第15回「今、注目のキャリア『サーチャー』とは?その魅力と現実」
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当社では、2025年8月27日に、ゲスト講師に株式会社アングルクリエイト 代表取締役 飯島 隼人氏を迎え、第15回目となるスーツアップ特別ウェビナー「今、注目のキャリア『サーチャー』とは?その魅力と現実」を開催しました。
本稿では、中小企業の皆様にとって有益な情報が満載だった本ウェビナーの内容を、前編・後編の2回にわたりダイジェスト版としてお届けいたします。
前編は、ゲスト講師の飯島氏による講演「今、注目のキャリア『サーチャー』とは?その魅力と現実」です。飯島氏のご経歴は以下のとおりです。
<株式会社アングルクリエイト 代表取締役 飯島 隼人氏>
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福島県いわき市出身。横浜国立大学を卒業後、2014年に株式会社ベクトルに入社後、子会社の株式会社アンティルに出向。
BtoBの企業のコミュニケーション戦略立案および実行を強みに、多数のクライアント業務に従事しながら、営業部署を管掌。
2023年度には株式会社アンティルの執行役員に就任。グループのスタートアップ投資や新規事業領域にも携わる。
ロケットスターのサーチファンドのプログラムに参画し、2024年に株式会社アポロを立ち上げ。2025年1月、株式会社アングルクリエイト代表取締役に就任。
後編のゲスト対談(株式会社アングルクリエイト 代表取締役 飯島隼人、株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松裕介)はコチラから。
【まとめ】
- サーチファンドは、事業承継と経営参画を同時に実現できる新しいキャリアモデル
- アクセラレーター型は、支援体制の中で“社長就任”を目指すルートとして日本でも拡大中
- 経営経験やアセットの活用を通じて、ゼロイチとは異なる挑戦と成長が可能
- 「企業買収 → 経営 → 成長 → エグジット」の一連のプロセスに関われる実践的な経験
- まだブルーオーシャンの領域であり、ネットワークや注目を集めやすい店も魅力
ウェビナー内容
株式会社アングルクリエイトの飯島と申します。本日は、私自身のキャリアとサーチャーという働き方について、少しでも皆さまの参考になるようなお話ができればと思います。
まず簡単に、これまでの私のキャリアを紹介させていただきます。私は大学卒業後、新卒でベクトルという会社に入社し、グループ内で約10年にわたって様々な経験を積みました。主にスタートアップ投資や新規事業開発、そしてPR業務を中心に携わってきました。後半は、グループ会社であるアンティルの役員として経営に関わりながら、多くの企業の広報支援に取り組んでいました。
昨年6月に同社を退職し、もともと面識があったサーチファンドのオーナーの方にご縁からお声がけいただき、サーチファンドのプログラムに参加することを決意しました。そこから私のサーチャーとしての第二のキャリアが始まりました。
現在は、M&Aを通じて獲得した「ビジネスジャーナル」というメディアを基盤に、ウェブメディア運営、YouTube動画配信、リアルイベント・展示会の企画・運営といった事業を展開しています。最近では2件目のM&Aに向けて、YouTube運用会社の買収を進めています。PRの経験を活かしながら、メディアの力を使って中小企業支援に取り組む、そんなビジネスを組み立てています。
このような背景のもと、サーチャーとして活動する日々の中で感じていること、サーチファンドの仕組みそのものの魅力や実情、そしてキャリアとしての選択肢としてどうなのか、リアルな実感を込めてお話しできればと思います。
サーチファンドとは
自己紹介でも触れた「サーチファンド」について、まず基本的な仕組みを整理しておきたいと思います。
サーチファンドとは、一言で言えば「起業家候補(サーチャー)が投資家から資金や支援を受け、中小企業を買収して経営に乗り出す仕組み」です。一般的なPEファンドとの大きな違いは、先に社長になる人を決める という点にあります。PEファンドの場合は、ファンドが会社を買収した後で経営者をアサインするケースが多いのですが、サーチファンドでは先にサーチャーを立て、その人を起点に中小企業を買収していき、クローズアップしていく仕組みです。
このビジネスは約40年前からアメリカでは行われており、特にベンチャーキャピタル(VC)やPEファンドと並ぶ投資手法として確立されており、投資リターンの面で比較してもリターンが大きいと非常に注目されています。日本はまだ導入から10年ほどしか経っておらず、認知度も発展途上といえますが、事業承継ニーズの高まりもあって、今後ますます拡大が期待される領域です。

