第7回スーツアップ特別ウェビナー「中小・ベンチャー企業の事業成長の鍵となるCFO」
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当社では、2025年4月23日にゲスト講師に、一般社団法人日本パートナーCFO協会代表理事の高森厚太郎氏を迎え、第7回目となるスーツアップ特別ウェビナー「中小・ベンチャー企業の事業成長の鍵となるCFO」を開催しました。
本稿では、中小企業の皆様にとって有益な情報が満載だった本ウェビナーの内容を、前編・後編の2回にわたりダイジェスト版としてお届けいたします。
前編は、ゲスト講師の高森氏による講演「中小・ベンチャー企業の事業成長の鍵となるCFO」です。高森氏のご経歴は以下の通りです。

東京大学法学部卒業。筑波大学大学院、デジタルハリウッド大学院修了(JD、MDCM)。日本長期信用銀行(法人融資)、グロービス(eラーニング)、GAGA/USEN(邦画製作、動画配信、音楽出版)、Ed-Techベンチャー取締役(コンテンツ、管理)を歴任。現在は「CFO8マトリックス」で経営と現場をExitへナビゲートするベンチャーパートナーCFOとしてアーリーステージスタートアップ企業などへの経営コンサルティングの傍ら、デジタルハリウッド大学院客員教授、グロービス・マネジメント・スクール講師、パートナーCFO養成塾頭、一般社団法人日本パートナーCFO協会代表理事等も務め、事業や個人のプロデュースに注力している。
後編のゲスト対談(ゲスト講師:一般社団法人日本パートナーCFO協会 代表理事 高森 厚太郎、株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松裕介)はコチラから。
【まとめ】
- 経営の4要素と成長ステージの課題
- CFOの役割と社外CFOの必要性
- CFO8マトリックス
- 伴走支援の事例
- 「パートナーCFO」に必要な要件
ウェビナー内容
中小・ベンチャー企業の成長において、CFOという存在がこれまで以上に重要視され始めています。
しかし、実際の現場では「CFOを採用する余裕なんてない」「何をお願いすべきか分からない」といった声も少なくありません。
本ウェビナーでは、高森氏のCFOの経験をもとに作成した独自メソッド「CFO8マトリックスⓇ」とともに、経営者を支え、ともに成長をナビゲートする存在としてのCFOの実像に迫っていきたいと思います。
登壇者の自己紹介
私は大学卒業後に銀行に勤務し、その後、株式会社グロービスに入社しました。現在グロービスは日本を代表するMBAの教育機関として知られていますが、当時はまだMBAプログラムもなく、従業員数も50人ほどの組織でした。現在は500人を超えていると思います。
当時はまさに成長途上のスタートアップのような環境で、私はeラーニング事業に携わっていました。
その後、映画や音楽などのコンテンツビジネスに携わりたいと考え、GAGA/USEN(現在のUSEN-NEXT Holdings)に入社しました。
現在のUSEN-NEXTは時価総額約3,000億円の企業に成長していますが、私が在籍していた当時は、ちょうど第二創業期にあたり、インターネット動画配信サービス「GyaO!」の立ち上げ期でした。
GyaO!事業は最終的にYahooに買収され、その後2024年にクローズされています。
邦画製作を手がけるGAGAは現在、GENDA株式会社に買収されており、私自身も外部から応援を続けてきました。
当時はGyaO!やGAGA邦画製作の事業企画など前向きな業務に取り組んでいましたが、2008年にリーマンショックが発生したことで、その後はやや防衛的な業務に移り、リストラや事業売却など管理や経営企画を担当していました。
その後、個人事業主やEd-Techベンチャー取締役を経て、現在はプレセアコンサルティング株式会社代表取締役として、今回お話しする社外「パートナーCFO」としての活動や、一般社団法人日本パートナーCFO協会代表理事を務めています。
これまでのキャリアは、半分が経営企画やCFO、半分が新規事業の立ち上げや事業再生でした。現在はその集大成として、中小・ベンチャー企業のパートナーCFOⓇを行っています。
なぜ今「パートナーCFO」なのか
私は、中小企業やベンチャー企業の経営にNo.2として関わってきたほか、グロービスのようなビジネススクールで教える立場も務めてきました。それらの経験から整理すると、経営には4つの要素があると考えています。
それが「理念」「実務」「リソース」「渉外」です。
・「理念」は、企業の理念や戦略を立て、それを社内に浸透させていくこと
・「実務」は、経営のPDCAサイクルを回し、実際のオペレーションを監督していくこと
・「リソース」は、人やお金といった経営資源を調達し、適切に配分していくこと
・「渉外」は、これは外部との折衝や事業提携・資本提携など、特に大企業や同業他社の経営層に対して、どのように働きかけをしていくかということ
これらの仕事は、まさに経営者固有の仕事であり、スタッフに丸投げしてうまくいくようなものではありません。
会社が大きくなっていく過程においても、やはり経営者自身がこのような仕事を担い続けていく必要がある、と私は考えています。

