ほとんどの人が「タスクを正しく設定できない」のはなぜか

 

本稿は、小さく始めて大きく稼ぎ、人生を謳歌するスモールビジネス経営者の知られざる生き様に迫る番組「ぼくらのスモールビジネス」に、ゲストとして当社代表の小松が出演した回について、各人の発言の主旨を変えずに、読みやすいようにテキスト用に再編集したものです。

 

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<パーソナリティ>
アンティークコインギャラリア代表 渡辺 孝祐
WEB/デジタル領域のプロジェクトマネージャー 齋藤 実帆

<ゲスト>
株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

 

【まとめ】

  • スーツアップは中小企業向けのプロジェクト・タスク管理ツール。
  • 中小企業の場合、ITリテラシーが決して高い方ばかりではないので、どうしても導入ができない、続かないという方が沢山いる。なので、とにかくかんたん、使い続けることができることを意識をした。
  • 一緒に働く仲間が、どのような仕事をしていて、それをいつまでにやらなきゃいけないのかが一目で分かることが大事。
  • スーツアップで一番の目玉にしている機能がタスクの雛型。
  • チームのタスク管理で一番大事になるのは「誰が、どんなタスクを、いつまでに」。
  • タスクの粒度を合わせることは、しばらくAIでは実現できない。
  • スーツアップは、表計算ソフトのインターフェースになってるので、教えることなく使うことができる。
  • スーツアップはかんたんをコンセプトにしているので、多機能ではないが、ユーザーが使いやすいように開発をしている。
目次

1.かんたん、使い続けることができるタスク管理ツール「スーツアップ」

パーソナリティ 渡辺 孝祐(以下「孝祐」といいます。):みなさんこんにちは。ぼくスモの孝祐です。 

パーソナリティ 齋藤 実帆(以下「実帆」といいます。):実帆です。

孝祐:この番組は小さく始めて大きく稼ぎ、人生を謳歌しているスモールビジネスの経営者をお呼びして、その知られざる世界、生き様に迫る番組です。今回のゲストは、プロジェクト管理&タスク管理ツール「スーツアップ」を提供しております、株式会社スーツの代表取締役社長CEOの小松 裕介さんです。よろしくお願いします。

ゲスト 小松 裕介(以下「小松」といいます。):はい、宜しくお願いします。また来てしまいました。

実帆:お帰りなさい。

孝祐:どこかで聞いたことあると思ったリスナーさんは正解です。というわけで、2回目のご出演ありがとうございます。前に出てもらったのが去年の2月。結構前ですね。

小松:1年以上経ちましたね。

孝祐:前回は、伊豆シャボテン公園の話だったり、YouTuberプロダクション「VAZ」の話だったり、あと凡事徹底みたいな話をしました。今回またお越しいただいたのは、前回の終盤に少しお話いただいたスーツアップというタスク管理サービスが、だいぶ進捗してきているという噂を聞きまして、呼ばせていただきました。

今回はそのスーツアップのプロダクトのお話だったり、それに関する開発、苦労話だったりをお伺いできたらなと思います。よろしくお願いします。

小松:よろしくお願いします。

孝祐:まずは「スーツアップとは何ぞや」というのを、簡単にご説明いただけますでしょうか?

小松:スーツアップですが、中小企業向けのプロジェクト・タスク管理ツールです。中小企業の場合だと、ITリテラシーが決して高い方ばかりではないので、どうしても導入ができない、続かないという方が沢山いらっしゃいます。なので、とにかくかんたん、使い続けることができるっていうことを意識をした、そんなツールになっています。

孝祐:なるほど。沢山のタスク管理ツールがありますし、僕もひたすらいろんなツールを使ってきたんですが、何か定着しないですよね?

