第13回「サーチャーから見たサーチファンド起業」
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当社では、2025年7月23日にゲスト講師に、ジャパン・リレー・パートナーズ合同会社の小林 靖氏を迎え、第13回目となるスーツアップ特別ウェビナー「サーチャーから見たサーチファンド起業」を開催しました。
本稿では、中小企業の皆様にとって有益な情報が満載だった本ウェビナーの内容を、前編・後編の2回にわたりダイジェスト版としてお届けいたします。
前編は、ゲスト講師の小林氏による講演「サーチャーから見たサーチファンド起業」です。小林氏のご経歴は以下の通りです。
<ジャパン・リレー・パートナーズ合同会社 代表取締役 小林 靖氏>

早稲田大学商学部卒業後、豊田通商にて中南米での営業・与信管理、キューバ現地法人の立ち上げと経営、新規事業やM&Aに従事。IESE Business SchoolにてMBA取得。2024年、ジャパン・リレー・パートナーズを創業し現職。国内外17名の投資家とともに中小企業の承継と成長を目指す。一般社団法人日本サーチファンド協会創設者・代表理事。
後編のゲスト対談(ゲスト講師:ジャパン・リレー・パートナーズ合同会社 代表取締役 小林 靖、株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松裕介)はコチラから。
【まとめ】
- サーチファンドの全体像を理解する
- サーチャーというキャリア
- 顔の見える事業承継
- 日本におけるサーチファンドの現状
- サーチファンド成功の秘訣
ウェビナー内容
小林 靖と申します。本ウェビナーは「サーチャーから見たサーチファンド起業」というタイトルで、お話しさせていただきます。まずは私の経歴を簡単にご紹介させてください。
私は2012年に早稲田大学を卒業後、総合商社の豊田通商に入社しました。そこで約10年間勤務し、中南米のエクアドルとキューバに合計6年間駐在していました。主に日本の中小企業や大企業の製品を現地に販売する仕事をしていました。
特にキューバでは、豊田通商キューバという現地法人を立ち上げ、社長として初めて経営というものを経験しました。その後、スペインのバルセロナにあるIESEビジネススクールに留学し、昨年卒業と同時に豊田通商も卒業し、起業しました。「サーチファンド」をテーマにし、ジャパン・リレー・パートナーズを創業して、まもなく1年が経ちます。
サーチファンドとは何か?新しい起業のカタチ
まずはじめに、そもそもサーチファンドとは何なのか、というところから簡単にお話します。
起業というと、イーロン・マスク氏やスティーブ・ジョブズ氏のような、ゼロから新しいプロダクトやサービスを生み出し、世界を変える「ゼロイチ起業家」を思い浮かべる方が多いと思います。これに対し、サーチファンドは「買収を通じた起業」という「1から10」にする起業形態であり、アメリカで開発されました。
その目的は、新産業を作っていくのではなく、既に存在する事業を「1から10」にアップデートすることです。具体的には、後継者不在の優良な中小企業に起業家が後継者として入り、事業を成長させるというコンセプトで生まれました。
私たちはこのような起業家を「サーチャー」と呼んでいます。なぜなら、単に経営をするだけでなく、自分の思いを語り、資金を集め、人を巻き込んでいく、という点で、スタートアップの起業家と全く同じような動きをするからです。
ここで、サーチファンドの定義を明確にしておきたいと思います。サーチファンドとは、私のようなサーチャー自身が設立する法人のことを指します。この法人が投資家からお金を集め、その資金をもとに事業承継を行うという仕組みです。

サーチャーが語る、世界のサーチファンド動向
次に、サーチファンドが世界でどのような潮流になっているのかをご説明します。
サーチファンドはもともとアメリカで生まれた仕組みですが、今ではヨーロッパや中南米にも広がりを見せています。特に2010年以降、その数は年々増加しており、年間100~150件ほどのペースで増え続けています。

