経営コンサル事業からSaaS事業へ。「第2の創業」についてCEOにインタビューしました!
○はじめに、これまでの経歴を教えてください。
元々映画が好きだったこともあり、映画プロデューサーを目指しまして、新卒でホラー映画の「リング」「らせん」を作っている上場会社の映画会社に入社しました。
ーー経営のお仕事とは少し距離を感じますね笑
そうですね笑 ただ、ちょうど入社当時、映画業界全体が業績不振な時代でして、私が入社した会社も「何か映画以外の収益事業を作らなければ、つぶれそうだ!」ということで、なけなしのお金で投資事業を始めたんです。しかし、お金がなかったので、投資できた先はボロボロな会社ばかり。私は、20代前半から、そのボロボロの会社に1人ポーンと送り込まれて立て直しをするというのをひたすら繰り返していました。
ーー経営のお仕事をされるのは想定外だったんですね。続きをお願いします。
20代の時は、通信業界、システム業界、映像業界、FXや商品先物などの金融業界やレジャー業界の会社の役員に就いて企業価値の向上、バリューアップをしていました。代表的なトラックレコードとしては、カピバラが露天風呂に入る「元祖カピバラの露天風呂」などのPR施策で有名になった、静岡県伊東市にある伊豆シャボテン公園グループの企業再生が挙げられます。
その後、新卒で入った先ほどの上場会社の代表取締役社長も経験させていただき、会社の黒字化もさせて、そこからは、2014年12月に株式会社スーツという経営コンサルタント会社を創業し、時価総額100億円以下の中小・中堅企業やベンチャー企業に対してハンズオンでバリューアップをする仕事をさせていただいています。
2020年10月から2022年1月までは、創業間もない時から顧問として経営支援をしていた、大手YouTuber事務所「VAZ」の代表取締役社長を務めて、同社の大幅な赤字だった経営成績を改善し、黒字化目途の道筋を立て、上場会社に子会社化してもらうところまで企業再生を行いました。
その他にも、30代の時は、内閣官房地域活性化伝道師、総務省地域力創造アドバイザーや国土交通省PPPサポーターとしての地方創生・公民連携にかかる活動、埼玉県和光市で初となるPPP/PFI事業への民間事業者としての参画、複数社の上場会社の敵対的買収防衛や危機管理コンサルティング、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のPR企画や2020ドバイ国際博覧会の協賛関連事業を手掛けるなどしておりました。
ーーかなりお仕事の幅が広い印象です。
一見、脈絡のないトラックレコードのように思われるかもしれませんが、私の中では一貫して同じような仕事を繰り返していまして、リーダーシップをスキルの中核として、複雑な状況においてもステークホルダーの利害関係の調整をし、会社やプロジェクトを正しくマネジメントするという「プロ経営者」としてのキャリアを築いてまいりました。
○今回、新会社を立ち上げるに至った経緯を教えてください。
2021年の年末、ちょうど1年ほど前のことです。先述した大手YouTuber事務所「VAZ」のM&Aの話をまとめる一方、他にも多くの新しい仕事に対応する日々を過ごす中で、いつものようにクライアント企業様との打ち合わせをしていました。話していたことは、組織とコミュニケーションを定義し、全社的にタスク管理を行えば、必ず会社は良くなるというものです。
その時ふと、私が経営者や経営コンサルタントとして行っていることは、非常に再現性が高いものだということに気づきました。
経営の仕事に関わるようになって20年近く経ち、様々な成長ステージの、多様な業種業態のクライアント企業様にサービスを提供してきましたが、経営の仕事とは、常にリーダーシップとマネジメントなのです。
特に後者のマネジメントとは、組織の力を「1+1=2」ではなく、「3」にも「5」にもすることで、具体的には、全員のスタッフが協力して働きやすいように、組織とコミュニケーションを定義して、組織全体で業務・仕事の管理をすることです。このような「全社タスク管理」は、抽象度を高めて捉えると、本当に各社同じことをしているわけです。そのため、システム化にぴったりだと考えました。
ーーここでSaaSの話が出てくるのですね。