中小ベンチャーの経営とは、成長の各段階で現れる「壁」を乗り越え続ける仕事です。
創業期の「死の谷」では資金繰りに苦しみ、続く「ダーウィンの海」では競合との生存競争にさらされます。事業が安定しても、「30人・50人の壁」という組織マネジメントの課題が待ち受け、上場後には多角化と官僚化の壁が立ちはだかります。
日々の実務を回しながら、孤独と向き合い、成長に伴う「歪み」を乗り越えていく――それを経営者一人の力で進めるのは、非常に難しいのが現実です。

ここで重要になるのが役割分担です。
企業理念を掲げることと、日々の実務を回すことの間には、必ず理想と現実のギャップが生まれます。これを一人で埋めようとするのは無理があります。だからこそ経営には、役割分担と相互牽制の仕組みが必要です。単なる折衷ではなく、その先にある「第三の道」を探すことが重要です。
経営の役割分担は、一般にCEO・COO・CFOで語られます。CEOは理念と戦略を描くリーダー、COOは事業を回す実務責任者、CFOは資金や管理部門を統括する参謀役です。企業が成長していくうえでは、資金調達や経営管理を担うCFOの存在が欠かせません。経営判断の質を高め、企業価値を高めていくうえでも重要なポジションです。
しかし、ベンチャー企業に適したCFO人材は多くありません。実務力と組織内の調整力を兼ね備えた人材は限られており、「CFOが見つからない」という相談をよく受けます。さらにシード期やアーリー期の企業では、フルタイムのCFOを置くほど業務量があるわけではありません。それでも資金調達や経営管理といった「CFO的な役割」は確実に必要です。
この課題に対する一つの解が、CFO業務を外部の専門家に委ねるという方法です。私はEd-Techベンチャーに関わる中でこの考えに至り、現在はその仕組みづくりに取り組んでいます。
パートナーCFOの役割と機能
今回お話ししている「パートナーCFO」という考え方は、何も社外CFOに限ったものではなく、社内のCFOにも共通する役割だと考えています。
一般的にCFOの役割は、経理・財務といったファイナンス領域だけでなく、コーポレート、人事、総務、さらに戦略面での経営企画まで多岐にわたります。これらの領域を幅広く管理し、CEOからも経営参謀として大きな期待が寄せられるのがCFOの特徴です。
私は「パートナーCFO」という呼び方をしていますが、社内のCFOであっても、本質的には経営のパートナーとしての役割が求められるのは同じだと考えています。
コーポレート業務やファイナンス業務は比較的オペレーション要素が強く、会計事務所など外部にアウトソースできる部分も多くあります。しかし、経営企画の領域は、外部に丸ごと任せることが難しく、担い手自体が少ないのが現実です。
そのため、経営企画を軸に置きつつ、バックオフィス全般を適切にマネジメントし、さらにCFOとして企業の成長戦略を策定・推進していく役割が重要になります。企業の効率化や生産性向上を図り、KPIを管理しながら企業価値を高めていく、これこそが、社内外問わずCFOに求められる重要な役割だと考えています。
また、CFOの役割は、経営企画だけでなく、組織のマネジメントやチームビルディングにも及びます。
人事制度が十分に整っていない企業も多いため、組織づくりや人材育成の仕組みづくりを支援することも大切です。資金調達だけでなく、人材の確保やリソースの最適配分などの面でも経営を支える役割を担います。

