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リーダーシップ往復書簡 076

 

 

今日はお金について書きたいと思います。私は32歳の時に上場会社の代表取締役社長を解任されていますし、資本主義社会で経営者をしている以上、お金のパワーを嫌というほど理解しているつもりです。

しかし、所詮、お金はお金。どんなに大金持ちになったところで、決してあの世にまで持っていけないわけですから、いつまでも使わずに貯めこんでいてもしょうがないですし、世のため人のために使わなければ意味がありません。また、例えば高価なモノを買ったり飲食をしたりしたとしても、お金を自分のために使うのは、すぐに限界が来ることも多くの先輩経営者方からも言われるとおりだと思います。

本連載において以前からリーダーシップと資本主義社会の親和性については述べてきたとおりですが、資本主義は素晴らしい仕組みで、世のため人のためであって、さらに経済性もしっかりしていれば、リーダーシップを発揮すれば、お金を資本家から集めて事業を興すことができます。もっと言えば、世のため人のためというだけでも、資本家で篤志家の方の共感さえ得られれば、お金を集めて社会活動を行うことができます。

つまり、誰であっても、しっかりとしたリーダーシップがあれば、世のため人のために、世の中にある莫大なお金を使うことができるのです。

私が大変お世話になったメンターの一人は、まさにリーダーシップの人で、東日本大震災が発生した後に、NPO、航空会社と鉄道会社と連携して、中東政府のオイルマネーで、被災した子供たちを観光地に連れていくツアーを企画して実現していました。

特に私は世の中の「端っこのお金」が世界を変えると思っています。国債・公社債や金融機関による大企業や不動産への融資が世の中の「真ん中のお金」であるとすれば、それはベンチャーキャピタルのようなリスクマネーであったり、タニマチやパトロンが行う経済的な支援であったりです。これらのお金によって、人々のイノベーションやクリエイティブがお金の力で増幅され、世の中を変えていくのです。

優れたリーダーシップがあれば、多額のお金を使いこなすことができます。たかがお金ですが、されどお金です。一度しかない人生において、どのように向き合うかが問われています。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.76】
残念なことに、組織の地位や権限など「パワー」の行使ばかりする上司を持ってしまっています。どのように対処すればいいでしょうか?

 

<コメント>

サラリーマンの悲哀で、サラリーマン人生において、常に良い上司に恵まれるとは限りません。ちょくちょく大企業でのパワハラのニュースが世間を騒がせますが、「パワー」の行使に過度に依拠した上司も一定数存在してしまっていると思います。組織の地位や権限を持ち出さないと人を動かせない状況は、末期的な状況と評価せざるを得ません。

それでは、もしこのような上司に出会ってしまったら、どうするべきか?

「人は性善なれど弱し」を思い出してもらいたいと思います。パワハラをするような人は弱い人なのです。社内外から評価されていないなど精神的に追い詰められていることが予想されますので、まずは自分自身に自信を持ってもらい、疎外感・孤独感を感じないように安心感を得てもらうことが重要です。

具体的な解決方法は、その上司の「荷物」を背負ってあげればいいのです。それは部署の営業成績なのかもしれませんし、部下のマネジメントなのかもしれません。もちろん、その人のプライドを傷つけることなくスマートに問題解決をしてあげることが重要です。負担がなくなれば、その上司は、本来の「性善」に戻ると思います。

上司の「荷物」まで持たなければならないのかと思われる方もいるかもしれません。そこについては、リーダーシップに地位や立場は関係ないということを思い出してもらいたいです。あなたが本当のリーダーならば、例え地位が下であっても、人を動かすことができるし、人を変えることができるのです。

とはいえ、多くの人はその人の組織における地位や立場を踏まえて話をしてきますので、部下の立場から上司の「荷物」を持つことは大変なことだと思います。しかし、人間性を磨く良い機会だと思って取り組むことをお薦めします。

 

※この記事は、2021年3月13日付Facebook投稿を転載したものです。

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