スーツアップのターゲットと導入の方法
株式会社スーツでは、2023年9月27日に経営支援クラウド「Suit UP」(以下「スーツアップ」といいます。)のα版をリリースしました。おかげさまで、スーツアップのα版は、リリースから4か月が経過して、多くの中小・中堅企業やスタートアップ(以下まとめて「中小企業等」といいます。)の皆様にご利用いただくようになりました。最近では、スーツアップが2024年春にβ版にバージョンアップをすることに向けて、日々、お客様の声をシステム開発に反映させていただき、当社一丸となって、より使い勝手の良いシステムへと改善をさせていただいています。
当社の代表者の小松と大学生インターンの武田との対談形式の記事コンテンツ「初心者にもわかる!はじめての全社タスク管理ツール ・スーツアップ」では、プロジェクト管理やタスク管理ツールに馴染みのない方に対して、スーツアップと全社タスク管理を分かりやすく伝えるをコンセプトにしています。
第10回は、「スーツアップのターゲットと導入の方法」と題して、スーツアップをすぐに導入・運用できる会社と具体的な導入方法について記載しています。
経営支援クラウド「Suit UP」α版のサービス開始のお知らせ
【まとめ】
- 本来ならば全ての会社がしっかりとタスク管理をした方がいいのは言うまでもない。
- スーツアップの導入がしやすいと考える会社は、10人以上100人未満のスタッフ数で、企業価値の向上をしっかりしたいと考える社長がいる会社。
- スーツアップはこの「100日プラン」を意識してプロダクトを企画・開発してきているので、経営交代のタイミングで導入してもらいたい。
- スーツアップは、組織の設定、コミュニケーションのデザイン、そして、各部署のタスクの設定と、組織や戦略が変わるタイミングに適している。
- スーツアップは経営者の目線で作られている全社タスク管理ツールなので、経営が変わるタイミングや経営改革の時に導入してもらいたい。
- スーツアップの導入方法は、無理に全社導入をして途中で導入が頓挫してしまう可能性があるぐらいならば、しっかりとスーツアップの導入・運用が実現する単位でシステム導入を進めていくこと。
- スーツアップの導入は、全社が難しい場合は、モチベーションが高い経営幹部から導入するか、もしくは、管理部門の一部署から導入するかのどちらかが良い。
- スーツアップは、とにかくかんたん、続けられるをコンセプトにした全社タスク管理ツール。
13.スーツアップのターゲット
① やる気のある社長
インターン武田(以下「武田」といいます。):このスーツアップ対談シリーズですが、ついに最終回になってしまいました。寂しいですね。笑
株式会社スーツ 代表者:小松裕介(以下「小松」といいます。):そうですね。私の友人からは「武田さんを新卒採用できませんか?」というコメントをSNSでいただきましたよ。笑
武田:ありがとうございます。どんどん売り込んでくださいよ。笑 なんて回答したんですか?
小松:もちろん丁重にそれは辞めた方がいいとコメントバックしましたよ。武田さんは日本で終わるにはもったいない男です。総合商社を通じて、海外で独裁者とかマフィアと対峙してビジネスを拡大するぐらいの男になってもらいたいですね。海賊みたいなカンジになってもらいたいですね。笑
武田:ちょっと待ってくださいよ。海賊は、総合商社じゃなくて、出光興産ですよ。笑
小松:あっ失礼しました。さすが!こういう切り返しがすぐ出てくるのが、この対談を読んだ読者の方に武田さんファンが増えた理由ですね。ぜひともこの対談ブログを就職活動に活用してもらえればと思います。笑
武田:さて、最終回ですが、スーツアップのターゲットについてお伺いしてもいいでしょうか?
