二代目社長が古参社員と向き合う7つの方法|対立を協力に変える進め方

先代から会社を引き継いだものの、勤続の長い古参社員が新しい方針に従ってくれない——二代目社長が最初にぶつかる壁は、業績よりも「人」の問題であることがほとんど。
結論から言えば、古参社員は「敵」ではなく、扱い方を間違えなければ会社の最大の戦力になります。
二代目社長が古参社員との対立を乗り越えるカギは、いきなり改革を語る前に敬意と傾聴で土台を作り、業務を見える化し、最後に役割と権限を制度で固めるといった順番をきちんと守ること。
本記事では、二代目社長が古参社員と関係構築するための方法を、すぐできるものから長期的な制度づくりまで優先度順に7つ紹介します。
あわせて、二者が対立する原因と、7つの方法を試しても関係性が改善しない場合の線引きまで、経営支援と組織づくりの視点で解説します。
【早見表】二代目社長が古参社員と関係構築する7つの方法
古参社員との関係づくりには、効果が出る順番があります。
いきなり評価制度や配置転換といった強い手から入ると反発を招き、逆にいつまでも遠慮していると会社が前に進みません。
下の図のように、まずは古参社員との関係を丁寧に築き、業務が特定の人に偏らない状態を作ったうえで、最後にルールとして定着させる——この順番で進めるのが現実的です。
関係構築の早見表(優先度順)
7つの対処法は、どれか1つを選ぶものではなく、上から順に積み上げるものです。
まずは全体像を早見表で押さえておきましょう。
→ 表は横にスクロールできます
| 優先度 | 関わり方 | ねらい |
|---|---|---|
| ★★★ | 功績と経緯に敬意を払い、「聞き役」に徹する | 対立の空気を和らげ、話を聞く姿勢を作る |
| ★★★ | 先代からの引き継ぎで「今のやり方」を棚卸しする | 感情の対立を事実の把握に置き換える |
| ★★★ | 古参社員の業務・ノウハウを「見える化」して属人化を解消する | 属人化を解き、若手も動ける状態にする |
| ★★☆ | 1on1と定例会議で「対話」を仕組みにする | 対話の量を確保し、誤解と不信を防ぐ |
| ★★☆ | 小さな共同プロジェクトで一緒に成功体験を作る | 実績に裏打ちされた信頼を作る |
| ★★☆ | 役割・権限・評価を「明文化」する | 感情論を会社のルールに載せ替える |
| ★☆☆ | それでも関係性が向上しないときの線引きと最終手段 | 事実と手順を踏み、冷静に判断する |
最初にやってはいけないNG対応
- 就任早々の全否定:「これからはこうする」と前のやり方を否定してから入る
- いきなり評価・配置転換:信頼がないまま強い手を出し、反発と離職を招く
- 古参を避けて若手だけで進める:現場の実権を握る層を素通りし、決定が骨抜きになる
- 感情で「辞めさせたい」を先に考える:目的が「排除」になり、他の社員の信頼も失う
二代目社長が古参社員と対立しやすい3つの理由
古参社員が新しい社長に非協力的になるのには、たいてい本人なりの理由があります。
感情論で片づけず、なぜぶつかるのかを分解しておくと、7つの対処法のどれがどの原因に効くのかがつながります。
ここでは代表的な3つの構造を見ていきます。
① 世代・価値観のギャップ
古参社員は、長い時間をかけて今のやり方を作り、それで会社を回してきました。
二代目社長が持ち込む新しい手法やスピード感は、彼らには「これまでの否定」に映りやすいものです。
とくにデジタル化や新しい評価の考え方は、世代によって受け止め方が大きく変わります。
ここで大切なのは、古い=悪い、新しい=正しい、と決めつけないことです。
今のやり方には当時の事情や合理性があったはずで、それを理解しようとする姿勢が、ギャップを埋める最初の一歩になります。
② 実績に裏打ちされた「信頼の不足」
先代は、長年の実績を通じて現場からの信頼を積み上げてきました。
一方、二代目社長は社長という肩書きは引き継げても、その信頼までは自動的には引き継げません。
古参社員が様子見や抵抗を見せるのは、「お手並み拝見」という心理でもあります。
この段階で必要なのは、役職の力(パワー)で従わせることではなく、実績と姿勢で信頼を勝ち取ることです。
リーダーシップは肩書きから自動的に生まれるものではありません。
関連して『リーダーシップがある人の特徴』や『マネジメント能力とは?5つの必須スキル』のページも参考にしてください。
③ 情報・ノウハウの属人化でおきる「実力の差」
長く続く仕事は、経緯を知る一部の人だけが回せる状態になりがち。
