進捗管理とは?具体的なやり方や成功のポイントについて解説!
「進捗管理ってそもそも何?」
「進捗管理したいけど、具体的なやり方がわからない…」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
進捗管理は、納期の遅延やトラブルを未然に防ぎ、企業の信頼性を高めるために必要な取り組みです。
この記事では、進捗管理についてやその目的、具体的なやり方や成功させるポイントについてまとめました。
進捗管理について知りたい、導入して仕事上で成功を収めたいという方はぜひ参考にしてください。
進捗管理とは
進捗管理とは、業務やプロジェクトなどの進行状況を把握し、必要に応じて調整する管理活動のことです。
適切に進捗管理できていないと、スケジュールの遅延を招き、企業の利益や信用、機会が失われてしまいます。
進捗管理を行うメリットは主に以下の3つです。
- プロジェクトの遅延を防ぐ
- タスクの優先順位を理解できる
- 担当者の状況が把握できる
- 目標までの課題やリスクを発見できる
ちなみに、進捗管理の内容は業種によって異なり、製造業やIT業界では品質管理の手法の一つとして進捗管理を実施しています。
これらの業界で進捗管理を実施する理由は、リコールやシステム障害など大きな損害を回避するためです。
最悪の事態を防ぐために、全プロジェクトメンバーが同じ意識と進捗認識を持って、業務に取り組むことが必要不可欠なのです。
進捗管理をする目的
進捗管理をする目的は、主に以下の2つです。
これらの目的を理解することで、進捗管理がいかに重要な役割を果たすのかが見えてきます。
以上の目的について詳しく見ていきましょう。
トラブルを防ぐ
進捗管理を適切に行うと、トラブルを未然に防ぐことができます。
プロジェクトが順調に進んでいるように見えても、実際にはタスクが遅れていたり、担当者が抱える業務量が偏っていたりすることはよくあること。
進捗管理を行えば、そうした問題や遅れを早い段階で発見し、すぐに対策を取ることができます。
定期的に進捗を確認し、小さな課題を早い段階で解決することで、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
今後の業務管理に生かす
進捗管理を行って得られたデータや経験は、今後の業務管理やプロジェクト運営に生かすことができます。
タスクごとにかかった時間や遅延の原因を振り返ることで、次回の業務でのスケジュールの見積もり精度を高めることができます。
進捗管理を適切に行うと、問題が発生しやすい工程や効率よく進んだポイントが明確になり、これをチーム全体で共有し成功事例を標準化することで、次のプロジェクトに生かすことができます。
進捗管理の方法は、業務やプロジェクトが違っても基本のやり方は変わらないため、一度手順を覚えれば次の業務からも活用できます。
進捗管理は「今を確認するため」だけのものではなく、チームや組織がより成長するための基盤作りにもなるので、丁寧に行いましょう。
進捗管理で使われる手法
進捗管理を効果的に行うためには、適切な手法やツールを活用することが重要です。
代表的な手法として以下の3つをご紹介します。
プロジェクトやチームに合った方法を選び、進捗管理をよりスムーズに進めましょう。
ガントチャート
ガントチャートは、プロジェクトのタスクやスケジュールを視覚的に管理できる手法です。
計画表やスケジュール表、進行表とも呼ばれることもあります。
- プロジェクト全体の進行状況が一目で分かる
- タスクの依存関係やスケジュールの重なりを確認しやすい
- 進捗状況の「見える化」ができチームで共有しやすい
作成する際は、棒グラフは縦軸にタスクや担当者、開始日、完了日などを記入し、横軸に日時や進捗率を入力しましょう。
プロジェクトの開始から終了までの各タスクをタイムラインに配置することで、期限や進行状況を可視化でき、計画通り進んでいるかを確認できます。
進捗が遅れている場合は、タスクの割り振りやスケジュールの調整が必要かどうかを判断する材料にもなります。
- Microsoft Project
- Backlog
- Excel(シンプルなデザインで作成可能)
カンバン方式
カンバン方式は、トヨタの「かんばん方式(看板方式)」から生まれた進捗管理の手法です。
タスクを「見える化」することで、チーム全体の作業フローをスムーズに進めることを目的としています。
- タスクをステータスごとに管理できる
- タスクの流れを視覚的に把握でき、ボトルネックの発見が容易
- 個人やチームの作業状況をリアルタイムで確認可能
チームメンバー全員がタスクボードを共有し、自分の進行状況に合わせてステータスを「進行中」や「完了」の列に移動させることで、全体の進捗が一目で分かる仕組みを作ります。
デジタルが苦手な人でもアナログで簡単に進捗管理を行えるため、手軽な進捗管理方法です。
- Trello
- Jira
- Asana
PMBOK
PMBOK(ピンボック)とは、プロジェクト管理の知識体系をまとめたフレームワークで、プロジェクトを包括的に管理するためのガイドラインです。
「Project Management Body Knowledge」の略で、プロジェクト管理の方法論そのものを指します。
- 「5つのプロセス」と「10の知識エリア」に分けている