会社としてタスク管理をやった方が良いということは、この対談の初回から考えが変わっていません。途中、小松さんからも、30人規模の会社ならば月額100万円程度のコスト削減ができる余地があるという試算についてもご説明いただきました。
なので、私は全ての中小企業等がタスク管理をやった方がいいとは思いますが、今後スーツアップを売り込んでいくスーツ社側では、どのような会社からスーツアップの導入をしてもらおうとしているのかご説明をお願いできればと思います。
小松:ありがとうございます。武田さんが説明をしてくれたとおり、本来ならば全ての会社がしっかりとタスク管理をした方がいいのは言うまでもありません。これは経済合理性の話だけでなく、その会社で働くスタッフの皆さんにとっても、透明性は上がりますしコミュニケーションも活発化しますので、働きやすくなると思います。
しかし、お話をしてきたとおり、日本の中小企業等の経営者は、サラリーマンに甘えすぎていて、自社の組織やスタッフに興味がない人が多過ぎるのです。上司の漠然とした雑な指示でも、自ら勝手にタスクの要件定義をして、それなりの品質と期限で仕上げてくれるのは日本人サラリーマンぐらいですからね。
このような状況下で、私たちがスーツアップの導入がしやすいと考える会社は、やはり10人以上100人未満のスタッフ数で、企業価値の向上をしっかりしたいと考える社長がいる会社ですね。
武田:前回の対談でもありましたが、やはり社長が本気になってくれないとという話ですね。
小松:そうですね。中小・中堅企業の場合は株式を100%保有している創業社長が多いのです。その社長が本気になってくれれば、その会社で出来ないことはありません。逆に言えば、社長が本気になってくれないと始まらないということでもあります。
武田:そうですよね。株式も全て保有していて、社長だったら、法的な権利は全て保有しているということですもんね。
小松:そうなります。オールマイティです。
武田:10人以上100人未満がターゲットなのは、スーツアップが全社タスク管理ツールを目指しているからなのでしょうか?
小松:そうですね。実際は10人以下であっても100人以上であっても、スーツアップはしっかりと導入・運用できると思います。とはいえ、スーツアップがどこに向けて最適化したツールかといえば中小企業等に向けてなんです。もし大企業であれば、スタッフのITリテラシーももう少し高いでしょうし、そうなるとタスクに関する入力項目ももう少し多く設定できるかもしれません。
この対談でも繰り返し述べてきましたが、私は、システムはあくまで目的を達成するための道具だと考えていて、しっかりと使ってもらわなければならないし、使い続けてもらわなければなりません。極端な話を言うと、システムが道具である以上、使う人を選ぶと思うのです。
もちろんシステム会社の経営者としては、70億人の人類みんなが私たちのスーツアップを使ってくれることが望ましいのは言うまでもありませんが、ややそれは非現実的で、それぐらい今の時代の人間は細かくセグメンテーション(細分化)されていますからね。
武田:そうですね。日本人だけでも、ITリテラシーが高い人・低い人、東京に住んでいる人・地方に住んでいる人、若者・高齢者と様々ですからね。今後、全ての人が満足するシステムが登場しないとは思いませんが、使う人ごとに最適化してもらった方が現実的ですよね。
小松:そうですね。スーツアップはこれでも日本のマスである中小企業等を狙っているつもりではあるんですけどね。だって、スタッフ数が10人から100人未満の事業所だけで110万事業所以上ありますし、そこで働いている人数だって2,700万人いますからね。笑
武田:めちゃくちゃいますよね。この対談を通じて、自分が日本のどこに位置しているのかがなんとなく分かったように思います。笑
小松:そうですね。武田さんはエリートだから端っこです。笑 それが感覚では理解できないとしても、頭で理解できたことは視野が広がる出来事だったのではないでしょうか。
武田:そうですね。ありがとうございます。本当に勉強になったと思います。でも、エリートではありませんよ。笑
小松:そこは認めないんですね。笑
さて、話を戻しますが、社長が真面目に企業価値を向上させたいと考えていれば、必ずチームでのタスク管理は導入した方が大幅なコスト削減になりますし、スーツアップの導入もできると思います。スーツアップはとにかく、かんたんに続けられるタスク管理ツールですから。
武田:かんたんであってもシステムは道具だから、ちゃんと使う気になってくれないというわけですね。
小松:そういうことです。
武田:ちなみに業種業態や成長ステージは問わずですか?
