Suit UP

システムが導入できない!システムが運用できない!

 

投稿日:2024年2月2日

 

株式会社スーツでは、2023年9月27日に経営支援クラウド「Suit UP」(以下「スーツアップ」といいます。)のα版をリリースしました。おかげさまで、スーツアップのα版は、リリースから4か月が経過して、多くの中小・中堅企業やスタートアップ(以下まとめて「中小企業等」といいます。)の皆様にご利用いただくようになりました。最近では、スーツアップが2024年春にβ版にバージョンアップをすることに向けて、日々、お客様の声をシステム開発に反映させていただき、当社一丸となって、より使い勝手の良いシステムへと改善をさせていただいています。

当社の代表者の小松と大学生インターンの武田との対談形式の記事コンテンツ「初心者にもわかる!はじめての全社タスク管理ツール ・スーツアップ」では、プロジェクト管理やタスク管理ツールに馴染みのない方に対して、スーツアップと全社タスク管理を分かりやすく伝えるをコンセプトにしています。

第2回は、なぜ中小企業等が経営課題の解決手段としてシステムを導入できず、運用できないのかについて記載しています。

経営支援クラウド「Suit UP」α版のサービス開始のお知らせ

第1回 スーツアップは全社タスク管理をかんたんに実現するツール

 

【まとめ】

 

4.システムが導入できない!システムが運用できない!

 

インターン武田(以下「武田」といいます。):第2回目です。おかげさまで私たちのこの対談の記事コンテンツの評判も上々のようで、友人の大学生たちからも、分かりやすいというコメントをいただいています。最近は大学生の多くがインターンしていることがあって、マネジメント全般に興味があるんですよ。タスク管理の必要性については大学生ですら理解していて、就職活動はもちろんですが、ゼミやサークルなどでもタスク管理をしているみたいですね。

 

株式会社スーツ 代表者:小松裕介(以下「小松」といいます。):そうですよね。これだけインターンが普及しているので、大学生であれば、インターン先で培ったノウハウや経験はそのまますぐに自分たちの生活にも活用しますよね。

 

武田:そうなんです。思っている以上に大学生もみんなタスク管理をしているので、商社に就職するか、スモールビジネスを起業してスーツアップの代理店となって大学生向けにスーツアップを普及させるのか。いや~悩んじゃいますね。笑

 

小松:おべんちゃらが凄いねぇ。笑 そろそろ前回の続きの話をしましょうか。

 

武田:そうですね。しっかり進行します!笑 前回のおさらいですが、みんなタスク管理をやった方がいいことは理解しているけど、メンドクサイから続かない。本来はシステムは道具なのに、高機能や多機能だけど複雑で使いづらかったり、入力項目が多過ぎたりで、使い続けることができないといった話だったかと思います。

そもそも、なぜシステムが導入できない、運用できないといった状況になるのでしょうか?システムが複雑、入力項目が多い。たしかにメンドクサイのも気持ちは分かりますが、それも含めて仕事ですよね?

 

小松:まぁそうなんだけど、そんな正しいことを言わないでよ。笑

 

武田:実はこのあたりは大学生のインターンには信じられない世界なんです。私のような大学生の感覚だとシステムを覚えて使うのなんて当たり前のように思うんですけど・・・

 

小松:そういうことですね。大学生の方がITリテラシーも高いし、向学心もあって、何より若くて柔軟な対応も出来そうだから、システム導入や運用を苦としないのかもしれませんね。とはいえ、年齢を重ねると、新しいテクノロジーに対応するのは大変なことなのよ。そのあたりはお父さんに話を聞いてみてください。笑

 

武田:はい。笑

 

小松:ご質問いただいた回答ですが、なぜシステムの導入や運用ができないかというと、私は3つの問題があると考えています。

1つ目は、経営の課題は必ずしも社員が優先順位を上げて解決したい問題ではないこと。2つ目は、サービス提供者や導入担当者と、実際にシステム利用する社員とではその経営の課題や解決手段のシステムに対する熱量が大きく違うこと。そして、3つ目は、多くの経営者は、システムの使い方を覚えることやオペレーションが変更されることの社員の負荷を軽く見ていて、みんな出来て当たり前と考えて評価していないことがあります。

 

武田:ロジカルに説明をしていただいて、ありがとうございます。それぞれ解説をお願いします。笑

 

① その経営課題の優先順位は本当に高い?