実帆:分かります。導入が一番みんな苦労するところじゃないですかね。タスク管理という単語が出ましたけど、タスクを登録するのに苦労するとか、そういう話はよく聞くなと思います。

小松:そうですね。スーツアップはプロジェクト・タスク管理ツールなのですが、このタスク管理には2種類があると思っていて、1つは個人のタスク管理、もう1つはチームのタスク管理です。今回実現したいのはチームのタスク管理です。一緒に働く仲間が、どのような仕事をしていて、それをいつまでにやらなきゃいけないのかが一目で分かることが大事だと思っています。但し、先ほどのとおり、入力項目が多すぎると回らなくなってしまう。

孝祐:回らないですね。大体、何か思いついた時はパソコンの前にいないんですよ。入力も面倒くさかったり。なんかいろいろと問題がありますよね。

実帆:じゃあ、入力作業などをやりやすくしているカンジなんですか?

小松:そうですね。改めてチームのタスク管理に本当に必要な入力項目に絞って、入力のインターフェースも表計算ソフトのような使い慣れたものにして、最先端のテクノロジーを使って、自動で入力ができるだとかでフォローする。とにかくかんたんをコンセプトにしてます。

孝祐:自動入力ができるんですか?

小松:自動で入力できます。今回スーツアップで一番の目玉にしている機能がタスクの雛型です。

孝祐:テンプレートですね。

実帆:何のタスクをやるかのテンプレートってことですか?

小松:はい。先ほど言ったとおり、チームのタスク管理で一番大事になるのは「誰が、どんなタスクを、いつまでに」で、この3つが重要になるんです。しかし、そもそもどんなタスクがあるか分からないなど、このタスクの設定ができないという方が、世の中には沢山いらっしゃるのです。

孝祐:そうなんですよ。たくさんタスクを入力するじゃないですか。このタスクでいいのか?タスクが抜けてるんじゃないのか?漏れてんじゃないのか?って、僕はめちゃくちゃ不安になる派です。あれも、あれも、あれも・・・って、膨大なリストになってしまって、嫌になるタイプですね。それで、もう無理!って、なってしまって・・・。

何か結局どこまでタスクを入力するのかみたいなタスクの粒度の論点もあります。例えば「印刷する」とかまでタスクを入力するのかとか。でも、このタスクの入力をしている間に、ポチってすれば印刷終わるしなみたいな。

実帆:タスクの粒度も難しいですよね。分かります。スーツアップでは、最終的なゴールを実現するためにいろんなタスクがある中で、タスクを絞り込んでくれる、ということなんですか?

小松:まずタスクの粒度に関して言うと、今回、当社がシステム開発を行うにあたって、実は中国の清華大学が数年前に「世界のAI研究者2000人」を発表していて、そのうち日本人が8名選ばれていて、そのうちの一人がたまたま私の中学・高校の同級生で。

孝祐:そんなことあります?笑

小松:たまたまです。笑 榊先生という有名なAI研究者がいて、彼に聞いたんです。タスクの粒度について話を聞いたら、正直なところ、タスクの粒度を合わせることは、しばらくAIでは実現できないだろうと言われました。

これはなぜかというと、今日はこういうふうに3人で話をしてますけど、私たち3人には共通項があって、人間だったら、それを前提として、なんとなくモヤっと話ができるんですけど、システムにする場合はその共通項を予め定義しないといけないわけですね。なので、タスクの粒度の問題は、システム的な解決がなかなか難しい。全ての会社の前提を予め定義し入力することは難しいですからね。

ということで、私たちが行き着いたタスクの粒度に関する答えは何かというと、プロが本当に日々使い慣れてるタスクの雛型を用意してあげて、そのプロの目線からちょうどよい、気持ちの良いタスクの粒度でタスクの設定をしていくのが正しいだろうという仮説を持っています。

次に、そういう意味では、タスクの粒度は揃っていないです。例えば、さっき言ったプリントアウトまでタスクとして設定することは「そこまでいらなくない?」というように、なんとなく共通理解があります。そのため、実務で使いやすいタスク管理は、こういったタスクの粒度までは揃わないというのが、今のところの私たちの結論ですね。

孝祐:なるほどね。タスクの粒度は多分、人によっても違うし、熟練度とかによっても違う。だから難しそうですね。

実帆:そうですね。どういうチームメンバーがいるかとか、タスクの作業量にもよるかもしれませんね。だってプリントアウトだって、枚数を100枚印刷することだったら、もしかしたらタスク化しないといけないかもしれないですもんね。