小松:問いません。人が組織として効率良く働くために、チームのタスク管理が必要であって、それには業種業態や成長ステージは関係ありませんね。中小企業等の組織力をアップするツールがスーツアップです。
もちろん、業種業態でも、スーツアップの導入によってコスト削減額が大きくなるのは、人件費比率が高い業種業態だと思います。
武田:といいますと?
小松:パッと思いつく業種業態ならば、人材会社、広告代理店やコンサルティング会社とかでしょうかね。
成長ステージについても、創業して間もない会社であればスタッフ数も少なく、この時点からしっかりとスーツアップを運用できるぐらいのケイパビリティの獲得と企業文化の醸成を行っていれば、会社を大きくするのはかんたんだと思います。あと、何より、スタートアップであれば若い人も多く、ITリテラシーも高い人が多いでしょうからね。スーツアップがかんたんなタスク管理ツールといえど、苦手意識がないスタッフが使った方が導入・運用が楽にできることは間違いないと思います。
武田:それはそうですよね。学生起業家だとNotionをカッコつけて使っているけど、ちゃんと設定できていなくて、議事録ツールみたいになってしまっている事例は多いかもしれません。よく同級生と、これ実はグーグル・ドキュメントでいいのでは、みたいな話をしていますよ。学生起業家にありがちな「やっている感」でしかないですよ。学生スタートアップのケイパビリティを考えると、スーツアップを導入した方が身の丈に合っていると思うんですけどね。笑
小松:ぜひ武田さんのエリート・ネットワークを駆使して、学生起業家の皆さんにスーツアップを売り込んでおいてください。笑
話をまとめると、業種業態・成長ステージは問わずで、10人以上100人未満のスタッフ数で、企業価値の向上をしっかりしたいと考える社長ならば、スーツアップの導入は本当にオススメです。
② 二代目経営者
武田:他のターゲットはいかがでしょうか?
小松:そうですね。スーツアップはタスクの「見える化」を実現するツールなわけですが、その観点ですと、二代目経営者はピッタリだと思います。
武田:どういうことですか?
小松:二代目経営者の方って、創業者であるお父さんの時代の幹部社員が自分の部下になるので、そういった重鎮の幹部社員たちが会社で何をやっているのかよく分からないという悩みを抱えている人が多いんですよ。
武田:たしかに。今さら古参社員に対して何をやっているのとは聞きづらいでしょうからね。
小松:二代目経営者の方は、創業者がまともな方であれば、地方出身者だったら都内の大学に進学させて、ファーストキャリアは家業と同業種の大企業であったり金融機関であったりに丁稚奉公させる方が多く、価値観はまともな方が多いんですよ。
武田:そこは小松さんと違うわけですね。笑
小松:いやいや、私もファーストキャリアは、上場会社の映画会社でサラリーマンでスタートですからまともな価値観ですよ。笑
武田:そうなんですか。サラリーマン感が全くないですよ。笑
小松:それはスーツ社も起業してから早いもので10年目ですし、そういう意味じゃ中小企業のオヤジ”歴”も長くなってきていますからね。20代もなんだかんだ中小・中堅企業ばかりでしたが役員ばかりやっていましたし。笑
二代目経営者の方は、大企業サラリーマンの経験があってITリテラシーも高い方が多いので、チームでのタスク管理の必要性をすぐに理解する人が多いんじゃないですかね。実際に多くの二代目経営者の方から共感を得ていますよ。
武田:そうなんですね。でも、システム導入には苦労をしそうですね。
小松:そうですね。二代目経営者ということは、やはり会社そのものの社歴は長いでしょうから、スタッフの平均年齢が50代とかだと苦労するかもしれません。とはいえ、スーツアップはエクセルやスプレッドシートなど表計算ソフトのインターフェースのタスク管理ツールですから、エクセルも使えないとかだとさすがに厳しいかもしれませんが、相当数の中小企業等はカバーできると思います。
むしろ、システム導入の障害は、タスクを他のスタッフに見せたくない抵抗勢力じゃないですかね。
武田:以前もおっしゃっていたタスクの属人化や「タコつぼ化」の問題ですね。
小松:そのとおりです。中小企業等は、タスクが個人に紐づいていて、組織に紐づいていないという問題です。私はこれが中小企業等が大きくならない原因だと思っていて、タスクの「見える化」がその解消の第一歩なんですけどね。
武田:抵抗勢力はどんな抵抗をしてくるのですか?
