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リーダーシップ往復書簡 037

 

 

「リーダーシップ往復書簡 032」から5回に渡り、インテリジェンスについて記載をしてきましたが、ご興味を持っていただけたでしょうか。

私は、リーダーが内省するためにも、インテリジェンス・スキルは欠かせないと考えています。

内省とは、自分の考えや言動、行動について深く省みることです。

リーダーには、自分の成長のためにも、組織の成長のためにも、内省が不可欠です。

「リーダーとは、フォロワーがいて、はじめてリーダーである」と定義する人がいるぐらい、リーダーシップでは、他者との関係性を切り離して考えることはできません。

そのため、リーダーが内省するにあたり、やはり他人のリーダーに対する評価の情報は欠かせないものと思います。

もし読者の皆さんが新たにリーダーとして歩み始めれば、リーダーになった途端、信じられないぐらいの情報を手にすることになると思います。

その情報の中には、リーダーにとっては耳ざわりの悪い、リーダーに対する愚痴、文句、悪口、批判的な声なども含まれていると思います。

しかし、このネガティブな情報を正しく情報分析すれば、本当にリーダーが非難されるべき行動をしていて、情報の通り、批判されている場合もあれば、リーダーが正しい行動をしていたにも関わらず、非難した人が人間的に未熟で批判していたようなこともあるわけです。

このような自分に不都合な情報も含め、リーダーは沢山ある情報の中から「真実」を探し出さなければならないのです。

リーダーが情報と向き合うことは、内省に繋がることでもあるのです。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

 

 

【Q.37】
どうすればインテリジェンスのスキルを高めることができるでしょうか?

 

<コメント(後編)>

前回は、インテリジェンスのスキルのうち、情報収集スキルについて記載をしましたので、今回は情報分析スキルと情報の利活用スキルの向上について回答をします。

情報分析スキルの向上ですが、複数から情報取得することを心掛けると情報分析ができるようになります。一つの事実に対して、Aさん・Bさんそれぞれから話を聞くのです。それぞれの地位や立場によって、情報が歪んだり曲がったりすることを認識する訓練が必要です。

また、情報を、情報として中立的(ニュートラル)に受け取るための訓練も必要です。特にリーダーになれば、自分に対する悪口や愚痴とは日常的に接することになるでしょう。その際に、いちいち感情的に捉えてしまっては、心神耗弱になってしまい正しい意思決定ができなくなってしまいます。

もし人間関係が構築できていたとしても、その人が耐えきれない負荷がかかれば、愚痴や文句が出るのが人間です。それは好き嫌いとは別次元です。このあたりの人間の感情の機微が分かるようならなければ、自分の周辺にかかる情報分析ができるとは言えません。日々、他人の表情、声色、それこそTwitterなどSNSであっても、行間を読むように注意すると情報分析スキルは上がるものと思います。

くれぐれも情報分析をする場合は、職業的猜疑心を持って当たらなければなりませんし、自分に届いている情報は氷山の一角であると認識し、鵜呑みしたり思考停止に陥らないようにしなければなりません。

最後に、情報の利活用スキルの向上について書きたいと思います。一般的には、何か目的があって、情報収集や情報分析を行うものと思います。そのため、目的を達成するために、どのように情報を活用するかについても、スキルアップする必要があります。

情報は力の源泉です。情報を持ったら、誰に、どのタイミング、どの範囲の情報を共有するのかをよく考えるのです。特にスキルアップをするためには、その情報がどのように流れるのか、その情報を取得した人間らがどのように思い、どのように行動するのかをしっかりシミュレーションして、頭の体操をしなければなりません。

信頼すべきフォロワーであったとしても、常に情報共有することが正しい選択肢ではないことを理解しなければなりません。全体最適のために、あえて情報を分断する勇気を持つことも、場数を踏んで訓練することで、自在にできるようになると思います。

情報を制すれば、人の動きをコントロールできます。

リーダーを目指す人には、ぜひともインテリジェンスのスキルアップにも興味を持ってもらえればと思います。

 

※この記事は、2020年6月20日付Facebook投稿を転載したものです。

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