第9回スーツアップ特別ウェビナー「変化の時代を乗り切る、中小企業のための事業計画と管理会計」

当社では、2025年5月28日にゲスト講師に、Zaimo株式会社の代表取締役CEO 古城 巧氏を迎え、第9回目となるスーツアップ特別ウェビナー「変化の時代を乗り切る、中小企業のための事業計画と管理会計」を開催しました。

本稿では、中小企業の皆様にとって有益な情報が満載だった本ウェビナーの内容を、前編・後編の2回にわたりダイジェスト版としてお届けいたします。

前編は、ゲスト講師の古城氏による講演「変化の時代を乗り切る、中小企業のための事業計画と管理会計」です。古城氏のご経歴は以下の通りです。

<Zaimo株式会社の代表取締役CEO 古城 巧> 

慶應義塾大学大学院理工学研究科(修士)卒。2012年にBarclays証券株式調査部に入社。15年に戦略コンサルファームRoland Bergerに入社し、事業戦略や中期経営計画の策定や新規事業立ち上げ、M&AのBDD支援などを実施。19年にベンチャーキャピタルSTRIVEに入社し、スタートアップ投資やハンズオン支援に従事。23年1月にZaimo株式会社を設立し、誰でも簡単に事業計画の作成や予実管理ができる経営管理AIエージェント「Zaimo.ai」の実現を目指し、次世代の予実管理SaaSを開発・提供中。

後編のゲスト対談(ゲスト講師:Zaimo株式会社 代表取締役CEO 古城 巧、株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松裕介)はコチラから。

【まとめ】

  • 事業計画と管理会計の重要性
  • 事業計画の策定手順
  • 管理会計の実践方法
  • 管理会計体制の構築ポイント
  • AIを活用した経営管理の未来
目次

ウェビナー内容

Zaimo株式会社では、AIを活用した新しい経営管理のあり方を模索し、「Zaimo.ai」というハイブリッド型プラットフォームを通じて、BPaaSとしての事業展開を進めています。

本日は、「なぜ今、事業計画と管理会計が求められるのか?」という問いから出発し、中小企業が直面する不確実性への対応として、経営管理インフラの整備の重要性、管理会計の実践的な導入方法を体系的にお話しします。変化の激しい時代に、再現性ある経営判断と柔軟な実行体制を実現するために、今どのような管理会計の姿が必要なのか。

AIとBPOを掛け合わせたZaimoの取り組みを通して、そのヒントをお届けします。

登壇者自己紹介と事業概要

Zaimo株式会社代表取締役CEOの古城 巧と申します。現在、私は経営管理におけるAIエージェントの実現を目指し、2023年に設立したスタートアップの代表を務めています。

これまでのキャリアは、前職ではベンチャーキャピタルにてスタートアップ企業への投資を担当していました。その前は戦略コンサルティングファームに在籍し、大企業の中期経営計画の策定支援や、PEファンドにおけるM&A案件などに携わってきました。

さらにその前は、日系証券会社の株式調査部にて、上場企業の企業価値評価や株価動向の分析業務を行っていました。現在は、こうしたバックグラウンドをもとに、経営とファイナンスをつなぐ視点で、プロダクトづくりに取り組んでいます。

現在私たちは、「Zaimo.ai」という、AIを活用した経営管理プラットフォームの提供に取り組んでいます。あわせて、財務・経営企画領域におけるBPO支援も開始し、ツール提供とコンサルティングを組み合わせたハイブリッド型のサポートを行っています。

「Zaimo.ai」は、簡単に事業計画を作成・修正できるエクセルベースのツールに、ダッシュボードや予実管理などの機能を備えたクラウドプラットフォームです。

作成した事業計画はワンクリックでダッシュボード化され、視覚的に予実比較ができるほか、そのままエクセルにエクスポートして観察・共有することも可能です。修正やアップデートも容易で、特別なITスキルを持たなくても、現場の担当者が使いこなせる設計になっています。

私たちはこのプロダクトを誰でも簡単に、素早く、正確に経営管理ができることを重視して開発しています。将来的には、これらの業務をさらにAIが自動で担えるように進化させ、CFOや経営企画部門の右腕としての存在を目指しています。

なぜ今、事業計画と管理会計が必要なのか?

