リーダーシップ往復書簡 093
私は、ベンチャー支援だけでなく、企業再生や危機管理の仕事も生業にしていますので、こういった仕事をするたびに、人間の弱い部分を目にします。
毎度のことながら、実に人間は弱く、ズルい生き物だと思わされますが、立場が悪くなるなど精神的に追い込まれれば、私も含めて、みんな「そんなもの」なのだと思います。
以下に10個ほどエピソードを記載します。社会人生活が長くなると、皆さんも一度は似たような事例を目にしたことがあるのではないかと思います。
1.八方美人の人が、新しい権力者から「踏み絵」をさせられて、個々の人々に話をしてきたおべんちゃらと辻褄が合わずに苦しむ。
2.仕事ができない上司が、自分の精神の安寧のために、明らかに仕事ができないであろう人を、自ら積極的に中途採用(配置転換)して部下にする。しかも、その後に、その部下が仕事ができないことをなじり、イジメる。
3.権力者に明らかな間違いがあっても、見てみぬふりをする。まさに「馬鹿」の故事成語(なお、権力者に明らかな間違いがある場合、勇気がある人々は、確信犯的に、仕事の期限を守らずに、放置する。)。
4.精神的に追い詰められ過ぎて、誰の目から見ても明らかにバレるような嘘、苦しい嘘をつく。
5.まさに虎の威を借りる狐のように、節操なく新しい権力者に媚びへつらい、相対する人に対して執拗に攻撃する。そして、その人が、潮目が変わった途端、一番先頭に立って、その権力者の追い落としを始める。
6.自分よりも明らかに仕事ができないスタッフがいることが精神安定剤となる。そのスタッフが辞めた途端、不安に苛まされる。
7.二枚舌。社内政治に生き残ろうと必死になっているため、人によって180度違う話をしても良心が痛まない。
8.社内政治に毒され過ぎて、自分の価値判断がなくなり、正しいことが何なのかが分からなくなる。
9.組織的に何もせずに待つことが求められているにも関わらず、不安で何かしていないと居ても立っても居られなくなる。
10.自分が強いことを誇示するために、不必要に、部下を怒鳴りつける。人事権を行使する。
まさに「人は性善なれど弱し」で、リーダーは、人間の弱い部分としっかりと向き合わなければならないと思います。
リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。
また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!
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【Q.93】
リーダーは、フォロワーの信頼を高めるために何をすればよいでしょうか?
<コメント>
リーダーがフォロワーの信頼を高めるためには、当たり前に、正しいリーダーシップを発揮する必要があります。
それでは正しいリーダーシップとは何か。本連載でも今まで散々、記載をしてきていますが、リーダーは夢や目標を掲げ、フォロワーからの共感を得て、人を動かすことが必要です。
まずは、リーダーは夢や目標を掲げなければなりません。そして、その夢や目標を実現するために具体的に何をすべきか、具体的な戦略・戦術・施策についても考えなければなりません。
次に、これらがまとまったら、リーダーは、フォロワーに対して、しっかりと理解し共感してもらえるようなコミュニケーションをする必要があります。
フォロワーに主体性を持って実行してもらったら、リーダーはフォロワーの行動をチェックして、何かしらのフィードバックする必要があります。
上記に書いてあることをしっかりと行うだけでも、リーダーは、フォロワーから信頼を勝ち得ることができると思います。
さらにリーダーが信頼を高めるには、率先垂範と有言実行が大事だと思います。リーダー自らが情熱をもって先頭に立って実行していることや、フォロワーとの約束を守ってリーダーが言ったことをしっかりと実行することは大事なことです。いくら表面的な言葉が上手くとも、最終的にはリーダーの行動に全ては現れますので、この行動力や実行力は、リーダーの情熱・本気度を測るバロメーターにもなります。
また、リーダーは常に人間性も素晴らしく、フォロワーに対して、愛情がなければなりません。信頼の基礎となるのは、リーダーの人間性と愛情です。人間性を磨いて、人間としても安定的にフォロワーから尊敬をされることが必要ですし、フォロワーとの人間関係においても、フォロワーが愛情を感じられるようにならなければ信頼は高まりません。
※この記事は、2021年5月16日付Facebook投稿を転載したものです。