報連相とは?意味・目的・3要素をわかりやすく解説【できない原因と改善のコツ】

報連相(ほうれんそう)とは、報告・連絡・相談の3つの頭文字をとった言葉で、チームで仕事を円滑に進めるための基本的なコミュニケーションの型です。

新人研修で最初に教わる一方、「何を・いつ・誰に伝えればいいのか」の線引きは意外とあいまいなまま使われがちです。

この記事では、報連相の意味と由来、報告・連絡・相談それぞれの違い、目的とメリット、できない原因と上達のコツ、そして受け手の心得「おひたし」からチームで仕組み化する方法までを、図解でわかりやすく整理します。

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目次

報連相とは?意味と由来をわかりやすく解説

報連相=報告・連絡・相談の3要素をまとめた図解

報連相とは、報告・連絡・相談の総称で、チーム内で情報を過不足なく回し、判断の遅れやミスを防ぐための基本の型です。

報連相の意味(報告・連絡・相談の頭文字)

報連相は、告・絡・談の頭文字を並べた造語です。

読み方は「ほうれんそう」で、野菜のほうれん草にかけて覚えやすくしたビジネス用語として広く定着しています。

3つはそれぞれ向きと役割が違います。

報告は“戻りの矢印”、連絡は“横への共有”、相談は“分岐点での問いかけ”と押さえると、混同せずに使い分けられます。

つまり報連相は「一人で抱え込まず、必要な情報を必要な人に、適切なタイミングで流す」という、チームで働くうえでの土台となる習慣を指します。

なぜ多くの企業で新人研修の最初に教えられるのかというと、報連相ができていないと、個々人がどれだけ優秀でも組織として力を発揮できないからです。

誰が何をしているか分からない、決定事項が一部にしか伝わっていない、判断に迷ったまま作業が止まる——こうした“情報のつまり”は、そのままチームの生産性を下げます。

報連相の由来|1982年に山崎富治氏が提唱

報連相という言葉は、もともと日本語に存在した熟語ではありません。

1982年、当時の山種証券(現・SMBC日興証券グループにつらなる証券会社)社長だった山崎富治氏が、社内運動として提唱したのが始まりとされています。

山崎氏は1986年に『ほうれんそうが会社を強くする──報告・連絡・相談の経営学』を著し、この言葉は社会に広く知られるようになりました。

ちょうど「風通しの良い組織づくり」への関心が高まっていた時期と重なり、覚えやすい語感も手伝って、報連相はビジネスの共通語として定着します。

野菜の「ほうれん草」になぞらえたのは、堅い経営用語としてではなく、現場の誰もが親しみを持って口にできるようにという狙いからでした。

つまり報連相は当初から、上からの管理の道具ではなく、社員みんなで育てる“社内文化”として提唱された言葉だったのです。

見落とされがちですが、提唱者の本来の狙いは「部下に報告を義務づけること」ではありません。
上司の側が、報告・連絡・相談をしやすい風通しの良い職場をつくることに主眼がありました。
この視点は後半の「おひたし」につながります。

報告・連絡・相談の全体像(早わかり比較表)

3要素は「誰が・誰に・何を・目的」で並べると違いが一目でわかります。

まずは全体像を押さえ、次章でひとつずつ深掘りします。

→ 表は横にスクロールできます

要素主な向き伝える中身目的
報告部下 → 上司指示された仕事の進捗・結果・トラブル仕事を完結させ、判断材料を渡す
連絡全方向(横も縦も)事実・決定事項(意見は入れない)関係者の認識をそろえる
相談部下 → 上司・同僚判断に迷う論点・自分なりの案独断を避け、リスクを下げる

ポイントは、報連相が「部下だけの義務」ではなくチーム全員で回すものだということです。

連絡は立場に関係なく全員が担い手になります。

使う順番にも目安があります。

仕事の入口では、進め方に迷えばまず相談し、動き出したら要所で報告を上げ、決まったことは関係者へ連絡して認識をそろえる——という流れが基本です。

3つはバラバラの動作ではなく、ひとつの仕事の中で行き来しながら使う、と捉えると自然に身につきます。

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報告・連絡・相談の違いをひとつずつ解説

報告・連絡・相談の違いを役割ごとに整理した解説図

報告・連絡・相談は、それぞれ「定義・よくある誤解・具体例」をセットで押さえると、実務で迷わなくなります。

3つはよく似ているようで、伝える相手・中身・目的がはっきり異なります。

とくに混同しやすいのが「報告」と「連絡」です。

報告は自分が受けた仕事に対する“戻り”であり、連絡は自分の仕事に限らない事実の“共有”だと区別すると、どちらで伝えるべきかが判断しやすくなります。

以下でひとつずつ見ていきましょう。

報告(ほうこく)とは?

