Suit UP

スーツアップで実現する全社タスク管理のメリット

 

投稿日:2023年12月1日 / 更新日:2024年1月30日

 

株式会社スーツでは、2023年9月27日に経営支援クラウド「Suit UP」(以下「スーツアップ」といいます。)のα版をリリースしました。スーツアップは、中小・中堅企業やスタートアップなど(以下まとめて「中小企業等」といいます。)の労働生産性を高める、全社タスク管理を実現するSaaS(Software as a Serviceの略語、月単位・年単位(サブスクリプション)で活用できるソフトウェアサービス)です。本稿では、スーツアップで実現する全社タスク管理の導入のメリットについて記載したいと考えています。

経営支援クラウド「Suit UP」α版のサービス開始のお知らせ

 

【まとめ】

 

1.全社タスク管理とは?

 

まずは、社会人になれば一度は耳にしたことがあると思いますが、厳密な定義もなくビジネスで氾濫して使われている「タスク管理」と「プロジェクト管理」の定義から考えていきたいと思います(本稿では、一般的な事例をもとに記載しておりますが、違った使い方や定義もあるものと思います。)。

「タスク管理」は、個人が抱える小さな作業や課題、すなわち「タスク」を管理するものです。そのため、一般的には、「タスク管理」とは、個人が、その人が担当しているタスクを管理することを意味しています。「タスク管理」における管理では、そのタスクの名称、内容、相手先・協力先、重要度、緊急度、対応方法、期限、進捗状況などが管理の対象となります。なお、似たような個人のタスクの管理に「To Do List」がありますが、こちらは日本語に翻訳すると「やることリスト」であることを考えると、管理よりももっとかんたんな印象です。

一方で、「プロジェクト管理」は、想定された目標達成のために組まれたチームや、そのチームを構成する個人・メンバーの「タスク」などを管理するものです。「プロジェクト管理」では、チームのメンバーが、そのチームやチームの目標を達成するために割り振られるタスクなどを管理し、例えば担当しているタスクに遅れが生じると他のタスクにも影響が生じるなど、「タスク管理」と比較して、管理するポイントが他のメンバーと関連し合っているところに特徴があります。また、一般的には、「プロジェクト」は1か月、6ヶ月や1年など期間限定の「有期」であることが多く、継続を前提としている「会社」とは違います。

この「タスク管理」と「プロジェクト管理」の定義を踏まえて、当社では、本稿のテーマである「全社タスク管理」を以下のように定義しています。

全社タスク管理とは、単なるタスク管理やプロジェクト管理ではなく、個人・部署・経営に至るまで会社全体のタスクを「見える化」し管理する経営管理手法です。

私たちは、スタッフ数の少ない、特に10名から100名以内の中小企業等の会社運営に最適なタスク管理として、全社タスク管理を勧めています。個人のタスクを管理する「タスク管理」や有期の「プロジェクト管理」と違って、全社タスク管理の舞台は会社です。会社の特徴は、プロジェクトと同じく目標達成のために組まれたチームではあるのですがその人数規模は一般的にプロジェクトより大きいこと、社員一人ひとりが日常業務として小さな作業や課題を繰り返し実行していること、組織図や部署があって社内外に対して組織が明確化されていること、そして、会社は継続して事業を行うことを前提としていることが挙げられます。

そのため、会社では、単なるタスク管理やプロジェクト管理だけでは不十分で、もっと個人・部署・経営とそれぞれでタスクの把握ができ「見える化」ができて、組織・コミュニケーションとタスク管理が紐づいていて、タスクの種別も繰り返し行われる定型タスクとそれ以外の非定型タスクに分類され、そして、タスク管理の期間も「無期」であるなど会社運営に適したタスク管理が必要になります。私たちはこの方法を「全社タスク管理」と呼んでいます。

このように細かく説明すると大げさに聞こえるかもしれませんが、令和3年の経済センサスによれば日本には法人数は約180万社あるわけですし、日本も未だ世界有数の経済大国です。会社に特化したタスク管理方法があることは当然のことだと思いますし、チームで効率よく働くこと、それこそ中小企業等の労働生産性の向上について、テクノロジーがこれだけ進化したわけですから、もっと真剣な議論がなされてもよいと思います。

そして、この全社タスク管理の導入を中小企業等で実現するのが、私たちが提供しているスーツアップなのです。

 

2.全社タスク管理のメリット

 

以下では、全社タスク管理の導入のメリットについて3点に分けてご紹介したいと思います。

<メリット>
① 全てのタスクの「見える化」の実現
② 会社の「仕組み化」の促進
③ ケイパビリティの獲得

 

① 全てのタスクの「見える化」の実現

 

全社タスク管理を導入することで、会社にある個人・部署・経営など全てのタスクを「見える化」することができます。タスクが「見える化」することで何が起きるのかというと、組織内において規律と助け合いが生じるのです。

