会計事務所のタスク管理の方法とは?業務効率化のポイントを解説

会計事務所のタスク管理のポイント

会計事務所のタスク管理でつまずく原因は、担当者の能力ではなくタスクが個人の記憶とメモに散らばっていることにあります。

顧問先ごとに月次・給与・年末調整・申告が並行して走り、しかも申告や納付の期限は法律で決まっていて動かせません。

この状況で「頭の中の管理」を続ければ、繁忙期に抜け漏れが起きるのは避けにくいと言えます。

そこで本記事では、顧問先ごとの棚卸しから期限の逆算、定型業務のテンプレート化、進捗の見える化、そしてチーム全体で回す仕組みづくりで、会計事務所のタスク管理を立て直す7つの方法を手順で解説します。

チームのタスク管理ツールを開発・運営する立場から、今日から着手できる順に整理しました。

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目次

会計事務所のタスク管理を立て直す全体像

会計事務所のタスク管理を立て直す全体像を示した図

ポイントは「洗い出す→期限から逆算する→見える化する→チームで回す」の順に進めること。
個人の工夫で終わらせず、事務所の仕組みに引き上げるのがゴールです。

会計事務所のタスク管理は、いきなりツールを導入しても定着しません。

まず何をやっているかを全部出し切り、期限から予定を組み、進捗を全員で見える状態にする——この土台があって初めて、道具が効いてきます。

この記事の7つの方法も、この順番に沿って並べています。

逆に言えば、順番を飛ばして「便利そうな機能」から入ると、現場に定着せず元のやり方に戻りがちです。

棚卸しで全体を出し切っていないままツールに載せても、そもそも入力されないタスクは管理できません

だからこそ、地味でも土台づくりから着手する価値があります。

まず押さえる3つの原則

「個人で抱えない・期限から逆算する・見える化する」。
この3つを外すと、どんな方法も長続きしません。

細かなテクニックの前に、会計事務所のタスク管理を立て直すうえで土台になる考え方を押さえておきましょう。

次の3つは、このあと紹介するすべての方法に共通する原則です。

① 個人で抱えない:タスクを担当者の頭の中から出し、全員が見える場所に置く。

② 期限から逆算する:締切ではなく着手日を決める。会計事務所の期限は動かせない前提で組む。

③ 見える化する:誰が・何を・どこまで進めたかを共有し、遅れと偏りを早く見つける。

立て直しの手順=7つの方法の早見

7つの方法は、上から順に取り組むほど効果が積み上がる構成です。
まずは棚卸しと期限の逆算から着手しましょう。

この記事で解説する7つの方法を、取り組む順番と効果・手軽さで一覧にしました。

すべてを一度にやる必要はなく、上から順に一つずつ積み上げていくのが現実的です。

→ 表は横にスクロールできます

方法ねらい
1顧問先ごとに全タスクを棚卸し散らばったタスクを一覧に集約する
2期限から逆算してスケジュール化着手日を決めて駆け込みを防ぐ
3定型業務をテンプレート化品質を揃え属人化を防ぐ
4担当と進捗を見える化遅れと偏りを早く見つける
5繁忙期を見据え業務量を平準化山を低くして残業とミスを減らす
6リマインドで期限漏れを防ぐ確認漏れを構造的になくす
7チームで一元管理する仕組み化事務所の仕組みとして定着させる