現在、ビジネス環境は大きな変化の只中にあります。約40年続いた低金利時代からの転換期にあり、世界的なインフレ、金利の上昇、さらにはAIの急速な進化など、あらゆる要素が同時多発的に変化しています。政治的には米国のトランプ大統領の政策など、リスクや不確実性も高まり、国内外を問わず、将来の見通しが立ちづらい時代だと言えるでしょう。

こうした不確実性の中で、企業は利益の圧迫や資金繰りの難化といった課題に直面しています。特にAIの進化によって、今、自分たちがやっている事業がこのままで良いのかという根本的な疑問が生じる場面も増えています。このような変化に適応できない企業は、今後の事業存続すら危うくなる可能性があると考えています。

では、こうした時代に企業はどう対応すべきか? 私自身、これに絶対の正解はないと思っています。しかし、不確実性の高い時代だからこそ、迅速かつ柔軟に対応し、成功や失敗から学びを得て、それを再現性ある仕組みに変えていく力が問われていると感じています。

そのためにまず必要なのは、再現性をもって行動できる「経営管理インフラ」の整備です。これが、変化に対応しながら事業を前進させていくための鍵になると考えています。

そして、この経営管理の土台となるのが事業計画です。事業計画とは、企業が「これからどのような姿を目指すのか」を明確にし、そのビジョンから逆算して今何をすべきかを整理した、いわば未来の羅針盤です。

特に中小企業においては、社内の共通認識を形成するためのツールとして事業計画が非常に有効です。定性的な目標として、例えばどんな企業になりたいかを掲げ、そこに売上、利益、KPIなどの定量的な目標を結び付けていくことで、現場の行動に落とし込むことができます。

例えば、売上目標を設定したとします。その場合、売上は「客数 × 単価」で構成されます。さらに客数を「新規顧客」と「既存顧客」に分け、単価を「購入点数」と「商品単価」に分解して考えると、どの要素にどうアプローチすれば売上が上がるのかが見えてきます。

そこから施策がつながっていきます。新規顧客を増やすにはSNSマーケティングを強化する、既存顧客のリピートを促進するにはポイント制度や来店特典を設ける、などです。こうして、KPIに基づく具体的な施策を設計できるようになるのです。

管理会計の考え方と必要性

これまでお話ししてきたとおり、「何をやれば成果が出るのか」を明確にするための仕組み、それこそが管理会計の基本的な考え方です。

管理会計は、いわゆる財務会計と異なり、社内の意思決定を目的としています。外部に報告するための財務会計とは役割が異なり、自社の状況をタイムリーに把握し、判断の根拠とするためのものです。

実際、多くの中小企業では、先行きが見えにくく、利益が圧迫されるような環境に置かれているのが現状です。そんな中で、「どこに問題があるのか」「どこで儲けているのか」といった収益の実態をしっかりと把握できるかどうかが、生き残りの鍵になります。

特に、利益率が低下してきたとき、管理会計の仕組みがあれば、何が原因かを早期に特定できます。さらに、数字を毎月・毎週・あるいは毎日と、できるだけ短いサイクルで把握できる仕組みがあれば、問題にいち早く気づき、適切な打ち手を講じることが可能になります。

また、こうした数字での可視化を通じて得られるもう一つのメリットは、社内の意思統一です。数字やロジックは、見る人によって大きく解釈が変わるものではありません。管理会計のフレームがあることで、誰もが同じ基準で状況を捉えられ、判断基準が揃っていきます。

こうして、再現性のある意思決定を実現できる環境、そしてそれに基づく組織運営の基盤を整えること。それこそが、管理会計の持つ本質的な意義だと私たちは考えています。

 管理会計の実践方法

では実際に、管理会計の設計や運用について考える際、「どこまで細かくすればよいのか」「どの粒度で管理すべきか」といった悩みを抱える企業は少なくありません。管理会計って、細かくやろうと思えば、どこまでも細かくできるからです。

例えば、KPIツリーのような構造を作って分解していくこともできます。ただし、実際にそれを運用できるのかというと、「細かく設計したけれど、結局うまく運用できなかった」というケースも少なくありません。

そもそも細かくすること自体が正解なのか、という点についても疑問があります。だからこそ、まず最初に大事なのは、「管理会計を通じて何をしたいのか」という目的を明確にすることだと考えています。

例えば、部門別に収益性を見たいのか、それとも今後の採用計画を見据えて、人件費がどのように圧迫してくるかを把握したいのか。見たい項目や、求める粒度によって、設計のアプローチが変わってきます。

目的がはっきりすれば、それに合わせて売上や利益の分解方法を決めていくことができ、売上をどのようにブレイクダウンしていくのか、利益をどう切り分けていくのか、など設計に応じてモデルの組み方を変えていきます。

そして、分解の方法が決まれば、次は「週次なのか日次なのかなど、どの頻度で分析・確認を行うか」「誰が何をするのか」「実績データはどこから持ってくるのか」「どのようなラベリングを付けてデータを扱うのか」といった、実務面での運用設計に進みます。

こう聞くと難しく感じるかもしれませんが、私はまずは小さく始めて、定着させることが大切だと考えています。例えば、10人規模の会社でやる管理会計と、100人規模の会社でやる管理会計では、バックオフィスの体制や事業の複雑さも全く違います。だからこそ、フェーズに合った形で、無理のない範囲で始めるべきです。

ツールについても、これでなければならないというものはないと思っています。最初はエクセルやスプレッドシートでも十分です。ただし、それらは運用の手間が大きくなりやすいので、効率化のために専用のツールを使うのも有効です。私たち自身も、そうした課題感からツールを開発しています。

