タスクフォースとは?目的や導入方法を解説!

「タスクフォースってなに?」
「タスクフォームの目的や導入ってどうやるの?」
そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
タスクフォースとは緊急性の高い問題や課題を解決するために、一時的に結成されるチームのことです。
この記事では、タスクフォースとは何かや、タスクフォースが必要な目的、導入するメリット・デメリットについてわかりやすく解説します!
「タスクフォースを会社に導入する方法が知りたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください!
タスクフォースとは

タスクフォースとは、緊急性の高い問題や課題を解決するため一時的に結成されるチームです。
そもそもは軍事用語で、軍隊において特定の任務を遂行するために編成された部隊のことを指していましたが、近年はビジネス用語としても使用されます。
社会状況の影響で窮地に陥ったときや、社内で不祥事や問題が起こったときなど役立つのがタスクフォースです。
一般的にタスクフォースのメンバーは、組織内の各部署から選出されますが、外部の専門家を招くこともあります。
タスクフォースについて以下のポイントから解説します。
タスクフォースの目的
タスクフォースの目的は、緊急性の高い課題や問題を迅速に解決することです。
そのため、高度な対応力や問題解決力が求められ、能力や専門性の高いメンバーが集められます。
不祥事やトラブルを起こしたときなどの緊急の課題解決以外に、業務改善や組織改革などが目的で結成されることもあります。
この場合、高度な対応や問題解決力を最大限に発揮して目的を達成しなければならない状況が、チーム力を鍛える機会にもなります。
プロジェクトチームとの違い
プロジェクトチームとの違いは緊急性の有無と期間の長さです。
タスクフォースは緊急性の高い課題に取り組むために、一時的・短期的に結集され、課題が解決すれば解散されるのが特徴です。
一方で、プロジェクトチームは中長期に渡る大きな目標を達成するために結成されます。
プロジェクト期間中に検証と課題解決を何度も繰り返して、結果を出すこと・課題を解決することが求められます。
また、タスクフォースは通常業務の範疇を超えて課題解決するのに対し、プロジェクトチームは通常業務の域を出ません。
タスクフォースが必要になるケース

タスクフォースが必要になるケースを以下の場面で説明します。
それぞれ具体例を含めて解説します。
特定の課題の解決が求められるとき
特定の課題の解決が求められるときにタスクフォームが必要になります。
例えば、味の素グループではASV(Ajinomoto Group Shared Value)=「創業以来一貫した、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取り組み」が定められています。
その取り組みに社員一人一人が真摯に向き合い、社内で浸透させるためにタスクフォースが導入されました。
一致団結して企業の目標達成のために企業の文化変革を実現するために、複数のタスクフォースを導入して業務に従事しています。
迅速な対応が求められるとき
迅速な対応が求められるときもタスクフォースが必要なケースです。
例えば、「マクドナルド」は2015年店舗で販売していた商品に異物が混入していたという報道で、会社の危機管理体制やそれに対応する姿勢により不信感を招き、信頼を失墜させました。
「マクドナルド」は信頼回復のために、法務・お客様対応、業務オペレーション、法務関連などの各部署のメンバーで構成される「お客様対応プロセス・タスクフォース」を設置しました。
問い合わせの情報管理や顧客対応に関する基準を見直して、それらを一元化することが決定し、その結果信頼回復につながりました。
高度な専門知識が求められるとき
高度な専門知識が求められるときもタスクフォースが必要になります。
例えば、経営危機にあったJALは2009年に事業再建を目的とした「JAL再生タスクフォース」を編成しました。
事業の再建という経験と高度な知識が求められるこのタスクフォースには、国土交通大臣直轄の顧問団などのスペシャリストがメンバーとして選ばれました。
事業再建は成功し、2012年にJALは再上場まですることができました。
タスクフォースを導入するメリット

タスクフォースを導入するメリットは以下の3つです。
迅速に課題を解決できる
結成したチームでは、通常の業務を中断して短期間で課題や問題に対応していくので、タスクフォースを導入することで迅速に課題を解決できます。
また、解決すべき問題はすでに明確なので、それに対して必要なスキルや能力が想定しやすいです。
課題解決に必要な人材を集めてチームが結成されるため、早期問題解決につながります。
組織に一体感が生まれる
タスクフォースを導入すると組織に一体感が生まれます。
多くの企業では部署や部門に分かれて通常業務を行い、各部署が得意とする内容を中心に業務を進めます。
しかし、タスクフォースのチームメンバーはどの部署所属しているかなど関係なく、招集されるのです。
部署横断のチームが組まれることで、タスクフォースのチーム解散後も連携が取りやすくなり、組織に一体感が生まれます。
また、各部署から高い能力を有する人材が集められ、社内に散在している情報やノウハウを共有できるため、課題解決につながるでしょう。
イノベーションが起こる
タスクフォースの導入でイノベーションが起こることもメリットの1つです。
タスクフォースのメンバーは部署を超えて、時には会社さえも飛び越えて結成されます。
普段は一緒に仕事をすることのない能力の高いメンバーが1つのチームに結集することで、通常業務では得られないパワーや活発な議論が生まれます。
そのため、他部門の人との交流はイノベーションが起こる可能性があります。
タスクフォースを導入するデメリット