そもそもタスク管理の基本から確認したい場合はタスク管理とは?基本の進め方とツールもあわせてご覧ください。

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なぜ会計事務所ほどタスク管理が重要なのか

会計事務所でタスク管理が重要になる3つの業務特性を示した図

多数の顧問先・動かせない法定期限・繁忙期の集中という3つの特性が重なるため、会計事務所は一般的な業種よりタスク管理の重要度が高い仕事です。

なぜ会計事務所ではタスク管理が特に重要なのか。

その理由は、この業界ならではの業務特性にあります。

ここを理解すると、あとの方法が「なぜ効くのか」が腑に落ちます。

多数の顧問先を並行して抱える

担当者ひとりが複数の顧問先を同時に持つため、案件と作業の組み合わせが膨大になり、頭の中だけでは管理しきれません。

会計事務所では、担当者一人が複数の顧問先を受け持つのが一般的です。

顧問先ごとに月次・給与・年末調整・申告といった業務が並行して走るため、「顧問先の数 × 業務の種類」の組み合わせが管理すべきタスクになります。

この数が増えるほど、個人の記憶や手帳での管理は限界に近づきます。

税理士業務は日本税理士会連合会のもとで多くの有資格者・スタッフが担っており、事務所の規模が大きくなるほど、担当をまたいだ全体像の把握が難しくなります。

だからこそ、タスクを一覧に集約して見える化する価値が大きい仕事だと言えます。

しかも顧問先ごとに、決算月・記帳の進み具合・特有の論点はすべて異なります。

同じ「月次」という業務でも、顧問先が変われば中身も期日も変わるため、頭の中だけでの管理はミスを誘発しやすくなります。

案件と作業の掛け合わせを一枚で俯瞰できる状態が、抜け漏れを防ぐ最初の一歩です。

申告・納付の法定期限は動かせない

期限遅れが顧問先の不利益に直結するのが会計事務所の特徴。
だからこそ期限の管理はミスが許されません。

会計事務所の業務の多くには、法律で定められた期限があります。

所得税の確定申告は原則として翌年3月15日(国税庁:確定申告特集)、法人税は原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内(国税庁:法人税の申告期限)、年末調整は年末から翌年1月にかけての手続き(国税庁:年末調整)と、いずれも動かせません。

