本音を言わない人の心理とは?言えない5つの理由とタイプ別の付き合い方

本音を言わない人の多くは、言いたくないのではなく「言えない」事情を抱えています。
何を考えているのか分からず、「本当はどう思っているんだろう?」「自分は信頼されていないのでは」とモヤモヤしていませんか?
この記事では、言えない理由と心理、タイプの見分け方、信頼できるかの見極め方、無理のない距離の取り方までを順に解説します。
本音を言わないのは自分のせい?考えられる5つの理由
相手が本音を話してくれないと、「自分が何かしてしまったのか」と気になると思いますが、原因の多くは相手の不安や事情にあります。
職場でも珍しいことではありません。
パーソル総合研究所の調査によると、上司との面談において41.6%の社員が「全く本音で話していない」と回答しており、この問題は多くの職場で深刻化しています。
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松裕介約4割の社員が本音を隠しているという数字は、想像以上に深刻な状況ですね。これは組織運営において大きな課題となっています。
言いたくないのではなく「言えない」5つの理由
本音を飲み込んでしまう原因には、次の5つが考えられます。
- 否定や、評価が下がるのが怖い
- 言えば関係が気まずくなると思っている
- 以前に本音を言って、責められたことがある
- 落ち着いて話せる機会や時間がない
- そもそも、自分の考えを人に話す必要はないと思っている
1~3つ目は伝えたい気持ちより怖さが勝っている状態です。
4つ目は、忙しい時期やそもそも会話が少ないときなど、話すきっかけが足りないケースを指します。
5つ目だけは、本人の性格で、言わないことが価値観になっている状態です。
自分の接し方に原因があるかの見分け方
見分けるときは、相手が「誰に対しても」本音を言わないのか、「自分の前だけで」言わないのかに注目してみてください。誰にでも同じなら、性格や価値観によるものと考えられ、あなたのせいとは言いにくいでしょう。
自分の前だけで口数が減るなら、接し方を振り返る必要があります。次の3つに心当たりはありませんか?
- 相手の話を最後まで聞く前に意見を返す
- 打ち明けられた話に、驚いたり責めたりする
- 早く打ち解けようとして、質問を重ねる
あてはまるものがあれば、そこを改善するだけで相手との関係はよくなることがあります。
本音を言わない人は本当は何を考えているのか
口数が少ない人ほど頭の中では、相手がどう反応するか、そのあと関係がどうなるかをあれこれ考えてしまっていることが多いです。
「大丈夫」「何でもない」の裏にある本音
「大丈夫」と答える人の心の中には、「変なこと言って、がっかりされたくない」「反対したら、関係が崩れるかもしれない」「話しても、どうせ責められる」、などと考えてしまっていることがよくあります。
同様に、「何でもない」と答える人の心の中にも、「間違ったことを言って評価を下げたくない」「迷惑をかけたくない」「話しても意味ない」などと、マイナスな気持ちが隠れています。
たとえば、仕事を抱え込んでいる友人に「手伝おうか」と声をかけて、「大丈夫」と返ってきたとします。その一言の裏には、「迷惑をかけたくない」「できない人だと思われたくない」という気持ちが隠れているのかもしれません。
拒否ではなく防衛と受け取ると楽になる
本音を言わない態度は、多くの場合、相手が自分を守るための反応です。人は傷つくかもしれないと感じる場面ほど黙ってしまいます。
「拒否ではなく、防衛」という考え方をすることで、「信頼されていない」と落ち込まずに済みます。相手はまだ、安心して話せる人かどうかを確かめている途中なのかもしれません。
言わないことを責めず、言わずにいる自由も認めることで、向き合うときの肩の力を抜くことができます。
本音を言わない人の特徴とタイプの見分け方
本音を言わない人の特徴をたどると、「言えない人」と「言わない人」の2タイプに分かれます。
どちらなのかによって、合う話し方や対応方法も変わります。
「言えない人」と「言わない人」の違い
言えない人は本当は伝えたいことがあるのに、否定されたり、ぶつかったりするのが怖くてだまってしまう人です。周りに合わせるのが得意で、頼まれると断れないことが多いです。安心できる相手の前では、ふと本音をこぼすこともあるでしょう。
言わない人は、考えを自分の中で整理したい、人付き合いと私生活を分けておきたい、という価値観を持っています。本人は言わないことを苦に感じておらず、聞かれれば淡々と答えます。必要以上にやり取りをしないので、周りからは「心を開かない人」に見えがちです。
態度や反応に出る5つのサイン
部下の表情や態度の変化は、本音を隠している最も分かりやすいサインです。日常的な観察により、心理状態を早期に察知できます。
| サイン | 見分けるポイント |
|---|---|
| 目をそらす | 前は目を見て話していたのに、視線をそらしたり泳がせたりする |
| 笑顔がぎこちない | 口元は笑っているのに、目が笑っていない |
| 返事が単調になる | 相槌ばかりで、自分の意見が出てこない |
| 声や話す速さが変わる | 声が小さくなる、話し方が急に速く(遅く)なる |
| 相談の仕方が変わる | よく相談してきた人が来なくなる |
ただし、1つ当てはまっただけで、「本音を隠している」と決めつけるのは早すぎます。疲れや体調のせいで、同じ変化が出ることもあります。いつもと比べて、いくつかのサインが続いているかで判断しましょう。
本音を言わない人は信頼できる?見極めの基準