 

小松:まず1つ目ですが、例えばプロジェクト管理やタスク管理ツールに関して言えば、経営者がシステムを導入したい目的は何だと思いますか?

 

武田:最終的にはもちろん企業価値の向上なんでしょうけど、労働生産性の向上、タスクの「見える化」、タスクのヌケモレ防止、期限管理や実行の徹底とかでしょうかね?

 

小松:正解です。いろいろ挙げてくれて、ありがとう。そのとおりですね。システムの導入が上手くいかないのは、多くの場合、システムの導入時点では「あったらいいね!」であって「なければならない!」というものではないということじゃないかと思います。

先ほど武田さんが言ってくれた労働生産性の向上が分かりやすいと思うのですが、今よりも労働生産性が上がらなくても、会社は存続できるし、社員の皆さんのお給料も今までどおり出ますよね?

 

武田:まぁそうでしょうね。とはいえ、大学生の私たちだって就職前からこれから就職する会社が良い会社になるのか、ちゃんと存続するのかを心配しているわけです。サラリーマンにとっても、会社が良くならないと将来不安じゃないですか。そのためには労働生産性が上がったほうがいいですよ。

 

小松:たしかにそうかもしれませんね。武田さんの話を聞いていると、日本の将来は安泰だなと思いますよ。しかし、現実は社員の皆さんは他の仕事で忙しいのです。みんな会社から指示を受けて、今日この時点でも仕事を抱えていますからね。

つまりは、システムの導入をして問題解決したい経営の課題は、必ずしも社員が優先順位を高くしてすぐに解決したい問題ではないのです。

アイゼンハワーマトリックスという緊急度と重要度の2つの軸で構成されるマトリックスを用いたタイムマネジメントの考え方がありまして、よく言われるのが、この中で緊急度は低いが重要度が高いタスクがおざなりになってしまう問題です。

 

武田:よく分かります。日々の忙しさで中長期的に大事なタスクは先延ばしになりますよね。

 

小松:そうなんです。インターンにゼミに就職活動に忙しい武田さんと同じで、サラリーマンの多くも日々忙しく日常業務をしているので、新たにシステムの導入・運用しますと言われても、どうしても日常業務よりも優先順位が劣後しちゃうんです。

特に中小企業等の場合は、大企業と違って、情報システム部のようなシステム担当が社内にいるわけでもありません。そうなると今いるスタッフの手の空いている隙間時間でどうにかできないかとなるわけですが、システムを新たに覚えて使いこなすようになるというタスクはそこそこ重いわけです。

 

武田:つまりは、経営者も本気でシステムの導入・運用をしたいならば、専任担当者を置くとかしなきゃいけないということですかね。

 

小松:そのとおりですね。中小企業等では、さすがに一人スタッフを専任で担当させるのは難しいと思いますが、それぐらいの覚悟で取り組まないとシステムの導入・運用は難しいということですね。少なくとも、このシステムの導入は会社を挙げて取り組むべき経営の課題に対する対応策だということを、社員に対してしっかりと説明する必要はあると思います。

 

② 実際にシステムを使う人を想像してますか?

 

武田:2つ目ですが、先ほど、サービス提供者や導入担当者と、実際にシステム利用する社員とではその経営の課題や解決手段のシステムに対する熱量が違うと言っていましたが、どういうことですか?