期限に遅れれば、顧問先に加算税や延滞税といった不利益が生じる可能性があります。

つまり会計事務所のタスク管理は、自分たちの都合ではなく顧問先を守るための期限管理という側面を強く持ちます。

ここを記憶頼みにするリスクは小さくありません。

繁忙期に業務が極端に集中する

年末調整・確定申告・決算申告が特定の時期に固まるため、放置すると残業の集中とミスの温床になります。

会計事務所の業務量は、年間で大きく波打ちます。

年末調整と法定調書の12〜1月、確定申告の2〜3月、3月決算法人の申告が集中する5月などに山ができ、この時期に業務が雪崩れ込みます。

繁忙期に処理が偏ると、長時間労働と確認不足によるミス起きやすくなります。

この波は毎年ほぼ決まった時期に来るため、事前に見通して手を打てる波でもあります。

タスク管理で業務量を可視化しておけば、通常期に前倒しできる作業を切り出し、山を低くすることが可能です。

労働生産性の観点からも、公益財団法人 日本生産性本部が示すように、限られた人員で成果を出すには業務の平準化が欠かせません。

会計事務所のタスク管理でつまずく典型パターン

会計事務所のタスク管理でよくある3つの失敗パターンを示した図

多くの事務所でつまずきは「属人化」「期限の抜け漏れ」「進捗が見えず偏る」の3つに集約されます。
まず自分の事務所がどれに当てはまるかを見極めましょう。

会計事務所のタスク管理がうまくいかないとき、その原因はいくつかの典型パターンに分かれます。

改善策を打つ前に、自分の事務所がどこでつまずいているかを特定すると、効く方法を選びやすくなります。

属人化・ブラックボックス化する

「あの顧問先はあの人でないと分からない」状態。
担当者が休むと業務が止まり、引き継ぎもできません。

最も多いのが、業務が特定の担当者に紐づいて中身が見えなくなる属人化です。

顧問先ごとの進め方や注意点が担当者の頭の中にしかないと、その人が休んだり退職したりした瞬間に業務が止まります

引き継ぎのたびに一から確認が必要になり、教育コストも膨らみます。

属人化は、担当者の能力や意欲の問題ではなく、仕事の進め方が共有される仕組みがないことから生まれます。

定型業務のテンプレート化と見える化で、誰が担当しても同じ品質で進められる状態に近づけるのが解決の方向です。

同じ士業では弁護士事務所のタスク管理の方法でも同様の課題が語られています。

期限の抜け漏れが起きる

記憶とメモだけで期限を管理していると、繁忙期に一つ二つと抜けが出ます。
会計事務所ではこれが致命傷になり得ます。

複数の顧問先の期限を、担当者それぞれが個別に覚えている状態は危険です。

通常期は回っていても、繁忙期にタスクが積み上がると、確認する余裕がなくなり抜け漏れが発生します。

しかも会計事務所の期限は、前述のとおり遅れが顧問先の不利益に直結します。

この抜け漏れは、期限を一覧に集約し、期日が近づいたら自動で知らせるリマインドを組み合わせることで大きく減らせます。

人の注意力に頼るのをやめ、仕組みで気づける状態を作るのが要点です。

進捗が見えず業務量が偏る

誰がどこまで進めたかが共有されないと、遅れが締切間際まで表面化せず、特定の人に負荷が集中します。

進捗が担当者の中だけにあると、所長や管理者は「本当に間に合うのか」を締切直前まで把握できません。

結果として、遅れているタスクへの応援が後手に回り、特定の担当者だけが残業する業務量の偏りも見えないまま放置されます。

これは進捗と担当を見える化することで解消に向かいます。

業務の状態を全員が同じ場所で見られれば、遅れを早く見つけて人を回し、偏りを調整できます。

業務の見える化とは?進め方の解説の考え方も参考になります。

偏りが見えないまま繁忙期に突入すると、特定のベテランに業務が集中し、その人が体調を崩した途端に事務所全体が回らなくなります。

誰がどれだけ抱えているかを数で把握できていれば、無理が生じる前に配分を調整でき、結果として離職の防止にもつながります。

会計事務所のタスク管理を効率化する7つの方法

会計事務所のタスク管理を効率化する7つの方法の一覧図

ここからが本題です。
棚卸しから一元管理まで、取り組む順に7つの方法を手順で解説します。
すべて、まず道具なしでも始められる内容から入っています。

先ほどの全体像に沿って、7つの方法を一つずつ手順で見ていきます。

上から順に取り組むほど効果が積み上がる構成なので、まだ何も整っていない事務所は方法1の棚卸しから着手してください。

すでに一覧がある事務所は、自分たちの弱いところから拾い読みしても構いません。

顧問先ごとに全タスクを棚卸しして一覧化する(効果 ★★★/手軽さ ★★☆)

頭の中と個人のメモに散らばったタスクを、顧問先×業務の一覧にすべて書き出すのが出発点。
ここが抜けると、どんな仕組みも穴だらけになります。

顧問先ごとに全タスクを棚卸しして一覧化するのイメージ図

会計事務所のタスクが漏れる最大の原因は、担当者それぞれの記憶と手帳・付箋に情報が分散していることです。

まずは顧問先ごとに、月次巡回・記帳代行・給与計算・年末調整・申告など「発生するすべての業務」を書き出し、担当者と発生タイミング(毎月/四半期/年次)をセットで並べます。

一度作れば翌年以降は使い回せるため、最初にまとめて棚卸しする価値は大きい業務です。

抜けを防ぐコツは、顧問契約書や前年の作業履歴を横に置いて突き合わせることです。

  1. 顧問先を縦軸、発生する業務(月次・給与・年末調整・申告など)を横軸にした一覧表を用意する
  2. 各業務に担当者と発生タイミング(毎月/四半期/年1回)を書き込む
  3. スポット業務(相談対応・税務調査立会いなど)も別枠で記録する場所を決める
  4. 顧問契約書と前年の作業履歴を突き合わせ、抜けている業務がないか確認する

コツ:「いつもやっている当たり前の作業」ほど一覧から抜けやすい。
担当者本人に口頭で確認しながら書き出すと精度が上がる。

向いているのは:これからタスク管理を立て直すすべての事務所。担当者ごとに管理がバラバラで、全体像が誰にも見えていない状態の解消に効く。

申告・法定期限から逆算してスケジュール化する(効果 ★★★/手軽さ ★★☆)

会計事務所の期限は動かせません。
だからこそ「締切日」ではなく「着手日」を先に決め、期限から逆算して予定に落とすのが鉄則です。

申告・法定期限から逆算してスケジュール化するのイメージ図

確定申告や法人税申告、年末調整には法律で定められた期限があり、遅れれば顧問先に加算税・延滞税などの不利益が及びます

ところが実務では「期限だけ」を管理し、いつ着手するかが曖昧なまま繁忙期に雪崩れ込むケースが少なくありません。

資料回収・記帳・チェック・申告という工程を分解し、それぞれに期日を割り振って「逆算スケジュール」にすると、遅れの予兆を早く察知できます。

特に資料回収は顧問先の協力が必要で自分たちだけでは進まないため、最も早い期日を置くのがポイントです。

  1. 顧問先ごとの法定期限(申告・納付・年末調整など)をすべて書き出す
  2. 各期限から逆算し「資料回収→記帳→レビュー→申告」の工程に中間期日を割り振る
  3. 顧問先の協力が要る資料回収は、最も早い期日と依頼日を設定する
  4. 中間期日が来たら進捗を確認し、遅れているタスクだけを早めに手当てする