また、サーチファンドには大きく分けて2つのタイプがあります。
1つ目はトラディショナル型と呼ばれるもので、サーチャー自身が投資家を募り、自らファンドを組成して対象企業を探し、買収・経営を行うスタイルです。アメリカではこの形態が主流となっています。
2つ目はアクセラレーター型で、既存のサーチファンド組織が投資家から資金を集め、サーチャーを支援しながら二人三脚で承継先を探していくスタイルです。日本ではまだサーチャーの数が少なく、経験者も限られているため、このアクセラレーター型が多いのが特徴です。
私自身もロケットスターというファンドに所属し、アクセラレーター型の仕組みの中でサーチャーとして活動しています。サーチファンドという枠組みを活用することで、資金調達の仕組みや専門家のサポートを得ながら、M&Aによる事業承継と経営にチャレンジできる点が大きな魅力です。
このようにサーチファンドは、起業家としてゼロから会社をつくるのではなく、既存の中小企業を承継し、第二創業者として成長させていくキャリア を実現する新しい仕組みです。
ロケットスターの取り組みと戦略
私がサーチャーとして参加しているロケットスターは、「中小企業の価値向上にコミットする」ことを掲げて活動しているサーチファンドです。ロケットスターではチーム型でのサーチを採用しており、複数人が連携して動くスタイルをとっています。
ロケットスターのもう一つの大きな特徴は、メンターやパートナーとして関わるメンバーの顔ぶれです。上場企業を立ち上げた経験を持つ起業家や、現役でスタートアップを運営している経営者たちが、GPやLPとして関わっており、サーチャーとしてはそうした経験者の力を借りながら経営に挑める環境が強みになっています。
私たちは「マイクロキャップ」と呼ばれる、比較的小規模な中小企業を中心に買収を進めています。具体的には、営業利益で1億円未満の企業や、従業員数で言えば10〜50人規模の企業がターゲットになります。そうした企業を買収し、3年ほどかけて利益をしっかり出せる状態へと育てあげ、その後はMBO(マネジメント・バイアウト)や他社への売却といった出口戦略を描いていきます。

サーチャーごとに得意領域を活かせるような事業を選ぶことも、ロケットスターならではの戦略です。私自身はPRやメディア運営に強みがあったため、「ビジネスジャーナル」というメディア企業を買収しました。今は、YouTube動画配信やリアルイベントの企画・運営なども含めて、メディアの力を使って中小企業支援を行うビジネスを構築しています。さらに、2社目のM&AとしてYouTube運用会社の買収にも着手しており、事業の多角化とスケールアップを狙っています。
サーチファンドというキャリア
サーチファンドにおけるサーチャーとは、ファンドと契約して、投資家の資金を活用しながら事業承継先となる企業を探し、買収し、実際にその会社の経営を担う立場にある個人を指します。企業の買収から経営、そして最終的な出口(売却またはMBO)まで、自らの責任と裁量で動いていく、まさに経営者としてのキャリアです。
このキャリアは大きく3つのフェーズに分かれています。まずは、買収対象となる企業を見つける探索フェーズ。次に、買収後にその企業の価値を高めるために事業を伸ばしていく成長フェーズ。最後に、一定の成果を上げた後、MBOや他社への売却などを通じて投資回収を図るEXITフェーズです。この3段階を経て1つのサイクルが完結します。
この探索フェーズの間にも報酬が発生するかどうかは、契約するファンドによって異なります。場合によっては、サーチャーとして活動を始める前に投資家から資金調達を行い、その中から生活費や活動資金を捻出するケースもあります。そのため、買収までの期間にキャッシュが尽きてしまえば、次のステップに進めないというリスクも含んでいます。

