DXを推進するエクセル活用術を解説！

近年の日本でも注目度が高まっている、DX（デジタルトランスフォーメーション）。

多くの企業が重要課題としているので、「DXの目的や具体的な取り組み方法を知りたい」という人も多いはずです。

しかし、「そもそもDX推進とエクセルの関係性がよく分からない」という人もいるかもしれません。

本記事では、DXにおけるエクセルの活用術や、エクセルからの移管におすすめなDXツールを紹介します。

ぜひDXを成功させて、次のステージに向かいましょう。

DXとは

DX（デジタルトランスフォーメーション）とは、デジタル技術を活かして企業の価値を高める変革を行うことです。

現在では、人材不足や市場競争の激化という社会情勢の背景もあり、DXの必要性が高まっています。

DXを実施する主な目的は、次の通りです。

• 業務の効率化
• 生産性の向上
• 顧客満足度の向上
• 新しいビジネスモデルの創造
• 意志決定の高速化と正確性の向上
• リスク管理の強化

以上の目的を果たすには、データの収集・分析・活用が欠かせません。

現状の課題を把握し、適切なプロセスで解決する必要がありますよ。

DXにおいてエクセルが重要な理由

エクセルには、なじみのあるビジネスパーソンが多いので、活用するとDXに取り掛かりやすくなります。

エクセルがDXを実施していくうえで重要な役割を担っている理由について、確認していきましょう。

多くの企業でエクセルが活用されている

エクセルは、表計算ソフトとして汎用性が高いツールです。

さまざまな業界のあらゆる業務で活用できるので、多くの企業で日常的に活用されてきました。

だから、必要な資料をエクセルで作成・フォーマット化し、長年使い続けているケースは多いです。

企業やチームの状況によっては、別のツールを使用したり新たなシステムを導入したりすることもあります。

ところが、エクセルのほうが使い勝手がいいと感じる場合が多いかもしれません。

データ管理・分析の基盤になっている

汎用性が高いエクセルは、数値やテキストなどの生データを収集する際によく活用されます。

CSV出力したデータも、ひとまずエクセルで管理する人が多いですよね。

また、エクセルにデータが溜まってくると、分析にもエクセルがそのまま使われる傾向があります。

データ管理と分析の基盤になっているツールと言っても、過言ではありません。

エクセルが業務に根付いているケースも多いので、DXを進めるうえで重要ですよ。

DXの第一歩として始めやすい

エクセルは、従業員全体でDXを始める際の第一歩として最適なツール。

デスクワークを行う社会人なら、ほとんどの人がエクセルの操作方法を知っているはずです。

いきなり高額なツールを導入すると、ハードルが高くなってしまうかもしれません。

だから、すでに使用しているエクセルのレベルを向上させるほうが、取り組みやすい可能性が高いですよ。

DXを推進するエクセル活用術

DXを推進するうえで、以下のエクセル活用術から始めてみましょう。

4つの基本的な活用術を身につければ、業務効率や生産性が上がることが期待できます。

関数を利用する

関数の利用によって、業務の効率や精度を高めましょう。

エクセルに登録すればデータに合わせて自動で計算してくれるので、複雑な計算式を覚える必要はありません。

手入力と比較すると、かかる手間や時間を大幅に削減でき、正確な計算結果も得られますよ。

作業を自動化する

エクセルでは、以下の2つの方法で作業を自動化できます。

ぞれぞれ特徴を確認していきましょう。

マクロ・VBAを利用する方法

マクロ・VBAを活用すれば、繰り返しの手作業を自動化できるので、作業時間もミスも減らせます。

マクロとは、そもそもパソコン上の機能を自動化できることで、設定するためにプログラミング言語が必要です。

エクセルなどのMicrosoft Officeツールでは、VBAというプログラミング言語を使用します。

簡単な内容であれば、プログラミングの知識がなくても問題ありません。

マクロを登録してデータの集計や表・グラフの作成を自動化すると、作業が劇的に速くなることを実感できますよ。

Power Automateを利用する方法

Power AutomateというMicrosoft社の自動化ツールを利用することで、エクセルの自動化が実現します。

Power Automateがあれば、日々の繰り返し業務の負担を軽減し、人為的なミスを防げるはずです。

データ分析を効率化する

エクセルでは、Power PivotやPower Queryなどの拡張機能を利用して、データ分析を効率化できます。

Power Pivotは、複数のデータソースから大容量のデータを処理します。

ピボットテーブルやピボットグラフなどの分析やレポートの作成が可能です。

Power Queryは、エクセル外のデータをインポートして加工を行います。

CSVファイルやXMLファイル、データベースなどの活用に有効です。

データを取り込むとエクセル上で処理ができるようになりますよ。

BIツールでデータを見える化する