指示を受けた仕事の進捗や結果を、上司や依頼者へ自分から伝えることです。

報告の概念図

報告は「上司→部下」で出した指示に対して、部下が「今どこまで進んでいるか」「終わったか」「トラブルは無いか」を返す“戻りの矢印”です。

仕事は指示だけでは完結せず、結果が返って初めて一区切りします。

だからこそ報告は、頼まれた側から自発的に上げるのが基本になります。

報告で最も価値が高いのは、良い知らせよりも悪い知らせです。

ミス・遅れ・クレームなどのマイナス情報は言い出しにくく、つい後回しになりがちですが、早く共有されるほど打ち手の選択肢が多く残ります。

逆に、都合の悪い事実が隠れたまま進むと、気づいたときには取り返しのつかない規模になっていることも珍しくありません。

「悪い報告ほど早く・結論から」が実務の鉄則です。

誤解されやすい点:報告は「終わってからするもの」と思われがちですが、長い仕事は途中経過(中間報告)が欠かせません。
区切りの良いところや、雲行きが怪しくなった時点で一度上げると、上司は軌道修正の指示を出せます。

具体例:「A社向けの提案書、9割方できました。1点だけ見積もりの前提を確認したいので、今日15時までにご相談させてください」——進捗・残作業・次のアクションをセットで伝えるのが良い報告です。

  • 連絡:事実・情報の共有(自分の意見や判断は入れない)
  • 相談:判断に迷ったときに意見を仰ぐ行為
  • 中間報告:仕事が長引くときに途中経過を上げること

連絡(れんらく)とは?

業務に関係する事実や決定事項を、必要な相手へ広く共有することです。

連絡の概念図

連絡は、自分の意見や解釈を交えず「事実そのもの」を関係者に届ける横と縦の情報共有です。

会議の日程変更、来客の予定、納期の確定、担当者の変更など、知らないと業務に支障が出る情報を、必要な人へ・過不足なく・早く回すのが役割です。

上下関係に関わらず、全員が担い手になります。

連絡でつまずく典型は「誰に送るか(宛先)」と「いつ送るか(タイミング)」の設計ミスです。

関係者の一部に届かないと認識のズレが生まれ、遅れて届くと手遅れになります。

口頭だけの連絡は「言った・言わない」の水掛け論を生みやすいため、日時・数字・決定事項など後から参照する情報は、チャットやツール上に文字で残すのが安全です。

誤解されやすい点:連絡に自分の判断や憶測を混ぜると、事実が歪んで伝わります。
「たぶん大丈夫だと思います」ではなく「先方から○日までと回答がありました」と、事実と意見を切り分けて伝えるのが連絡の基本です。

具体例:「本日の定例は、会議室の都合で14時→15時に変更になりました。参加者は同じです」——事実だけを、関係者全員へ、変更が決まった時点で共有する。

  • 報告:指示に対する進捗・結果の伝達
  • 情報共有:連絡を仕組みとして回す状態
  • 議事録:連絡を後から参照できる形で残したもの

相談(そうだん)とは?

自分だけでは判断が難しいときに、上司や同僚の意見・助言を求めることです。

相談の概念図

相談は、迷いや不安を抱えたまま独断で進めてしまう前に、経験や情報を持つ人の視点を借りる行為です。

「どちらの案が良いか」「この進め方で問題ないか」「トラブルにどう対処すべきか」など、判断の分岐点で早めに投げかけることで、大きな手戻りや事故を未然に防げます。

相談は弱さではなく、リスクを下げる積極的な行動です。

質の高い相談は「丸投げの質問」ではありません。

現状・自分なりの考え・選択肢・聞きたい論点を整理してから持ちかけると、相手は短時間で的確に答えられます。

「どうしましょう?」ではなく「A案とB案で迷っています。納期を優先するならA、品質ならBだと考えますが、いかがでしょうか」と、たたき台を添えるのがコツです。

誤解されやすい点:「相談=仕事ができない人がすること」という思い込みが、相談の遅れを招きます。
実際は逆で、判断に迷った早い段階で相談できる人ほど、致命的なミスを避けられます。
抱え込みこそが最大のリスクです。

