リーダーシップ往復書簡 026

リーダーシップに興味を持って勉強し、実践するために努力すればするほど、リーダーとしての立ち振る舞いが、外部の人たちからは一見、理解され難いこと、矛盾をはらんでいるように見えることに難しさを覚えています。

リーダーは優しさと厳しさという観点では、時に母親のようであり、父親のようであります。

例えば、愛情があるからこそ、厳しく叱るという考え方があります。その人と真剣に向き合えば、その人に対する愛情とは別次元で、時にアドバイスが苛烈な表現になってしまうこともあります。

ある程度、年齢を重ねれば分かったり、時間が経てば消化できたりするわけですが、この分かりづらさがリーダーシップの一面だと思います。

リーダーは総論と各論という論点では、時に大きくフォロワーに任せる場合があり、逆に、リーダー自らが「神は細部に宿る」のように神経質にこだわりを持つことが本質的である場合もあります。

画竜点睛を欠くになってはいけないわけですが、この勝負どころ・勘どころも、リーダーとフォロワーなど人それぞれ視座の高さ・視野の広さが違うので、リーダーの分かりづらさだと思います。

近年、流行りのリーダーシップの概念である「サーバント・リーダーシップ」も、召し使いのサーバントと組織を導くリーダーという一見、相反する意味の言葉を掛け合わせた造語です。

また、私が、20代半ばで、まだ駆け出し経営者だった頃に、過去に大臣を務めた経験のあるメンターの方から教えていただいた「リーダーは愛され畏れられる存在でなければならない。」という考え方も同様です。

私も普段の行動や言動を自己分析したり内省したりするのですが、自分なりのリーダーとしてのプロトコールに基づいて行動したり発言しているのですが、このシンプルには言語化しづらい部分をどう表現するかが課題だと感じています。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

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【Q.26】
リーダーは自分の成長とフォロワーの成長のどちらを優先させるべきでしょうか?

 

<コメント>

今回いただいたご質問については、まず先に「成長」の定義をしなければなりません。

私はマネジメント・スキルの成長とリーダーシップ・スキルの成長には違いがあると考えています。

実務的なマネジメント・スキルで成長の話をすれば、リーダーは、一定レベルのマネジメント・スキルがなければ、フォロワーがついて来ないと思いますので、その範囲で成長は必要だと思います。これはフォロワーについても同様だと思います。

リーダーシップ・スキルの成長については、フォロワーがリーダーシップを正しく発揮して、自身がリーダーとして成長していると実感がある場合は、リーダーのリーダーシップは正しく発揮されていると思います。

そして、そういったフォロワーの数がより広範で多い場合、より多くの人に対して影響力を行使できている場合は、リーダーが成長している証なのだと思います。

私は、リーダーの成長とは、フォロワーの成長と不可分であると考えています。

リーダーは、フォロワーをはじめ、他者の成長、もっと言えば、世の中がよくなることが自分の成長なのではないかと思います。

「脱構築」のような話になってしまいますが、自分と他人が分かれずに、自らが世界に溶け込む感覚を身に着けると、より高い視座を身に着けることができると思います。

 

※この記事は、2020年4月26日付Facebook投稿を転載したものです。

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

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