 

小松:現場担当者のやる気が空回りしているのです。先ほどは経営者と社員の関係について述べましたが、次は経営者と社員の間に入っている現場担当者と社員にも距離があるという話です。

繰り返しになりますが、そもそも多くの場合、最終的にシステムを実際に使う社員は、経営者がシステムを導入してまで解決したいと考える経営の課題に取り組む意味や必要性が分かっていないのです。経営者と目線が違いますからね。そこをすっ飛ばして、システムの導入をしようとする事例があまりにも多いと思います。

 

武田:そして、今度は現場担当者と社員との溝ということですね。

 

小松:そうです。経営陣は、現場担当者に対しては、まずは経営の課題があって、その問題解決のためにシステムの導入をしたい旨の説明をしますからね。そうすると現場担当者は一生懸命になって自分の仕事を全うしようとします。その結果、システムの使い方を習得するのが大変なムダに高機能や多機能なシステムが用意されたり、システムの運用で入力項目がめちゃくちゃ多くなったりするのです。

 

武田:まさにやる気の空回りですね。

 

小松:現場担当者には悪気がないのでかわいそうですよね。システム会社の担当者も同じですね。もちろん自社のシステムをよく理解している人は、解約されては困るわけですから、徐々に運用に落とし込みましょうなどの提案をすると思います。しかし、システムは年々作り込まれて行って高機能や多機能になって複雑化していきます。

 

武田:システムが売れている会社で自社でエンジニアを抱えていたら、いろいろなお客様の要望に応えようと頑張って開発するんでしょうね。

 

小松:そうですね。それが悪いわけではないと思いますが、お客様を置いてけぼりにしてはいけませんね。しかし、そういうことが往々にしてあるということです。これは決してコミュニケーションだけが原因でないと考えています。

 

③ 社員がシステムの導入・運用ができることをもっと評価しよう!

 

武田:コミュニケーションだけが原因ではないというのは、どういうことですか?

 

小松:大半の経営者は、システムの導入にあたって社員が新たにシステムの使い方を覚えることやオペレーションが変更されることの負荷を軽く見ていて、みんな出来て当たり前と考えているんですよ。

 

武田:それはなんとなく分かる気がします。大学生だからといってみんなシステムを使いこなせるわけではありませんし、システムを使うためには勉強しなきゃいけないのに、軽くできるでしょと言われますね。笑

 

小松:似たような話だと思います。大学生と違うのは、サラリーマンは他のタスクを抱えていること、ITリテラシーが高くないこと、あと、もう若くないので思考の柔軟性を有していないことですかね。とにかく新しいことが覚えられない。笑

 

武田:小松さんは新しいもの好きだから大丈夫ですよ。笑

 

小松:まだ私はいい方かもしれませんが、私も40歳を超えて、そろそろ今までの経験で食べたいなと思う時がないわけじゃないんですよ。スーツアップという新規事業を始めてしまいましたから、しばらくは新しいことにひたすらチャレンジですけど。笑

 

武田:システムって、業務の自動化ができるわけですし、社員がラクできるものかと思っていました。でも、システムの使い方を覚えなきゃいけないとか、そのシステムに毎日入力をしなければならないとか、そんなところに落とし穴があったとはといったカンジですね。

 

小松:先ほどもあったとおり、所詮はシステムは道具に過ぎないからね。あと自動化といっても、実際は完全に0になるのではなくて、工程の一部が自動化されるに過ぎないからね。結局システムを使うのが人である以上、最初であったり最後であったり、どこかしらで人間の関与はあるものですよ。

 

武田:そうですよね。とはいえ、大半の工程が自動化されたら経営的なインパクトは大きいですよね?

 

小松:そのとおりです。今の時代でシステムを活用しない選択肢はないと思いますよ。なので、どのようにすれば会社にシステムを導入・運用できるのかをもっと真剣になって考える必要があると思います。

また、オペレーションの変更による現場の負荷は理解してあげないといけませんね。それこそ私も中小企業等のバリューアップの過程でオペレーションの改善に散々取り組んできましたが、現場スタッフからすれば、今まで会社からやるように厳しく指導されてきたやり方を変えることはかんたんなことではありません。

 

武田:そうですよね。人によっては長年同じ部署にいて同じ仕事をしているでしょうから、それが変わるのは大変ですよね。

 

小松:若者にしては、なかなか理解があるね。経営者になると非定型のタスクが当たり前だし、会社で「仕組み」を作るのが経営者の仕事です。そうなると、それこそ定型化されたタスクを日々している一般スタッフの感覚からは遠くなっちゃうんだよね。でも、そこの想像力が働かないとオペレーションの改善は上手くできないですね。

 

武田:システムの導入や運用ですが、人事評価に反映されたりしているものなのでしょうか?例えば、ボーナスがたくさん出るとか?

