スーツアップは労働生産性を上げるタスク管理ツール

株式会社スーツでは、2023年9月27日に経営支援クラウド「Suit UP」(以下「スーツアップ」といいます。)のα版をリリースしました。おかげさまで、スーツアップのα版は、リリースから4か月が経過して、多くの中小・中堅企業やスタートアップ(以下まとめて「中小企業等」といいます。)の皆様にご利用いただくようになりました。最近では、スーツアップが2024年春にβ版にバージョンアップをすることに向けて、日々、お客様の声をシステム開発に反映させていただき、当社一丸となって、より使い勝手の良いシステムへと改善をさせていただいています。

当社の代表者の小松と大学生インターンの武田との対談形式の記事コンテンツ「初心者にもわかる!はじめての全社タスク管理ツール ・スーツアップ」では、プロジェクト管理やタスク管理ツールに馴染みのない方に対して、スーツアップと全社タスク管理を分かりやすく伝えるをコンセプトにしています。

第8回は、「スーツアップは労働生産性を上げるタスク管理ツール」と題して、労働生産性の低さが日本経済全体の問題になっていること、また、スーツアップが労働生産性の向上に貢献することについて記載しています。

経営支援クラウド「Suit UP」α版のサービス開始のお知らせ

第7回 スーツアップが実現する組織力アップとは何か

 

【まとめ】

  • 日本の経営者は、どう考えても経済合理性が合うはずなのに、労働生産性の向上に興味がない人が多い
  • 労働生産性の低い中小企業で働く人が多いため、日本は労働生産性が低い。
  • 日本の中小企業数は全体の99.7%を占め、従業員数でみると中小企業で働く人は全体の約7割。しかし、付加価値額は53%しか創出できていない。
  • 日本経済の問題点の一つは、この中小企業等の労働生産性をどのように上げるか
  • 中小企業等のコーポレート・ガバナンスも労働生産性が上がらない原因の一つ。
  • 中小企業等の経営者が労働生産性の改善に興味がない。
  • 中小企業等の社長が企業価値の向上に邁進することが全てである。少数株主がいなくても、経営者という職業人として、売上・利益を増やす、労働生産性の向上を行って企業価値の向上をし、スタッフの給与を上げるべき。
  • スーツアップでチームでタスク管理を行うことによって、タスク管理そのもののメリットと、タスクの「見える化」から始まる経営改革で、相当な労働生産性の向上が見込まれる。

 

目次

11.スーツアップは労働生産性を上げるタスク管理ツール

インターン武田(以下「武田」といいます。):最近は寒暖の差が激しいですが、暖かくなってきて花粉が飛び始めましたね。

株式会社スーツ 代表者:小松裕介(以下「小松」といいます。):そうですね。私は花粉症なので、毎年、花粉が飛び始める前からお医者様から薬をもらって毎日飲んでいますよ。最近はそれでもちょっと目がかゆいですね。春の花粉の時期は、日本社会全体で考えても労働生産性が落ちているんじゃないかと思います。

武田:そうですよね。これだけ花粉症の人がいて、薬の副作用で眠いとかもありますもんね。運送業の方とか仕事で車の運転をしている人とかだと、花粉症の薬の飲み方にも気をつけなければならないでしょうし大変ですよね。

小松:武田さんはプレゼンティーズムという言葉を知っていますか?

武田:知らないです。また急に専門用語が出てきましたね。笑

小松:プレゼンティーズムとは、欠勤するまでではなく、健康管理上は表になっていないけど、健康問題が理由で労働生産性が低下している状態のことですね。

武田:まさに花粉症ですね。笑

小松:そうですね。他にも二日酔い、睡眠不足、生理痛やストレスなどが例としてよく挙げられます。武田さんはちゃんと寝てる?笑

武田:ぐっすりです。ノーストレスです。笑

小松:武田さんは社会人として働き始めてもストレスが無さそうだよね。今時の若者にしては図太い。笑  ちなみにプレゼンティーズムは試算すると凄い額になります。民間企業が試算したデータでは、プレゼンティーズムによって、健康な年収400万円のビジネスパーソンでも一人当たり年間60万円ぐらいの損失が発生していると言われています。

武田:それが一人当たりの損失額だと、30人の会社でも年間1,800万円の損失ですね。毎年この利益額が前向きな投資に使えるならば、成長できる中小企業等は多いと思いますよ。なんで経営者は対策を取らないんですか?

