第19回スーツアップ特別ウェビナー「事業承継後の中小企業のリアル」
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当社では、2025年11月5日にゲスト講師に、株式会社横井製作所/株式会社アド・ウォーク代表取締役社長の丸山 和雄氏を迎え、第19回目となるスーツアップ特別ウェビナー「事業承継後の中小企業のリアル」を開催しました。
本稿では、中小企業の皆様にとって有益な情報が満載だった本ウェビナーの内容を、ダイジェスト版としてお届けいたします。
前編は、ゲスト講師の丸山氏による講演「事業承継後の中小企業のリアル」です。
【まとめ】
- 「ビッグボス」的なオーナー社長によるトップダウン経営
- 鍋蓋組織の中で忍耐強く誠実に働く従業員
- 鍋蓋組織からピラミッド組織への転換と幹部育成
- Well-being経営・働き方改革による定着率向上と業績成長
- 中小企業に適したガバナンスの強化
後編のゲスト対談(ゲスト講師:株式会社横井製作所/株式会社アド・ウォーク代表取締役社長の丸山 和雄、株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松裕介)はコチラから。
ウェビナー内容
本日は、中小企業5社の代表取締役を務める経験から、オーナー経営の中小企業におけるリアルをお話します。
事業承継後、いわゆる「ビッグボス」的なオーナー経営からバトンを受けたプロ経営者に何が求められるのか。
中小企業ならではの組織構造やガバナンスの特徴を踏まえながら、求められる3つの役割をお伝えします。
自己紹介
簡単に略歴をご紹介します。
大学卒業後、高級食品専門商社と当時、世界最大の国際広告会社において、約22年間マーケティング営業に従事しました。
学生時代から中小企業の経営者を志しており、2006年に代理店を退職し、実践的な経験を積むためにオーナー経営の中小企業に転職しました。
その後、中堅規模の企業で執行役員兼社内カンパニー代表執行役を務めるなど、約10年間にわたり中小企業経営を経験しました。
関わった会社はすべてオーナー社長だったため、経営の本質を学ぶ期間となりました。
2016年以降は、異なる3社のファンドが投資する中小企業5社において、代表取締役を務めています。
経営者としての略歴
2016年から2年間、南九州にあるレンタル事業を主力とする専門商社の代表取締役として経営に参画しました。
2018年からは、南東北を中心に専門店をチェーン展開する中小企業の代表取締役を4年間務めました。
2022年からは名古屋市にある株式会社横井製作所の代表取締役を務めています。金属加工部品の専門商社で、社員数24名、売上約10億円の規模です。
就任後3年間で営業利益は約1億円改善し、年間休日数の増加や残業ゼロ体制の構築などに取り組み、中小企業としては優良企業にバリューアップできたと感じています。
現在は次期社長を社内から育成する移行期間と位置付けています。
また、2025年8月より並行して大阪市にある株式会社アド・ウォークの代表取締役に就任しました。
大手企業向け広告・販促を手がける広告代理店業で、売上約15億円、社員約70名(子会社2社を含む)の規模です。
いずれもオーナー社長引退に伴う事業承継案件です。

オーナー経営中小企業の特徴(事業承継前)
私がこれまでに経験した、業界業種問わず中小企業に共通してみられる特徴についてお話します。
中小企業のオーナー社長は、企業規模に関わらず、いわば「ビッグボス」のような存在であることが多いです。
誰よりも偉い、最終的な意思決定者という位置付けになっているため、経営はトップダウンになり、従業員に選択肢がない状態になっています。
トップダウン経営の結果として、組織はいわゆる鍋ぶた組織となっていることが多いです。一人で数役をこなすのは当たり前で、業務は属人化しています。
微妙なバランスで業務が成立しているため、誰か一人が辞めると途端にバランスが崩れて業務が回らなくなる、というケースがよく見られました。
従業員は総じて忍耐強く、誠実で、常に受け身という印象です。トップダウンの企業風土の中で、そのような方でないと長年勤務するのは難しいからだと考えられます。
私が4年前に事業承継した株式会社横井製作所も、引き継いだ当初はトップダウン経営でした。
次に、大企業には当たり前のようにあるものが中小企業にはないことが多い、ということです。私が以前勤務した国際広告会社は一兆円規模のグローバル企業で、ここにないものはないという感覚でした。
いざ中小企業に入ってみると、ないものの方が多いと実感しました。大企業を経験してから中小企業の社長を目指す方にとっては、このギャップが最も大きな壁になるかと思います。
財務経理・労務管理については外部に依存しているケースが多いです。
例えば月次試算表のデータを社内で作成するケースはほとんどなく、データを外部に提供するだけが一般的でした。IT化については、平成の真ん中あたりで時が止まっている状態が多くみられ、業務効率に課題があると感じました。
採用に関してはとても難しいです。
中には新卒採用をしている企業もありましたが、知名度の低さからハードルが高くなっていました。その上離職率が高く、すぐに辞めてしまうケースもあります。
大企業では、新卒入社3年目以内に3割が離職すると言われますが、中小企業ではその定量的な数値は当てはまらず、慢性的に人手不足になっている企業が多くあります。
また、企業規模が小さいために、中小企業は景気動向や社会情勢に業績が大きく影響されます。
新型コロナのような出来事があると、経営そのものに危機感を覚えるような状況になるほど、業績が左右されてしまうことも特徴の一つだと思います。

