近藤 崇(司法書士法人近藤事務所 代表司法書士)と小松裕介(株式会社スーツ 代表取締役社長CEO)によるQ&A
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当社では、2025年5月14日にゲスト講師に、司法書士法人近藤事務所の代表司法書士 近藤 崇氏を迎え、第8回目となるスーツアップ特別ウェビナー「中小企業にオススメ!登記の標準化〜 会社登記及び不動産登記のタスク」を開催しました。
本稿では、中小企業の皆様にとって有益な情報が満載だった本ウェビナーの内容を、前編・後編の2回にわたりダイジェスト版としてお届けいたします。
後編は、ゲスト講師の近藤 崇氏(司法書士法人近藤事務所 代表司法書士)と当社代表者の小松(株式会社スーツ 代表取締役社長CEO)による対談の内容です。近藤氏のご経歴は以下のとおりです。
<司法書士法人近藤事務所 代表司法書士 近藤 崇>

横浜市出身。横浜国立大学経営学部卒業。上場会社の会社員勤務を経て、平成26年に横浜市で司法書士事務所を開設。平成30年に司法書士法人近藤事務所に法人化。司法書士法人に併設する不動産会社の代表も務め、不動産賃貸・投資事業も取り扱っている。取扱い業務は一般個人の相続全般、それに伴う不動産仲介業務、またその他に会社・法人などの登記、特にスタートアップやM&Aに関連する種類株式やストック・オプションなどの登記など、あまり他の司法書士事務所では扱わない業務も多く行っている。
前編のゲスト講師の近藤 崇氏による講演「中小企業にオススメ!登記の標準化〜 会社登記及び不動産登記のタスク」はコチラから。
【まとめ】
- 中小企業と法務人材の確保
- AIと司法書士業務の未来
- 業務の標準化と専門性
- 「神は細部に宿る」という専門家の価値
中小企業の法務対応におけるアドバイス
株式会社スーツ 小松裕介(以下「小松」といいます。):
本日は「中小企業にオススメ!登記の標準化 ~ 会社登記及び不動産登記のタスク」がテーマということで貴重なお話ありがとうございました。特に、今回のウェビナーでは中小企業をテーマにしていますが、中小企業ではそもそも法務人材が不足しているといった課題を抱えている企業も多いかと思います。法律知識のない方が登記に対応したり、司法書士の先生にお願いしたりする上で、何かアドバイスはありますか?
司法書士法人近藤事務所 近藤 崇(以下「近藤」といいます。):
そうですね、私自身、誰かに「依頼する側」になった経験はあまりないのですが、それでもやはり「かかりつけの司法書士」を持つことは非常に大切だと思っています。
昔の弁護士がよく「用心棒」なんて表現をされていましたが、いざという時にすぐに相談できる、最初に駆けつけてくれる存在がいることは、企業にとって大きな安心材料になるはずです。
特に相続や不動産の売買といった場面では、登記だけでなく税金の話も絡んできます。そのため、すでに税理士など士業の方とお付き合いがある場合には、そうした先生方は司法書士との繋がりがあることが多いと思うのでそこから司法書士を紹介してもらうというのも、とても良い選択肢だと思います。
私自身の事務所でも、顧問契約を結んでいる中小企業のお客様がいくつかいらっしゃいます。顧問司法書士がいるからこその安心感というのももちろんありますが、それ以上に、「登記が必要かどうか」「これはこのままで大丈夫か」など、ちょっとしたことを気軽に相談できる関係性を築いておくことが非常に重要です。
実際、費用がかかるようなケースもあれば、「これはやらなくて大丈夫ですよ」ということも多いんですね。信頼できる司法書士とつながっていれば、そういった判断も含めてサポートが受けられますから、法務人材のいない中小企業にとっては、非常に心強い存在になるのではないかと思います。
AIの進展が司法書士業務に与える影響
小松: AIが司法書士の業務に大きな影響を与えるのではないかという話も聞きます。生成AIの進展は、司法書士業務を簡素化したり、あるいは、脅威になったりする可能性について、先生はいかがお考えでしょうか?
近藤:脅威はあります。私自身も昨年あたりからAIを使うようになりましたので、確かに良いところもありますし、対応していくべきと感じています。しかし、司法書士の業務が完全にAIに置き換わることはないだろうと考えています。特に、最後にどうしても紙が出てくるからです。
例えば、法人登記の申請では、最後の責任の所在を明確にするために実印を押印し、その実印が本人のものであることを証明する印鑑証明書を添付することが求められます。不動産登記でも同様です。電子認証の仕組みも徐々に普及しつつありますが、実際に活用するためには、依頼者側にも司法書士側にも、それぞれ有効な電子証明書が備わっていることが前提となります。大企業などでは電子証明書を保有しているケースもありますが、実際に登記申請の現場でそれを利用するケースは、未だに少ないです。司法書士の観点から言うと、その電子証明書が有効なのかが分からないため、「結局実印をもらった方が早くて安心だ」という結論に辿り着く人が多いと思います。
一部には「AIが進化すれば印鑑証明書も不要になるのでは?」と楽観視する先生もいますが、私はそうは思いません。もし、この印鑑証明書が不要になったとしたら、本当に全てが変わるだろうと思います。「セルフ登記」を進めるためのシステムを構築している会社もありますが、実際にそれが普及するには、この印鑑という概念が変わらない限り難しいでしょう。
士業における業務の標準化と専門性
小松:本日、ウェビナーには士業の先生方からも多数お申し込みをいただいておりまして、次の質問は、特にそのような方々に響くのではないかと思っています。
当社のクライアントにも会計事務所が多く、登記や帳簿のフォーマットを活用していただいていますが、やはり士業の先生方の業務というのは、定型的でありながらも、実際には事務所ごとのやり方が全く異なっていて、標準化が進んでいないという声もよく耳にします。
先生ご自身も今回、登記に関するマニュアルを初めて作られてみて、その大変さを実感されたとのことでしたが、今後、司法書士を含めた士業全体で、業務の標準化や共通化が進んでいく可能性について、どのようにお考えでしょうか?
近藤: そうですね、どうなんでしょう。難しい問題です。私自身もそうなのかもしれませんが、「自分だけが知っている」という意識があるように思います。そのために皆が勉強して資格を取ったという側面もあるので、標準化することと「自分の価値」を守ることとが相反する意識になってしまうのかもしれません。
士業の世界では、「面倒くさいから標準化しない」「自分だけが知っていればいい」という意識が根底にあるように感じます。マニュアル化を進めることは、誰にでもできるようにする、つまり「自分の価値をなくしてしまうのではないか」という危機感、あるいは無意識の心のストップ、意識のストップが働く理由なのかなと思います。これは、税理士や社労士にも聞いてみたいところですね。
逆に、こうした標準化を一気に進められた事務所は、ものすごく大きくなる可能性があります。市場を一気に獲得するような形になるかもしれませんね。自問自答ですが、そうしたビジョンを目指すべきなのかもしれないと思っています。
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小松: そうですね、まさに今、当社では会計事務所のひな型も提供しており、社労士にもひな型を作成していただいています。
ただ、多くの先生方がおっしゃるのは、当社のツールに入っているものは基本的に「項目」だけであり、具体的な書類作成や、抜け漏れがないかのチェック、あるいは例外的な対応までを網羅しているわけではないということです。先生も先ほど「全てを網羅することはできない」とおっしゃっていましたが、そこを考えると、やはり「神は細部に宿る」ではないですが、この部分の専門家の価値はなくならないのではないかと考えています。
ただ、定型的な部分に関してはどんどん標準化が進んでいくだろうということをおっしゃる方が多かったですね。
近藤: そうですね、それは全く同じ認識です。本当に細かいところまでやろうとすると、専門書になってしまいますから、マニュアル化は無理ですね。様々な先生や従業員に意見を聞いたのですが、「抜け漏れがあったらどうするんだ」「責任問題はどうするんだ」と、多くの人から言われました。やはり司法書士は「保守的な業界」だとつくづく感じます。私としては「そんなこと言ったら何もできないじゃないか」と思うのですが、実際にそういった声があるのも事実です。
業務として、最終的な成果物が私たち司法書士の責任で作成される以上、その正確性は非常に重要です。たとえマニュアルがあっても、最終的な判断や責任は司法書士が負います。だからこそ、自分でできる範囲は自分でやり、専門的な知識や正確性が求められる部分は専門家に頼むという二極化が進むでしょう。士業全体が、その方向に向かっているのではないでしょうか。