小松:言われたことを放置して、先延ばししますね。
武田:それぐらいなんですね。もっと過激に抵抗してくるのかと思っていました。
小松:官僚やサラリーマンの抵抗はそんなものですよ。自分よりも公式な地位が高い人に対して面前で反論する人はあまりいませんね。それはその会社を辞める覚悟がある時ぐらいじゃないですかね。会社の風通しが悪い会社だと違う意見を言うだけで上司から嫌がらせを受けるとかありますからね。
武田:なんか山崎豊子の世界ですね。
小松:そこは令和っぽくない作家の名前が出てくるんですね。笑
武田:たまたま何作か読んだだけですが、社会人はとてもドロドロしているんだなと思いました。笑
小松:あそこまでドロドロしていないと思いますよ。たまにそういう会社やそういう社内政治が激しい時期もあるかもしれませんが、基本的には健全ですよ。笑
なので、抵抗勢力によくある抵抗は先延ばしです。でも、現場から先延ばしをやられると、経営者や上司はなかなかストレスが溜まりますよ。指示を出しても全然進みませんからね。
武田:そういった場合はどうすればいいんですか?
小松:かんたんです。覚悟を決めて一緒にその作業をやるか、真正面からその抵抗勢力の方と話し合うしかありませんね。
武田:めちゃくちゃストレートなアプローチですね。笑
小松:そりゃそうですよ。経営者たるもの覚悟があるからリーダーなので、こういった不条理・非合理なサラリーマンに負けていたら、中小企業のオヤジは務まりませんよ。笑
二代目経営者の方は、抵抗勢力と対峙しながらも、スーツアップを入れて全社タスク管理を導入して、タスクの「見える化」を実現するのです。そうすれば、社内でどのような問題が起きていて、何が問題になっているかが分かるようになります。組織の透明性がコーポレート・ガバナンスの確立には本当に大事なことです。
もちろん、スーツアップは原則として経営者の仕事も見えるようになっていますので、自分も襟を正して、他のスタッフから尊敬されるような行動を取らなければなりません。
③ 大企業の投資・M&Aの部署や投資ファンドのスタッフ
武田:他はどうでしょうか?
小松:そうですね。大企業の投資・M&Aの部署や投資ファンドのスタッフもターゲットかと思います。
武田:そうですよね。投資先のモニタリングにスーツアップが入ったら便利ですよね。だってタスクの「見える化」が実現するわけですから、投資先で何が起きているのか一目瞭然ですもんね。
小松:そういうことです。スーツアップ導入のメリットはタスクの「見える化」なんです。もちろん、タスク管理によって、タスクの抜け漏れがなくなるとかタスクの期限管理ができるようになるとか、もっと分かりやすい直接的なメリットも沢山あると思います。
この全社的にタスク管理を行うことでタスクの「見える化」ができるというのは、本当に価値があって、組織の規律を取り戻すことができるんです。先ほどもコーポレート・ガバナンスの確立について言いましたが、やはり人は他人に見られているというだけで背筋がピンとなるものなのです。
親会社やファンドなど株主から日々のタスク状況が見られていると思ったら、どう思います?