プロ経営者の役割(事業承継後)
中小企業専門のプロ経営者の役割はどのようなものか、事業承継後の変化を説明しながらお話します。ここでは再生案件ではない、通常の事業承継案件のケースを想定しています。
まず最初に、株主であるファンドがどのようなバリューアップを目指し、どのようなEXITの方針を掲げているのか、をよく理解する必要があります。
デューデリジェンスの資料で課題の優先順位などは確認できますが、やはり株主と1on1でしっかり話をして、社会情勢や対象企業が置かれている市場・現状などを十分考慮したうえで、ビジョンや経営戦略の策定を共有していくことが、最も必要なことだろうと思います。
また、限定的な時間軸となるタイムラインの設定が重要とも考えています。最初にEXITまでの期間を株主と確認し、その時間軸の中でどのようなバリューアップをしていくか。
通常の仕事と同じように、タイムラインを設定し、ゴールから逆算してToDoを決めていくことが大切です。
プロ経営者にとっての大きな3つの役割を具体的にお話します。
1)バリューアップに向けた新しいリーダーシップの発揮
オーナー企業では社長によるトップダウン経営でしたが、事業承継などで会社を預かるプロ経営者が同じことをしても社員は誰もついてこないので、新しいスタイルのリーダーシップを発揮させる必要があります。
プロ経営者の役割はこれに尽きると言っても良いほど必要不可欠なことだと考えています。
新しいリーダーシップの具体的な内容として、私はWell-being(社員の幸せ)を非常に重要視しています。
社員のやりがいや幸せを実現することで業績を上げていくスタイルの経営です。10年以上前に初めて九州で社長をして以来、同じことをやっています。

