葛西 了太(株式会社synergeee(パートナーセールス研究会) 代表取締役)と小松裕介(株式会社スーツ 代表取締役社長CEO)によるQ&A

当社では、2025年6月11日にゲスト講師に、株式会社synergeee(パートナーセールス研究会)の葛西 了太氏を迎え、第10回目となるスーツアップ特別ウェビナー「中小企業向け パートナーセールスを学ぶ」を開催しました。

本稿では、中小企業の皆様にとって有益な情報が満載だった本ウェビナーの内容を、前編・後編の2回にわたりダイジェスト版としてお届けいたします。

後編は、ゲスト講師の葛西 了太氏(株式会社synergeee(パートナーセールス研究会) 代表取締役)と当社代表者の小松(株式会社スーツ 代表取締役社長CEO)による対談の内容です。葛西氏のご経歴は以下のとおりです。

<株式会社synergeee(パートナーセールス研究会)葛西 了太>

2010年に新卒で愛知銀行へ入行し、住宅ローン、投資信託・生命保険の販売などを行う個人営業や法人の融資営業を経験。

2014年に株式会社ビズリーチへ転職し、スタートアップ期から事業拡大に貢献し、全社の月間MVPを多数獲得。営業戦略の立案や営業の仕組み化推進、マネジメントなどにも従事し、半期優秀賞を2期連続で受賞。その後、社長室(当時:企画推進室)のプロデューサーとして地方創生プロジェクトや副業兼業プロジェクトなどを推進し、メディアに取り上げられる企画を多数創出。HRMOS事業部ではパートナーセールスに従事し、パートナー領域の事業成長率約250%を達成。

2024年11月に退職・12月に株式会社synergeeeを設立し、日本最大級のパートナーセールスコミュニティ「パートナーセールス研究会」を運営しながら、パートナービジネスのコンサルティング・伴走支援を行う。

前編のゲスト講師の葛西氏による講演「中小企業向け パートナーセールスを学ぶ」はコチラから。

【まとめ】

  • パートナーセールス注目の背景
  • パートナーセールスに向くプロダクト
  • 直販と代理店の顧客バッティング対応
  • 二次代理店の展開と金融機関との連携
目次

なぜ今、パートナーセールスがこれほど注目されているのか?

株式会社スーツ 小松裕介(以下「小松」といいます。):

パートナーセールス研究会は私も何度か参加させていただいているのですが、いつもすごい活況で、人数も多いですよね。なぜ今、パートナーセールスがこんなに注目されているのでしょうか?

株式会社synergeee(パートナーセールス研究会) 代表取締役 葛西 了太(以下「葛西」といいます。):

まずはやはり、SaaSプロダクトが増えているという点が一つ挙げられます。SaaSプロダクトが増えていく中で、いわゆる皆さんもご存知のキャズム越えをしようと思うと、先ほど申し上げた自社のマーケティング活動だけではリーチできない層が一定数いらっしゃるんです。SaaSが生まれてからある程度の年数が経ち、自社のマーケティング活動だけでは新しいリードを獲得できない会社が増えてきているということもあり、このパートナーセールスという手段が、ここ数年で非常に注目されているのが背景にあると思います。

小松:パートナーセールスという言葉は、この数年で急に広がっている気がします。昔は「代理店制度」と言っていたものが、カタカナ表記となったことで、新たな概念として認識されやすくなった印象を受けます。

パートナーセールスに向いているプロダクトの条件とは?

小松:今回は特に中小企業のパートナーセールスがテーマでしたが、これは中小企業DXと同じような文脈なのかもしれません。パートナーセールスにはまるプロダクトって、どんなものだとお考えですか?

葛西:はまるプロダクトの条件としては、一番は「売りやすいかどうか」が非常に重要だと思います。

自社の営業活動の中でも説明が難しいプロダクトだと、パートナー側が説明するのは難易度が上がってしまいます。そういった観点で、プロダクトの売りやすさは非常に重要です。それはプロダクト自体の売りやすさももちろんですが、プロダクトとしての認知度、例えばCMをたくさん打っていて誰もが知っているようなものであれば、もちろん売りやすくなりますし、そういった認知度なども売りやすさの一つの要素になるかと思います。