コツ:期限日そのものより「資料がいつ揃うか」がボトルネックになりやすい。
資料回収の依頼とリマインドを工程の先頭に固定する。

向いているのは:確定申告・年末調整・決算申告など、法定期限のある業務を多く抱える事務所全般。繁忙期の駆け込みを平準化したいときに有効。

定型業務をテンプレート化・チェックリスト化する(効果 ★★★/手軽さ ★★☆)

月次や年末調整のように毎回同じ手順で進む業務は、作業手順をテンプレート化しておくと、担当者が替わっても品質が落ちません。

定型業務をテンプレート化・チェックリスト化するのイメージ図

会計事務所の業務は、顧問先ごとに細部は違っても大枠の手順は共通する定型業務が中心です。

この手順を毎回ゼロから思い出しているうちは、抜け漏れも属人化も避けられません。

月次巡回・記帳・年末調整・申告といった業務ごとに「作業ステップのチェックリスト」を用意し、着手のたびに複製して使う運用にすると、経験の浅いスタッフでも一定の品質で進められます

標準化は品質を揃えるだけでなく、あとから見返して改善する土台にもなります。

  1. 繰り返し発生する定型業務(月次・年末調整・申告など)を洗い出す
  2. 各業務の作業手順を、着手から完了まで順にチェックリスト化する
  3. 顧問先固有の注意点(勘定科目の扱い・特殊な処理など)は備考欄に残す
  4. 着手時にチェックリストを複製し、完了した項目にチェックを付けながら進める

コツ:完璧なマニュアルを作り込もうとすると頓挫しがち。
まずは箇条書きのチェックリストから始め、使いながら足りない項目を追記していく。

向いているのは:スタッフの入れ替わりや新人教育に課題がある事務所。担当者による品質のばらつきを抑え、業務を引き継ぎやすくしたいときに向く。

担当と進捗ステータスを見える化して共有する(効果 ★★★/手軽さ ★★☆)

「誰が・何を・どこまで進めたか」を全員が見える状態にするのが、抜け漏れと偏りをなくす核心。
進捗は個人の頭の中ではなく共有の場に置きます。

担当と進捗ステータスを見える化して共有するのイメージ図

タスクを一覧化しても、進捗が担当者本人にしか見えなければ、遅れや停滞は締切間際まで表面化しません

各タスクに「未着手・作業中・レビュー待ち・完了」といったステータスを設け、全員が同じ画面で見られるようにすると、所長や管理者が状況を一目で把握でき、遅れているタスクへ早めに人を回せます。

見える化は監視のためではなく、困っている担当者を早く助け、業務量の偏りを調整するための仕組みだと共有することが定着の鍵です。

  1. タスクに進捗ステータス(未着手・作業中・レビュー待ち・完了など)の区分を設ける
  2. 担当者・期限・ステータスを一枚の一覧で全員が見られる場所に置く
  3. 更新のタイミング(毎日終業時・朝礼前など)をルール化する
  4. 定例ミーティングで一覧を見ながら、遅れ・偏りのあるタスクを調整する

コツ:ステータスは4〜5段階までに絞る。
区分を増やしすぎると更新が面倒になり、かえって見える化が形骸化する。

向いているのは:所内で進捗共有が口頭・記憶頼みになっている事務所。誰がどれだけ抱えているか分からず、特定の人に負荷が集中しがちなときに効く。

繁忙期を見据えて業務量を平準化・再配分する(効果 ★★☆/手軽さ ★☆☆)

会計事務所は年末調整と確定申告期に業務が集中します。
前倒しできる作業を通常期に移し、担当者間で業務量を再配分して山を低くします。

繁忙期を見据えて業務量を平準化・再配分するのイメージ図

会計事務所の繁忙期は、年末調整・法定調書の12〜1月、確定申告の2〜3月、3月決算法人の申告が集中する5月などに固まります。

この山を放置すると、残業の集中や確認不足によるミスを招きます。

棚卸しと見える化ができていれば、繁忙期にやる作業のうち「通常期に前倒しできるもの(資料回収の早期依頼・記帳の月次化など)」を切り出せます。

あわせて担当者ごとの業務量を数で把握し、偏りがあれば通常期のうちに再配分しておくと、繁忙期の負荷を分散できます。

  1. 月別に業務量を並べ、繁忙期(年末調整・確定申告・決算申告など)の山を把握する
  2. 繁忙期の作業のうち、資料回収や記帳など通常期に前倒しできるものを洗い出す
  3. 担当者ごとの抱えるタスク量を数で確認し、偏りがあれば再配分する
  4. 顧問先へ早めの資料提出を依頼し、繁忙期に処理が集中しないようにする