武田:嫌ですねぇ。気が休まらないですね。笑
小松:そういうことです。別に株主も粗探しをしようとしているわけではないですし、ポジティブに捉えれば、何かあったら気軽に相談できるということなんです。でも多くの人はサボれない、気が抜けないと思うものなのです。これだけで人間はちゃんとした行動になります。笑
武田:よく分かります。
小松:それに長年にわたり会社経営をしてきた私の感覚からすると、月次決算やKPIは「結果の指標」でしかありませんからね。やはり日々のタスクがどんどん消化されているかをしっかりと見たいですね。
武田:そんなにタイムラグがあるものですか?
小松:中小企業等だと決算の早期化ができていない会社も多いですからね。さすがに上場企業の子会社であればタイムリーな決算体制が組まれますが、持分法適用会社であったりマイナーシェアでのスタートアップ投資先とかだと、内部管理体制がそこまで構築できていない会社も多いんじゃないでしょうか。そうなると月次決算を見て意思決定をするのではちょっと遅いと思いますね。
武田:KPIはどうですか?
小松:KPIも何を設定するかによりますね。営業とかだったら売上なのでそこそこタイムリーに状況が把握できるのではないでしょうか。私の経験則だと、KPIは営業やマーケティングとかは設定しやすいですが、サービスオペレーションや管理部門などは設定が難しいですね。
私は管理のための管理ほど無駄なものはないと考えているので、基本的には、全社的にタスク管理を導入して、そのタスクがどんどん消化できる方が直接的で分かりやすいと考えています。
武田:それもそうですね。中小企業等の事業規模ならば、誰が何をやっているのか明らかですもんね。
小松:そうですね。M&Aで買収したその日から100日の経営改革を「100日プラン」と言うのですが、スーツアップはこの「100日プラン」を意識してプロダクトを企画・開発してきているので、ぜひとも経営交代のタイミングで導入してもらいたいですね。
武田:組織の設定、コミュニケーションのデザイン、そして、各部署のタスクの設定と、組織や戦略が変わるタイミングにはスーツアップはぴったりですね。
小松:そのとおりです。「100日プラン」の中でも、経営理念・ビジョン等の改変や経営戦略については、より人間的でクリエイティブな要素が多いのですが、スーツアップの機能は組織やコミュニケーションの設定にタスク管理と基本的にマネジメント・経営管理の合理化・効率化なので、これらはシステム化と親和性が高いんですよ。
武田:経営戦略が変わるタイミングで新たにタスク設定をすればいいわけですね。
小松:そうです。「組織は戦略に従う」ということもありますし、本来あるべき姿としては、経営戦略を新しく立案する、次にその戦略に従った組織を作る。そして、組織間で情報が流れるようにコミュニケーションをデザインする。最後に各部署ごとに戦略を具体的なアクションプランに落とし込んでタスク管理を行う。タスク管理とは、誰が、どのようなタスクを、いつまでに実行するのかを決定するということです。ここまで設計図ができてしまえば、あとは実行とモニタリングをひたすらすれば良い会社になります。
武田:小松さんはかんたんに言いますけど、なかなか大変そうですね。笑
小松:まぁそうですね。慣れはあるかもしれませんが、「100日プラン」は会社経営の面白いところが凝縮されているように思います。ぜひともいつか武田さんもM&Aや会社経営にチャレンジすることがあれば経験してもらいたいですね。笑
武田:がんばります。その時はまたいろいろと教えてください。笑
小松:ちょっと急にこの項目だけ専門的で申し訳ないですが、「100日プラン」まで説明しましたので、PMIとロールアップについてもご説明をさせてください。
武田:専門用語があふれていますね。笑 PMIとはどういう意味ですか?
小松:Post Merger Integrationの略で、経営統合、合併後の2つの会社の統合作業のことですね。
武田:次にロールアップはどういう意味でしょう?