地理別に見ると、アメリカが約600件と圧倒的に多いですが、アジアはまだ数が少ないのが現状です。
では、実際にサーチファンドに挑戦する起業家は、どのような人たちなのでしょうか。海外のデータによると、挑戦する年齢の中央値は32歳と言われています。大学を卒業し、大企業で10年ほど経験を積んだ後、独立して中小企業の経営に飛び込んでいく、というのが一般的な流れです。
「そんな若者が中小企業を経営して、本当にうまくいくのか?」と思われるかもしれませんが、アメリカでは30年ほどの歴史があり、統計的に高い成果が出ています。IRR(内部収益率)の平均は35%に達しており、他のアセットクラスと比較しても非常に高いリターンを出しているんです。
この高いリターンを裏付けるのが、サーチファンドの成功確率です。100人が挑戦した場合、63人が事業承継に成功し、そのうち69%がリターンを出しているというデータがあります。最終的に、挑戦者のうち10倍以上のリターンを出せるのは5%ほどです。この統計からも、サーチファンドは「ミドルリスク・ミドルリターン」のアセットクラスとして位置付けられています。

成功事例から見るサーチファンドのリアル
30年の歴史の中で最も成功したと言われるのが、アシュリオンのケースです。スタンフォード大学のMBAを卒業した2人組がサーチファンドを設立し、自動車駆けつけサービスを提供する中小企業を買収しました。彼らは自動車サービスだけでなく、保険販売や携帯電話故障事業など、多角化を積極的に行い、売上を9億円から5,000億円にまで伸ばしました。
最終的に12年間の経営を経て、6,000億円のバリュエーションで大手企業に事業を売却したという、まさに「1から10」を体現した成功例です。

日本のサーチファンドは「トラディショナル型」と「アクセラレーター型」の2種類
次に、日本におけるサーチファンドの現状についてお話しします。
日本のサーチファンドは、海外とは少し違う形で発展しており、主に「トラディショナル型」と「アクセラレーター型」の2種類が存在します。
世界的に主流なのはトラディショナル型です。これは、サーチャー自身が10~20人ほどの投資家を自ら集め、ファンドを設立する起業家的なスタイルです。サーチャーが筆頭株主となるため、高い自由度をもって経営できるのが特徴です。
一方、日本では先に勃興したアクセラレーター型が主流になっています。これは、アクセラレーターと呼ばれるファンドがすでに存在し、サーチャーはそこのメンバーとして中小企業を探します。案件を見つけた際、アクセラレーターから資金提供を受け、経営者として事業を承継します。投資家は1社のみなので、コミュニケーション・コストが低いメリットがありますが、資本構成上、アクセラレーターが筆頭株主となるため、経営の自由度が損なわれるリスクもあります。
私は起業家としての自由度を重視したかったため、海外と同様のトラディショナル型を選びました。現在、国内外17名の投資家の方々に支援いただいています。

実際の案件から見えてくる、サーチファンドのターゲット企業
私がどのような基準で事業承継先を探しているのか、具体的な案件例を交えてご紹介します。
私が探しているのは、EBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えたもの)が1億円から6億円のレンジにある中小企業です。そして、以下のような特性を持つ会社を重視しています。
- 分散した市場: 特定のプレイヤーが市場を独占していない市場。
- 高付加価値の商品・サービス: ニッチでもいいので、利益率の高い商材を持つ企業。
- 海外取引の可能性: 商社での経験を活かせる、海外取引に強みを持つ企業。
具体的な案件例として、200年以上の歴史を持つ酒造会社、キャッシュリッチな運送会社、そして特に私が注目しているのが害虫駆除事業者です。
害虫駆除と聞くとB2Cを想像されるかもしれませんが、私が探しているのは食品工場やスーパーマーケットなどを顧客とするB2Bの事業者です。彼らは定期的に害虫駆除サービスを必要とするため、サブスクリプションのような安定的な収益が見込めます。これは非常に優れたビジネスモデルであり、アメリカでもサーチファンド起業家にとって人気の業種となっています。
ハーバード大学出身の2人組がサーチファンドを設立し、VDCという害虫駆除業者を買収した成功例があります。彼らは7年間で14社もの同業他社を買収し、売上を10倍以上に伸ばしました。その後、世界最大手の害虫駆除事業者に売却するという形で、大きな成功を収めています。

最後に:日本サーチファンド協会の設立
このような形で、私はまだまだ探索中の身ではありますが、サーチファンドは日本の社会や経済に大きなインパクトをもたらすポテンシャルを秘めたスキームだと信じています。
より多くの人にサーチファンドを知ってもらい、挑戦する人、支援する人を増やしたいという思いから、この度「一般社団法人日本サーチファンド協会」を立ち上げました。今後は、協会として横の連携を強化しながら、サーチファンドのエコシステムを拡大していきたいと考えております。

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