小松:そうですね。プレゼンティーズムは経済産業省や厚生労働省が掲げる「健康経営」ではテーマに挙がるのですが、なかなか民間企業の経営者で意識している人は少ないかもしれませんね。

武田:この対談でも、チームでタスク管理をしないことでも、損害額の試算では30人の会社で毎月100万円以上の損害になっていたと思います。日本の経営者は、どう考えても経済合理性が合うはずなのに、労働生産性の向上に興味がない人が多いのは何でなのでしょうか?

小松:そうですね。今回の対談は、この労働生産性にスポットを当ててみましょうか。それにしても花粉の話から、ちゃんとタスク管理の話まで戻ってきましたね。笑

武田:この対談も数をこなしてだいぶ慣れてきましたからね。今日もよろしくお願いします。笑

① 日本は労働生産性が低い国!?

武田:そもそも労働生産性ってなんですか?笑

小松:そうですね。ちゃんと言葉の定義を理解するところからスタートしなきゃいけませんね。笑

労働生産性とは、スタッフ一人当たりで生み出す成果のことです。もしくは、スタッフが1時間で生み出す成果を指標化したものと言われています。スタッフがどれだけ効率的に付加価値を生み出したかを定量的に数値化したものですね。

では、質問です。武田さんは日本企業の労働生産性は高いと思いますか?

武田:この話の流れだと、労働生産性が低い・・・はずなんですけど、やっぱり世界で見たら経済大国・日本はまだまだ労働生産性が高い!? 笑

小松:うーん。正確には、世界190か国のデータだとそうかもしれませんが、OECD38か国の中では30位という結果になっています。つまり、労働生産性が低いが正解です。笑

武田:ゆるい対談にデータの厳密さを求めてしまって、すいません。笑

小松:労働生産性の向上は経済成長や経済的な豊かさをもたらす要因の一つであると言われています。なので、労働生産性のランキングが低いということは相対的に貧しくなっているということですね。

武田:どうして日本は労働生産性が低いのですか?

小松:理由は中小企業等で働く人が多過ぎるんですよ。この円グラフを良く見てください。

武田:中学生ぐらいの授業で見たことあるグラフですね。中小企業が99.7%で、大企業は0.3%しかないというグラフですね?

小松:そうです。これは中小企業庁の2021年版「中小企業白書 小規模企業白書」のグラフなのですが、武田さんが指摘したとおりで、日本の中小企業数は全体の99.7%を占め、従業員数でみると中小企業で働く人は全体の約7割となっています。

武田:私のまわりは大企業に行きたい大学生ばかりだから知らなかったのですが、中小企業で働く人は全体の7割なんですね!

小松:そうです。こちらが日本社会の圧倒的なマスです。問題はそこからです。この中小企業ですが、従業者数の7割を占めているにも関わらず、付加価値額が53%しか創出できていません。この効率の悪さが大きな問題なのです。

武田:やはり大企業のほうが、設備投資やシステム投資、大規模な工場、多数の人員を投入しての分業、マーケティングだってテレビCMなどマスメディアでの広告と効率が良いに決まっていますよね。

小松:そのとおりだと思います。つまりは、日本経済の問題点の一つは、この中小企業等の労働生産性をどのように上げるかということになるのです。

武田:中小企業の数を減らすしかないですよね。笑

小松:簡単に言いますね。笑 でも、それは日本経済全体の効率を考えた場合、正しい考え方だと思います。今後、日本は急激に人口が減少していき労働人口も減少していきます。となると、貴重な労働力である労働者には労働生産性高く働いてもらわねばならないわけです。それならばみんなに大企業で働いてもらうというのは選択肢の一つになりますよね。ちなみに、先進国で、例えばアメリカは労働者総数のうち、大企業で働いている労働者は約50%を超えています。