この属人化・ブラックボックス化が進むと、二代目社長は業務の中身が見えず口出しできない一方、古参社員は「自分がいないと回らない」という力を持ちます。
多くの日本企業では組織が「まわっている」のではなく、過去のやり方をそのまま引き継ぐだけで「まわってしまっている」状態に陥っています。
この構造は、先代の属人化をどう引き継ぐかという課題そのものです。
詳しくは『先代の「属人化」を引き継ぐ5ステップ』のページでも解説しています。
原因が「情報の偏り」にあるなら、打ち手は「業務の見える化」になります。
二代目社長が古参社員と向き合うための7つの行動【優先度順】

ここからは、具体的な7つの対処法を効果と着手しやすさの順に解説します。
前半ほど今日から始められ、後半ほど腰を据えた取り組みになります。
自社がどの段階にいるかを見ながら、上から順に実践してみてください。
功績と経緯に敬意を払い、「聞き役」に徹する(優先度 ★★★ / 難易度 低)
二代目社長がつまずく最大の原因は、就任してすぐ「改革」を語ってしまうこと。
古参社員からすれば、自分たちが守ってきたやり方を新参の若いトップに全否定されたように感じ、防御に回ります。
まずやるべきは、成果を出すことでも指示を通すことでもなく、これまで会社を支えてきた事実に敬意を示し、現場の言い分を最後まで聴くことです。
人は「理解された」と感じて初めて、相手の話を聞く姿勢に変わります。
傾聴は弱腰ではなく、相手を動かすための最初の一手だと考えましょう。
- 就任直後の数週間は「変える宣言」を封印し、一人ひとりと話す時間を先に取る
- 古参社員には『これまでどう会社を守ってきたか』『今のやり方になった経緯』を具体的に質問する
- その場で反論・評価をせず、まずは事実として受け止める(メモを取り、後日フィードバックする)
- 現状の良い点を先に言語化して本人に伝えてから、課題の話に入る
- ポイントは、「古参社員のやり方を否定しない」こと。彼らの「合理」を認めれば、警戒心は大きく和らぐ。
- 勤続年数が長く発言力のあるキーパーソンから順に対話する。ここを飛ばすと以降の施策がすべて空回りする。
先代からの引き継ぎで「今のやり方」を棚卸しする(優先度 ★★★ / 難易度 中)
古参社員との衝突は、実は「業務のブラックボックス化」が引き金になっていることも。
長く続く仕事は、経緯を知る一部の人だけが回せる状態になりがちで、二代目社長からは中身が見えません。
見えないから口出しできず、口を出せば「わかっていない」と言われる——この悪循環を断つのが棚卸しです。
取引先・業務フロー・社内ルール・過去の判断理由を一枚に書き出すと、対立の焦点が『誰が正しいか』から『どの業務をどう良くするか』に移ります。
- 主要な業務を『担当者・頻度・手順・関係する取引先』の切り口で一覧化する
- 各業務について『なぜ今のやり方なのか』の背景を、古参社員本人にヒアリングして書き添える
- 属人化している(その人しかできない)業務に印をつけ、リスクの高い順に並べる
- 会社の数字(売上・原価・資金繰り)と業務を突き合わせ、どこが利益の源泉かを把握する
- ポイントは、棚卸しを「粗探し」に見せず、「会社を引き継ぐために全体を理解したい」という姿勢を示すこと。
- 着手すべきは、就任から数か月の早い段階。承継の全体像や会社の数字は、事業承継の初動と一緒に押さえる。
古参社員の業務・ノウハウを「見える化」して属人化を解消する(優先度 ★★★ / 難易度 中)
「あの人がいないと仕事が回らない」という状態は、本人にとっては存在意義でも、会社にとってはリスクです。
そして、この属人性が古参社員の発言力の源泉になっていることも。
見える化とは、その人を排除することではなく、頭の中にある段取り・判断基準・進め方をチーム全員が見られる形に出すことです。
誰が・何を・いつまでにやるのかが共有されれば、抜け漏れや期限遅れが減り、若手も動けるようになります。
結果として、古参社員は『抱え込む人』から『教える人・任される人』へと役割を変えられます。
- 定型業務を『誰が・何を・いつまでに』の粒度でタスクとして書き出す
- 古参社員が持つ判断基準やコツを、手順書・チェックリストとして残してもらう
- 進捗と担当をチーム全員が見られる場所(タスク管理ツール等)に置き、口頭・記憶依存をやめる
- 見える化した業務から、少しずつ若手へ引き継ぎ・分担していく
- 見える化を『監視』と受け取られないよう、目的は『抜け漏れ防止とチームの助け合い』だと繰り返し伝える。
- 着手すべきは、属人化が強く、特定の古参社員に業務が集中しているとき。
