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ぼくらのスモールビジネス「中小企業100万社がターゲット。プロ経営者が生み出すSaaS事業とは」後編

 

 

本稿は、小さく始めて大きく稼ぎ、人生を謳歌するスモールビジネス経営者の知られざる生き様に迫る番組「ぼくらのスモールビジネス」に、第13回ゲストとして当社代表の小松が出演した回(【13-4】中小企業100万社がターゲット。プロ経営者が生み出すSaaS事業とは)について、各人の発言の主旨を変えずに、読みやすいようにテキスト用に再編集したものです。

【13-4】中小企業100万社がターゲット。プロ経営者が生み出すSaaS事業とは
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<パーソナリティ>
アンティークコインギャラリア代表 渡辺 孝祐
WEB/デジタル領域のプロジェクトマネージャー 齋藤 実帆

<ゲスト>
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

「中小企業100万社がターゲット。プロ経営者が生み出すSaaS事業とは」 前編はこちら

 

3.社長の仕事はタスクの期限の設定!?

 

パーソナリティ 齋藤 実帆(以下「実帆」といいます。):ツールになっても、そのツールを使うのは人ですよね。必要なタスクをしっかりやる、と言っても、途中で疲れちゃったりとか飽きちゃったりとか、いろいろ人によってあると思うのですが、そのあたりをどう踏ん張るのか、みたいなお考えはあるのですか?

 

第13回ゲスト 小松 裕介(以下「小松」といいます。):そうですね。もちろん、本来あるべき厳しい話を言うと、社長が一番モチベーション高く、リーダーシップを発揮して頑張らなければいけないと思います。先ほどのとおり、スタッフに小まめに期限のリマインドをして、?咤激励して「みんな頑張ろう」と言い続けなければならない。ただ、そこは簡単にしたい。社長のリーダーシップをテクノロジーで支えるというのが令和の時代の考え方ではないかと僕は思っています。全員が全員、スーパーマンではないわけです。スーパーマンではない人でも成果を出せるようにする、ということが大事なことですし、それを誰かがやらなければいけない。僕はそれをプロダクトにしようと思っています。

 

実帆:なるほどです。そのプロダクトを使えば、飽きちゃったり、あまり続けられなかったりする人も、「これならできる!」みたいな感じになるのでしょうか?

 

小松:そうですね。僕が今、考えていることは、各社それぞれが「やらなきゃいけないよね」ということの洗い出しは、そんなに違いがないと思っています。タスクのひな型を用意してあげれば問題解決できると思います。では、唯一、何が残るかというと、タスクの期限の設定だけだと思っているのです。期限の設定をちょっと短くしたら厳しい会社になるし、期限の設定を緩くしたら優しい会社にもなる。経営者が気を遣うべきところは、そのタスクの期限の設定にどう向き合うか、だけの時代が来ると思っています。

 

実帆:なるほど。

 

パーソナリティ 渡辺 孝祐(以下「孝祐」といいます。):「明日までにやれ」なのか「来週でいいよ」なのか。

 

小松:そうです。でも、やらなきゃいけない中身は変わらないですね。

 

孝祐:確かに。

 

小松:タスクの期限の設定によって、企業文化も変わるし、みんなの働き方とか仕事への向き合い方も変わる世の中になると思っています。AIがタスクの内容そのものは何をやればいいのかを教えてくれる世の中になって、それを実行するタイミング・期限の意思決定だけを人間が選ぶ。今後5年、10年で考えたら、そういう時代になると思いませんか?

 

実帆:そうですね。

 

小松:そのタスクの期限の設定をコントロールするのが、社長の仕事です。「明日までにやろう」なのか「これは1週間ぐらいでやろう」なのか。もしくは「3ヶ月後が期限でいいよ」なのかです。それによって会社は全く変わって来るのかなと思っています。

 

孝祐:ちなみに、まだプロダクトの値段は決まってないと思うんですけど。

 

小松:まだ値段は決まってないですね。

 

孝祐:どういう考え方で決めようとしているのか、すごい気になります。聞ける範囲で教えてもらえませんか?

 

小松:正直なところ、今、悩んでいます。ただ、僕も中小・中堅企業の経営に約20年間、関わってきていますので、中小・中堅企業の社長の目線から考えて、まず「これぐらいだよね」というなんとなくの相場感があります。仲の良いベンチャーキャピタリストの方からアドバイスいただいた内容は、「小松さんが提供しようとしているプロダクトによって、クライアント企業の営業利益がめちゃくちゃ増えるのだから、本当はその営業利益からいくらかもらうプライシングが正しいんじゃないの?」ということでしたね。

 

孝祐:なるほど。成果報酬じゃないですが、利益が増えれば、その対価として使用料をもらいたいですよね。

 

小松:本当は増加する付加価値に対して価格設定をするということが正しいですからね。

 

孝祐:確かに。

 

小松:ただ広く、日本の皆さん、「中小企業のオヤジさん」たちに使ってもらいたいという気持ちもありますので、そんなに心理的に抵抗のない金額にもしたいとも思っています。そのあたりはバランスを見て決定していきたいなと思っています。

 

孝祐:しっかりコンサルも入れますみたいな話だと、営業利益の何%みたいな話ができるかもしれないのかな?