武田:日本の労働者は約30%しか大企業で働いていないわけですから、アメリカの方が大企業で働いている労働者が多いんですね。

小松:そうですね。

小松:では、次はこの折れ線グラフに行きましょう。こちらは中小企業庁の2023年版「中小企業白書」のグラフです。

武田:大企業と中小企業を比較すると、中小企業は大企業の半分の労働生産性すら出せていませんね。

小松:大企業は一人当たりの労働生産性が1,300万円を超えているのに対して、中小企業では大企業の半額以下となる労働生産性は550万円にも満たない数字です。労働生産性は加重平均で求められますので、日本では労働者の約7割が中小企業で働いているわけですから労働生産性が上がらないのは当然ですね。

武田:やっぱり中小企業の数を減らすのが答えですね。みんな大企業に転職しましょう。笑 アジアでも韓国だってタイだって財閥の大企業がGDPを牽引していますからね。日本の経済力を維持するにはそれしかないですよ!

小松:統計データから考えられる、合理的な答えを簡単に言うのをやめてください。笑

武田:いや、だって、過去のしがらみにとらわれ過ぎていて物事を複雑に考えるから日本社会が良くならないんですよ。未来志向でみんなで問題解決していかないと!笑

小松:武田さんの言っていることは正しいですけど、日本社会は村社会ですからね。笑

みんなで大企業に転職しようという論点ですが、これでも日本でも1995年から2015年の20年間の間で10人未満の企業で働いている労働人口は16.1%減少しています。つまり、日本でも、1社あたりの平均スタッフ数は次第に増えていて、労働生産性が高い会社に労働人口が集約する動きがあるんですよ。

② 労働生産性に興味がない経営者たち

武田:なぜこの中小企業が多過ぎるという問題が生じてしまったのですか?

小松:これは銀行を中心とした金融行政が原因の一つです。中小企業等ではコーポレート・ガバナンスが確立しておらず、会社がそこそこ黒字の場合にはオーナー経営者はほぼM&Aを選択することはありませんでした。だから、中小企業の数が減らなかったんですよね。最近はそれこそ事業承継による中小企業のM&Aが活発化していますが、これは中小企業の経営者が高齢化してしまって、もう働けないからといって代替わりすることが目的ですからね。つまり、ここまで来るまで中小企業の再編が進まなかったわけです。

武田:なんで中小企業はコーポレート・ガバナンスが確立しなかったのですか?

小松:日本の中小企業は、資金調達と言ったら銀行からの融資で、少数株主から投資を受けて新株発行するといったことは少なかったんですよ。そのため、他に株主がいなければ、創業者がそのまま100%株式を保有しているわけですから、企業価値の向上を継続して求められることが無かったわけです。

武田:銀行からのガバナンスは効かなかったのですか?

小松:それはもちろん多額の融資を受けている会社や赤字の会社に対しては一定のガバナンスが効いていたと思いますよ。しかし、安定して黒字を出して借入弁済もスムーズに進んでいる会社に対して、銀行がさらに企業価値向上をしろとは言いませんよね。そもそも銀行は債権者であって株主のように経営者に対して企業価値向上を求める立場にありません。

武田:確かに銀行に対して約定どおりの借入弁済がされていれば、それ以上のことは言えませんもんね。

小松:そのため、中小企業のオーナー経営者の方だと、そこそこの黒字と事業規模で満足してしまう方も多いですよね。少数株主が少しでもいれば、オーナー一族との利益相反取引とかもできませんし、おかしな経費の使い方もできません。それに最終的に株主の方をEXITまで持っていかねばなりませんからね。

武田:株主のEXITとはどういうことですか?

小松:株主の方から投資を受けたら、最終的にはその株式を現金化する機会を提供しなければならないということです。一般的には、未上場会社への投資の場合は、株式上場による証券市場での売却、株式譲渡・M&Aによる第三者への売却、自社株買いが選択肢としてはありますね。

武田:やっと理解できてきました。中小企業等でも創業者以外の少数株主がいれば経営者は継続して企業価値の向上に邁進しなければならないですし、その株主もいつか投資した代わりに得た当該中小企業等の株式をEXITする。そして、その時にM&Aが選択されていれば、中小企業の数が減っていたはずなわけですね。

小松:そのとおりです。

武田:昔はベンチャーキャピタルとかは無かったんですか?