こうした問題意識から、私は2017年7月にプレセアコンサルティング株式会社を立ち上げ、8年が経ちました。現在は常時6〜7社程度の企業に、社外CFOや社外役員として関わりながら、企業の経営を支えています。
「CFO8マトリックス」とは
私が実践している「CFO8マトリックス」というメソドロジーは、CFOに必要な全ての機能を整理し、経営者の参謀役としての役割を体系化したものです。
あるクライアント企業では、事業の成長とともにIPOを視野に入れるようになり、監査法人や主幹事証券の選定支援から、エクイティストーリーの策定まで幅広くサポートしてきました。コロナ禍では、サバイバルのための資金調達支援や、事業部長クラスの育成を目的とした経営合宿も実施しています。
その後、上場準備を本格的に進める段階で、フルタイムのCFO設置に向けた採用活動にも関わりました。CFO候補者の面接などにも同席し、最終的にCFOが稼働し始めた後、私自身は役割を終えたタイミングで身を引きました。
このように、経営者が将軍だとすれば、私はその側に立つ軍師として経営を支援してきました。この企業では、IPOに向けた準備と並行して全国展開を進め、関東だけでなく関西や中部圏へとエリアを拡大しています。
結果として、5年間で売上は約6倍となり、私が関わり始めた頃は約3億円だった売上は、退任時には20億円を超えるまでに成長しました。この事例は、「パートナーCFO」として経営に伴走し、企業価値を高めてきた分かりやすい例の一つだと考えています。
この支援において核となったのが、「CFO8マトリックス」です。

このメソドロジー、「CFO8マトリックス」は、経営のかかりつけ医としてのCFO像を具体化したものです。大谷翔平選手が高校入学時に目標設定に活用したチャートにインスパイアされ、私自身が経営支援に活かせる形として作成しました。
例えば、経営者が向き合うべきテーマとして、「経営管理(理念、戦略、事業計画を含む)」「PL・CFの改善」「組織マネジメント」「資金調達」「採用」などがあります。この中だと、「PL・CFの改善」「資金調達」は特にCFOがリードする項目でしょう。
他にも、未上場企業であってもM&Aによる売却の動きが活発化していますし、必ずしもIPOだけがゴールではありません。 一方で、成長を続ける企業には常にリスクが伴い、事業再生や承継のような場面に直面することもあります。
例えば、コロナ禍では、あるクライアント企業で約2か月半にわたり売上がゼロになるという状況が発生しました。このような危機に備えるためにも、誰に何を相談するかは非常に重要です。しかし実際には、CFOの役割を果たせる人材は社内にいないケースが多く、外部にも適任者は限られています。
そこで私は「パートナーCFO」として、「CFO8マトリックス」を軸に経営者の相談に応じています。大切なのは、かかりつけ医としての一次対応です。
CFOが全てを自ら解決する必要はなく、課題を整理した上で適切な“専門医”に引き継ぐのが役割です。例えば資金調達が必要となれば、株式調達なのか、融資なのか、投資家の紹介が必要なのかを整理し、適切なパートナーに繋ぐ、これが本来のCFOの機能です。
ただし、その際に重要なのは、外部に依頼する前に「何をやるべきか」を社内で明確に要件定義することです。この要件定義を支え、経営の“かかりつけ医”として一次診療を担うのが私の考える「パートナーCFO」の役割です。これは社外に限らず、社内のCFOにも共通する役割だと考えています。逆に言えば、企業や経営者には、この8つの領域について、信頼できる相談相手を持つことが求められます。
CFOコンサルティングと人材育成
今回お話しした「CFO8マトリックス」を使って具体的にどういうことをやっているかというと、一つは社外CFOとしてのコンサルティングです。例えば月1回の訪問、またはオンラインミーティングをペースメーカーとして行います。
まず、企業の戦略や理念など、不明瞭になっている部分の整理から始まり、業績・PL・キャッシュフローの改善、資金調達へと段階的に支援します。これらの基盤が整った後には、人づくりや組織づくりに取り組む、というフルパッケージでの支援を提供します。
ただし、実行の主体はあくまで会社側であり、私が関わるのは、月に2時間程度の面談の中で根本的な問題点を特定していくプロセスです。経営者の中で問題がうまく特定できていないケースもあり、そこを明確にした上で解決策の提示と優先順位を決めていきます。会社側のリソースが不足している場合は、私や外部の専門家が実務をサポートすることもあります。