例えば、売上の分解において「客数×単価」とした場合、客数を「新規」「既存」、あるいは「平均購入点数」などに分けて見ることもできます。ただ、仮にカフェ事業とデリバリー事業を並行して行っている企業であれば、「店舗」と「デリバリー」で切り分けて管理した方が適しているケースもあります。

また、多店舗展開している場合は、店舗ごとに売上を把握する方が実態に即しているかもしれません。逆に、今後はデリバリーに注力していくのであれば、店舗はまとめて管理し、デリバリーにフォーカスする形でも構いません。

自分たちが今どこにフォーカスしたいのかによって、KPIのツリー構造は変わってきます。

これをエクセルやスプレッドシートで組む場合、後からの変更が大変になりがちです。だからこそ、「変化に強い管理会計の仕組み」を最初から意識して設計することが大切です。

変更や拡張がしやすい形にしておくことで、事業の成長や方針転換にも柔軟に対応できます。まだ事業規模が小さい会社の場合、コスト管理までは行わず、まずは売上だけをブレイクダウンして可視化するだけでも十分です。

しかし、会社がある程度の規模に成長し、人材採用やマーケティングへの投資が必要になってくると、コスト側もある程度細かく見ていく必要があります。例えば販管費の中身を「給与」「家賃」などに分け、さらに「給与=従業員数×平均給与」といった形で分解していくことで、今後の人員計画との連動がしやすくなります。

さらに、コストの管理では固定費や変動費の分解も有効です。売上から変動費を引いた限界利益や、そこから固定費を引いた貢献利益を見ることで、どの事業が利益に貢献しているのかが明確になります。

また、例えば飲食業なら原材料費の割合が高い、SaaSなら人件費が多いといった業態ごとのコスト構造を把握し、それが業界平均と比べて適切かどうかを見ていくのも重要です。仮に「原材料費が高すぎる」と感じた場合には、そこに改善余地があるかもしれません。

こうした分解を最初から完璧にやろうとすると負荷が高いため、まずは「やれる範囲から始めること」が大切です。

そして、ある程度の規模になってくると、部門別やプロジェクト単位での管理が必要になります。売上やコストに適切なラベリングを行い、必要に応じて固定費・変動費の分類も行いながら、部門別に数値を見ていくことになります。

この段階で課題となるのが「本社コストの配賦」です。本社の家賃や間接部門の人件費などを、どのように各事業部に割り振るかという設計が求められます。運用は複雑になりますが、より実態に近い収益構造が可視化されるため、戦略判断に有用です。

そして、最後に重要なのが、予実管理です。管理会計は、単に数字を集めて終わりではありません。「予算に対して実績がどうだったのか」「その差異の理由は何か」を明らかにし、意思決定に活かすことが目的です。

製品Aと製品Bに売上を分けて管理していた場合、製品Aの売上が予算より良かったとしても、それだけでは原因は分かりません。単価が上がったからなのか、販売数量が増えたのか、大口案件があったのか。こうした要因をKPIに分解していくことで、「この施策が有効だった」「他商品にも応用できそう」といった示唆を得ることができます。

結局のところ、管理会計の予実分析は行動に結びつくインサイトを得られて初めて意味があると考えています。そのためには、まず予実を比べて、差異が大きすぎたり、分析がしづらかったりする部分について、徐々に粒度を上げていくことが重要です。

管理会計体制の構築における重要ポイント

管理会計の体制を構築する上で、私は説明性・運用性・拡張性の3つが非常に重要だと考えています。これは、どのレベルで予実比較を行うかといった粒度の話というよりも、そもそも管理会計の運用体制そのものをどう設計するかに関わる本質的なテーマです。

まず大切なのが説明性や可読性です。帳票やダッシュボード、テーブルなど、どの形式でも構いませんが、誰が見ても意味が分かるように設計されていることが大切です。

特に、何でもかんでも全データを並べてしまうと、数字を作っている人や見慣れている人は何を見ればよいか分かるかもしれませんが、全員が決してそうではありません。データが羅列されているだけでは、たくさん情報はあるけど、どこが重要なのかよくわからないという状態になってしまいます。

そのため、詳細なベースのデータはもちろん用意しつつ、追うべき指標を整理したサマリーシートを別途作成しておくなどの工夫が重要です。

こうした構成にしておけば、社内メンバーにも伝わりやすくなりますし、投資家や金融機関などの対外説明にも活用できます。

「今、何を重視していて、それがどう変化しているか」を正しく説明できる状態をつくることが、非常に重要だと思います。

チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。

 

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この記事を書いた人

スーツアップの広報担当です。スーツアップは、AIでかんたん、チームで毎日続けられるプロジェクト・タスク管理ツールです。表計算ソフトのような操作で、チームの「タスクの見える化」をして、タスクの抜け漏れや期限遅れを防ぎます。チームのタスク管理を実現することで、業務の効率化やオペレーションの改善が進み、大幅なコスト削減を実現します。

お問い合わせ先:pr@suits.co.jp

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