スーツアップでの近藤司法書士作成のひな型のご紹介
小松:では、せっかくですので近藤先生に作っていただいた「スーツアップ」の画面を操作してみたいと思います。
タスクのセルに「登記」または制作者の「近藤事務所」と打っていただくと、司法書士の業務タスクを網羅したひな型が出てきます。

このように「代表取締役の変更登記」においても「代表取締役非設置の場合」「取締役会設置の場合」「代表取締役以外の変更の場合」などと網羅しており、「増資」「本店移転の登記」などあらゆる登記業務において準備すべき書類やタスクが一覧で出てきます。近藤先生に作っていただきましたが、総項目数は482となっており、非常に膨大な登記処理に関するタスクが整備されています。

こちらは不動産登記に関する業務です。「不動産の売買」「移転」「相続」などが入っています。
もし「スーツアップ」に興味がある方は是非お試しいただきたいと思います。「登記」と打つと、法務の担当者が何を用意しなくてはいけないのかを司法書士の先生に持ち込む前に確認することができます。
万が一、分からないことがあれば、ボタンを押していただくだけで今日お話しいただいた近藤先生に簡単にご相談、またはホームページを通じてご相談いただける形になっています。
ということで本日は「中小企業にオススメ!登記の標準化〜 会社登記及び不動産登記のタスク」をテーマに司法書士法人近藤事務所の代表司法書士 近藤さんからお話をいただきました。どうもありがとうございました。
近藤:こちらこそありがとうございました。
<ご案内>
本記事は、中小企業の皆様向けに開催したスーツアップ特別ウェビナーの内容をダイジェスト版としてまとめたものです。
当社では、毎月2回、中小企業の経営者やご担当者様に向けて、 日本経済の中心である中小企業等の経営改善に貢献できるようなテーマのウェビナーを主催しております。
過去のウェビナーでは、第一線でご活躍されている経営者や専門家の方々をゲスト講師にお迎えし、中小企業を取り巻く経営環境、マーケティング、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、労働生産性の向上に繋がるマネジメントシステムの構築、M&Aなど、多岐にわたるテーマでご講演いただいております。
今後のウェビナー情報や過去のアーカイブについては、当社WEBサイトをご覧ください。
【中小・ベンチャー企業の事業成長の鍵となるCFO】
- 「中小企業にオススメ!登記の標準化〜 会社登記及び不動産登記のタスク」(ゲスト講師:司法書士法人近藤事務所 代表司法書士 近藤 崇氏
- 近藤 崇(司法書士法人近藤事務所 代表司法書士)と小松裕介(株式会社スーツ 代表取締役社長CEO)によるQ&A
チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。