エクセルで給与計算をする方法を解説!メリットやポイントも紹介!
経理を担当していて、毎月の給与計算に時間をかけすぎていませんか?
人手不足で業務に追われる中、効率的な給与計算方法があるなら実践したいと考える人は、結構多いようです。
本記事では、エクセルを使った給与計算の方法を詳しく解説します。
テンプレートの活用法や自作のエクセルシートの作成方法について詳しく知りたい人におすすめです。
エクセルで給与計算をする際のメリットやデメリット、注意点まで、幅広くカバーしていますよ。
経理業務の効率化を目指す人やエクセルスキルを向上させたい人は、ぜひ参考にしてください。
給与計算の負担を軽減し、ほかの重要な業務により多くの時間を割けるようにしていきましょう。
エクセルで給与計算をする方法
エクセルで給与計算をすれば、コストをかけずに正確な計算ができ、初心者でも手軽に給与管理することが可能です。
大きく分けて、2つの方法がありますよ。
【おすすめ】テンプレートを使う方法
下記のリンクのExcelのテンプレートを用いて、給与計算を行う方法を確認していきましょう。
https://suitup.jp/wp-content/uploads/2025/01/02-1テンプレ.xlsx
セルB5に、月の初日の日付を登録してください。
2025年1月の表であれば「2025/1/1」と登録します。
日付を登録すると、C列には「日にち」、D列には「曜日」が自動で表示されますよ。
次に、部署名と氏名を登録しましょう。
セルI4に部署名、セルI5に氏名をそれぞれ入力してください。
D列に出勤形態を登録しましょう。
プルダウンで「出勤、在宅、出張、休み」のいずれか選択できるようになっています。
働いた日に対し、始業時刻をE列、終業時刻をF列、休憩時間をG列に登録しましょう。
休憩時間は、たとえばお昼休みの「1:00」などと登録してください。
登録すると、実働時間がH列に自動的に表示されます。
月末までSTEP4までの内容を登録すると、自動集計された合計が表示されます。
- セルD39:出勤日の合計
- セルD40:在宅日の合計
- セルD41:出張日の合計
- セルD42:休みの日の合計
- セルH39:実働時間の合計
自作のエクセルで給与計算をする方法
次は、自作でエクセルを作成し、給与計算を行う方法を紹介します。
参考にしながら、実際に作ってみてくださいね。
まず、上記のような表を作成します。
B列に1か月分の日付、C列に出勤時刻、D列に退勤時刻、E列に休憩時間をそれぞれ登録しましょう。
F列に稼働時間として計算式を登録します。
たとえば、1月1日のセルF5の場合「=+D5-C5-E5」と登録し、式を月の末日までコピーしましょう。
G列に時間計算を登録しましょう。
上図の1月6日の場合、セルG10に「=F10*24」と登録します。
セルG10に登録した数式を、1月1日~1月31日までのG列へコピーしてみてください。
時給を計算する上では、7:30を7.5に変換する必要があります。
1時間を1にするなど、10進数に変換するため、設定を工夫していきますよ。
STEP3の1月6日の時間計算(セルG10)では、「12:00」と表示されています。
「7.5」に変換して表示する作業をしていきましょう。
時間計算の列(セルG5~G35)を選択し、右クリックで「セルの書式設定」に進みます。
「セルの書式設定」を表示させると、下図のようにタブ「表示形式」おいて「時刻」「13:30」と表示されます。
分類の「時刻」を「標準」に変更して、「OK」を押してください。
1月6日の時間計算(セルG10)が「7.5」と表示されるようになります。
セルG2に「時給」、セルG3へ時給の金額を登録しましょう。
今回は、時給を「1050」円とします。
日毎の「支給金額」を「時間×時給」で計算します。
たとえば、1月6日の支給金額を算出する場合は、セルH10に「=+G10*$H$2」と登録しましょう。
セルH2(時給金額)は、絶対参照にします。
セルH10への計算式登録時にH2を指して「F4キー」を押すと、「$H$2」と表示されますよ。
1月1日~31日までのH列に、セルH10に登録した計算式をコピーしましょう。
時給と支給金額の表示については、3桁ごとに「,」(カンマ)を表示させる設定にします。
STEP5で示した「セルの書式設定」→タブ「表示形式」の分類で、「通貨」を選択してください。
1か月分の「支給金額」合計を算出するために、セルH36に「=SUM(H5:H35)」と登録しましょう。
以上のようにエクセルファイルを整えれば、簡単に給与計算できますよ。
エクセルで給与計算をするメリット
エクセルを使用して給与計算を行うことには、コスト面での利点や柔軟性があります。
2つのメリットについて確認していきましょう。
コストがかからない
多くの企業では、既にエクセルが導入されているので、新たなソフトウェアを購入する必要がありません。
また、エクセルの基本的な操作方法を知っている人であれば、特別な研修を受けずに給与計算作業を始められます。
専門的な給与計算ソフトを導入する場合と比べて、初期費用や運用コストを大幅に抑えることが可能ですよ。
フォーマットを自由に変更できる
企業ごとに異なる給与体系や手当の種類に合わせて、計算シートを柔軟にカスタマイズできます。
また、見やすさを重視して列幅を調整したり、色分けをしたりすることも可能です。
柔軟性があるからこそ、自社の給与計算に最適化されたシートを作成できますよ。
エクセルで給与計算をするデメリット
エクセルで給与計算を行うデメリットにも注意しておきましょう。
2つの観点から解説します。
税率や保険料率の変更に対応が必要
税率や保険料率が変更されたら、その都度エクセルシートの計算式を修正する必要が出てきます。
時間がかかる作業で、ミスのリスクも高くなるので、注意が必要です。
複雑な計算式を使用している場合は、変更箇所を見落とさないよう慎重に修正してください。
作業が属人化しやすい
エクセルでの給与計算を続けていると、特定の担当者に依存してしまうことがあります。
関数を使うため、計算式の設定や修正に専門知識が必要になり、作業が属人化しがちです。
また、マクロを活用した自動計算をしている場合、プログラムを作成した担当者以外には内容の把握が難しいことも…。
担当者の異動や退職で引き継ぎに困らないよう、普段から作業方法をしっかりと共有しておくことをおすすめします。
エクセルで給与計算をするときのポイント
エクセルで給与計算を行う場合に重要な2つのポイントを確認しておきましょう。
給与計算のデータを保存しておく
毎月の給与計算結果は、後日の確認や税務申告の際に必要なので、適切に保存しておきましょう。
また、バックアップとして、別のハードディスクやクラウドストレージにも保存しておくと安心です。
データの紛失や破損のリスクを軽減し、必要なときにすぐに過去の給与情報を参照できるようにしてくださいね。
ファイルにパスワードを設定する
給与データには個人情報が含まれているため、情報漏洩のリスクを最小限に抑える必要があります。
ファイルにパスワードを設定するのは、それほど難しいことではありません。
エクセルのファイルメニューから「情報」を選び、「ブックの保護」オプションを使用します。
強力なパスワードを設定し、定期的に変更することで、セキュリティを高めましょう。
また、パスワードを忘れないよう、安全な方法で保存しておくことも忘れないでください。