- スケジュール、リスク、コスト、品質など幅広く管理できる
- グローバルに通用する標準的なプロジェクト管理手法
このガイドラインは、米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)が発行しており、4年に1度のペースで改訂されています。
進捗管理の手法には何種類かありますが、PMBOKは現在世界標準の進捗管理ツールとされています。
全部で15個の要素がありますが、すべての管理項目に記入する必要はなく、プロジェクトごとに必要な管理項目を選定するだけで大丈夫です。
PMBOKガイドの日本語版は、PMI日本支部のオンラインショップから購入可能です。
進捗管理の具体的なやり方
進捗管理を効果的に行うためには、以下の3つのステップを押さえることが重要です。
シンプルですが、これを確実に実行することでプロジェクトの成功率が格段に向上します。
まずは、プロジェクトや業務に必要なタスクを細かく洗い出します。
大きな目標だけでなく、細分化した具体的な作業内容をリスト化することで、見落としを防ぎます。
ここで活用できるのがWBS(Work Breakdown Structure)という手法。
WBSを使うと、プロジェクト全体を階層的に分解でき、タスクを具体的で実行可能な単位に細かく整理することが可能になります。
洗い出したタスクを、いつまでに、誰が行うのかを明確に決めます。
タスクごとに締切や優先順位を設定し、進捗確認がしやすい状態を作りましょう。
スケジュールはプロジェクトの開始日と完了予定日から逆算して設定することが大切。
タスクの担当者は業務に偏りが出ないように割り振りましょう。
最後に、洗い出したタスクとスケジュールを進捗管理ツールに入力して運用します。
ガントチャートとカンバン方式を活用することがオススメです。
特に、カンバン方式のようにタスクをステータスで管理できるツールを使うと、全体の進行状況が一目で分かります。
進捗管理を成功させるポイント
進捗管理を成功させるためには、タスクの進行状況を把握するだけでなく、チーム全体が効率よく動ける仕組みを整えることが重要です。
ここでは、進捗管理を円滑に進めるための4つのポイントを紹介します。
詳しく見ていきましょう。
報告に関してのルールを決める
進捗管理を成功させるための1つ目のポイントは、報告に関してのルールを決めることです。
進捗管理ツールで業務内容を把握できるとはいえ、報告することは重要です。
何を報告するのか、どのような事態になったら報告するのかなどのルールをあらかじめ決めておきましょう。
- 報告の頻度:毎日や週1回など、タイミングを決める
- 報告内容:進捗率や完了状況、直面している課題などを報告する
- 報告方法:チャットツール、メール、会議など手段を統一する
ツールを使うのか直接話すのか、という点だけでも対応や初動時間が異なってきます。
メンバー全員が共通のルールを把握しておくことで、スムーズにプロジェクトを完了できます。
余裕のあるスケジュールにする
2つ目のポイントは、余裕のあるスケジュールを作成することです。
プロジェクト計画段階で、すべてのタスクを正確に把握することは至難の業。
作業工程を進めていくうちに想定外の問題が発生することも多々あるため、すべてのタスクが理想通りに進むとは限りません。
突発的な問題や変更にも対応できるよう、予定完了日を締め切りの数日前にするなど猶予を残しておきましょう。
メンバーの欠勤やトラブルなどにより遅延が発生した場合でも、プロジェクト全体に大きな影響を与えにくくなります。
進捗管理システムを活用する
進捗管理の効率化には、ツールやシステムの活用が欠かせません。
ツールを使うことでタスクの状況や担当者の進行具合を可視化し、リアルタイムで共有できるため、管理の手間が大幅に減ります。
どこに問題が発生しているか、どこが予定より遅れているかなども一目瞭然なので、状況に応じた素早い意思決定も可能です。
また、進捗管理システムを導入することで、タスクの細分化が日常的になり、組織全体の段取りが組みやすくなるというメリットもあります。
業界や企業によってどのような進捗管理システムが合うか変わるため、自社やプロジェクトに適した方法を選びましょう。
プロジェクト終了後に振り返る
最後のポイントは、プロジェクト終了後に振り返りの時間を設けることです。
結果としてどんなに成功したプロジェクトであっても、反省点はあるもの。
プロジェクトが終わったら、計画から実行までを分析し、成功した点や改善が必要な点を整理しましょう。
振り返りをただの反省会にするのではなく、具体的な改善策をチームで考える場とすることで、次回以降の進捗管理をより効果的にすることができます。
まとめ
この記事では、進捗管理についてやその目的、手法についてご紹介しました。
進捗管理はプロジェクトや業務を成功に導くための基盤となる重要なプロセスです。
タスクの洗い出しやスケジュールの設定、進捗管理ツールの活用といった具体的な方法を実践することで、実行中のトラブルを未然に防ぎ、今後の業務管理にも役立たせることができます。
プロジェクト終了後には成功点や課題を振り返り、次回に生かせるようチームで話し合うことで、より効果的に進捗を管理できるようになります。
基本をしっかり押さえながら自分たちの業務に合った進捗管理を構築し、プロジェクトの成功を導きましょう。