今までの私は、「プロ経営者」として個別の会社の企業価値向上を一つ一つ確実に実現し、また、このような「プロ経営者」を数多く育成したいと考えていました。
しかし、個別の会社のバリューアップは、それはそれでもちろん素晴らしい仕事ですが、個々の会社に時間をかけて深く関与するということは、関わることのできる社数に限りが生じてしまうということも意味します。そのため、私が培ってきた中小・中堅企業のバリューアップの経営ノウハウをシステム化して、もっと”同時多発的”に会社経営のレベルを進化させて、多くの中小・中堅企業で働く皆さんを幸せにできないかとも考えていました。
そして、2022年元旦の日に、経営支援クラウド「Suit UP」の原型となるプロダクトの企画書を書き始めました。
1月上旬には、今までのキャリアの中でご縁をいただいたプライベート・エクイティ・ファンド、戦略コンサルタントやプロ経営者の友人らにヒアリングを始めたところ、真面目にバリューアップと向き合っているプロフェッショナルのほとんどの人達が、私と同じように、組織とコミュニケーションの整備と組織的なタスク管理に取り組んでいることが分かりました。
「Suit UP」は私の「プロ経営者」としての経営ノウハウを詰め込んだ、また、私の想いから出発したプロダクト・アウトでしたが、多くのプロフェッショナルの賛同を得ていく中で、これを事業化することが、私の経営者人生の後半戦の大きなテーマなのではないかと思うようになりました。
そこから先はとんとん拍子で話が進みます。経営者が夢を語り仲間を集めれば、会社ができ、事業ができます。
伊豆シャボテン公園グループの企業再生以来ずっと一緒に働いているCFOの浅利睦男さんの他に、CTOに本当に優秀なエンジニアの上原尚さん、CMOに大手化粧品メーカーのD2C立ち上げをしてきたマーケティングのプロの麻生俊幸さん、そして、CoCFOに「VAZ」でも一緒に働いてきた高橋翔太朗さんという素晴らしいマネジメントチームを創ることができました。
2022年1月から11月まで、経営支援クラウド「Suit UP」のSaaSを新規事業とする経営戦略の立案からシステム開発までとすべてを進めてまいりましたが、満を持して、2022年12月1日に新会社「株式会社スーツ」を設立します。
2014年12月に経営支援事業を行う株式会社スーツを創業してから8年。株式会社スーツは、今度は、この経営支援クラウド「Suit UP」のSaaSを経営支援クラウド事業と名付けて「第2の創業」をスタートします。
◯経営支援クラウド「Suit UP」とは何か、具体的に教えてください。
経営支援クラウド「Suit UP」は中小企業の組織力をアップする全社タスク管理ツールです。「Suit UP」は個人・部署・経営など会社に関する全てのタスクを「見える化」して、全社でPDCAサイクルを効率的に回すことができるようにします。
「Suit UP」では以下の3つを実現します。
・「全社タスク管理」
全社のタスクに担当者・期限・優先度を設定し、タスクの「見える化」を実現。全社でPDCAサイクルを効率的に回すことができるようにします。
個人・部署・プロジェクト・経営といった、会社全てに関わるタスクの設定と管理など、全社タスクの整理ができます。また、シーンごとのタスク雛型や業界標準となるテンプレートが充実しているので、誰でもかんたんにタスクを作成することができます。
・「全社タスク管理」のための組織の定義
「全社タスク管理」を実現するための会社組織を定義できます。
組織、業務分掌、職務権限を定義することで、会社内の組織図と役職者の整理ができ、組織を正しい形で再構築することができます。また、スタッフ登録ができ、正社員、契約社員、パート・アルバイトや業務委託まで全社スタッフの情報をまとめて管理できます。
・「全社タスク管理」のためのコミュニケーションの定義
「全社タスク管理」を実現するためのコミュニケーション機能が豊富にあります。
円滑なコミュニケーションを実現するための外部チャットツールやカレンダーツールとの連携ができます。また、今までは上司が担当者に対して声がけしていたタスクの期限の超過について、自動的にリマインドします。
◯なぜ今、経営支援クラウド「Suit UP」が求められるのでしょうか?
