成果を出すためのチーム目標の設定方法!目的やポイントを解説
チームプロジェクトには、個人のパフォーマンスだけでなくチームワークも必要です。
しかし、「チームが団結しておらずマネジメントがしにくい」「チームプロジェクトを成功させる方法を知りたい」と悩んでいることはありませんか。
チーム管理には、適切なチーム目標の設定が効果的です。
本記事では、チーム目標を定める目的や注意点、実際の設定方法をご紹介します。
チーム目標を設定する目的
チームが成長を続け、プロジェクトを成功させるために欠かせないチーム目標。
チーム目標には、以下の2種類があります。
- 発生型目標:すでに発生している課題に対処するための目標
- 設定型目標:高みを目指すための目標
チームに目標を設定することの目的を3つご紹介します。
チームの方向性が決まる
チーム目標を設定すると、メンバー間で共通認識ができるので、チームの方向性が定まります。
チーム内でアドバイスやサポートをする際に明確な目標があると、話しやすく理解も容易にできるでしょう。
その結果、お互いに協力して業務を進められるので、一丸となってプロジェクトの成功へつなげられます。
モチベーションが向上する
チーム内に目標があれば、それぞれのメンバーが目標達成に向けて意欲的に取組めるので、モチベーションの向上を図れます。
例えば、目標が100とすると達成できるまでなんとか創意工夫をしますが、目標がなければ90でも満足して努力をやめてしまうかもしれません。
目標があることでメンバーのパフォーマンスが高まるでしょう。
振り返ることができる
チーム目標を掲げて業務を遂行すると、プロジェクトの途中や完了時に、実績と目標を比較して振り返ることができます。
特にプロジェクトが長期的な案件の場合、期初に立てた目標があると、途中段階で修正や調整を行う際に役立ちます。
例えば、月に一度、目標に対する進捗を確認すれば、現実と目標の解離に気づけ、早期に対処ができるでしょう。
チーム目標の設定に使えるフレームワーク「SMARTの法則」
チーム目標を設定する際に意識したい考え方として、「SMARTの法則」があります。
「SMART」は、5つの英単語から頭文字を取って並べたもので、チーム目標を達成するための成功因子として確認しましょう。
- Specific:具体的な
-
具体的で明確になっており、誰がいつ読んでもわかること。
良い例:昨期を上回る売上高を目指す、〇〇業界シェアトップクラスに入る
悪い例:売上アップ、お客様に貢献
- Measureble:測定可能な
-
数値で表せて、目標達成までの進捗度を計算しやすいこと。
良い例:品質事故0、月間売上1,000万円、新規顧客5,000人獲得
悪い例:事故を少なくする、月間売上を向上、新規顧客を開拓
- Achievable:達成可能な
-
高すぎて実現できない目標ではなく、現実的で達成が見込めること。
良い例:平均利益率40%キープ、顧客担当者と週一回進捗確認を行う
悪い例:利益率80%を目指す、顧客と毎日打合せを行う
- Relevant:関連性のある
-
チームの目標が部署や会社全体の目標と関連していること。
良い例:今シーズンの平均売上率42%達成(組織目標が今シーズンの平均売上率40%達成の場合)
悪い例:売上高をキープ(組織全体の目標が新規契約数の向上の場合)
- Time-bound:期限付きの
-
目標を達成すべき期限が明確にわかること。
良い例:毎月の売上目標1,000万、〇月△日までに新規運用開始
悪い例:契約数5万件達成(期限の設定がない)
チーム目標の設定と実行までのやり方
実際にチーム目標を設定して実行するまでの方法をご紹介します。
まず、チームの目標を考える前に、ビジョンを確認しチーム内で共有しましょう。
属している組織や会社全体のビジョンに基づいて、チーム独自のビジョンやミッションを明確に定めます。チームメンバー全員が同じ目標を目指せるような方向性や理想像を示しましょう。
チームビジョンができたら、SMARTの法則を意識して目標を作成します。
SMARTの法則は、以下の5点に注意しましょう。
- 具体的であること
- 数値で表せること
- 現実的であること
- (最初に設定したチームビジョンと)関連性があること
- 期限付きであること
目標ができたら、達成までの具体的なストーリーを描きましょう。
目標達成までの期間から逆算し、必要なタスクや現在の状況を洗い出すと、やるべきことが見えてくるはずです。
例えば、受注確度の高い顧客に対しては取りこぼしがない程度に営業活動を続け、新規顧客を開拓したりする時間や労力を確保しましょう。段取りや根回しのタイミングを逃さないように、あらかじめ筋道を作っておくことは重要です。
チームのビジョン・目標・戦略ができたら、「なにを」「どのように」行うのかは明確になっているので、「だれが」「いつ」実行するのかを検討しましょう。
各メンバーの実績や能力、相性などを考慮して担当者を割当ます。
また、担当者によって適切なタイミングや所要日数が異なるので、スケジュールも同時に調整する必要があります。
それぞれのアクションが起こしやすく、描いたストーリー通りに展開するように、割り振りをしましょう。
準備が整ったら、プランを実行しましょう。
担当者は自分のタスクを遂行し、マネージャーはチームの舵取りを行います。
軌道修正が必要になれば適宜行い、チーム間で協力し合えれば、目標達成により近づけるでしょう。
チーム目標のポイント
チーム目標は、達成に向けてメンバーのパフォーマンスが高まったりチームが一丸となったりして成長していくことが理想的です。
そのためには、効果のある目標を立てる必要があるので、適切なチーム目標を設定する秘訣をご紹介します。
「なぜ」「なにを(どのくらい)」「いつまでに」に着目しましょう。
目標の意味付けをする
目標は、「なんのために設定するのか」という意味を考えましょう。
目標を設定するまでの背景や、達成後のあるべき姿を想像すると、目標の持つ意味や重要性を理解しやすいです。
また、目標を設定するリーダーやマネージャーだけでなく、チームメンバー全員に周知することで、目標達成への意識を高められるでしょう。
振り返りができる目標設定をする
目標は、「なにを(どのくらい)」やり遂げるのかを明確にしましょう。
目標は、曖昧な表現をしていると、解釈によって達成しているのかわかりにくいです。具体的に明記し数値で表せば進捗が確認できるので、目標を見失うことはありません。
また数値で目標を設定しておくと、プロジェクトが終わった後に振り返りをすることができます。
目標を達成できなかった場合は、何が原因で目標に届かなかったのかを分析することが大切です。
目標の期限を決める
目標には、必ず「いつまでに」という期限を設けましょう。期限のない目標は、達成されることはありません。
プロジェクトには納期があり、経営状況を判断するにも定期的な決算期があります。
そのため、期限ごとに目標を立てることが大切です。また、納期が長い場合は、区切りのいいタイミングでそれぞれ目標を設定しましょう。
期限が長すぎても、モチベーションを維持できずだらけてしまいやすいので注意してください。