タスクフォースを導入するデメリットは以下の3つです。
人的リソースの分配が難しい
タスクフォースを導入するデメリットは、人的リソースの分配が難しいことです。
タスクフォースは通常業務の範疇を超えて行うため、チームメンバーは一度通常業務から抜けます。
各部署から選ばれた優秀な人材抜けることで、通常業務がうまく回らなくなるのです。
また、通常業務から抜けずにタスクフォースを掛け持ちする場合、選ばれた個人の負担過多になります。
一時的な人手不足や個人の負担過多解消のため、人材を補填するなどサポート体制の構築が重要です。
タスクフォースに依存した組織になりやすい
タスクフォースに依存した組織になりやすいこともデメリットの1つです。
タスクフォースは緊急の課題に取り組むチームであり、優秀な人材を集めて作られるため、通常では得られないパワーがあります。
そのため、「困った時にはタスクフォースに任せれば良い」と考え、普段の業務がいい加減になってしまいます。
また、目的や目標が不透明だといつまでもだらだらとタスクフォースを導入し、結果的にタスクフォースに依存する組織になりがちです。
不必要にタスクフォースを導入しないように気を付けましょう。
評価が難しい
タスクフォースは一定の期間、通常とは異なる業務をしていた人の評価をどうするかが難しいです。
目的を達成した後タスクフォースは解散するため、実績や得たスキルが残りにくいです。
実績や知識を表すことが難しく、会社としてもチームメンバーの実績評価が難しくなります。
タスクフォースを導入するときに記録担当を決めたり、チームが解散する前に実績や知識の共有を行ったりするなどの工夫が必要です。
タスクフォースを会社に導入する方法

タスクフォースを会社に導入する方法は以下の6ステップです。
まずは課題と方向性を明確にします。
とりあえずタスクフォースを導入するのではなく、初期段階でタスクフォースの方向性を明確化することが重要です。
解決までの道筋を示せるのなら、初めに整理しておくと今後の流れがスムーズになります。
また、「毎週水曜日に定例会を2時間行う」など、活動スケジュールを決めておくと、タスクフォースの規模感がより明確になります。
次に課題解決のために適したリーダーとメンバーを決めます。
リーダーにはリーダーシップやマネジメント能力などを持ち合わせた人材を選びましょう。
タスクフォースは早期解決するのためのチームなので、スピード感を持って仕事ができる機動性の高さも重視する必要があります。
メンバーには課題解決のための能力を持つ人材を選びます。
ただし、必要な知識やスキルだけでなく、コミュニケーション能力や協調性なども考慮しましょう。
社内で必要な人材が不足している際は、社外の専門家などにも加わってもらうことを検討しましょう。
リーダーとメンバーが決まったら、課題解決の方法について議論します。
解決方法にがある程度形になったら、必要なタスクを全て洗い出します。
このときタスクの抜け漏れに注意してください。
各タスクのスケジュールを決めます。
目標達成までのスケジュールを明確にして、メンバー内で共有し認識をすり合わせる必要があります。
具体的にどれくらいの期間でどこまで進めるのかなど細かいスケジュールを設定しましょう。
進捗を定期的確認し、場合によってはスケジュールを見直すことも大切です。
準備が整ったら施策を実行します。
通常業務のメンバーではないため、意見の不一致や活動の非効率が起こりやすく注意が必要です。
また、タスクフォームが扱う課題は会社の危機に関する事案であることが少なくありません。
そのため、メンバー間で積極的にコミュニケーションを取り、迅速かつ柔軟に業務を遂行しましょう。
目標達成後、タスクフォームが解散する前に結果を振り返り、社内で共有しましょう。
タスクフォーム解散後は、得られた知見を組織運営に活かしにくいデメリットがあります。
そのデメリットを解消するために、活動中に生まれた課題や改善点、実行した具体的な施策などを詳細に振り返りましょう。
また、タスクフォースを引き継ぐ組織を再編成し、組織内教育や研修に活用することも効果的です。
まとめ:エクセルでWBSを作成する方法
以上、タスクフォースとは何かや、タスクフォースが必要な目的、導入するメリット・デメリットについてわかりやすく解説しました。
タスクフォースとは緊急性の高い問題や課題を解決するために、一時的に結成されるチームのことです。
タスクフォースを導入することで迅速に課題を解決できたり、組織に一体感が生まれたりするなどのメリットがあります。
必要であればタスクフォースを導入して問題を早期に解決しましょう。