また、実務と並行して「パートナーCFO養成塾」という、パートナーCFO足りえる後進を養成する塾も運営しています。養成塾は、メソッドの動画学習によるインプットとワークショップによるアウトプットを組み合わせた実践的な内容で、半年間のプログラムとして提供され、これまでに164名のパートナーCFOを輩出してきました。2025年の6月からは半年間のプログラムとして、東京のライブクラスとオンラインクラスの2本立てで開催する予定です。
さらに、これらの活動の受け皿として、2019年に一般社団法人日本パートナーCFO協会を設立しました。「パートナーCFO」として活躍するには変化していく外部環境や制度にも対応する必要があります。協会では、成功事例などの情報共有、人材育成、紹介などを通じて、「パートナーCFO」が継続的に研鑽し活躍できるベースキャンプを提供しています。
毎月開催される「パートナーCFOサロン」では、グロービスのコーポレート本部長やベンチャーキャピタリストなど、各界の第一線で活躍するゲスト講師を招き、実践知の習得を支援しています。
「パートナーCFO」に求められる要件
では、「パートナーCFO」にはどのような要件が求められるのでしょうか。
私自身、グロービスなどでの人材育成の経験からも、CFOに必要な資質は「スキル」「マインド」「相性」という3つの要素に整理できると考えています。これは社外のCFOに限らず、フルタイムでCFOを採用する場合にも共通して求められるものです。

まず当然ながら、CFOには高い専門「スキル」が必要です。経営参謀としての経営管理の知識・スキルはもちろん、私はこれを「CFO8マトリックス」として体系化しています。
さらに重要なのは、経営者とのディスカッションスキルです。CFOとして知識を提供するだけでなく、経営理念の言語化などは教えるのではなく、経営者との対話を通じて引き出していく必要があります。そのため、コーチングの技術や、経営幹部との会議を円滑に進めるファシリテーション(司会進行)のスキルも不可欠です。
しかし、スキルがいくらあっても、それだけでは「パートナーCFO」としては不十分です。重要なのは、経営にどれだけ深くコミットできるかという「マインド」です。例え社外の非常勤という立場でも、常に経営者と会社のことを考え、その姿勢を行動で示せるかどうか。
これがなければ、経営者としても継続して任せたいとは思えないでしょう。
そして、最後に、人と人が共に働く以上、やはり「相性」が重要です。私の場合、クライアント企業とは月に1回、2時間程度の打ち合わせを行っています。限られた時間の中で、経営課題を整理し、思考をクリアにし、経営者が前向きな気持ちになれる時間を提供できることが大切です。
経営は大変なことの連続です。だからこそ、経営者がこの場でリフレッシュし、また現場に戻って前進できるかどうかは、相性次第とも言えます。さらに、単なる相性だけではなく、業種や事業ステージ、組織文化との「土地勘」も大切です。
私自身はIT、小売、サービス業などの領域で多くの経験がありますが、例えば研究開発型の企業は土地勘がありません。そういった場合は、その分野に強いパートナーを紹介する形で対応しています。いずれにせよ、社外CFO・パートナーCFO、あるいは社内でCFOを採用する際には、自社の業種・事業ステージに適した人材を選ぶことが重要です。
逆に、CFOを目指す人にとっては、自分の強みを活かせる業種・事業ステージを見極め、必要に応じてそれらを新たに開発していくことが求められます。
チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。