 

小松:まあ、そこまでやるかどうかも・・・。あと、今回は、労働集約型のビジネスをやりたいとは思っていません。そちらは今まで約10年やってきましたので、今回はどちらかというとプロダクトをメインに展開したいと考えています。

 

 

4.理想のリーダーはガンジー

 

孝祐:せっかくなので他にも聞きたいことがあるのですが、小松さんの理想のリーダーはいますか?

 

小松:そうですね。僕は20代後半ぐらいからリーダーシップに興味を持って勉強してきたのですが、リーダーシップ研究だと海外の事例の本が多いのです。キング牧師、ガンジー、ネルソン・マンデラやマザー・テレサのような海外の偉人の話が多いですね。本当にみんな素晴らしいなと思います。以前、僕は高校の友達と飲んでいる時に、酔っ払って「ガンジーみたいになりたいんだよ」という話をしたら、「お前は頭がおかしい」と言われましたね。「ガンジーといったら塩の行進で、ガンジーが歩くだけで10万人ついてきたって、そういう人になりたいよね!?」みたいな話をしたら「頭がおかしい」って。

 

孝祐:じゃあ理想はガンジー?

 

小松:ガンジー。日本の経営者だったら、ユニクロの柳井さんとか、尊敬する経営者の方はたくさんいらっしゃいます。

 

孝祐:ガンジーでいいんじゃないですか?僕はすごい共感しますよ。

 

小松:ありがとうございます。

 

実帆:ちなみに、ガンジーでも柳井さんでもいいのですが、どういうところが好きとかあるのでしょうか?

 

小松:リーダーそれぞれのリーダーシップの発揮の仕方は、前提として、テーマも違えば、その人が置かれている状況も違うということがあると思います。ただ、僕は、リーダーが、全てのステークホルダーに対して、平等に接して、理想を語って、仲間を作って、それで社会変革をしていく。そこが本当に素晴らしいし、僕もそういう人間になりたいと思っていますね。

 

実帆:なるほど。あまりみんな、社会変革に対する意識を持っていないような気がしています。そういう目線のある人がやっぱりリーダーになるのかな、と思っているのですけれど、どうなのでしょうか?

 

小松:そんなこともないと、ここ最近は言われていますね。ゴミが落ちているから、誰かがそのゴミを拾う。これも素晴らしいリーダーシップです。自分にできることがあって、誰かのために少し一歩踏み出してみるということの積み重ねが世の中を変えると思います。そういう意味では、なんかマッチョなリーダー像で「この旗印で、行くぞ!」みたいな、そういう世界観じゃないリーダーシップの発揮の仕方があると思っています。

 

実帆:なるほど。

 

小松:スモールビジネスはまさにそうだと思っています。別に社会を変えるようなインパクトはないかもしれなくても、それで喜んでくださるお客様がいて、そのお客様一人の人生が変わって、それで、もしかするとそこから先に繋がって、大きな社会変革が起きているかもしれません。そう考えると素晴らしいことだと思いますね。

 

孝祐:そうですね。もう一個聞いていいですか?今、自分の社会人人生を振り返って、この意思決定は凄く大きかったと思うことを一つ教えてください。

 

小松:そうですね。先ほど社長の仕事はリーダーシップとマネジメントという話をさせてもらいましたが、僕は、元々、この2つならば、マネジメントの方が優位のスキルでした。若い時は、リーダーシップの発揮というよりは、ロジカルに経営管理をやって、それできっちりとコストカットをやって利益を出すという経営スタイルでした。しかし、お世話になった、元々大臣だった方から「リーダーシップをちゃんと学びなさい」と言われて。そこから経営に対する向き合い方を変えて、経営管理だけじゃなくて、どのように、いろいろな人を仲間にして、それで応援してもらって一緒に会社経営を良くするか、社会変革するかという方向に考えを変えられたわけです。それが20代後半で、そこが一番大きな分かれ道だったかなと思います。

 

孝祐:良い話。小松さんって、本当に不思議というか。「受け止めてくれる」という感覚があるんですよ。

 

実帆:どういうことですか?