小松:そうですね。まさに孝佑さんが言った通りで、熟練度によってタスクの粒度は変わりますね。例えば、今はまだ5月なので、新人さんに対しては「タスクを因数分解しなさい」という指導をするじゃないですか。モヤっとできないんだったら工程ごとに分けて、1番目にはコレ、2番目にはコレ、3番目にはコレっていうようにやりなさいというように教えると思います。それと似たような話で、人によっては粒度を細かく設定したり、熟練度が高い人ならば粗くても1行で簡潔に記載したりした方がいいよねと。そんな理解をしていますね。

孝祐:確かに。タスクの雛型は、ベストプラクティスや、いろいろな業界標準を持ってくるイメージですか?

小松:今は2つのアプローチを考えています。スーツアップは4月10日にβ版になったんですけれども、全業種をターゲットにしていて、全ての会社にぜひご利用いただきたいと思っています。日本で一番使われるためには、例えば総務、経理、法務、人事だとかは、それぞれ会社ごとにみんな機能を持ってますので、これらの部署のタスクの雛型から作っています。あとは業界特化のタスクの雛型についても、徐々に着手し始めています。

孝祐:こないだ会計事務所のタスクの雛型ができました、みたいに情報発信していましたよね?会計事務所だと月次決算とか税務申告とか。たぶん特定の業種によってはみんなやることは同じだから、タスクの雛型の制作がやりやすいんですかね?

小松:そうです。スーツアップには会計事務所のタスクの雛型があります。会計事務所の場合だと、お客様は違うけど、やることは、月次決算だとか税務申告の作業だとか、お客様から資料をもらって入力をしてというのが大きな流れです。お客様は違えど、やることはひたすら繰り返しなんですね。まさに定型化されている仕事を日々繰り返してるわけで、このような業務は雛型化しやすいです。タスクの雛型があれば、チェックリストがあって、簡単に確認できるという感じですね。

実帆:なるほど。何をやらなきゃいけないかも、そのタスクの雛型を見ればわかるみたいな。

小松:そうですね。スーツアップではタスクの雛型を選択して配置できるようになってます。なので、自分でタスク設定を考えることなく、プロが制作したタスクの雛型を選択していただいて、あとは担当者と期限を入れる。タスクの設定後は、そのタスクを実行したら、終わりましたって、そのタスクを消すだけですので、非常にかんたんです。

孝祐:コイン屋さんのタスクの雛型はありますかね?

実帆:それはたぶん遠いよ。笑

孝祐:ただ、全部自分でもタスクは作れるんですよね?

小松:そうですね。自分でもタスクの設定をすることができます。

2.シリコンバレー級?表計算ソフトのインターフェース開発

小松:スーツアップは、表計算ソフトのインターフェースになってるので、教えることなく使うことができると思います。

孝祐:表計算ソフトのインターフェースを作らされるエンジニアの大変さよ。笑 エンジニアはかなり苦労してるんじゃないですか?

小松:おっしゃるとおりです。私は、今までずっと会社経営をやってきたのですが、プロダクト開発はしてきてないんですね。スーツアップを開発する時に、CTOの上原に「中小企業で、新しい独自のインターフェースを覚えて、チームのメンバーにタスク管理を入力させるとしたら、やらないと思うから、改めて使い方を覚える必要のない、使い慣れている表計算ソフトのインターフェースにできない?」と言ったんです。そうしたら、上原から「ああ、できますよ」と軽く言われたので開発に踏み出したんです。上原はサクサク開発ができるんです。ただ、やっぱり他のエンジニアのメンバーはみんな口をそろえて難しいと言っています。マイクロソフトのエクセルは40年ぐらい歴史があると思うんですけど、それを2年半ぐらいでキャッチアップして開発しています。

