて、複雑な要素を考慮して、状況把握するしかありません。

これらは、やはりチームでの小まめなコミュニケーションが信頼性の高い管理方法だと思います。定例会議を通じて、担当者が期限までにタスクが完了しない可能性がある旨を報告したり、責任者やその他スタッフが進捗状況について担当者に報告を求めてフィードバックを行ったりすることです。タスクの期限超過になってしまう多くの場合、担当者が期限までにタスクを完了できると目測を誤ってしまっている場合のように思います。その点、チームで小まめにコミュニケーションを図れば、担当者以外の客観的な視点をもって、期限を遵守できるのかを判断することができます。

以上のように、スーツアップでは、タスクの進捗管理については、システム内で入力をせずに、チームでコミュニケーションを密に取ることで解決していただきたいと考えています。

 

質問4 全社ではなく、一部署での導入でも、スーツアップを導入する効果はあるのでしょうか。

 

スーツアップは、全社ではなく、一部署での導入でも効果があります。私たちは全社タスク管理の実現を推奨しておりますが、スーツアップの導入については、タスク設定・更新にかかる入力に自信がない会社には段階的な導入をお勧めしています。具体的には、社長をはじめ経営幹部だけで使用してみる、または、一部署のみでの使用をお勧めしています。

スーツアップは、個人、部署・プロジェクト及び全社単位でチームでタスク管理を行うことができるツールです。全社で導入すると、これら全ての単位でタスク管理が実現できますが、一部署の導入でも、個人と部署でタスク管理を行うことができます。

一部署の導入の場合は、全社での導入と同じく、組織とコミュニケーションを設定していただき、部署に所属するスタッフが参加する定例会議において、部署内のタスク管理を進めてもらえればと思います。個人と部署とそれぞれタスクをしっかりと管理するだけでも、スムーズにタスクが進められるようになります。また、部署内でのタスクが「見える化」されますので、人にタスクが紐づいていてブラックボックス化していたタスクも把握できるようになり、部署内でのコラボレーションも促進されることになります。

システムの導入担当としては、スーツアップを一部署に導入して効果が上がったら他部署にまで拡大していき、最終的に全社に導入していくのが、負荷の少ない導入方法だと思います。このあたりについては、システム導入・運用にかかる会社のケイパビリティ(組織力)に鑑み、導入範囲の決定を行うことをお勧めいたします。

なお、α版をリリースして3か月が経過いたしましたが、導入する会社の社長に全社タスク管理を実現したいという想いが強い場合は、最初からスーツアップの全社導入をしていただいています。それこそ一気呵成にスタッフみんなで協力しながらスーツアップの導入を図るのも一つの選択肢だと思います。そのため最初から全社導入を行う事例も数多くあります。

 

質問5 スタッフ数が少なく、ほぼ常に一緒に働いているのですが、導入のメリットはありますでしょうか?

 

スーツアップは、スタッフ数が少なくとも、導入のメリットがあります。むしろ例えば株式上場を目指すスタートアップのように、今後スタッフを増やしていって組織を拡大する会社は早い段階で導入をしていただいた方が良いと思います。

スーツアップのα版は、主に10名以上100名未満の中小企業等をターゲットにしています。なぜ10名以上と定義しているのかというと、スーツアップは全社タスク管理ツールと全社的にタスク管理を行うことを目的としたツールにしているため、例えばスタッフ数が5名だと部署やプロジェクト単位でのタスク管理を必要とせず、スーツアップの全ての機能をお使いいただけないからです。こちらには、スーツアップは使用料として月額料金をいただくため、より費用対効果を高く出してお客様に高い満足度を得てもらいたいといった理由もあります。

しかし、スタッフ数が少ない場合であっても、チームでタスク管理を行うにはスーツアップは優れた効果を発揮します。この場合は、組織設定の「部署の定義」で部署数を1つまたは2つ登録していただいて、主に全社でのタスクの「見える化」を目的としていただくと良いと思います。もちろん表計算ソフトと違って、定型タスクの登録によるタスクの自動生成、タスク期限通知などスーツアップならではの効率的なタスク管理を実現できます。

もしくは、前述のとおり、組織を拡大したいと考えている会社は、将来拡大する予定の組織図に基づいて「部署の定義」をしていただいて、その部署単位でタスク管理を行うと良いと思います。スタッフが採用されたら、「スタッフ一覧」でそのスタッフを登録していけば、入社時から部署のタスクが一覧となっており、スムーズに部署内の業務を把握し覚えることができると思います。また、コミュニケーションにおいても、少人数のスタッフ数の時から定例会議を分けて開催していれば、スタッフの拡大時に情報共有ができておらず起きるトラブルなども回避できると思います。

このようにスーツアップは決してスタッフ数が10名に満たなくとも導入のメリットがありますので、前向きにご検討をいただければと思います。もしご興味がある方は、1ヶ月間無料でお試しいただくこともできますので、お気軽にお問い合わせください。

 

(続く)第4回 スーツアップはITスキル不要!中小企業のためのかんたんに継続できる全社タスク管理ツール!

 

【関連ブログ】

1.スーツアップで実現する全社タスク管理の導入・運用方法

2.チームのためのタスク管理と正しいタスク管理の方法

3.スーツアップは全社タスク管理をかんたんに実現するツール

 

【2024年新春企画スーツアップQ&A】

第1回 スーツアップはかんたんをキーワードにタスク管理ツールの定番ツールへ

第2回 スーツアップは多機能ではない本質的な価値提供で多くのユーザーに使われるタスク管理ツールへ

第3回 タスクの”粒度”や進捗管理はコミュニケーションで解決!

第4回 スーツアップはITスキル不要!中小企業のためのかんたんに継続できる全社タスク管理ツール!

第5回 スーツアップは人間工学に基づいて全社タスク管理を実現!

 

※ 「経営支援クラウド」「Suit UP」及び「全社タスク管理」は株式会社スーツの登録商標です。

 

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

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