 

孝祐:存在をというか・・・。言ったら、前の会社で知り合って、一社員というか業務委託とかいうか、そんな感じで働いていたのですが、小松さんは誰とも分け隔てなく喋るし、気さくだし、会社を辞めるというタイミングでもご飯に一緒に行ってくれて。その後、何回かご飯に行って、先日はうちのアンティークコインギャラリアの社員も一緒に連れていってご飯に行ってくれたり、結構いい人なんですよ。

 

実帆:そうですね。繋がりを大事にしてくれるというか。

 

孝祐:他の人と大きく違う小松さんの一番の魅力というのがそこだと思っているのですが、そこの根底にある考え方を、今日ちょっと見られた気がします。

 

小松:今回は「当たり前のこと当たり前に」という、マネジメント・経営管理の話をしました。一方で、リーダーシップは、管理の枠組みを全く取っ払って、全員が対等で、「この指とまれ」の世界で、みんなでいいことをしよう。この2つの両立が腕の見せどころです。リーダーシップは非常に面白い。スモールビジネスは社内に経営資源があるわけではないからリーダーシップの世界だと思っています。「良いことやれば、お客様が喜んでくれて」というのは本当に楽しいですよね。

 

実帆:面白いです。リーダーシップの定義が、私がそもそもイメージしているのとは全然違うなと思います。共感します。

 

孝祐:確かに。ぐいぐい引っ張るという感じではないですよね。

 

実帆:そう。「こっちだよ」とか「これが正解だよ」みたいなものではなくて「みんなでちょっと集まって一緒にいいことしよう」。それってある意味、全員がリーダーみたいな感じになるじゃないですか。なんか概念がガラリと変わるみたいな感覚がありますね。

 

小松:そうですね。僕が子どもの時はマッチョなリーダー像が一般的だったのですが、リーダーが現場を支える、だったり、さっき言った、ゴミが落ちているのを拾うのも誰かがやらなきゃいけない、これもリーダーシップ。いろいろなリーダーシップの発揮の仕方があります。特にリーダーシップについては、この10年、20年で研究も進んでいますね。

 

実帆:そうですね。自分で気が付いた「やるべきことをやる」みたいな感覚なのかなとちょっと思って、「それならできるかも」と思いました。リーダーシップというと、自分にないものを求められている気がしてしまったり、追いかけてしまったりしがちなのですけが、やっぱりそうじゃないんだな、と思いました。

 

小松:だから、そんなに難しいことを考えずに、目の前のお客様に喜んでもらうとか、別にそれは一緒に働く社員の皆さんのためかもしれない。そういった一つ一つの積み重ねで世の中が良くなる。それがリーダーシップですよ。

 

実帆:小さい積み重ねとかよくある言葉ですが、小松さんが言うと凄い身が詰まっているんですよね。

 

孝祐:確かに。20年分詰まっていますね。さて、これで小松さんのゲストの回は、名残惜しいですが、おしまいになります。

 

実帆:名残惜しい。勉強になりました、いろいろ。

 

小松:ありがとうございます。

 

孝祐:ありがとうございます。実帆さん、どうでした?ご感想は?

 

実帆:自分で言葉にすると安っぽい言葉になってしまいそうで嫌なのですが、「当たり前のことを当たり前にやる」ということ。それが全てだと思いました。自分がやればいいことを、面倒くさいとか、やりたくないとかで違うものに置き換えてしまうことが私も含めてあるのですよ。もうちょっと大きいこととか楽しいことはないかなというふうに。でもそうではなくて、目の前にあるやるべきことを一個一個積み重ねた方が、自分の身に適った結果が出てくるのだろうなと思いました。孝祐さんどうですか?

 

孝祐:僕はもう凡事徹底のこの四文字ですね。ずっと「あれやらなきゃ、これやらなきゃ」と思っているけど、結局できていないのが現状なわけです。それでも会社はなんとか回っているのですよ。「あれやらなきゃ、これやらなきゃ」という、この凡事をちゃんとできれば、今以上になるというのは当たり前。ということで、皆さん凡事徹底ですよ。今日やるべきことは今日やりましょうと。明日やるはバカ野郎と。

 

小松:そうそう。

 

孝祐:そうですよね。

 

実帆:いや、本当その通り。

 

孝祐:はい、というわけで、今回久しぶりにゲスト4回でした。小松さんはものすごいエピソードがあったので4回来ていただいて、お話をさせていただきました。どうもありがとうございました。

 

実帆:ありがとうございました。

 

小松:ありがとうございました。

 

孝祐:番組をお聞きの皆様、ぜひフォローお願いします。Twitter、YouTubeでも発信しておりますので、ぜひ各SNSをチェックしてください。Twitterではですね、ハッシュタグぼくスモで感想質問などもお待ちしております。では、バイバイ。

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