1on1と定例会議で「対話」を仕組みにする(優先度 ★★☆ / 難易度 中)
対立は『言い足りない・聞き足りない』の積み重ねで大きくなるため、忙しさの中で対話を後回しにすると、誤解と不信が気づかぬうちに膨らみます。
だからこそ、対話を個人の努力に頼らず、定例会議と1on1という『仕組み』にしてしまうのが有効です。
定例会議では全体の方針と進捗を共有し、1on1では一人ひとりの本音や懸念を拾います。
特に古参社員との1on1では、指示の場ではなく『相談される場』を意識すると、少しずつ味方に変わっていきます。
- 週次や隔週など、頻度を決めた定例会議で会社の方針・進捗・数字を全員に共有する
- 古参社員とは月1回など定期的な1on1を設定し、業務相談・キャリア・不満を聴く
- 1on1では社長が話す割合を減らし、相手に7割話してもらうことを目安にする
- 会議で決めたことは記録し、次回に『前回どうなったか』を必ず振り返る
- 1on1を『評価・否定の場』にしないこと。 相手の関心事から始め、次の一歩を一緒に決めることが目標。
- 着手すべきは、対話の量が足りていない、方針が現場に伝わっていないと感じるとき。
小さな共同プロジェクトで一緒に成功体験を作る(優先度 ★★☆ / 難易度 中)
二代目社長に足りないのは、多くの場合『正しさ』ではなく『一緒に成果を出した実績』です。
人は、論理では納得しても、感情は動きません。
だからこそ、いきなり大改革を狙うより、古参社員の力が活きる小さなテーマを選び、短期間で成果を出す共同プロジェクトが効きます。
彼らの経験を頼りにし、その成功を皆の前できちんと称える。
この積み重ねが、肩書きではなく実績に裏打ちされた信頼——本当のリーダーシップを作ります。
- 古参社員の経験・人脈が活きるテーマで、1〜3か月で結果が出る小さな課題を選ぶ
- その古参社員を中心メンバーに据え、社長は環境づくりと意思決定で支える
- 進捗を見える化し、途中の小さな前進もこまめに共有する
- 成果が出たら、貢献を具体的に言語化して全社に共有し、本人を立てる
- ポイントは、手柄を社長が独り占めしないこと。『あなたの経験があったから進んだ』と実名で称える。
- 向いているのは、対話は進んだが、まだ距離が残るとき。改革の必要性を『実感』として共有したい局面。
役割・権限・評価を「明文化」する(業務分掌・職務権限)(優先度 ★★☆ / 難易度 高)
古参社員の発言力が強い会社では、正式な役割ではなく『暗黙の力関係』で物事が動きがち。
これを放置すると、二代目社長の決定が現場で蔑ろにされます。
組織図・業務分掌規程・職務権限規程で『誰が何を担当し、何をどこまで決められるか』を明文化すると、判断の根拠が個人の感情から会社のルールへ移ります。
評価制度も同様で、年功や発言権ではなく、成果と行動で公正に評価する仕組みを整えることが、世代交代を制度として支えます。
- 現状の役割分担を組織図に落とし、責任と指揮命令の線を明確にする
- 業務分掌規程で『どの部署・役割が何を担うか』を文書化する
- 職務権限規程で『どの役職が何をどこまで決裁できるか』を定める
- 評価基準を成果・行動ベースで整理し、年功・属人的な力関係に依存しない仕組みにする
- コツは、ルールを古参社員を縛る道具ではなく、全員の役割と貢献を正当に認める道具として説明すること。
- 効果的なのは、対話と実績づくりが進み、組織を制度として固める段階。
それでも関係性が向上しないときの線引きと最終手段(優先度 ★☆☆ / 難易度 高)
敬意を示したり、対話を重ねるなどの努力を尽くしても、変化を頑なに拒み、他の社員の足を引っ張る古参社員が残ることはあります。
ここで社長が迷い続けると、まじめに協力してくれる社員の信頼まで失ってしまいます。
大切なのは、協力を拒む社員を感情で切り捨てるのではなく、事実と手順を踏んで線引きすることです。
まず本人に期待と課題を明確に伝え、改善の機会を与える。
それでも変わらないなら、強みが活きる配置転換や役割変更を検討し、最終的には労務のルールに沿って処遇を判断します。
解雇は最後の手段ですが、選択肢として持っておくこと自体が、他の社員へのメッセージになります。
- 期待する役割・行動と、現状のギャップを具体的な事実で本人に伝える
- 改善のための期限と支援を示し、記録を残しながら経過を見る
- 改善が難しければ、本人の強みが活きる配置転換・役割変更を検討する
- 最終判断が必要な場合は、就業規則や労働関係法令に沿って慎重に手順を踏む(必要に応じ専門家に相談)