小松:当社のタスク管理ツール「スーツアップ」の価格は、1人当たり10名以下だと500円、11名以上だと1,080円とお手頃価格で提供しています。

このような価格が安いツールでも代理店パートナーセールスは通用するのでしょうか?何か気を付けたほうがいいことがあれば、ぜひお伺いしたいです。

葛西: 中小企業向けの単価が安いものでも、パートナーセールスとしては十分に展開できると考えています。一方で、このパートナービジネスの領域でよく言われるのが、提案難易度が高い商材ほど販売価格が高くなり、手数料も高くなる傾向にあるということです。逆に、販売価格が安くて売りやすいものほど、どうしても販売価格が低いため、手数料も安くなるという点は避けられません。

単価が低い商材の場合、いかにしてパートナー側の販売単価を上げられる工夫ができるかが非常に重要になります。

例えば、「スーツアップ」と何か別のサービスをセットでプランを組んで販売する。そうすれば、パートナー側は「スーツアップ」の手数料と、もう一つの商材の手数料、合わせて2つの手数料が入ってくるので、その人にとっての成績としては売上が上がりやすくなります。そういったセット販売という手段もあります。

もう少し上流のマーケティングに寄せてしまうと、メーカー同士で共催セミナーを開催し、そこにパートナー側から顧客を呼んでもらうといったことも考えられます。セミナーの中でリードを獲得し、そのままセットプランとして販売していくといった方法も一つ有効だと思います。

このように、セットで組んで展開するなどして、少しでもパートナー側が得られる利益やメリットを大きくできるかどうかが、単価の低い商材で工夫すべきポイントだと考えています。

小松:今セット販売のご提案を「代理店をやりたい」という方から受けていて、共催セミナーも一緒にやりたいというお話もいただいていたので、お話を伺って「まさに!」と思っていました。

葛西:例えばA社という代理店の人たちが、「スーツアップ」と、仮に人事系の管理ツールなどを扱っていれば、その2社でメーカー側が共催セミナーを開催し、そのパートナーからお客様をどんどん送客してもらうと、動き出しとしては比較的導入しやすい施策であると考えます。

直販と代理店の比率、および顧客バッティング時の処理について

小松:直販と代理店の比率についてお聞きしたいです。やはり直販をやっている会社は圧倒的に直販ばかりになってしまって代理店が弱い。逆に、パートナーセールスをやっている会社はパートナーセールスばかりになっていて、両方うまくやっているというのはあまり聞かないイメージがあるのですが、そのあたりはどうなのでしょうか?

また、直販でアプローチしている顧客と代理店が提案している顧客が重なった場合や、代理店同士でバッティングした場合、各社でルールが異なるように思います。このようなケースで、実際にはどのようなルールや運用で整理されているのでしょうか?

葛西:まず1つ目の、パートナーセールスと直販で半々ぐらいでうまくやれている会社があるかという話ですが、実際にありますよ。

ただ、おっしゃるとおり、SaaS自体がやはり最初立ち上げ時は「the Model型」で直販で垂直立ち上げをするというのが一般的なので、まだまだ直販比率の方が圧倒的に高いSaaSの会社の方が今は多いというのが実態としてあります。

中には、先行してパートナーセールスをやり始めている会社が、いよいよそういった4対6ないし5対5ぐらいの比率になってきている会社も現れ始めていると思います。

2つ目の、直販とパートナーで顧客が被った時の話ですが、これが最もトラブルに発展しやすい論点です。おっしゃるとおり、会社のスタンスによってちょっと変わってきます。

被った場合、結局選んでいただくのはエンドのお客様になってくるので、エンドのお客様が選んだ方を優先するという形でルール作りをしているメーカー企業もありますし、一方で先に提案していた方や、先に既得権を獲得していた方を優先するメーカー企業もあります。

この傾向としては、販売代理店やリセラー契約だと、基本的にはパートナー側が案件の創出から提案、クロージングまで行うので、そういった契約形態をメインにしているメーカー企業だと、どちらかというと「平等性の担保」を重要視して、エンドの企業が選んでいただくというスタンスを取っている傾向が強いのかなと思います。

逆に、紹介代理店制度のパートナーをメインにされているメーカー企業だと、提案するのはあくまでメーカーの直販側の企業ないし代理店営業の部門にいる営業担当が提案するという形になるので、その場合だと、どちらかというとエンドの企業が選ぶのではなく、先に提案した方が優先されるという傾向が強かったりするのかなと思います。