具体例:「見積もりの値引き幅について、自分の権限だと判断がつきません。過去の事例と照らして、ご相談させてください」——迷いを抱え込まず、判断の分岐点で早めに投げかける。

  • 報告:相談の結果とった行動を後で報告する
  • 雑相(ざっそう):雑談まじりの気軽な相談
  • 1on1:定期的に相談できる場をつくる仕組み

報連相の目的とは?なぜ重要なのか

報連相の目的とメリットを示した解説図

報連相の目的は、情報を共有して認識をそろえ、判断とリスク対応を最適化することにあります。
手段の徹底そのものが目的ではありません。

本当の目的は「情報の共有」と「判断の最適化」

報連相の目的は、大きく2つに整理できます。

1つは、チーム内で情報を共有し、全員が同じ前提で動ける状態をつくること。

もう1つは、問題やリスクを早く表に出し、上司や関係者がより良い判断を下せるようにすることです。

日本の労働生産性は主要先進国のなかで低い水準が続いており(公益財団法人 日本生産性本部が国際比較を公表)、その一因として、情報共有や意思決定の遅れといった組織内コミュニケーションの非効率が指摘されます。

報連相は、この「情報が回らないことによるムダ・手戻り」を減らすための基本動作です。

裏を返せば、報告のための報告や、形だけの連絡は目的から外れています。

組織間コミュニケーションの改善方法』のページの観点でも、大切なのは“やり取りの量”ではなく“必要な情報が必要な人に届くこと”です。

もう一つ見落とされがちな目的が「責任の共有」です。

判断に迷う場面で相談を上げておけば、意思決定はチームのものになります。

逆に相談せず独断で進めると、うまくいかなかったときに個人が抱え込むことになりがちです。

報連相は、成果だけでなくリスクもチームで引き受けるための仕組みでもあります。

こうした目的を押さえると、報連相を「新人が上司の機嫌をうかがう作法」と捉えるのは的外れだと分かります。

むしろベテランや管理職こそ、自分が握っている情報を周囲に流す責任があります。

情報が一部の人に偏っている状態は、その人が不在になった瞬間に業務が止まるリスクそのものです。

報連相は、役職や経験に関係なく全員が担うべきものだと理解しておきましょう。

報連相の3つのメリット

報連相がチームに根づくと、次のようなメリットが生まれます。

いずれも、個人の努力というより「チームで情報を流す仕組み」が効く領域です。

  • ミス・トラブルの早期発見:悪い情報が早く上がり、傷が浅いうちに対処できる
  • 手戻り・二度手間の削減:認識のズレによるやり直しが減る
  • 属人化の防止と育成:仕事の状況が共有され、抜けても引き継ぎやすくなる

この3つに共通するのは、いずれも「一人の頑張り」では届きにくく、情報が流れる状態があって初めて生まれる価値だという点です。

優秀な人が個々に全力を出しても、情報が分断されていれば、同じ資料を二人が別々に作るような重複が起きます。

報連相は、そのムダをなくし、チームの合計値を最大化するための潤滑油といえます。

この背景には「個人ではなくチームで成果を上げる」という考え方があります。

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松裕介氏は、著書『1+1が10になる組織のつくりかた』(実業之日本社、2025年)でも、生産性向上の土台として組織の構築とコミュニケーションの整備、そしてチームのタスク管理が挙げられています。

生産性向上に必要なのは、組織の構築とコミュニケーション、そしてその土台としてのチームのタスク管理である。

小松裕介『1+1が10になる組織のつくりかた ── チームのタスク管理による生産性向上』実業之日本社、2025年、ISBN 978-4-408-65143-9

これらのメリットは、コスト面にも効いてきます。

手戻りや二度手間が減れば、そのぶん残業や外注の追加費用が抑えられます。

報連相は「丁寧なやり取り」というソフトな話に見えて、実際にはムダな作業時間を削る、地に足のついた生産性向上策です。

テレワーク時代に重要性が増している

オフィスで隣に座っていれば自然に伝わっていた情報も、リモートワークでは意図的に流さなければ共有されません。

総務省『情報通信白書』総務省『通信利用動向調査』が示すように働き方の分散が進むなか、報連相の“設計”はこれまで以上に重要になっています。

厚生労働省の厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイトでも、離れて働くチームではコミュニケーションの取り方をルール化することが推奨されています。