小松:ベンチャーキャピタルは日本では半世紀ぐらいの歴史ですが、彼らは将来の大企業となるスタートアップに投資するのが仕事で、中小企業の大半は急成長を目指していませんからね。あと、ベンチャーキャピタルから投資をうけるスタートアップですら、やっと最近になって、株式上場ではなくM&AによるEXITの選択肢も増やした方がいいといった議論が行われるようになってきた状況です。

武田:中小企業等のコーポレート・ガバナンスも労働生産性が上がらない原因の一つだったわけですね。

小松:そうですね。個別の中小企業の労働生産性が上がらない原因は何だと思いますか?

武田:そこはやはりシステム化の遅れですかね?

小松:それもそうなんですが、日本の場合は、ざっくりというと、中小企業等の経営者が労働生産性の改善に興味がないからなんですよね。

武田:どういうことですか?

小松:最近よく「人口ボーナス」という言葉を聞くのですが、日本の高度経済成長は人口の急増に支えられていて、国内消費が増えたからだと言われるのです。つまり、代替わりが必要なぐらい高齢化してきて平均年齢が高くなっている中小企業の経営者は、日本の国内消費が大きいタイミングに、「人口ボーナス」のタイミングで経営をしてきた方たちばかりなんです。しかも、先ほどのとおり、コーポレート・ガバナンスが効いていない状態なわけですから、そこそこの黒字で満足しちゃっているんです。

武田:これから社会に出る若者からすると、うらやましい限りですよ。笑

小松:そうですね。笑 このような状況下で、IT化が世界で進んでいるわけです。そりゃ年齢的にも新しいことにチャレンジする年齢でもありませんし、経済的にもそこそこ満足する暮らしができていれば変化しようとは思わないわけですよ。

武田:そりゃそうですね。私も同じ立場だったら、今までと同じことをするのでいいかなって思うと思います。強い動機がないですもん。

小松:この対談でも以前も話したと思いますが、中小企業等の経営者は、自社の組織やコミュニケーションの構築にも興味がない人ばかりです。労働生産性の改善も同じです。お客様から指摘があるとか、売上が減るとかないと変化しようとは思わないですね。

武田:とはいえ、冒頭のプレゼンティーズムも一人当たり年間60万円の損失ということでしたし、チームでのタスク管理についても30人の会社ならば月額100万円超の損失です。年間で考えると、中小企業等からすれば、そこそこの経営的なインパクトだと思うんですけどね。

小松:そこは私もそう思います。でも、変化するということはそれぐらい大変だということなんだと思います。私も年齢を重ねても、いつまでも青年のようにチャレンジし続けられるようになりたいですね。笑

武田:小松さんは頭おかしいから大丈夫ですよ。笑

小松:褒め言葉ですね。ありがとうございます。笑
もう少し各論の話を進めると、先ほどの武田さんのとおり、中小企業はIT化が遅れています。これはIT投資額が少ないことからも明らかですし、IT投資が進まないため、スタッフのITリテラシーも育たないという悪循環になっています。最近でこそSaaSが少しずつ知られてきて、中小企業でも導入が進んできていますが、日本の中小企業はDXが本当に遅れています。

武田:ITツールは利用しないとしょうがないですもんね。

小松:そのとおりで、労働生産性の向上にはイノベーションが大事と思われがちですが、テクノロジーの普及のほうが経済的なインパクトがあると言われているんです。私がよく言う、所詮はシステムも道具なんで使われてナンボなんですよ。笑

武田:さっきは中小企業を減らせばいいと暴論を言いましたが、問題が地続きに繋がっているようで、やはり複雑ですね。笑

小松:そりゃそうですよ。ちなみに、私は中小企業等の社長が企業価値の向上に邁進することが全てだと考えています。少数株主がいなくても、経営者という職業人として、売上・利益を増やす、労働生産性の向上を行って企業価値の向上をし、スタッフの給与を上げるべきだと思います。