コツ:「誰が忙しいか」は感覚では正確に測れない。
タスクを見える化して件数・工数で把握すると、再配分の判断がしやすくなる。

向いているのは:特定の時期・特定の担当者に業務が集中し、残業やミスが起きやすい事務所。年間を通じて負荷を均したいときに取り組む。

リマインド・通知で期限の抜け漏れを防ぐ(効果 ★★★/手軽さ ★★★)

人の記憶に頼る限り、期限漏れはゼロにはできません。
期日が近づいたら自動で知らせる仕組みを入れ、「気づけなかった」を構造的になくします。

リマインド・通知で期限の抜け漏れを防ぐのイメージ図

どれだけ一覧を整えても、その一覧を見に行くのを忘れれば期限は抜けます

カレンダーの通知やツールのリマインド機能を使い、期日の数日前・前日といったタイミングで担当者に自動で知らせる仕組みを作ると、確認漏れそのものを減らせます。

会計事務所では顧問先の資料提出待ちが期限遅れの引き金になりやすいため、自分たちのタスクだけでなく、顧問先への依頼・催促にもリマインドを設定しておくと効果的です。

手軽さの割に効果が大きい、費用対効果の高い一手です。

  1. 期限のあるタスクに、期日の数日前・前日など通知タイミングを設定する
  2. 顧問先への資料依頼・催促にもリマインドを設定する
  3. 通知の宛先を担当者だけでなく、レビュー担当・管理者にも広げるか検討する
  4. 通知が多すぎて無視されないよう、重要な期限に絞って設定する

コツ:通知を全タスクに付けると“オオカミ少年”化して誰も見なくなる。
法定期限など落とせないものに優先して設定する。

向いているのは:期限管理を担当者の記憶やメモに頼っている事務所。申告・納付など落とせない期限の抜け漏れを構造的に防ぎたいときに最優先で入れたい一手。

チーム全体でタスクを一元管理する仕組みをつくる(効果 ★★★/手軽さ ★★☆)

個人のメモやばらばらの表を、チーム全員が同じ最新を見られる一元管理へ。
ここまで来て初めて、タスク管理が“事務所の仕組み”になります。

チーム全体でタスクを一元管理する仕組みをつくるのイメージ図

棚卸し・逆算・テンプレート化・見える化・リマインドは、それぞれをバラバラの道具でやっていると、更新の二度手間や版のズレが生じます。

最終的には、これらを一つの場所に集約し、チーム全員が同じ最新のタスク一覧を見られる状態を目指します。

エクセルの共有でも一定はできますが、同時編集の競合や「最新版どれ?」問題、通知が無いといった弱点が出てきます。

専用のタスク管理ツールを使うと、見える化・ステータス管理・自動通知・テンプレートを一つにまとめられ、担当者が替わっても回る“事務所の仕組み”として残せます。

  1. 棚卸し・逆算・テンプレ・見える化・通知を、一つの場所に集約する方針を決める
  2. エクセル共有で始める場合は、同時編集や版管理のルールを先に決める
  3. 件数や人数が増えて運用が重くなったら、専用ツールへの移行を検討する
  4. 移行後も更新ルールを維持し、一覧を“全員が見る唯一の最新”に保つ

