リーダーシップ往復書簡 003

「リーダーシップ往復書簡」ですが、一部の読者の方から個別にご連絡をいただき、ご好評いただいているようで嬉しいです(リーダーシップにご興味ない方にはお目汚しかもしれませんが、ご容赦ください。)。

大人になると不思議なもので、自己成長に興味がある人とない人でとても差があります。人生100年時代ですから、自己成長に興味ある人が貪欲に情報を吸収していきどんどん成長していくのを目の当たりにすると、まずは、どうすればその状態に持っていけるのかを考えます。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.3】
リーダーシップを発揮する上で必要だと思う基礎的な素養は何か?(知識、技能、経験など)

 

<コメント>

私が考えるリーダーシップを発揮する上で必要だと思う基礎的な素養は、1.自己認識力、状況把握能力、2.正しさ、倫理観、3.利他の心、4.コミュニケーション能力です。

もちろん、リーダーが、MBAで教えるようなマーケティング、アカウンティングやファイナンスなどマネジメント・スキルを知っているに越したことはないのですが、そちらよりも、昔から言われる「人間の器」のような認識の枠組みのほうが素養として重要だと思います。

このあたりについては、成人発達理論でも「水平的な成長」・「垂直的な成長」と表現されているかと思います。「水平的な成長」は知識やスキルの獲得で、それに対して、「垂直的な成長」は「人間の器」のような認識の枠組みを指します。

 

目次

1.自己認識力、状況把握能力


なぜ自己認識力、状況把握能力が必要と考えるかというと、まず、自己認識力については、自分がどのように他者から見られているのか、自分が他者に対してどのような影響を与えているのかを認識する必要があると思うからです。それが全ての出発点だと思います。

次に、状況把握能力については、ここでは私は他者を知ること、他者に興味を持つことの意味で表現しており、複雑化し高度化している現代社会において、複雑に絡み合った糸をそれぞれ正確に理解する能力がなければ、継続して正しく行動することができないと考えるからです。もう少し感覚的な表現をすると、状況把握能力が乏しいと「志の立て方」を誤ってしまう可能性があると思います。

 

2.正しさ、倫理観


なぜ正しさ、倫理観が必要と考えるかというと、これらが自己と他者をつなぐ共通認識部分であり、人を動かすうえでの大義名分になるからです。

リーダーたるもの正しさや倫理観がしっかりしていて、さらにはその優先順位をつけることができなければ、複雑に絡み合った利害関係を紐解くことができません。

 

3.利他の心


なぜ利他の心が必要と考えるかというと、リーダーの原点・出発点が「利己的」では、中長期的に人を動かすことはできないからです。

私の好きな言葉に「世のため人のため」という言葉がありますが、まさに「利他」や「無私」を表現した言葉だと思います。

 

4.コミュニケーション能力


つらつらと書いてきましたが、最後に、今までの1~3を、フォロワーに、率直に伝えるコミュニケーション能力が必要だと思います。

コミュニケーション能力と記載しましたが、リーダーが必要なコミュニケーション能力は、前述の「水平的な成長」で言われる知識やスキルではなく、「垂直的な成長」で言われる「人間の器」や認識の枠組みを提示できるコミュニケーション能力です。もう少し感覚的な表現をすると、フォロワーに対して、「気づき」を与えるコミュニケーション能力です。

この能力があることにより、フォロワーの成長を促進することができ、より多くの人を動かすことができるようになると思います。

なお、今回は重点的に、マネジメント・スキルではなく、俗っぽくいうと「リーダーシップ・スキル」に焦点を当てて記載をしましたが、訓練や経験なしに、いきなりこれらの「リーダーシップ・スキル」が身につくことはないのではないかと思います。人間は誰しも勝ち馬に乗りたいものです。そのため、マネジメント・スキルを用いて、分かりやすく合理的・論理的に、フォロワーに「勝ち筋」を提示することも価値あることだと思います。

 

※この記事は、2019年8月22日付Facebook投稿を転載したものです。

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

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