また、サーチャーとして活動している人たちの多くは、キャリアを積み上げていくという意識を持って臨んでいます。一般的には、アントレプレナーシップに富み、コミュニケーション能力が高く、営業やマーケティングといった現場での実務経験にも強い人が向いているとされています。加えて、経営トップとして言い訳をせずに物事に向き合える覚悟や実行力を備えた人物像が理想とされます。特に、ロケットスターが対象としているような社員10〜50名規模の中小企業では、社長自身が現場の最前線に立ってチームを牽引していく必要があります。そのため、机上の理論だけでなく、実際に手を動かして事業を前進させていける「実行するリーダー」であることが求められます。
加えて、サーチャー候補として特に適性があるとされるのは、大企業での経験やMBAを保有している人、PEファンドや戦略コンサルでの実務経験を持つ人、あるいはベンチャー企業で経営を担った人や、実際に起業し成功を収めた、または、大きな挑戦をしてきたタイプの人材です。経営の修羅場をくぐってきた経験、意思決定のスピード感、そして何よりやり切る覚悟を持った人が、サーチャーとしての道に最もフィットするのではないかと感じています。
サーチャーになる決断とその後の実感
サーチャーとしてのキャリアに踏み出すまでには、いくつかの選択肢がありました。以前所属していた会社では、グループ会社の役員や子会社の社長といったポジションのお話をいただく機会もありましたし、スタートアップ投資の経験から、起業という選択肢も現実的に考えていました。
しかし、自分のキャリアを考える中で常に頭にあったのは、「自分の挑戦が、何かしら社会的に意味のあるレバレッジになって欲しい」という思いでした。ただの自己実現ではなく、既に存在する経営資源、例えばファンドの投資アセットや事業承継のネットワークを活かしながら、自分の挑戦を広げられる道はないか。そう考えたときに、サーチファンドのスキームが非常に魅力的に映ったんです。

サーチャーとしての実務を話すと、実際に会社を買収できる確率は、グローバルに見ても3〜4割程度と言われており、買収先探しに1〜2年かかることも珍しくありません。仲間のサーチャーたちの中にも、1年経ってもまだ成約に至っていないという人が何人もいます。中には、最終的に買収に至らず終了するケースもあります。
私の場合はご縁に恵まれ、サーチャー開始から半年ほどで1社目を承継し、現在はその経営に取り組んでいます。しかし承継後は承継後で、当然ながら大きな責任が伴います。
引き継いだ会社には社員がいますし、ファンド出資者にも継続的な報告責任があります。経営の最前線で意思決定を重ねながら、組織と数字の両方に責任を持つ立場は、刺激的であると同時に、非常にシビアでもあります。
そして、万が一買収が成立しなかった場合のキャリアリカバリーを意識しながらやることも必要です。それでも、自らの意思で経営を引き受けるという経験は、他では得がたい挑戦であり、やりがいも非常に大きいものです。
まとめ
最後に少しだけ、僕自身がサーチャーとしてこの1年やってみて感じたことをお伝えできればと思います。
正直、今「サーチャーをやっています」と言っても、9割以上の人に「それ何ですか?」と聞かれます。サーチファンドという仕組み自体が、まだまだ知られていない。でもだからこそ、このキャリアは物凄くブルーオーシャンだと感じています。
「サーチャーって何?」「ちょっと話を聞いてみたい」と声をかけてもらうことも多く、思いがけないご縁がつながることもあります。中には、有名な方から連絡をいただくこともあり、まだ知られていないフェーズで面白い挑戦だと感じます。つまり、今は「サーチャー」というだけで、興味を持ってもらえる、そんな空気感があるんです。

また、自分のやりたいことに対してアセットをどんどんくっつけることができるというのも、大きな魅力です。ゼロイチで事業をつくるのとは違って、スピード感とスケール感のある立ち上げが可能になります。
今、自分自身のキャリアとして見ても、また世の中の流れとして見ても、サーチャーという選択肢は確実に広がってきていると感じています。昨日も、とあるイベントで「大学の先輩が最近サーチャーになったんです」と紹介される場面がありました。実際に増えてきているなと肌で感じますし、それだけ注目され始めているんだと思います。
チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。