孝祐:すごいですね。

小松:なので、エンジニアチームみんなでヒーヒー言いながら開発していますね。

実帆:なるほど、そうですよね。表計算ソフトのソフトウェア自体を作るなんて!私も表計算ソフトに馴染み過ぎていて、社会人としては表計算ソフトを使うことなんて超基本の基本じゃないですか。

孝祐:それを作ってる人がいるんですよ。笑

実帆:そうだよねと思って。表計算ソフトは、使う側も浅く使おうと思えば浅く使えるし、超深いと、関数を使ったりとかプログラムも組んだりできるじゃないですか。表計算ソフトを作るのは多分大変ですよね。

小松:ショートカットキーでCtrl+Zを押すと戻る。「アレってできないの?」と言ったら、「これ全部データを取って、それで戻す」というのをやらなきゃいけないから、データを取る設定を全部のセルにしなきゃいけないらしいです。

スーツアップではGoogleのスプレットシートのようにクラウド上で操作できるようにしているので、WEB上でエクセルを作るみたいな開発をしています。今の時代なので、クラウドで、ユーザーが同時編集ができるのが良いと思っています。とはいえ、開発するのはやっぱり大変ですね。

孝祐:今時、ソフトインストールっていう時代じゃない。結局、アプリをダウンロードしても、ただのブラウザじゃんみたいなのが一杯ありますよね。システム開発が大変なエピソードはそのあたりですか?

小松:そうですね。表計算ソフトのインターフェースの開発はめちゃくちゃ苦労していますね。

孝祐:UI、UXのところですね。

小松:一番苦労をしていますね。エンジニアのみんなから言われているのは、ちょっと私はシステム開発は詳しくないのですが、GitHubで解決したイシューをちゃんとメモしていくらしいのですけれども、それが通常のシステム開発の7倍ぐらいあるって言っていて「こんなの見たときない」と言っていますね。

孝祐:めちゃくちゃ細かい操作感とか開発しているんですよね?

小松:そうですね。スーツアップはかんたんをコンセプトにしているので多機能ではないのですが、とにかくユーザーが使いやすいように開発をしていますね。

孝祐:多分、小松さんがめちゃくちゃチェックしてるよね?

小松:そんなことはないですよ。笑 ただ、やはり先ほどの話のとおりで、私たちは、エクセルとかスプレッドシートだとか、シリコンバレーのGAFA(Google、Apple、Facebook、AMAZON)・マイクロソフトが作ってるシステムを日常的に触ってるから、どうしても目線が厳しくなっちゃうんですね。

孝祐:確かに。基準が高すぎる感はありますね。

小松:エクセルは本当に40年とかだと思うんですけど、世界のトップエンジニアが何十年もかけて作ってる。それと比べちゃうと、スーツアップの今まで2年半の開発期間では、まだいろいろ機能の不足があるよね、みたいな話をしています。

実帆: なるほどね。そっか。

孝祐:そう言われると、とんでもない壁にチャレンジしてる感が凄い。

小松:最初は軽い気持ちでしたけどね。CTOの上原からは「ユーザーの目線でいいんですよ」と日々、言われるのですが、そういう意味では、ユーザーの目線で「エクセルみたいなのがいいんと思うんだよね」と話をしてから、苦労の道が始まった。

実帆:始まっちゃった。笑

(続く)第2回 チームの労働生産性を上げる魔法のタスク管理ツール

 

【関連ブログ】
1.スーツアップで実現する全社タスク管理の導入・運用方法
2.チームで働くとは何か ~ 全社タスク管理を行うべき10の理由 ~
3.優秀なビジネスパーソンの定義は「凡事徹底」ができる人に変わった

 

【ぼくらのスモールビジネス「ほとんどの人が『タスクを正しく設定できない』のはなぜか」】
第1回 ほとんどの人が「タスクを正しく設定できない」のはなぜか
第2回 チームの労働生産性を上げる魔法のタスク管理ツール
第3回 組織の隠れた損失が毎月100万円?
第4回 「仕事の属人化」をなくすタスク管理の極意

 

※ 「経営支援クラウド」「Suit UP」及び「全社タスク管理」は株式会社スーツの登録商標です。

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

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