タスクが「見える化」すれば、会社内で、誰が、どのようなタスクを、いつまでに実行しなければならないかを把握することができます。そのため、会社のスタッフの誰もが、その人の業務量や期限遵守の状況などを一目で把握することができるのです。そのため、もし極端に業務量が少ない担当者がいれば、それは業務量が重いタスクを抱えているか、何かトラブルを抱えているか、もしくは「サボっている」かのどれかと判断されると思います。

社内の誰かに見られていれば、仕事を「サボる」こともしづらくなり、一定の規律が生まれます。逆に、業務量が多いスタッフを助けて部署内で業務量を平準化することもでき、チームで助け合うこともできるようになります。

タスクの「見える化」がされていなければ、たとえ同じオフィス内や部署内であっても、誰がどのような仕事をしていて、どのような状態にあるかの把握は難しいです。特に、2020年に新型コロナウィルス感染症問題が生じて以降、急速に世の中のサラリーマンはオフィスに出社しなくなり、業務のオンライン化が進みました。そのため、同じ部署であっても、同僚スタッフが何をしているのか、何に困っているのかが分からなくなってしまいました。オンラインを活用した遠隔地勤務を前提にするならば、社内のタスクの「見える化」は必須だと思います。

「見える化」の反対は「タコつぼ化」です。特に中小企業等では、組織がしっかりと構築できていないため極めて「属人的」に日常業務がこなされています。そのため、担当者しか業務を知らない、業務を実行できないという状況が多々あると思います。この状況から脱却するためには、まず誰が、何の業務をしているのかを「見える化」する必要があります。

また、私たちは全てのタスクの「見える化」を推奨しています。それは、もちろん資金繰りや人事に関するタスクのようにタイミングや内容によっては広くスタッフに情報共有をしないほうが良いタスクもあるとは思いますが、経営に関するタスクについても「見える化」したほうがよいと考えています。

経営幹部や上司がどのようなタスクを行っているのかも見えたほうが、部下からすれば働きやすいに決まっています。本来は、上司・部下はどちらが偉いというわけではなく、それぞれ組織における役割を担っているに過ぎません。役割とは、例えば経営者は組織が進むべき経営戦略を立案し、その経営戦略を具体的に実行していくのが中間管理職でありスタッフになります。そのため、上司が行っているタスクやその状況が分かれば、部下は今後の指示を予想することができますし、キャリア形成の観点からも、上司が日々行っているタスクが何かを知れば、その部下の視座を上げ視野を広げることもできると思います。

 

② 会社の「仕組み化」の促進

 

全社タスク管理を導入することで、会社の組織、コミュニケーション、そして、タスクに関する「仕組み化」をすることができます。ここでいう「仕組み化」とは、組織化、ルール化、標準化、システム化などを指します。

私たちは、中小企業等の労働生産性を実現する全社タスク管理は、決してスタッフ一人の責任感や努力では実現できず、チームの力でサポートし合わなければ持続できないと考えています。そのため、全社タスク管理を導入する前提として、組織とコミュニケーションの整備の必要があると考えています。これも考え方によっては、会社全体でタスク管理を運用するための「仕組み化」の一つだと思います。具体的には、組織の整備では組織階層の定義、役職名の定義、部署の定義をして組織図をつくり、コミュニケーションの整備では全社同一のチャットツールやカレンダーツールを導入し、組織に連動した会議体を整備することなどが挙げられます。

タスク管理についても、私たちは「定型タスク」と「非定型タスク」に大別することをお勧めしています。定型タスクとは、会社・部署で繰り返し行われることが決められているタスクです。また、それ以外のタスクを非定型タスクとしています。ビジネスモデルがしっかりしている会社ならば、営業活動でお客様に提案する営業資料、見積書、契約書と全て雛型があり、その後のサービス提供も全て実行することが決まっているマニュアルがあります。そのため、定型タスクは既にルール化され、標準化されている業務のためスキルが低く一般スタッフが担当していることが多い仕事です。一方で、非定型タスクはイレギュラーな業務ですので本来はスキルが高く組織的にも決裁権のある管理職が行うべき仕事です。

中小企業等の場合では、タスクの定型化ができておらず、非定型タスクばかりという会社も散見されます。なぜタスクが定型化されていなくても業務が滞りなく運営されるのか。それは、まさに業務が「属人化」されてしまっているからです。多くの場合は、その担当でなければ、そのタスクがどのように行われているのか分からず、ブラックボックスになってしまうのです。会社の業務推進の本来あるべき姿は、大半のタスクの定型化がされ、ルール化・標準化がされることで、それこそ、そのルールやマニュアルに従えば、誰にでもかんたんにできるようにすることなのです。

全社タスク管理を導入することで、全てのスタッフは、組織やコミュニケーションを整備し、そして、タスクの定型化を通じた、会社全般の「仕組み化」を意識することになります。