本音を言わないからといって、信頼できない人とは限りません。重要なのは、その態度が誰に対しても同じかどうかです。
誰に対しても本音を言わない人は誠実な人が多い
誰に対しても自分の考えを控えめにする人は、裏表が少ない人ともいえます。相手によって話を変えないので、陰で違うことを言われる可能性も低くなります。
自分のことを軽々しく話さない人は、人から聞いた話も簡単には広めない傾向があります。安心して付き合うには、口が堅いことは大切です。
注意したいパターン(腹黒・都合よく使う人)
一方で、自分に都合よく動くために本音を隠す人もいます。次の様子がいくつも重なるなら、少し距離を置いて付き合う方が安全です。
- 相手によって、言うことや態度が大きく変わる
- 自分の考えは話さないのに、人の本音や秘密は聞きたがる
- その場では賛成し、あとで別の人に反対のことを言う
- 頼みごとがあるときだけ親しげになる
注意したいパターンは、あくまで例ですので、「信頼していい人か」は日ごろの行動なども含めて判断してください。
本音を言わない人との距離感と接し方
本音を言わない人と付き合うときは、無理に心を開かせようとしないことが重要です。相手のタイプに合わせて、「聞く」「待つ」「放っておく」を使い分けましょう。
タイプ別の接し方(聞く・待つ・放っておく)
- 聞く(言えない人が話し始めたとき)
-
途中で口を挟まず、最後まで聞きます。意見や助言はいったん置いておき、「そう感じていたんだね」と受け止めてください。
- 待つ(言えない人が黙っているとき)
-
距離を急いで縮めようとすると、相手はかえって身構えます。約束を守り、機嫌で態度を変えないことを続けながら、相手が話したくなるのを待ちます。
- 放っておく(言わない人)
-
価値観として言わない人に、本音を求め続けるのは逆効果です。必要なことだけをやり取りし、それ以上は踏み込まない。本音を言わない人にとってはそのくらいのほうがいいことが多いです。
職場の同僚や部下が相手の場合
職場で本音が出てこないときは、相手の性格より、環境が影響していることも少なくありません。失敗を責める雰囲気や、意見を言っても何も変わらない状態が続けば、誰でも黙るようになります。
ハーバード・ビジネススクールのエイミー・エドモンソン教授は、チームの中で対人関係のリスクをとっても安全だと思える状態を心理的安全と呼びました。この土台は、上司や同僚1人の頑張りでは作れません。何人もが「本音が聞けない」と感じているなら、仕事の進め方や情報共有の仕方を見直す時期です。
本音が出やすく、メンバー同士で状況を共有しやすい職場を作るには、タスク管理ツールを活用するのも有効です。誰が何を担当しているのか、どこまで進んでいるのかを見える化することで、情報共有の負担を減らせます。タスク管理ツールは、こちらの記事で詳しく解説しています。
本音を言いやすい職場は、仕組みでも作れます。スーツアップは、エクセルのような画面で誰でもすぐに使えるタスクのリマインドツールです。タスクを見える化すれば、言い出しにくいと感じる場面も減らせます。まずは無料で試してみてください。
本音を話してもらいたいときの関わり方
本音を無理に聞き出さなくても大丈夫です。それでも、話してほしいと思う場面はあるはずです。
相手が話しやすい場と質問の入口
本音を聞きたいときほど、まずは話を最後まで聞き、驚いたり責めたりせずに受け止める姿勢を見せましょう。
場所も大切で、人目のある場より、2人で落ち着いて話せるところのほうが口を開きやすくなります。質問は「なぜ」と理由を問い詰めるより、「どんな状況だったの?」と出来事から聞く方が、相手は答えやすいものです。
本音を引き出す質問の仕方や会話のコツは、こちらの記事で紹介しています。
イライラしてしまう自分の心の守り方
何度声をかけても本音が返ってこないと、疲れたり、イライラしたりするのは当然です。ここからは相手ではなく、自分の心を守る方に目を向けてみましょう。
相手を変えようとするのをやめる
人の考え方や話し方は、周りが働きかけてもなかなか変わりません。「いつか話してくれるはず」と期待するほど、応えてもらえなかったときの落胆も大きくなります。
だからこそ、期待を少し手放してみてください。たとえば相談してほしい同僚に対しては、「相談がなくても、仕事が回っていれば十分」と考えてみる。家族や友人なら「そういう話し方をする人」と受け止め、自分の本音は別の人に聞いてもらう。
期待を下げることで、相手の言動に振り回されなくなります。
見切りをつけるサインと距離の置き方
以下のような状態が続いているなら、関わり方を変えてもいい時期です。
- 話したあと、いつもぐったり疲れる
- 相手のことが頭から離れず、眠れない日がある
- 自分ばかりが気を使い、関係が一方通行になっている
距離は、一度に取らなくてもかまいません。会う回数や連絡を少しずつ減らす、話題を必要なことに絞る、といった小さな調整から始めれば十分です。関係を切らなくても、心の距離は取れます。
相手が職場の人で悩みが深いときは、厚生労働省の「こころの耳」に電話やSNS、メールで相談できます。
本音を言わない人と無理のない距離で付き合うために
まずは、相手が「言えない人」と「言わない人」のどちらなのかを見分けてみてください。そのうえで、聞く・待つ・放っておくのうち、合う接し方を1つ選びます。
それでも疲れてしまうなら、距離を置いて、自分の心を優先してかまいません。
相手の心理を理解するために、職場の仕組みを整えることも大事です。
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