小松:ロールアップは、同じ業種業態の会社をM&Aで買って増やすことですね。同じ業種業態であれば、経営統合をしっかりやれば、業務効率を上げながら規模の拡大が見込まれるのです。M&Aの世界では、PMIもロールアップも非常に重要な作業や戦略なんですよ。
武田:そうなんですね。M&Aをしただけで終わりじゃないですもんね。
小松:そうですね。会社は生き物ですから、売ったり買ったりで終わりではなく、やはりその会社の中で働く人たちをより働きやすい環境にしてあげなければなりません。
武田:この2つのキーワードに、スーツアップはどのように役立つのでしょうか?
小松:PMIについては、スーツアップで言えば、2つのワークスペースが合体することになりますから、同じ業務を行う部署ごとで部署タスクの統合をしていけばいいわけです。そもそもスーツアップは、タスク管理画面が最初から非定型タスクと定型タスクに分類されているなど、タスクの定型化、仕組み化がしやすいツールになっているので、両社のうち、より良いタスクの進め方を採用していけば良いことになります。
また、ロールアップについても同様で、スーツアップを使って、まず1社目の業務についてタスクの定型化や標準化など仕組み化を行い、同じ業種業態の会社を2社目で買収して、PMIしていくカンジですね。最初からオペレーションの改善を視野に入れて、同業種の買収を繰り返して、規模を拡大して、規模の経済を働かせて、より利益率を上げていくイメージです。
武田:凄い。ダイナミックですね。
小松:私が若い時だとゴルフ場とか不動産管理会社とか、最近だと美容院やSESとか。ロールアップ戦略は分かりやすいM&A戦略ではありますね。
武田:「100日プラン」、PMIやロールアップなどM&Aとスーツアップは親和性がありそうですね。
小松:そうですね。スーツアップは経営者の目線で作られている全社タスク管理ツールなので、経営が変わるタイミングや経営改革の時にはぜひとも導入してもらいたいですね。
14.スーツアップの導入方法
小松:スーツアップの導入方法についても、最後に説明しておきたいと思います。
武田:ありがとうございます。
小松:スーツアップは経営支援クラウド、全社タスク管理ツールで表現してきていますので、経営目線、全社導入でなければならないとお考えの方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。
武田:そうなんですね。笑
小松:そりゃそうです。もちろん最終的には全社的にタスク管理をした方が良いことは言うまでもありませんし、タスク管理ツールは全社的に導入するからより効果を発揮するものだと考えています。しかし、会社のケイパビリティは本当に会社によって違います。
そのため、無理に全社導入をして、途中で導入が頓挫してしまう可能性があるぐらいならば、しっかりとスーツアップの導入・運用が実現する単位で、システム導入を進めていくことが正しい方法だと考えています。
武田:具体的には、どの程度の人数のスタッフごとにスーツアップを導入していけばいいのでしょうか?
小松:こちらはスーツアップのα版がスタートしてから約5か月が経過しましたが、少しだけですがノウハウが溜まっています。やはりモチベーションが高い経営幹部から導入するか、もしくは、管理部門の一部署から導入するかのどちらかが良いと考えます。
経営幹部に導入するメリットですが、中小企業等といえど、さすがに経営幹部は、ITリテラシーはじめスキルが高かったり仕事に対するモチベーションが高いということがあります。そのため、経営幹部にスーツアップを導入しても、しっかりと組織の定義やコミュニケーションのデザインはもちろんのこと、部署ごとのタスク管理についても、しっかりと初期のタスクの洗い出し・設定をしてくれる方が多いです。また、経営幹部は各部署担当であることが多いですから、経営幹部にスーツアップを導入すれば、全社的なタスクの「見える化」ができるようになります。
なお、もし経営幹部でもケイパビリティがあまり強くないと判断するならば、タスク管理タブのうち経営のタブだけを利用して、経営幹部全員で経営タブのタスク管理のみを更新するという選択肢もあります。これならばさらに負荷は小さくなります。
武田:一部署の場合は、なぜ管理部門になるのですか?