コツ:道具を増やすほど更新場所が分散し、かえって管理が崩れる。
「一覧はここだけ」を全員で徹底することが一元管理の本質。

向いているのは:複数のスタッフでタスクを回しており、表やメモが分散して更新が追いつかなくなってきた事務所。属人化を解消し、仕組みとして定着させたいとき。

ツールでこれらを一気に整えたい場合の選択肢はタスク管理ツールのおすすめ比較にまとめています。

個人のタスク管理からチームのタスク管理へ

個人のタスク管理からチームのタスク管理へ移行する概念図

会計事務所のタスク管理を立て直す本質は、個人の工夫を「チームで回る仕組み」に引き上げること。
ここが属人化を解く分岐点です。

7つの方法を貫く考え方が、「個人のタスク管理」から「チームのタスク管理」への移行です。

個人がどれだけ上手にToDoを管理しても、その情報が本人にしか見えなければ、事務所全体の抜け漏れや偏りは解決しません。

個人のToDoリスト管理では限界がある理由

個人のToDoリストは本人の中で完結するため、担当者が抜けると引き継げず、事務所全体の状況も見えません。

手帳やスマホのToDoアプリでの個人管理は、自分の作業を回すには有効です。

しかし会計事務所のように複数人で多数の顧問先を分担する現場では、個人のToDoリストが増えるほど全体像が誰にも見えなくなるという逆説が起きます。

誰がどれだけ抱えているか、どのタスクが遅れているかが共有されないからです。

だからこそ、タスクを個人の持ち物からチームの共有財産へと移す必要があります。

複数人で回すやり方は複数人でのタスク管理のやり方でも整理しています。

「見える化が改善のはじまり」

何が起きているかが見えて初めて、改善の手を打てます。
見える化はチームのタスク管理の出発点です。

チームのタスク管理をなぜ土台に据えるのか。

この点について、会計事務所と同じ中小企業の生産性を長く研究してきた知見が参考になります。

タスクの見える化が、オペレーション改善のはじまりである。

小松裕介『1+1が10になる組織のつくりかた ── チームのタスク管理による生産性向上』実業之日本社、2025年、ISBN 978-4-408-65143-9

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松裕介氏は、著書『1+1が10になる組織のつくりかた』(実業之日本社、2025年)は、生産性向上の土台として「チームのタスク管理」を挙げ、個人のタスク管理をチームのタスク管理へ広げること、そしてタスクを見える化することが改善の第一歩だと述べています。

会計事務所の属人化や期限漏れも、まず見える状態を作ることから解きほぐせます。

ここまでの棚卸し・逆算・テンプレート・見える化・リマインドは、エクセルや共有ファイルでも始められます。

ただ、顧問先や担当者が増えて同時編集の競合・最新版の取り違え・通知の不在が気になり始めたら、専用ツールで一元化するのが近道です。

会計事務所のように多数の顧問先を複数人で分担し、しかも落とせない期限を抱える現場では、見える化・ステータス管理・自動通知・テンプレートが一つにまとまっていることの価値が特に大きくなります。

道具が分散していると、更新の二度手間や版のズレが新たな抜け漏れを生むためです。

チームのタスク管理を“続く形”にするなら『スーツアップ』

私たちが開発・運営するスーツアップは、表計算ソフトのような操作で、チームの「タスクの見える化」をして、タスクの抜け漏れや期限遅れを防ぐツールです。「誰が・どのようなタスクを・いつまでに」の3つに絞って、みんながいつでも見られるチームのタスク管理に振り切っています。

・表計算ソフトのような操作性で、スタッフ全員が同じ最新のタスク一覧を見られる
・自動の期限通知で、申告・納付など落とせない期限の抜け漏れを防ぐ
・定型タスクのひな型やAIによる作成で、月次・年末調整などの入力の手間を抑える

※スーツアップはガントチャート作図ツールではなく、チームのタスクを「続けて見える化」することに特化したツール。 7日間の無料トライアル(最新の料金・機能は公式サイトでご確認ください)