小松:ご参加いただいている皆さんも気になっているポイントだと思うのですが、二次代理店の扱いについても、ぜひお伺いしたいです。

葛西:二次代理店を広げるか広げないかは、各社のスタンスによって大きく分かれるなと思っています。ただ、何を優先すべきかにもよりますが、基本的には二次代理店に広げると面を取りにいけるので、広げた方が有効的に働くのかなとは思っています。

ただ、あくまで二次代理店に広げる場合は、一次代理店側にどれだけ管理を任せられるかというところは一つ検討すべき要素なのかなと考えています。あまりメーカー側の工数が増えすぎるようであれば、やめた方がいいのかなと。しかし、私個人的にはいろんな商材のお話を聞いていますが、どちらかというと広げた方が良い商材の方が多いのかなと思っています。

金融機関とのビジネスマッチング契約について

小松:前回のパートナーセールス研究会でも話題になっていたテーマの一つに、金融機関とのビジネスマッチング契約がありました。特に地方銀行の場合、地元の中小企業との強固な関係性を背景に、非常に強い営業ネットワークを持っている印象があります。

金融機関と組んで販路を広げていく際の特徴や、うまく機能させるための工夫・ポイントなどがあれば、ぜひお伺いしたいです。

葛西:この前のパートナーセールス研究会に参加した人は「もう聞いてるよ」という話になってしまうのですが、基本的には役務収益と呼ばれるM&Aの収益や、代理店の手数料の収益があまりない金融機関は狙わない方がいいです。

特に各地方の第一地方銀行と呼ばれる、本当にその地方のナンバー1・ナンバー2ぐらいの地方銀行になってくると、融資の利息の金利収入がかなりたくさん入ってくるので、それだけでやはり運営できてしまうところもあります。

そのため、あまりこういったビジネスマッチングには見向きもされないという傾向が強いです。もちろん各行によって特色は異なるので一概には言えませんが、どちらかというと第二地方銀行であったりとか、先ほどの役務収益をかなり頑張っている銀行だったりとか、そういった金融機関との提携を狙っていった方が良いのではないかと考えています。

パートナーセールスのリアル:粗利・単価・開拓の現場感とは?

聴講者(Aさん):粗利率が低い商材での手数料設計について、少しお伺いしたいです。

例えば、粗利率が10%程度の商材の場合、その中から代理店手数料として20%を支払うのは正直かなり厳しい、というケースもあります。また、単価が50万〜60万円前後の商材、例えばWeb制作などの場合も、仮に1社成約しても、代理店に支払える手数料が10万円以下になってしまい、金額としてのインセンティブが弱いという懸念も出てきます。

こうしたケースにおいて、そもそもパートナーセールスという手法自体が成立し得るのか、もちろん、売りやすさによっても変わるとは思うのですが、そのあたり含めて、ぜひ教えてください。

葛西: 単価が低くてもパートナーセールスの展開というのはできると考えています。先ほど話が上がった「スーツアップ」は単価が割と低めの商材ですが、それと同じように、うまく他のサービスとセットで組み合わせるなどといった工夫をして、パートナーの営業マンの人たちの売上単価を少しでも上げるような工夫が取れるのであれば、十分に可能だと思います。

一方で、先ほどの「売りやすさ」という側面で見ると、単価が低い商材は売りやすさはあるけど単価が低いという傾向があるので、その売りやすさが担保できているかどうかが肝になってきます。

聴講者(Aさん):ありがとうございます。実務寄りの話になるのですが、例えば地方銀行の入行1〜2年目くらいの若手営業担当は、一人当たりの月間売上目標はどれくらいのイメージですか?

葛西:これは「一人あたりの売上目標はいくらか」といった単純な金額ベースでの議論が難しいところでもあります。というのも、実際にはパートナー企業の業態によって評価基準や設計が大きく異なるため、一概に数値化しづらいのが実情です。

例えば、銀行を例に取っても、各行によって運用の仕方が異なっており、商材1件の販売につき「◯ポイント」といったポイント制で営業成績を管理しているケースもあれば、別の銀行では受注に応じて手数料額がそのまま成績に反映されるといった仕組みを採用している銀行もあります。

銀行のお話からは外れてしまいますが、前職のHRMOS時代に多く接点があった求人広告代理店などの新卒1〜2年目の若手営業担当に関して言うと、月間で粗利で100万から150万くらいが多かったです。

聴講者(Aさん):そうすると粗利100万から150万、手数料だけでということですよね?

