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リーダーシップ往復書簡 038

 

 

リーダーに「正しさ・倫理観」が必要であることは、「リーダーシップ往復書簡 003」で述べたとおりですが、今回から数回にわたり、正しさや倫理観について深堀りをしたいと思います。

前提として、「人は性善なれど弱し」と考えると、やはり多くの人から共感を得るために、リーダーは性善でなければならないと思います。

それでは、正しさ、倫理や善とは何なのでしょうか?

辞書を引くと、正しさとは「道理にかなっている。道徳・法律・作法などにかなっている。」、倫理とは「人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの。」、そして、善とは「よいこと。道義にかなっていること。また、そのような行為。」とあります。

これらの論点が難しいのは、人によって、少しだけ正しさ、倫理や善の捉え方が違うからです。

リーダーは、その意思決定が、フォロワーから共感を得られるような正しさや倫理観なのかについて、日々考えていると思います。

また、これらは法律や様々な制度・ルールとも必ずしも一致しておらず、より広い概念だと思います。

例えばリーダーの代表格である政治家は、人として正しいけれども、法律のすき間に落っこちてしまった人を救うために、法令を制定をすることが仕事です。

人によっては、リーダーとは、現行の法律や制度の枠組みを超えて、時に拡大解釈をして、時にオーバーランをして、世の中をより良く変えるものだと言う人までいると思います。

大きな事を成しとげようとするときは、小さな犠牲にはいちいち構っていられないという「大事の前の小事」も、リーダーを悩ませる論点です。(※ 「大事の前の小事」には、大事を成すには、小事にも気をつけ油断してはならないという意味もあります。)。

正直なところ、私が人としてまだ未熟だからですが、毎度のように、この正しさや倫理観について、立ち止まって考えています。恥ずかしながら、浮利を追いかけてしまったり、濡れ手で粟のディールを追いかけたり、ズルい考えが頭を過ぎる時があります。

スタートアップ経営者やベンチャー支援をしている人は、ビジネス・エシックス(企業倫理)という論点に悩みを持たれている方も多いのではないかと思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

 

【Q.38】
オススメのリーダーシップの本について教えてください。

 

<コメント>

私はリーダーシップは実践して身につくものだと考えていますが、本を読むことによっても、一定の気づきを得られると思います。

実際に、鶏口牛後で小さい組織でも構いませんので、少しだけ勇気を出してリーダーシップを発揮して、リーダーとして歩み始めると、より効率的に本に書かれている内容が頭に入ってくると思います。

1.「リーダーシップ・チャレンジ」/ジェームズ・M・クーゼス、バリー・Z・ポズナー
2.「リーダーになる」/ウォレン・ベニス
3.「サーバント・リーダーシップ入門」/金井 壽宏、池田 守男
4.「スタンフォード式 最高のリーダーシップ」/スティーヴン・マーフィ重松
5.「リーダーシップの旅~見えないものを見る~」/野田 智義、金井 壽宏
6.「リフレクティブ・マネジャー~一流はつねに内省する~」/中原 淳、金井 壽宏
7.「リーダーは自然体 無理せず、飾らず、ありのまま」/増田 弥生、金井 壽宏
8.「幸之助論―「経営の神様」松下幸之助の物語」/ジョン・P.コッター
9.「信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学」/リチャード・ステンゲル
10.「シンクロニシティ――未来をつくるリーダーシップ」/ジョセフ・ジャウォースキー

 

※この記事は、2020年6月27日付Facebook投稿を転載したものです。

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