「察してもらう」前提を捨て、文字と仕組みで残すのがリモート時代の報連相です。

リモートで効くのが、相手の時間を奪わない「非同期の報連相」です。

すぐに返事を求めるのではなく、チャットやタスク管理ツールに情報を残しておき、相手は都合の良いタイミングで確認する。

この形にすると、時差のある拠点や在宅勤務でも、会議を増やさずに情報を共有できます。

対面が減った分だけ、記録に残す報連相の価値は高まっているのです。

進捗の共有頻度に迷うときは、『進捗報告の適切な頻度の決め方』のページもあわせて参考にしてください。

報連相のよくある誤解とデメリット

過剰な報連相と適切な報連相の違いを対比した解説図

報連相は万能ではありません。
目的を見失うと、かえって時間を奪い、チームの動きを鈍らせる“過剰報連相”に陥ります。

「報連相の目的化」と過剰報連相

よくある失敗は、報連相そのものが目的になってしまうことです。

何でもかんでも細かく報告させる、確認のための会議が増える、返信のための返信が続く——こうした状態は、本来の「判断を早く・正しくする」という目的から外れています。

とくに上司が細部まで逐一報告を求めると、部下は報告資料づくりに時間を取られ、肝心の仕事が進まないという本末転倒が起きます。

これは行き過ぎるとマイクロマネジメントとなり、メンバーの主体性を奪います。

目安は「相手の判断や次の行動が変わる情報かどうか」。
変わらない情報まで逐一上げるのは、報連相ではなく“作業”になっています。

過剰になりやすいのは、上司の側に「把握できていないと不安」という心理があるときです。

ただ、その不安を細かい報告で埋めようとすると、部下の時間と主体性を削ってしまいます。

必要なのは報告の量を増やすことではなく、いつでも状況を確認できる状態をつくること。

この発想の転換が、過剰報連相から抜け出す鍵になります。

過剰報連相のもう一つの弊害が、報告する側の思考停止です。

何でも上司に確認する癖がつくと、自分で考えて判断する力が育ちません。

理想は、報連相で情報をそろえつつ、任せられる範囲は任せるバランスです。

どこまでを自分の裁量で決め、どこからを相談するのか——その線引きをチームで共有しておくと、過不足のない報連相に近づきます。

「報連相は時代遅れ」は本当か

近年は「報連相は古い」という声もあります。

ただしこれは、報連相という考え方が不要になったのではなく、“部下が上司に一方向で気を遣う儀式”になっていた運用への批判と捉えるのが正確です。

過度な報告書づくりや、承認のためだけの会議が積み重なれば、たしかに「報連相=ムダな手間」という印象になってしまいます。

情報共有ツールが普及した今も、「必要な情報を、必要な人に、適切なタイミングで流す」という本質は変わりません

変わったのは手段で、口頭や紙からチャット・タスク管理ツールへと器が移っただけです。

つまり報連相は、時代に合わせて“やり方”を更新すべきものであって、“考え方”を捨てるべきものではありません。

むしろ働き方が多様になったいまこそ、情報を意図的に流す設計が問われています。

たとえば、進捗をいちいち口頭やメールで報告する代わりに、タスク管理ツール上でステータスを更新しておけば、上司はいつでも自分のタイミングで状況を確認できます。

これは報連相をやめたのではなく、“プッシュ型(都度知らせる)”から“プル型(見たいときに見る)”へ手段を進化させた形です。

本質を残しつつ器を変える、という発想が現代の報連相には欠かせません。

報連相ができない原因と上達の5つのコツ

報連相ができない原因と改善のコツを整理した解説図

報連相ができない原因は、本人の意識だけでなく「言い出しにくい雰囲気」や「型を知らないこと」にもあります。
原因を切り分けると打ち手が見えます。

報連相ができない主な原因

「報連相が苦手」と一括りにされがちですが、原因は人によって異なります。

大きくは、本人側の要因と、環境(受け手)側の要因に分けられます。

  • 何を・いつ・誰に伝えればよいか、型を知らない
  • 報告すると怒られる・否定されると感じ、心理的に言い出しにくい
  • 忙しくて後回しにし、タイミングを逃す
  • 「これくらい自分で判断すべき」と抱え込んでしまう

とくに「報告すると叱られる」という経験が、悪い報告を遅らせる最大の要因です。

心理的安全性が低い職場ほど、都合の悪い情報が隠れやすくなります(職場のメンタルヘルスは厚生労働省「こころの耳」働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトが参考になります)。