小松:あぁそれはかんたんです。管理部門のスタッフの方がシステムの操作や細々とした入力作業に慣れているスタッフが多いからです。営業スタッフだとお客様と会話をするのは得意だけれど、システムに細々とした入力することができない人もいますよね?
武田:そうかもしれません。
小松:その点、管理部門のスタッフであれば、内勤で、常に自分のデスクで仕事をしていますし、時々、入力が滞ることはあるかもしれませんが、さすがに入力しないということはないでしょうからね。
武田:分かります。管理部門の皆さんは粘り強くデスクワークができる方ばかりですもんね。
小松:そうです。一部署の場合だと、チームでのタスク管理を体験することができます。一つの部署の導入ができたならば、次は隣の部署のタスク管理を始めて、徐々に全社にタスク管理を広げていけばいいのです。
導入のポイントですが、もう一つありまして、この対談でも繰り返し述べてまいりましたが、スタッフ任せにせずに、スーツアップのコミュニケーション画面でしっかりと定例会議を設定することです。そして、その定例会議のその場で、みんなでタスク設定・更新を行うことですね。
武田:なかなか一人で組織的なタスク管理は続けられないということですね。
小松:そういうことです。
15.最後に:スーツアップ対談を終えて
武田:全10回の対談ですが、これで終了になります。本当にありがとうございました。笑
小松:10回にわたり対談をさせていただきましたが、どうでしたか?
武田:非常に勉強になりました。机上の空論といいますか、自分の頭でっかちな思考には反省をしました。
小松:いえいえ、大学生でまだ社会人経験があるわけではないので十分だと思いますよ。スーツアップというタスク管理ツールを語りながら、中小企業等の世界を垣間見ることができたのではないかと思います。
武田:そうですね。私や大学の先輩・同級生が就職活動で見ているのは大企業、もしくは、最近だとスタートアップばかりですので、中小企業等の世界をほんの少しですが知ることができたと思います。
小松:とはいえ、こちらが日本の中心です。私たちは、日本経済を良くするためには、スーツアップという全社タスク管理ツールの提供を通じて、この中小企業の労働生産性をどうにかしなきゃいけないと考えているわけです。
武田:そうですね。働いている人の7割が中小企業等にいるわけですから、中小企業マーケットを良くしないことには日本は良くなりませんもんね。スーツアップが中小企業等の労働生産性の改善の切り札になるといいですね。
小松:そうですね。そういったツールを目指して2年間以上の開発をしてきていますので、これからが本当に楽しみです。
武田:スーツアップは今後どのような予定になっているのでしょうか?
小松:よくぞ聞いてくれました。笑 2023年9月末にα版がスタートしまして、その後も実際にご利用いただいているユーザーの声を反映させながら、継続して開発を行ってきております。スーツ社としては、おかげさまでα版からだいぶ機能の拡充もできて、また、不具合も解消することができまして、この春のタイミングからβ版の提供をしたいと考えています。
武田:具体的にスーツアップのβ版はどのような機能があるのでしょうか?