経営支援クラウド「Suit UP」は、中小・中堅企業のうち、スタッフ数20名から100名以下の約50万社に最適化されたツールです。
中小企業庁によれば、日本の大企業の数は全企業の0.3%。これに対して、中小企業の数は99.7%です。日本は少子高齢化社会を迎え、今後、就労人口は非常に貴重になるわけですが、従業者数のうち約7割は中小企業で働いています。それにもかかわらず、付加価値額は、大企業と中小企業で50%程度と分け合っています。つまりは、日本経済全体の問題として、中小企業の生産性の低さが挙げられるのです。
ゴールドマン・サックスの元パートナーであり日本政府に様々な提言をしているデービッド・アトキンソン氏も同様の指摘をしています。
私は、中小企業の生産性の低さの原因の一つは、経営者のマネジメントに対するコミットの弱さだと考えています。中小・中堅企業であれば、それこそスタッフ数も100人に満たない人数です。この程度の人数であれば、一人の人間の能力で十分に管理が可能な人数です。それにも関わらず、中小企業の経営者の多くは、大きな利益が出ているわけでもないにも関わらず、本業とは関係のない異業種交流会や地元の財界活動に勤しみ、経営者が本来行うべき仕事である経営管理をしていない人が多数いると思います。
また、中小企業の生産性の低さは、中小企業のシステム導入がなかなか進まないことからも顕著です。そのため、近年では中小企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX化)が大きなテーマになっています。
「Suit UP」を導入すれば、経営者は、「全社タスク管理」を通じて、会社の経営効率を著しく向上することができます。また、今後「Suit UP」のタスク雛型の充実により、経営レベルそのものの向上も見込まれます。
「Suit UP」は、中小企業の経営者に本物のマネジメント力を提供し、中小企業の生産性改善、ひいては日本経済の生産性改善に貢献できるツールだと確信しています。
◯経営支援クラウド「Suit UP」と新スーツ社で目指す未来について教えてください。
私たちは、経営支援クラウド「Suit UP」で、中小企業の組織力をアップしたいと考えています。
経営学では組織の実行力のことをケイパビリティと呼びますが、私たちは、日本の中小企業は大きくケイパビリティを獲得する伸びしろがあると考えています。ケイパビリティがあれば、新しい経営戦略を立案・実行することができますし、何よりスタッフ数を拡大して組織を大きくして会社経営をすることもできます。小規模事業者が中小企業・中堅企業になる、また、組織ができている会社同士であれば経営統合なども可能になりますので、規模の拡大による生産性向上も見込まれると考えます。
「Suit UP」では、この中小・中堅企業の生産性向上を実現するわけですが、この論点は、今後、世界の多くの国でも通用するのではないかと考えています。日本以外の多くの国では、政府と結びついた大企業・財閥が国全体の経済を担っている事例がよくあります。今後、さらに資本主義社会が全世界に広がって、人類全体が裕福になるにしたがって、大企業のスタッフを目指すだけではなく、中小企業のオーナーや社長になる人が増える可能性があります。そのときに「Suit UP」は全世界の新しいリーダーたちに役立つツールになるのではないかと考えています。
私たちは、「Suit UP」を通じて、より良いタスクの設定方法を創造し、人々のタスクの「実現」をサポートしたいと考えています。
※弊社CTO上原尚と
◯応募者に期待することを教えてください。
私たちが求めている人材は「情熱ある、協働するエキスパート」です。
経営支援クラウド事業では、中小企業の組織力をアップする経営支援クラウド「Suit UP」をサービス提供しています。同サービスはSaaSとしてクライアント企業様に提供されており、プロダクトマネージャー、エンジニア、デザイナー、カスタマーサクセス、カスタマーサポート、セールス、そして、マーケティングなどの専門家が、日夜、ユーザーのことだけを考えて、一丸となってサービス開発・運用をしています。