原因別の詳しい対処は『報連相ができない原因』や『報連相ができない人の5つの特徴と改善策』のページで掘り下げています。

ここで大切なのは、報連相ができないのを本人の性格や意欲の問題だけにしないことです。

型を知らないなら教える、言い出しにくいなら受け手が態度を改める、タイミングを逃すなら報告の場を定例化する——というように、原因ごとに打ち手は変わります。

「なぜできないのか」を切り分けずに「もっと報連相しろ」とだけ求めても、状況はなかなか改善しません。

報連相が上達する5つのコツ(送り手側)

送り手側が意識するだけで、報連相の質は大きく変わります。

次の5つを順番に身につけるのがおすすめです。

  1. 結論から伝える:「結果は○○です。理由は3点あります」とPREPの型で先に結論を言う
  2. 事実と意見を分ける:「先方は○日と回答」(事実)と「間に合うと思う」(意見)を混ぜない
  3. 5W1Hで具体的に:いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうを埋め、曖昧さを消す
  4. 悪い報告ほど早く:マイナス情報こそ即・結論から。抱え込みが最大のリスク
  5. 相手の状況を選ぶ:緊急でなければ相手の手が空いた時に。緊急ならその場で

相談のときは「たたき台」を添えるのがコツです。
丸投げの質問ではなく、自分なりの案と選択肢を用意すると、相手は短時間で的確に答えられます。

この5つのなかでも、最初に効果が出やすいのは「結論から伝える」です。

日本語はどうしても経緯から話しがちですが、忙しい相手には結論が見えず負担になります。

「結論→理由→具体例→もう一度結論」というPREPの型を、口頭でもチャットでも意識するだけで、報連相は一気に伝わりやすくなります。

そのうえで忘れたくないのが、報連相は“慣れ”で上達するという点です。

最初はぎこちなくても、型に沿って数をこなすうちに、何を・どのタイミングで伝えるべきかの感覚が身についていきます。

上司の側も、最初から完璧を求めず、報告してくれたこと自体をまず認める。

この積み重ねが、送り手の心理的なハードルを下げていきます。

受け手の心得「おひたし」とチームでの仕組み化

報連相をチームの仕組みに変える運用ステップの解説図

報連相は送り手の努力だけでは続きません。
受け手の姿勢(おひたし)と、続く仕組みの2つがそろって初めて定着します。

受け手の心得「おひたし」とは

「おひたし」は、報連相を受ける上司・先輩が守るべき4つの心得の頭文字をまとめた言葉です。

提唱者が本来伝えたかった「報連相しやすい職場づくり」を、受け手の行動に落とし込んだものといえます。

報連相というと、どうしても「部下がきちんと報告できるか」に目が向きがちです。

しかし実際には、報連相が滞る職場の多くで、受け手である上司の反応に原因があります。

報告のたびに責められたり、相談しても否定から入られたりすれば、部下は自然と口をつぐみます。

おひたしは、その悪循環を断つための受け手のチェックリストです。

たとえば、部下が納期遅れを報告してきた場面を考えてみましょう。

「なぜもっと早く言わなかったんだ」と責めれば、その部下は次のトラブルをさらに抱え込むようになります。

逆に「教えてくれてありがとう。ではこう対応しよう」と受け止めれば、悪い情報が早く上がる関係が育ちます。

受け手の第一声が、チームの報連相文化を決めるといっても過言ではありません。

→ 表は横にスクロールできます

おひたし心得内容
怒らない感情的に叱ると、次から悪い情報が上がらなくなる
否定しない頭ごなしに否定せず、まず受け止めてから改善点を伝える
助ける困っていることに手を差し伸べ、一緒に打ち手を考える
指示する曖昧なままにせず、次にとるべき行動を明確に示す

とくに「怒らない」は悪い報告を早く上げてもらうための最重要ポイントです。

受け手が感情的に反応するほど、報連相は滞ります。

日常的に相談しやすい関係づくりには、『1on1ミーティングを機能させるコツ』や『フィードバックの意味と効果的な伝え方』のページも有効です。

なお「おひたし」以外にも、受け手の心得を表す言葉として「こまつな(困ったら・使える人に・投げる)」や「ちんげん菜(ちゃんと・言おう・報告・連絡・相談)」といった派生語があります。