タスク管理を定着させるコツとつまずき対策

会計事務所でタスク管理を定着させるコツを示した図

新しい管理は、始めることより「続けること」が難しいもの。
小さく始め、更新を習慣に組み込むのが定着のコツです。

方法を導入しても、運用が続かなければ元の木阿弥です。

会計事務所でタスク管理を定着させるための現実的なコツと、よくあるつまずきへの対策を整理します。

定着させる3つのコツ

完璧を目指さず、小さく始めて更新を習慣にするのが続けるコツ。
ルールはシンプルに保ちます。

最初から全顧問先・全業務を完璧に管理しようとすると、準備だけで疲れて頓挫します

次の3つを意識すると、無理なく定着に近づきます。

小さく始める:まず1チーム・数件の顧問先から。回り始めてから広げる。

更新を習慣に組み込む:朝礼前や終業時など、決まったタイミングで一覧を更新する。

ルールを増やしすぎない:ステータスや入力項目は最小限に。運用が重いと続かない。

それでも続かないと感じたら、原因ごとの対処をまとめたタスク管理が続かない原因と対策が役立ちます。

つまずきやすいポイントと対策

「更新されない一覧」「通知の形骸化」「入力の手間」の3つが定番のつまずき。
先回りで対策しておきましょう。

運用を始めると、多くの事務所が似たところでつまずきます。

症状から逆引きできるよう、原因と対策を表に整理しました。

→ 表は横にスクロールできます

症状原因対策
一覧が更新されず古くなる更新の担当・タイミングが未定更新の時間と担当をルール化し、定例会議で一覧を見る運用にする
通知が無視される全タスクに通知を付け形骸化落とせない期限に絞って通知を設定する
入力が面倒で続かない項目が多すぎる/二重入力項目を最小限にし、テンプレやひな型で入力を減らす
結局エクセルに戻る共有・同時編集で破綻件数が増えたら一元管理できる専用ツールを検討する

進捗を軸に整える考え方は進捗管理とは?基本とコツ、期日の通知の使い方はリマインドとは?期限管理での使い方も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

会計事務所のタスク管理について、現場で特に多い疑問と答えをまとめました。

着手前の不安の解消に役立ててください。

会計事務所のタスク管理は、何から始めればいいですか?

まず顧問先ごとに発生する業務をすべて書き出す「棚卸し」から始めます。月次・給与・年末調整・申告などを顧問先×業務の一覧にし、担当者と発生タイミングを添えます。この一覧が、期限の逆算や見える化などすべての土台になります。

エクセルでの管理でも十分ですか?

担当者が少なく、更新も一人で完結する規模ならエクセルでも始められます。ただし顧問先や担当者が増えると、同時編集の競合や「最新版どれ?」問題、通知が無いことによる期限漏れが起きやすくなります。件数・人数が増えてきたら、一元管理できる専用ツールの検討が現実的です。

属人化を解消するにはどうすればいいですか?

定型業務の手順をチェックリストとしてテンプレート化し、進捗と担当を全員が見える状態にするのが基本です。仕事の進め方が共有される仕組みを作ることで、担当者が替わっても同じ品質で進められるようになり、属人化が和らぎます。

申告期限の抜け漏れを防ぐ確実な方法はありますか?

期限を一覧に集約したうえで、期日の数日前・前日に自動で知らせるリマインドを設定するのが効果的です。人の記憶に頼るのをやめ、仕組みで気づける状態を作ります。顧問先の資料提出待ちが引き金になりやすいため、顧問先への依頼・催促にも通知を設定すると抜けが減ります。

繁忙期の業務集中を和らげるには?

棚卸しと見える化で年間の業務量を可視化し、繁忙期の作業のうち資料回収や記帳など通常期に前倒しできるものを切り出します。あわせて担当者ごとの業務量を数で把握し、偏りがあれば通常期のうちに再配分しておくと、繁忙期の山を低くできます。

小規模な事務所でもタスク管理ツールは必要ですか?

数名規模で紙やエクセルでも回っているなら、まずは棚卸しと見える化から始めれば十分です。複数のスタッフで顧問先を分担し、表やメモが分散して更新が追いつかなくなってきたら、チームで一元管理できるツールを検討する目安です。

まとめ:個人の工夫を、事務所の仕組みへ

会計事務所のタスク管理は、顧問先ごとの棚卸しから始め、期限からの逆算・テンプレート化・見える化・平準化・リマインド・一元管理と積み上げれば、属人化と期限漏れを大きく減らせます

最後にチェックリストで振り返りましょう。

会計事務所のタスク管理チェックリスト
  • 顧問先×業務の一覧ですべてのタスクを棚卸ししている
  • 法定期限から逆算し、着手日・中間期日を決めている
  • 月次・年末調整などの定型業務をテンプレート化している
  • 担当と進捗ステータスを全員が見える状態にしている
  • 繁忙期の作業を通常期に前倒し・再配分できている
  • 落とせない期限にリマインドを設定している
  • 件数が増えたらチームで一元管理する仕組みに移している

覚えておきたいのは、タスク管理のゴールが「きれいな一覧を作ること」ではなく顧問先の期限を守り、事務所を無理なく回すことだという点です。

個人の工夫で完結させず、チームで回る仕組みへ引き上げることが、属人化と期限漏れから事務所を守る近道になります。

参考文献・出典

チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。

 

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

2025年5月に、『1+1が10になる組織のつくりかた チームのタスク管理による生産性向上』を出版。

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