小松:α版からβ版までで既に実装されているものも含めますと、タスク雛型、期限通知機能、定型タスク、slack及びグーグルカレンダー連携、そして、決済機能を予定しています。
武田:決済機能はこれからなんですね。笑
小松:そうですね。α版はユーザーの皆さんにメイン機能である組織、コミュニケーション、そして、タスク管理画面を使ってもらうことを優先させていましたからね。そして、ユーザーの皆さんの声をシステム改善に役立てさせていただいていました。そういう意味ではやっと決済機能が実装されて、誰でも勝手に使って決済まで完結できるシステムになります。笑
武田:スーツアップのβ版は楽しみですね。
小松:その他にも、タスク管理画面の高速化や、エクセルやスプレッドシートなど表計算ソフトのタスク管理画面の操作性向上もだいぶ進んで、β版ローンチのタイミングには、本家本元と変わらないぐらいの操作性までたどり着いているものと思います。
武田:これって冷静になって考えると、マイクロソフトのエクセルの歴史が約40年近くあることを考えると、たった2年ちょっとでよく開発していますよね?笑
小松:そうですね。スーツアップは、表計算ソフトの見慣れたインターフェースなのであまり真新しさはないわけですが、システム開発のレベルはやたら難しいですからね。笑 手前みそではありますが、当社のエンジニアチームのレベルは本当に高いと思います。また、今後は世界的なAI研究者の榊先生にもお手伝いいただいて、タスク雛型もAIで自動的に制作をしていきたいと考えています。
武田:こちらも技術的にもチャレンジングなんだと思いますが、楽しみにしています。
小松:ありがとうございます。武田さんとの対談のおかげで、私も頭の中が整理されたように思います。今までもお話をしてきたとおり、スーツアップは、とにかくかんたん、続けられるをコンセプトにした全社タスク管理ツールです。コストが大幅削減になるなど経済合理性が確実に合うことは武田さんのお墨付きもありますので、ぜひとも多くの中小企業等の皆様にご使用いただきたく考えております。笑
武田:そうですね。私のお墨付きありますよ。会社でタスク管理をやらないのは令和の経営者失格です。笑
この対談もそろそろ終わりにしたいと思います。中小企業等の労働生産性の向上がスーツアップで実現されること、そして、それが中小企業等の企業価値の向上に繋がって、日本経済がより良くなることを楽しみにしています。
小松:ぜひとも楽しみにしていてください。この対談ブログを読んだ方は、ぜひともお気軽にスーツアップのお試し利用のお申込みをしていただければと思います。また、何かスーツアップの導入や運用でご質問があればお問い合わせいただければと思います。
武田さんも長々と対談にお付き合いいただき誠にありがとうございました。武田さんのような若者が活躍することが大事ですので、まずは就職活動をがんばってください。ぜひともスーツアップも世界で広めてください。その時はアジア・パシフィックの責任者、いや、管理職ぐらいでスーツ社が雇いますよ。笑
武田:そこは責任者になれるように頑張ります。スーツアップの世界戦略担当として戻ってまいりますので、皆さんも楽しみに待っていて下さい。この対談ブログにお付き合いいただき本当にありがとうございました。スーツアップを、あと、私の就職活動もよろしくお願いします。笑
小松:最後の最後まで武田さんらしいですね。ありがとうございました。笑
(続く)番外編(前編) 「タスク管理の現状と課題」から考えるタスク管理専用ツールの普及とスーツアップ
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1.スーツアップの導入がオススメな会社(5パターン)
2.スーツアップの導入方法について
3.「100日プラン」とスーツアップでの全社タスク管理
【初心者にもわかる!はじめての全社タスク管理ツール・スーツアップ】
第1回 スーツアップは全社タスク管理をかんたんに実現するツール
第2回 システムが導入できない!システムが運用できない!
第3回 スーツアップはかんたんに導入、運用できるタスク管理ツール
第4回 表計算ソフトによるタスク管理より、スーツアップはかんたん!
第5回 会社でタスク管理をすることは当たり前になる!?
第6回 どうしてスーツアップは開発されたのか?
第7回 スーツアップが実現する組織力アップとは何か
第8回 スーツアップは労働生産性を上げるタスク管理ツール
第9回 スーツアップの導入・運用の3つのポイント
第10回 スーツアップのターゲットと導入の方法
番外編(前編) 「タスク管理の現状と課題」から考えるタスク管理専用ツールの普及とスーツアップ
番外編(後編) 「タスク管理の現状と課題」から考えるエクセルによるタスク管理とスーツアップ
※ 「経営支援クラウド」「Suit UP」及び「全社タスク管理」は株式会社スーツの登録商標です。