いずれも根っこは同じで、“報連相は受け手の姿勢とセットで初めて機能する”というメッセージを、覚えやすい形にしたものです。

個人の心がけから“続く仕組み”へ

おひたしを心がけても、口頭ベースの報連相は「言った・言わない」や共有漏れが起きがちです。

そこで有効なのが、報連相を仕組みとして残すことです。

誰が・何を・いつまでにを一覧で見える化すれば、口頭報告に頼らずとも状況が伝わります。

これは国が進めるDX(デジタル庁経済産業省が中小企業の業務デジタル化を後押し)の方向とも一致します。

まずは『業務の見える化の進め方』や『日報の重要性と書き方』のページのように、日々の情報を記録・共有する型を整えるのが第一歩です。

仕組み化のツールを選ぶときは、多機能さよりも「全員が毎日、負担なく使い続けられるか」を重視するのがおすすめです。

どんなに立派な報告フォーマットを作っても、入力が面倒で更新が止まれば、結局また口頭とメールに逆戻りしてしまいます。

現場のメンバーが自然に触れる操作性かどうかが、報連相を定着させられるかの分かれ目になります。

報連相を“続く仕組み”にするなら『スーツアップ』

私たちが開発・運営するスーツアップは、表計算ソフトのような操作で、チームの「タスクの見える化」をして、タスクの抜け漏れや期限遅れを防ぐツールです。「誰が・どのタスクを・いつまでに」を表計算ソフトのような操作で見える化するため、口頭報告に頼らずチームの状況が伝わります。

自動の期限通知で「言い忘れ・聞き漏らし」を防ぎ、報連相をメンバーの心がけ任せにしないのが特長です。

※スーツアップはチームのタスクを“続けて見える化”することに特化したツールです。 無料トライアルあり(最新の料金・機能は公式サイトでご確認ください)

報連相に関するよくある質問(FAQ)

報連相の意味や使い方について、現場でよく寄せられる疑問を、Q&A形式でまとめました。

読み方や由来といった基礎から、苦手意識の克服法まで、気になる項目から確認してみてください。

報連相の読み方は?

「ほうれんそう」と読みます。報告・連絡・相談の頭文字をとった造語で、野菜のほうれん草にかけて覚えやすくしたビジネス用語です。

報告・連絡・相談の違いは?

報告は指示された仕事の進捗や結果を上司に伝えること、連絡は事実や決定事項を関係者に共有すること(意見は入れない)、相談は判断に迷ったときに意見を仰ぐことです。向きと目的が異なります。

報連相は誰が提唱したの?

1982年に、当時の山種証券社長・山崎富治氏が社内運動として提唱したのが始まりとされます。1986年の著書『ほうれんそうが会社を強くする』で広く知られるようになりました。

「おひたし」とは何ですか?

報連相を受ける側(上司)の心得で、「怒らない・否定しない・助ける・指示する」の頭文字をまとめた言葉です。報連相しやすい職場をつくるための受け手側の姿勢を表します。

報連相は時代遅れですか?

考え方自体は今も有効です。時代遅れと言われるのは、部下が一方的に気を遣う“儀式”になっていた運用に対してで、「必要な情報を必要な人に適切なタイミングで流す」という本質は変わりません。手段が口頭からツールへ移っただけです。

報連相が苦手です。まず何をすればいい?

「結論から伝える」「事実と意見を分ける」の2つから始めるのがおすすめです。あわせて、悪い情報ほど早く上げることを意識すると、大きなトラブルを防げます。

まとめ|報連相は“個人の心がけ”から“チームの仕組み”へ

報連相とは、報告・連絡・相談の総称で、チームで仕事を円滑に進めるための基本の型です。

3要素は向きと目的が異なり、報告は戻りの矢印、連絡は横への共有、相談は分岐点での問いかけと押さえると混同しません。

そして提唱者が本来伝えたかったのは、部下への義務づけではなく「報連相しやすい職場づくり」でした。

送り手のコツと受け手のおひたし、さらに“続く仕組み”の3つがそろって初めて、報連相はチームに根づきます。

個人の心がけに頼るだけでなく、情報を見える化して残す仕組みを整えることが、これからの報連相の要になります。

まずは「悪い報告ほど早く・結論から」を全員の共通ルールにし、上司は怒らずに受け止める。

そのうえで、進捗や決定事項を誰もが見られる場所に残していく。

この小さな積み重ねが、報連相を“気合いで頑張るもの”から“自然に回る仕組み”へと変えていきます。

報連相は、特別なスキルというより、チームで働く人なら誰もが身につけられる基本動作です。

今日の業務のなかで、まず一つでも「結論から・早めに」を実践するところから始めてみてください。

その一歩が、チーム全体の生産性を押し上げる土台になります。

参考文献・出典

チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

2025年5月に、『1+1が10になる組織のつくりかた チームのタスク管理による生産性向上』を出版。

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