PowerBIというMicrosoft社のBIツールも便利です。

利用することで、複数のデータソースから大量のデータを分析し、結果を見える化できます。

PowerBIは可視化することに特化しているので、豊富なビジュアルがそろっていて、簡単な操作で作成可能です。

また、データの階層を変えたり、要素の詳細を確認したりすることもワンクリック。

スピーディーに仕事を進められるので、ぜひ試してみましょう。

DXでエクセルを使うときの課題

DXでエクセルを使用する際には、以下の4つの課題があります。

対応策を検討してから取り組むようにしましょう。

データが増えると処理に時間がかかる

エクセルは、データ量が増えると処理に時間がかかるので、スムーズに作業できません。

大量のデータや複雑な関数に対しては、とくに動作が重くなる傾向があります。

また、エクセルはファイルごとに管理するので、ほかのツールと比較すると手入力が必要な場面が多いです。

ミスや手戻りで時間や労務が必要になる可能性もあるので、注意してください。

リアルタイムでのデータの活用が難しい

エクセルは、常にリアルタイムのデータを活用するのが難しいツール。

基本的に複数人での同時編集ができないので、最新の状態に更新すること自体が難しいです。

また、古いファイルを開いてしまったり、誤ってデータを上書きしてしまったりする可能性もあります。

十分に注意するようにしてください。

セキュリティリスクがある

エクセルは、近年のデジタルツールと比較すると、セキュリティ面が万全ではないことに注意が必要です。

ファイルを共有する際に、別のツールで送信することが多いのも、セキュリティ面の不安の一因…。

複製が容易で、さまざまなデバイスでファイルを開けるのは便利ですが、デメリットもあります。

情報漏洩やデータ喪失が起こりやすいので、意識的に対策しなければいけません。

エクセルからの移管におすすめなDXツール

DXツールを新たに導入して、エクセルへの依存を解消していく場合、以下のツールがおすすめです。

それぞれのツールの特徴や、エクセルとの違いについて確認していきましょう。

業務管理システム

業務管理システムは、特定の業務に特化し、管理・運用できるシステムです。

主な例として、以下の3つのシステムを紹介します。

ERP（基幹システム）

ERPは、Enterprise Resource Planningの略で、ヒト・モノ・カネなどを一元管理する基幹システムです。

データの収集・分析・レポートの作成・マスタの管理などを行います。

エクセルよりも大容量のデータや複雑な処理に強く、セキュリティ面・アクセスや操作の利便性も高いです。

また、ほかのシステムとの連携もしやすく、さまざまな面でメリットが感じられますよ。

CRM（営業管理システム）

CRMは、Customer Relationship Managementの略で、顧客データを管理する営業系のシステムです。

顧客や案件の情報を一元管理し、分析できるので、マーケティングや営業のプロセスにも用いられます。

エクセルでは難しかった情報の一元管理がしやすく、営業活動に欠かせない社内共有も容易にできます。

RPA（業務自動化システム）

RPAは、Robotic Process Automationの略で、従業員が手作業で行っていた業務を自動化するシステムです。

データの転記などは、従業員の手作業よりもロボット化したほうが、業務フローが速く正確になりますよ。

エクセルのマクロでも作業を自動化できますが、Microsoft社のツール内に限られます。

RPAは、さまざまなシステムと連携できるので、幅広い作業を自動化可能です。

上記のほかにも、在庫管理システムや会計システムなどがあるので、必要に応じて活用してください。

ノーコードツール

システム開発が自動化されていて、プログラミングの知識がなくてもシステム構築できる、ノーコードツール。

本格的なシステムが必要になる重要な業務ではなく、それなりに手間がかかる日常作業に適しています。

今までエクセルに手入力していた業務をノーコードツールに移管すれば、時間短縮やミスの防止につながるはずです。

また、セキュリティを強化したり、共有が容易になったりする効果も期待できますよ。

データベース

データベースは、データを管理するシステムのことで、データの整理や検索を高速で実施できます。

セキュリティ面やアクセスのしやすさなどでも、エクセルより性能が高いですよ。

データ量が増えたり複雑な処理が必要になったりした際は、導入を検討するタイミング。

エクセルからデータベースに移管して、仕事のパフォーマンスを上げましょう。

まとめ：エクセルや新しいツールを活用してDXを推進する

DX推進において、エクセルは切っても切れない存在です。

企業によっては、DX推進に伴って脱エクセルを図るケースもあるかもしれません。

しかし、エクセルのメリットを活かして使用方法を工夫することが、DXの手がかりになる可能性もあります。

エクセルのレベルアップや新しいツールとの併用に取り組んで、DXを進めていきましょう。