リーダーシップ往復書簡 064

企業再生をしていると、毎回のように「私がいなくなったら困りますよ。」とか「その仕事は、私にしかできない仕事ですよ。」と脅されます。

もちろん、その人にしかできない仕事が全くないとは言いませんが、多くの場合は、そのような特定の個人に紐づいた仕事がそうあるわけではありません。

会社が属するそれぞれの業界には、どんなに少なく見積もっても数百人から数万人の同じ業界人、つまりプロフェッショナルがいます。

そのため、ほとんどの場合は、「私がいなくなっても困らない」ですし、「その仕事は、私以外でもできる仕事」なのです。

なぜこのような話をしてくる人が多くいるのか。それは多くの場合、会社が良くなることに対して、自分の居場所はなくなってしまうのではないかと不安に駆られているからです。つまるところ、自分に自信がないのです。

そういった人たちは、いざという時に、自分の身を守るために常日頃から種をまいています。具体的には私だけしか分からない「ブラックボックス」を作るのです。外部との接点を自分だけにしたり、他のスタッフには難しい言葉でけむにまいたりして「大変だ。大変だ。」を繰り返すのです。

リーダーは、前向きなエネルギーを持って、こういった不安な人たちを安心させて、前を向かせて、再成長させなければなりません。

私もプロ経営者と名乗らせていただいていますが、他の経営者よりも少しだけ経営者歴が長いので、その分くらいは上手く会社経営できる自信はありますが、私でなければ務まらない仕事はないと思います。

人生と同じで、私たちは次の世代にバトンを繋ぐことが求められていて、自分でせき止めてしまってはいけないのです。ちゃんと次にバトンを繋ぐとしても、多くの先人たちは、その役割を果たしながら楽しい毎日を送っています。

リーダーは、不安に駆られている人が「自分がそこにいても大丈夫なんだ」という安心感を与えられなければなりません。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.64】
私は、会社で経営者などではなく、まだまだ若手社員なのですが、どのようにリーダーシップを発揮すればいいでしょうか?

 

<コメント>

本連載でも繰り返し述べてきていますが、リーダーシップに立場は関係ないのです。

そのため経営者であれ若手社員であれ、リーダーシップを発揮することはできます。

会社に所属する若手社員であったとしても、お客様が喜んでくれ、一緒に働くスタッフも喜んでくれ、社会からも評価され、商売としても十分に利益が取れる内容であれば、会社全体を動かすことができるでしょう。

例え若手社員であっても、リーダーシップを発揮すれば、その会社の公式な権限を持つ経営者としっかりと話ができ、その経営者を動かすことができるはずです。

多くのサラリーマンは、経営者が悪い、会社のルールがない、他の部署の問題だからなど誰かのせいにして、一歩を踏み出さなくなってしまっているのです。

世の中を良くすること、会社を良くすることは、意志さえあれば、誰にでもできることなのです。

私は多くのサラリーマンに同じ話をしています。まずは明日会社に行ったら、リーダーシップを発揮して、隣の人を捕まえて「会社を良くしたい」と話をすべきだと思います。

別にこれは恥ずかしいことではありませんし、むしろ組織人として立派なことだと思います。きっと新入社員として希望を持って入社したときには、恥ずかしげもなく、このような話をしていたのではないでしょうか。

世のため人のため、お客様のため、会社のため、周りの人のためという純粋な想いが人を動かすのです。質問者の方がリーダーシップを発揮することを期待しています。

 

※この記事は、2020年12月20日付Facebook投稿を転載したものです。

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

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