 

③ ケイパビリティの獲得

 

ケイパビリティとは、例えばスピード、効率性や高品質など、会社が全体として持つ組織的な能力や、その会社が得意とする組織的な能力のことをいいます。全社タスク管理を導入することで、その会社はケイパビリティの獲得をすることができます。

中小企業等の企業価値向上の仕事を20年してきた私からすると、大企業と中小企業等との一番の違いは、当たり前のことを当たり前にできるかどうかだと考えています。大した話ではないのですが、オフィスを清潔に維持し整理整頓することができる、時間どおりに集合時間に集まることができる、決められた日時に定例会議を行うことができ議事録を作成することができる、会社が指定するコミュニケーション・ツールでやりとりができる、そして、タスクの期限を守ることができるなどです。

前項のとおり、全社タスク管理を導入することによって、会社の組織・コミュニケーションが整備され、タスクが定型化されるなど「仕組み化」が進むわけですが、その運用によって、スタッフの能力や意識も変わっていきます。

まずは、スタッフが当たり前のように、全社タスク管理の前提となるタスクの入力を日々行うことができるようになります。このタスクの設定作業や更新作業がなければ、そもそもタスク管理ははじまりません。こちらも自分のためだけではなく、会社のため、他で働くスタッフのためにタスク入力をするという献身性が求められるわけですが、これを持続するのが本当に難しいのです。日本のサラリーマンならば自分が担当するタスクの期限はしっかりと守ることができると思いますが、売上に直結せず、また、社内の評価とも連動しないような細かいデータの入力作業は、どうしても優先順位が劣後してしまうため滞りがちです。しかし、この細かい入力作業なくして、組織全体の労働生産性の獲得は実現できないのです。SFA(営業支援システム)などへの情報入力も同様だと思います。

次に、部署ごと、役職者以上などで、ちゃんとした定例会議を実施することができるようになるなどコミュニケーションのレベルが上がります。組織で働く以上、スタッフ間で意思疎通がしっかりしていなければ、どうしてもミスに繋がってしまいます。コミュニケーションの中でも、例えば会議の運営はなかなか奥深く、会議の目的、会議メンバー、開催頻度、そして、議事録の作成など論点も多くなっています。社内の会議のレベルが上がるだけで、業務効率もあがりますし、リスクマネジメントも行うことができます。また、全社タスク管理によって担当者、タスク内容、期限などを意識してコミュニケーションをすることができるようになりますので、チェックポイントを押さえた効率的なコミュニケーションも行うことができるようになります。チームで働くうえでコミュニケーションほど重要なことはありません。スタッフはみな、このビジネスパーソンとして必須なスキルを身に着けることができます。

最後に、何といってもなのですが、タスクの設定ができ、タスクの期限を守れるようになります。そもそもタスクの設定ができるということは、会社が向かうべき方向を理解していて、業務全体を順序立てて時系列に、もしくは、論理的に分解できるということを意味します。これはしっかりと業務全体を理解していないとできることではありません。つまりタスクの設定ができるということは会社の業務に精通していることですし、経営方針を理解しているということなのです。そして、今までも記載してまいりましたが、タスクの期限を守ることができるようになります。全スタッフがタスクの期限を守れる会社ほど強い会社はありません。これだけで人件費コストの数%の労働生産性の改善になるのではないかと思います。

私は、ケイパビリティの獲得によって、会社を一つ上のレベルの組織に生まれ変わらせることができるようになると思います。これはプロ野球選手の基礎体力づくりと同じで、筋トレやランニングを疎かにして、いきなりメジャーリーグで活躍することはできないのです。日本を代表する企業であるトヨタが、競合と比較して、長年にわたり競争優位を確保できているのは、世界一と称されるケイパビリティがあるからこそなのです。ケイパビリティがあれば、新しいことにチャレンジできるようになり経営戦略の自由度も増しますし、PDCAサイクルを早くまわすことができ軌道修正も素早く行うことができます。

 

以上のように、ぜひとも中小企業等の皆さんには、全社タスク管理の導入を通じて、これらのメリットを享受していただき、企業価値向上に役立ててもらいたいと思います。そして、全社タスク管理の導入の際にはスーツアップをご利用いただければ幸いです。スーツアップを用いれば、中小企業等のスタッフの皆さんの負荷を少なく、全社タスク管理の導入ができると確信しています。

 

【関連ブログ】

1.チームで働くとは何か ~ 全社タスク管理を行ったほうが良いと考える10の理由 ~

2.スーツアップは社長をリーダーにするタスク管理ツール

3.2024年のスーツアップ(α版からβ版への進化について)

 

※ 「経営支援クラウド」「Suit UP」及び「全社タスク管理」は株式会社スーツの登録商標です。

 

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

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