また、家業から企業へとオーナー個人に依存した経営から脱却し、会社の存在意義や将来の夢、行動指針といった、いわゆるミッション・ビジョン・バリューを提示します。ミッション・ビジョン・バリューという言い方では社員が受け入れてくれないケースもあるので、平易な言葉で内容をわかりやすく伝えながら明確化します。
その後、それに向けての目標とToDoを設定し、時間軸を設定するという流れを作っています。
事業承継後の業績維持・伸長という観点から、株主がEXITした後も優良企業であり続けるための仕組みづくりも重要だと考えています。
さらに肝心な局面で業界・顧客・仕入れ先と交渉し成果を出すことも重要です。こうした経営者によるトップセールスによって、社員から信頼感を獲得することもリーダーシップの一部だと考えています。
2)効率的な働き方に向けた施策の実施
鍋ぶた組織からピラミッド型へと組織体制の見直しが必要となります。現段階ではナンバー2・ナンバー3がいなかったり、仮に存在していても次期社長として育成されていなかったりするケースがほとんどです。
まずは組織をピラミッド型に変えて、ナンバー2・ナンバー3を育成し、社長に仕上げることが求められます。
次に幹部社員の育成と属人的な業務の解消です。中小企業では社長自ら実務に関わり、社長以外の社員は決裁できないケースが多く見られますが、その体制では企業としての成長は望めません。
業務を組織に落とし、複数の社員で対応するという仕組みにしていかなければならないと思います。
Well-beingの話をしましたが、働き方改革も重要です。中小企業では、有給休暇の制度はあっても取得できていなかったり、サービス残業があったりと、実効性のない労務制度になっているケースが多くあります。
社員の働き方を変えることで定着率が上がり、人材採用や社員教育のコストカットが実現できます。
私は事業承継後はまず働き方改革を進めることにしています。その会社にあった形、もしくは業界の働き方にあった形で働き方を整備するようにしており、株式会社アド・ウォークのケースでは2ヶ月半で働き方改革を終了しました。
また株式会社横井製作所では休日を20日増やしましたので、年末年始やGW、夏休みの時期は大型連休が実現しました。
残業に関しても、管理部門は実質ゼロに近い時間数になっており、営業にはみなし残業代がありますが、ほとんどその範囲で帰宅できています。
働き方が改善されたことで離職者が減り、採用の必要性が薄まりましたが、業務が拡大して利益が約1億円増大したために、管理部門と営業部門、それぞれ1名ずつ採用しました。
10億円足らずの中小企業ですが、管理部門は四百数十名の応募があり、採用が困難と言われる営業職でも35名の応募があり、優秀な人材を獲得することができました。
「採用しようとしても人が取れない」が中小企業の社長の間では合言葉のようになっていますが、中から変わらない限り、どれだけコストをかけて良い広告を出しても人は集まってこない、ということがご理解いただけると思います。
IT化促進による効率化に関しては、便利になりすぎても良くない面があります。アナログの部分が残っていても問題ないなど、その企業の状況に応じて進めないと効果がありません。
IT化は社員の働く姿や業界を見ながら進めるべきです。顧客や仕入れ先との連動の中で、どのようなIT化が現実的で理想的なのか、それを見極めることもリーダーシップの一つです。

3)従業員と会社のエンゲージメント醸成
最後は、従業員と会社のエンゲージメントを醸成し、中小企業流のガバナンスを強化するということです。
オーナーシップが発揮されている時代は、失敗やトラブルといった悪い情報がトップの耳に入らないケースがよく見られます。
ナンバー2・ナンバー3までは情報共有できても、決裁権のある社長には情報が届かず、結果として対策ができないので事態が悪化するという負のスパイラルが起こります。
ガバナンスを強化するために、私は従業員との定期面談を実施しました。
アルバイトや派遣の方々も含めて、全員と1on1の面談をすることで、問題点や仕事に対する気持ちを知ることができます。
面談で見出された大小さまざまな課題を、働き方改革やIT化として大きく解消することもありますが、一方で「ちょっとあったら便利」といった細かな要望にも、可能なものはすぐに対応・導入することが社長への信頼につながります。
「おもねる」ではなく、必要なことには迅速に適切に対処するスピード感が重要だと思っています。
働き方改革の推進は、従業員の定着、離職の低減につながります。私はWell-being経営によって従業員の定着やエンゲージメントが醸成されると、業績は勝手に伸びると考えています。
株式会社横井製作所のケースでは、叱責をしたことはなく、無理な営業を強いることもありません。
一方、年間休日数は130日を確保し、有給休暇は自由に取得でき、残業はゼロといった環境にしています。利益は3年間で大幅に伸長しており、その利益を従業員に対して一定程度還元していますので、従業員の満足度が高くなり、離職を回避できています。
働き方改革は世の中の情勢に沿った形で進めるべきだとも考えています。制度として存在していても実際に履行されなかったり、十分に活用されないのでは意味がありません。
社員が制度を自由に利用する企業風土を作る一方で、それに伴う業務対応を考えることも経営者の仕事であろうと考えています。
評価制度に関しては私自身、さまざまな評価制度を経験してきましたが、中小企業においてはシンプルで実利を感じる制度が良いと考えています。
複雑なものを構築しても期待するほど機能しないと感じます。
中小企業に限らない話になりますが、過去の慣例や習慣が重視されているケースが多く見られます。
私は、過去の慣例や習慣を理由にした業務を行っている限り、成長は止まってしまうと考えています。慣例や習慣に関しては冷静に見直し、あるべき姿で提案・実行することが必要であり、このようなリーダーシップによって従業員と会社の結びつきが強まっていきます。
その結果、業績も伸びていきます。
これまでプロ経営者として5社の経営に携わってきましたが、エンゲージメントの醸成とWell-being経営が非常に重要であるということが、私の実感です。

チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。