葛西: おっしゃるとおりです。それくらい売れる商材だと売ってくれるということです。

聴講者(Aさん):仮に成果報酬7万円ですと、20件ぐらい頑張れば売れそうなものであれば販売に至る可能性が高いということでしょうか。

葛西:そうですね、 あとは一番パートナーが売っている商材とうまく組み合わせて売れるかどうかだったりとか、そういったところも実現できるとセットで売りやすかったりします。そうするとパートナーにとっても売上が上がりますし、御社にとっても一緒に売ってもらうことで販売量がどんどん増えますし、実現できるかなと考えています。

聴講者(Bさん):パートナーの新規開拓において、パートナー募集のLP作成や広告などマーケティングを打って相手からの流入を待つのか、こちらから一社ずつ能動的にアプローチするのか、どうされているのでしょうか?

葛西:まずパートナーを自社のパートナー戦略で考える上で、一気に増やしたいのか、それともある程度絞ってやりたいのかによって、取るべき手段は異なってくると思います。

仮に、とにかくまず数を増やすことを重要視するのであれば、パートナー募集のLP作成や広告展開、プレスリリースといったことも非常に有効的だと思います。一方で、絞ってやる場合は、LPや広告などは避けた方がいいのかなと思いますし、一社ずつ能動的に、ピンポイントで狙ったパートナー候補企業だけをアプローチするという方法もあります。

加えて、有効的なのは、社内の社員の人脈などでピンポイントにアプローチしていくことや、既存のユーザーにパートナーにもなっていただくといったことも、積極的に取り組んでいくべきだと思います。

あと私が実際にやっていたのは、HRMOSの時には直販部門は十分な予算を持っていたため、そちらでインテントセールスのサービスも導入していたので、そこで代理店系のキーワードを設定しておいて、そこで引っかかった人たちに対してアプローチをしていくといったこともやると、効率よく代理店開拓ができたりします。

さらに、既存のパートナーで営業代行系の企業さんがいらっしゃれば、あえてパートナー開拓をその会社に発注して、パートナーの開拓支援をしていただくという手段も有効です。そうすると、その代理店側の方でも商材の知識が溜まっていくので、パートナー側としても販売においてもその後機能しやすくなります。特に重点的に抑えたいパートナーで営業代行機能みたいなのを設けている会社がいらっしゃれば、その代理店開拓の業務をあえて意図的に発注して、その後のパートナービジネスにも発展させるような助走をしておくと、パートナービジネスの方も動きが加速しやすいのかなと思ったりしています。

小松:ありがとうございます。今回は「中小企業向け パートナーセールスを学ぶ」をテーマに株式会社synergeee(パートナーセールス研究会)の代表取締役 葛西さんからお話をいただきました。本日は葛西さん、本当にありがとうございました。

葛西: ありがとうございました。

<ご案内>

本記事は、中小企業の皆様向けに開催したスーツアップ特別ウェビナーの内容をダイジェスト版としてまとめたものです。

当社では、毎月2回、中小企業の経営者やご担当者様に向けて、 日本経済の中心である中小企業等の経営改善に貢献できるようなテーマのウェビナーを主催しております。

過去のウェビナーでは、第一線でご活躍されている経営者や専門家の方々をゲスト講師にお迎えし、中小企業を取り巻く経営環境、マーケティング、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、労働生産性の向上に繋がるマネジメントシステムの構築、M&Aなど、多岐にわたるテーマでご講演いただいております。

今後のウェビナー情報や過去のアーカイブについては、当社WEBサイトをご覧ください。

【中小企業向け パートナーセールスを学ぶ】 

「中小企業向け パートナーセールスを学ぶ」(ゲスト講師:株式会社synergeee(パートナーセールス研究会) 代表取締役 葛西 了太)

葛西 了太(株式会社synergeee(パートナーセールス研究会) 代表取締役)と小松裕介(株式会社スーツ 代表取締役社長CEO)によるQ&A

チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

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この記事を書いた人

スーツアップの広報担当です。スーツアップは、AIでかんたん、チームで毎日続けられるプロジェクト・タスク管理ツールです。表計算ソフトのような操作で、チームの「タスクの見える化」をして、タスクの抜け漏れや期限遅れを防ぎます。チームのタスク管理を実現することで、業務の効率化やオペレーションの改善が進み、大幅なコスト削減を実現します。

お問い合わせ先:pr@suits.co.jp

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