当社はSaaSの強みを、中長期的な視野に立って、ソリューションを提供するプロダクトを磨き込み、改善し続けられることだと考えています。特に、経営支援クラウド「Suit UP」は、中小企業等の「全社タスク管理」と、経営領域における「集合知」をテーマにしており、当該プロダクトが成功した暁には社会に与えるインパクトは計り知れず、職業人人生をかけて追求することができる仕事のテーマ・プロダクトだと考えています。
そして、もちろん、このことは一人の力では決して実現することはできません。各種専門家がお互いに尊重し協力し合い、タスクそのものの定義と、当該タスクが確実かつ効率よく消化されるための組織とコミュニケーションをどうデザインするかといった点について、ユーザーの満足度が少しでも向上するような改善を繰り返していかねばなりません。
そこで当社では、経営支援クラウド「Suit UP」を、職業人として共に盛り上げたいと考えてくれる、情熱ある、協働するエキスパートを積極的に採用しています。採用後は、常にお客様の目線で考えることが求められますが、超一流のエキスパートたちと共に仕事ができる喜びを実感していただけると確信しています。
◯ありがとうございます! ちょっと会社のことから話題を変えまして、最近気になっていることや、興味のあることを教えてください。
私は会社経営の仕事が天職だと考えていて、それこそ平日の朝晩、土日もずっと仕事をしているのですが、2歳と5歳の2人の娘とのコミュニケーションは本当に楽しいです。
娘たちとは保育園に一緒に行ったり土日に公園に行ったりしています。子どもならではの視点や考え方も、そのピュアな行動原理に考えさせられることが多いですし、今の小さい子どもたちのおもちゃなども非常に興味深いです。
子ども向けのテレビ番組を見ていると、子どもを飽きさせない演出の豊富さに驚かされますし、Apple製品やYouTubeなどの、たとえ小さな子どもであっても直観的に操作ができてしまう仕組みは本当に画期的だと思います。
このように自分が子どものときでは考えられなかったようなことが沢山ある一方、公園で繰り広げられているブランコやすべり台での子どもたちのやりとりは令和も昭和も変わりません。
私の娘たちが大人になったらどのような社会になっているのだろうとよく想像もしますし、「Suit UP」を未来の子どもたち、未来の社会に役立つプロダクトに育てたいと心から思います。
◯未来のメンバーに一言お願いします!
当社の経営理念は「私たちは、プロフェッショナルとして、個人の能力を最大限に活かして、全ての人にある”リーダーシップ”を通じて、新しい未来を創造し、社会変革に貢献します。」です。
当社では経営支援クラウド「Suit UP」という全社タスク管理ツールを作成しているわけですが、所詮、私たちの「Suit UP」を含めて、マネジメント・システムは道具に過ぎません。使うユーザーの意思、リーダーシップがなければ、組織が前に進むことはありません。
私たちは社長の仕事を再定義したいと考えています。現在の社長は、リーダーとしての役割とマネージャーとしての役割が求められています。
私たちは、経営支援クラウド「Suit UP」を通じて社長のマネジメントの仕事を減らし、よりリーダーシップの発揮に専念できるようにしたいと考えています。社長をリーダーにするプロダクト。それが「Suit UP」です。
全ての社長を「リーダー」に。会社を「チーム」に、そして、働く人全ての労働を「仕事」にしたいと思います。
ぜひとも、この経営支援クラウド「Suit UP」というプロダクトを磨き上げて、全世界の人々に普及させることによって、ともに多くの人々に貢献できればと考えています。多くの方々のご応募をお待ちしております。私たちと一緒に世の中をより良くしていきましょう。