- ポイントは、『辞めさせる』を目的にしないこと。 あくまで会社が前に進むことが目的であることを忘れない。
- 実施すべきは、他のすべての対処法を尽くしても、協力が得られず組織に悪影響が及んでいるとき。
7つの行動を「一過性」で終わらせない|「見える化」を仕組みにする
個別の対処法をやり切っても、業務が再び特定の人の頭の中に戻ってしまえば、同じ対立が繰り返されます。
二代目社長が目指すべきは、古参社員個人の「勘と経験」に依存する状態から、チーム全員が同じ情報を見て動ける状態への移行です。
個人の頑張りから、チームの仕組みへ
古参社員が持つ判断基準や段取りは、会社にとって貴重な資産です。
問題なのは、それが本人の頭の中だけにあることです。
誰が・何を・いつまでにやるのかをチームで共有できる形にすれば、抜け漏れや期限遅れが減り、若手も自走できるようになります。
生産性向上の土台は、組織の構築とコミュニケーション、そしてチームのタスク管理にあります。
属人生を解消するために、まずは「タスクの見える化」から始めましょう。
業務を見える化する具体的な考え方は『業務の見える化とは』のページも参考になります。
古参社員との関係づくりは、会社の生産性に直結する
人口減少が進むなかで会社が成長するには、一人ひとりのアウトプットを高めるしかありません。
古参社員の経験と若手の力を掛け合わせ、チームで成果を出す仕組みを作ることが会社の生産性向上には欠かせません。
- 特定の古参社員がいないと止まる業務がある
- 「あの件どうなった?」と口頭で追いかけている
- 抜け漏れ・期限遅れが人によってバラつく
- 若手が古参社員に聞かないと動けない状態が続いている
対処法を「その場の努力」で終わらせず、誰が・何を・いつまでに、を全員が見られる状態にできれば、世代の違いを越えてチームは回り始めます。
属人化した業務を見える化し、続けられる形にする手段の一つが、私たちが開発・運営するツールです。
スーツアップは、表計算ソフトのような操作性で、チームの「タスクの見える化」をして、タスクの抜け漏れや期限遅れを防ぐツールです。「「誰が・どのようなタスクを・いつまでに」の3つに絞って、みんながいつでも見られるチームのタスク管理」に絞ることで、ITに不慣れなメンバーでも毎日続けやすいのが特徴です。
・表計算ソフトのような操作性で、世代を問わず使いやすい
・自動の期限通知で抜け漏れ・期限遅れを防ぐ
・組織図や定例会議の設定など、チーム運用に必要な機能がそろう
承継後の立て直し全体の進め方は『二代目社長がやること9選|承継後に会社を立て直す実践ロードマップ』、組織づくりの入り口は『組織マネジメントとは』のページもあわせてご覧ください。
二代目社長が古参社員と関係構築するときのつまずきと注意点
最後に、二代目社長が古参社員への対応でつまずきやすいポイントを整理します。
どれも「知っていれば避けられる」ものばかりです。
焦って信頼関係の構築を急ぐ
信頼づくりには時間がかかります。
短期で成果を求めてしつこくアプローチすると、かえって関係が悪化してしまいます。
症状と原因、対策を対応づけて先回りしておきましょう。
→ 表は横にスクロールできます
| よくある問題 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 二代目社長の指示が軽視される | 信頼と関係値がまだ不足している | 一緒に成功体験を積む/役割を明文化する |
| 古参社員が抵抗する | 否定された・軽んじられたと感じている | 傾聴を徹底し、経緯と功績を認める姿勢を示す |
| 若手と古参の溝が深まる | どちらか一方に肩入れして見える | 全員に同じ情報を共有し、軸を示して公正に評価する |
味方を作る順番と、避けたい対応
- キーパーソンを素通りしない:現場の実権を握る古参社員を最初に巻き込む
- 陰口・分断をしない:特定の社員を悪者にせず、事実と役割で語る
- 公平さを見せる:1on1の内容や評価の基準を、えこひいきに見せない(参考:『1on1ミーティングが「意味ない」と言われる理由と改善』『フィードバックとは?効果的な伝え方』も参考に)
- 最終手段は事実と手順で:感情論ではなく、事実をもとに判断する(参考:『言うことを聞かない部下(優秀な人)への向き合い方』『やる気のない社員への対応』)
よくある質問(FAQ)
二代目社長が古参社員への対応で迷いやすい点を、質問形式でまとめました。
二代目社長が古参社員とうまくやるには、まず何から始めるべきですか?
