リーダーシップ往復書簡 052

今回から数回にわたり、リーダーが身に着けなければならない必須のスキルである利害関係の調整について深堀りをしたいと思います。

リーダーとして、多くのフォロワーや周囲の人々と接するようになると、利害関係の調整を求められることが増えてきます。

それは自分たちの組織と外部組織の調整の時もあれば、リーダーとフォロワー、フォロワー同士の調整の時など様々なケースがあると思います。

本稿で言及する利害関係の調整とは、過去の行動に関して、法律や規則に基づいて判断を下す裁判官のようなものではありません。

改めて記載をすると滅茶苦茶のように思うかもしれませんが、例えば、世間水準として劣るかもしれなくとも、当人としては最大限がんばっていたから、今回は甘く有利な調整をしたり、利害関係の調整の対象者が、将来の幹部候補だから、ここは一つ期待を込めて厳しい評価としたりするなど、リーダーの利害関係の調整は、過去の行動のみを評価したものではなく、奥深いものです。

リーダーとしての影響力が増え、フォロワーや周囲の人々からの信頼が増せば増すほど、面白いことに、このような利害関係の調整に関する相談事が増えてきます。

極端な話、優れたリーダーには、専門分野ではなかったり、ステークホルダーではなかったりするにも関わらず、リーダーに判断・調整してもらいたいという話まで来るのです。

特に日本はまだまだ村社会ですので、2020年においても、いろいろなコミュニティで顔役と言われるような方が存在していて、非公式なパワー・リーダーシップに依拠した「どうかここは私の顔に免じて・・・」が未だに残っていると思います。

利害関係の調整は、それぞれの人間性、それぞれの人間関係も踏まえた上で、公明・公平なプロセスとお互いの納得度の高い結果が求められます。

優れたリーダーは、利害関係の調整を通じて、適切なフィードバックも同時に行い、フォロワーを成長させるばかりか、利害関係の調整ができるリーダーとして自分の信頼も更に高めていると思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.52】
私は人事担当をしていますが、人事担当がリーダーシップを語ることをどのようにお考えでしょうか?

 

<コメント>

本連載でも繰り返し記載をしてきておりますが、本来、リーダーシップとは、ありとあらゆる人が発揮すべきもので、リーダーシップに組織における立場は関係ないのです。

そのため、人事担当であれ、リーダーシップを語ることに違和感はありません。

注意点としては、これは人事担当に限らないとことですが、自分の言葉で話をしているかということがあると思います。

聞き手に、リーダーである経営者の言葉を借りてきていると思われているようならば注意が必要だと考えます。もし組織マネジメントの一環・役割として話しているならば、気のない言葉ほど、聞き手が興ざめするものはありません。

周囲の人々に一番影響力があるのは、フォロワーが、リーダーに心から共感して、自分の言葉として、リーダーと同じ内容の話ができることなのだと思います。

また、くれぐれも言葉だけにならないように気をつけなければなりません。リーダーシップには行動が不可欠です。

リーダーシップは、誰が語っても発揮してもよいでしょう。自然体で、世のため人のため、みんなのために、自分ができることをすれば良いと思います。

 

※この記事は、2020年9月26日付Facebook投稿を転載したものです。

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

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