 

小松:大企業などで新規にシステムを導入する場合は、一時的な業務なので人事評価に反映させている会社があるかもしれません。でも、中小企業等だとあまり見かけないですね。しっかりと人事評価に反映させている会社は立派だと思います。報酬に結びついているということは、サラリーマンからすれば、その業務は会社としてお金を払うに値する付加価値のある仕事だと評価していることになりますからね。

多くの社員が関与して運用するシステムについては、それこそほとんどの会社がそのシステムの運用・利用については、人事評価に加えていないのではないかと思います。やはりシステムに対する細々とした入力はできて当たり前で、みんなの入力の結果、そのシステムが正しく活用され、大幅なオペレーションの改善やコスト削減が実現できたとしても、こういった入力作業を正しく評価している経営者はあまりいないのではないでしょうか。

 

武田:それってなんでなんですか?

 

小松:入力作業一つひとつは難しいことではありませんからね。ただ、毎日その入力作業を続けることはとても難しい。アスリートのランニングとか筋トレとかに近いんですよ。アスリートもこういった基礎体力作りは本当に大事なのでしょうが、そこから先の競技の技術やパフォーマンスなど派手なところが評価されがちですからね。

 

④ まとめ:経営者が本気にならないとシステム導入・運用は実現しない

 

小松:話をまとめると、経営者が、システムを実際に使う社員に対して、経営の課題とその解決策としてシステムの導入・運用の必要性をしっかりとコミュニケーションすること、そして、システムの導入・運用の大変さを理解して、その社員たちの会社に対する貢献を正しく評価することなど、経営者が本気で取り組む必要があるということですかね。

 

武田:システムを導入すれば労働生産性も上がりますし、経済合理性も十分に合ってそうですもんね。

 

小松:そうですね。システムの導入や運用に業務負担や苦労があることを前提に、しっかりとシステムを実際に使う社員の立場になって、確実にオペレーションに組み込むことが、今の時代の経営としては正しいのではないでしょうか。

 

武田:ありがとうございます。よく理解できました!アレっ!? 前回の最後で、具体的にどのようにスーツアップが中小企業等に導入・運用されやすいようにしているのかを質問したつもりでしたが、今回はすっかりその手前の話で終わってしまいましたよ。笑

 

小松:そうですね。でも、いいんじゃないでしょうか。今日の話にもありましたが、ものごとをしっかりと前に進めるためには、何事も前提となる情報や状況認識、目標の共有が大事なんです。次回こそ、スーツアップの話をしましょう。笑

 

(続く)第3回 スーツアップはかんたんに導入、運用できるタスク管理ツール

 

【関連ブログ】

1.スーツアップの導入について

2.優秀なビジネスパーソンの定義は「凡事徹底」ができる人に変わった

3.組織構築と社員教育もできるタスク管理ツール ~ 株式会社fonfun 代表取締役社長 水口 翼さん ~

 

【初心者にもわかる!はじめての全社タスク管理ツール・スーツアップ】

第1回 スーツアップは全社タスク管理をかんたんに実現するツール

第2回 システムが導入できない!システムが運用できない!

第3回 スーツアップはかんたんに導入、運用できるタスク管理ツール

第4回 表計算ソフトによるタスク管理より、スーツアップはかんたん!

第5回 会社でタスク管理をすることは当たり前になる!?

第6回 どうしてスーツアップは開発されたのか!?

第7回 スーツアップが実現する組織力アップとは何か

第8回 スーツアップは労働生産性を上げるタスク管理ツール

第9回 スーツアップの導入・運用の3つのポイント

第10回 スーツアップのターゲットと導入の方法

番外編(前編) 「タスク管理の現状と課題」から考えるタスク管理専用ツールの普及とスーツアップ

番外編(後編) 「タスク管理の現状と課題」から考えるエクセルによるタスク管理とスーツアップ

 

※ 「経営支援クラウド」「Suit UP」及び「全社タスク管理」は株式会社スーツの登録商標です。

 

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

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