就任直後は「改革宣言」を封印し、まず一人ひとりの話を聴くことから始めます。古参社員がこれまでどう会社を支えてきたか、今のやり方になった経緯を具体的に質問し、否定せずに受け止めることが土台になります。信頼の土台がないまま制度や指示を先に出すと、ほぼ空回りします。
古参社員が新しい方針にまったく従ってくれません。どうすれば動いてくれますか?
論理だけでは人は動きません。古参社員の経験が活きる小さなテーマで短期間の共同プロジェクトを組み、一緒に成果を出して信頼を積み上げるのが有効です。あわせて、業務を見える化して属人的な力関係を解き、役割と権限を明文化することで、声の大きさではなくルールで物事が決まる状態に変えていきます。
古参社員の業務が属人化していて、中身が見えません。どう対処すればよいですか?
まず主要業務を『担当者・頻度・手順・取引先』の切り口で棚卸しし、判断基準やコツを手順書・チェックリストとして残してもらいます。その上で、誰が・何を・いつまでにやるかをチーム全員が見られる場所に置くと、属人化が解け、若手も動けるようになります。目的は排除ではなく『抜け漏れ防止とチームの助け合い』だと繰り返し伝えるのがコツです。
敬意や対話が大事なのは分かりますが、甘く見られませんか?
傾聴は弱腰ではなく、相手を動かすための戦略的な一手です。ただし、聴くだけで終わらせず、役割・権限・評価を明文化して『決めるべきことは社長が決める』構造を作ることが必要です。やわらかい土台づくりと、制度による線引きはセットで進めます。
どうしても協力してくれない古参社員には、辞めてもらうしかないのでしょうか?
辞めさせることを目的にすべきではありません。目的はあくまで会社が前に進むことです。まず期待と課題を具体的な事実で伝え、改善の機会と支援を示します。それでも変わらない場合は、強みが活きる配置転換や役割変更を検討し、最終判断が必要なときは就業規則や労働関係法令に沿って慎重に手順を踏みます。必要に応じて専門家に相談してください。
先代(親)が会社に残っていて、古参社員が先代の言うことしか聞きません。
先代と方針をすり合わせ、権限の移譲範囲を明確にすることが先決です。組織図や職務権限規程で『何を誰が決めるか』を文書化し、先代・二代目・古参社員の役割を可視化すると、二重指揮のような混乱を防げます。先代にも協力を得ながら、段階的に決裁の実態を移していくのが現実的です。
まとめ:対立を協力に変えれば、古参社員は「最大の戦力」になる
二代目社長と古参社員の対立は、性格の相性ではなく、立場・情報・信頼の構造から生まれます。
だからこそ、感情でぶつかるのではなく、順番を守って構造から変えていくことが解決の近道です。
最後にチェックリストで振り返りましょう。
- 就任直後は「変える宣言」より先に、功績と経緯を聴けている
- 主要業務を棚卸しし、属人化している業務を把握している
- 誰が・何を・いつまでに、をチームで見える化している
- 1on1・定例で対話を「仕組み」にしている
- 小さな共同プロジェクトで実績と信頼を作っている
- 役割・権限・評価を明文化し、声の大きさに依存しない
- 尽くしても動かないときは、感情でなく事実と手順で線を引く
覚えておきたいのは、古参社員は本来会社を最もよく知る戦力だということです。
敬意と見える化で力を引き出し、制度で世代交代を支える——この順番を守れば、対立はやがて協力に変わります。
会社の数字の押さえ方や承継の初動は、『後継者が会社の数字を把握する5ステップ』や『事業承継は何から始める?最初の一歩と5ステップ』のページもあわせてご覧ください。
参考文献・出典
- 小松裕介『1+1が10になる組織のつくりかた ── チームのタスク管理による生産性向上』実業之日本社、2025年(ISBN 978-4-408-65143-9)
- 中小企業庁/中小企業庁:事業承継・引継ぎ
- 中小企業庁:中小企業白書(企業規模別の労働生産性等)
- 独立行政法人 中小企業基盤整備機構/J-Net21(中小企業ビジネス支援サイト)
- 事業承継・引継ぎ支援センター(事業承継の相談窓口)
- 中小企業庁:中小企業活性化協議会/日本商工会議所
- 公益財団法人 日本生産性本部『労働生産性の国際比較』/厚生労働省(労働関係法令)
チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。