武田:小松さんも私と同じで正しいことを言い始めていますよ。笑

小松:そうですね。笑

③ スーツアップは労働生産性の向上をするタスク管理ツール

武田:最後に、スーツアップの話を聞かないといけません。笑

小松:ありがとうございます。日本経済の観点から労働生産性の話をして対談を終えてしまうところでした。笑 スーツアップは、チームでのタスク管理を通じて、中小企業等の労働生産性の向上を実現したいと考えています。

全社的にタスク管理をすることで、自分以外のスタッフもタスクのヌケモレのチェックをすることができますし、タスクの期限管理の徹底を図ることができます。これだけで労働生産性が相当上がることが予想されます。

武田:そうですね。スタッフの自己管理だけで、高い労働生産性が上げられるとは思えませんもんね。

小松:そのとおりです。武田さんみたいに、他人に厳しく自分にも厳しい人は別ですが、そんな人はあんまりいませんからね。笑

武田:そんなに他人には厳しくないですよ。笑

小松:繰り返しで恐縮ですが、チームでタスク管理することによる経費の削減効果については、改めて説明したいと思います。

仮定ですが、上司は部下に対して1日2回のタスクの状況の確認をするとします。それに対して、部下は上司に対して1日2回のタスクの報告をします。それに対してそれぞれ再アクションをします。上司は状況確認2分、リマインド3分、リアクションのチェック1分、再アクション2分の合計8分。部下は状況確認2分、報告5分、再アクションの確認1分の合計8分。それぞれ時間を費やします。

それぞれ階層ごとに人件費のテーブルを用意すると、スタッフ数30人の会社は1ヶ月を20営業日と考えると1,191,467円。50人の会社は1,662,400円。80人の会社は2,449,600円ものコストがかかっていることになります。

武田:実際は8分どころじゃなく、上司・部下でもっと長時間の確認が必要そうですよね。

小松:実際はそうなりますね。もちろんスーツアップを導入したからといって、この経費額が全て無くなるとは思いませんが、相当数は削減できるものと思います。

武田:スーツアップの利用料金で考えたら、これだけ導入による削減メリットと利用料金の価格差があれば悩むことなく導入決定することが正しいんじゃないでしょうか。

小松:ありがとうございます。そのとおりだと思います。やはり日本中にあるほとんどの会社では、労働生産性を意識していないからなんでしょうね。武田さんがタスク管理をしない意味が分からないと言っていましたが、経済合理性でいうとそのとおりだと思います。

武田:この経済合理性については、メリットが明らか過ぎて、大学生でも分かることですよ。笑

小松:ずっと言ってくれていますもんね。笑 とはいえ、先ほどのとおり、なかなか中小企業等では、変化してまで、労働生産性の向上に注力する経営者が少ないんでしょうね。だからこそ、スーツ社としてはビジネスチャンスだと思っているわけですけどね。

労働生産性については、キーエンスとかリクルートとか、トヨタとか日本を代表する大企業はそれがケイパビリティとなっていますし、企業文化にまで昇華されていると思います。国内の大企業による成功事例もあるわけですから、これを中小企業等まで広げたいですね。

武田:そうですね。以前の対談にあったとおり、上司から「これをやっておいて!」と言われて、部下がそこそこの品質と期日で仕事をしていることは、インターンでもよく理解できます。

小松:上司も部下もお互いにその方が楽ですからね。でも、このコミュニケーションは決して労働生産性は高くないです。以前例えば話で挙げたことがあるのですが、「これをやっておいて!」という上司・部下のコミュニケーションで、その結果、2週間後に70点のタスクが仕上がってきたとします。それがチームでタスク管理をした結果、10日後にタスクが完了したとすると、それだけで約30%の時間短縮ですからね。凄いことです。

武田:日本でサラリーマンをしていたら、そんな話は年がら年中じゃないですかね。笑

小松:実際にそうだと思います。明確に期限を切られなかったら、どうしても後ろ回しにしてしまうものです。

あとは、スーツアップによって、全社的にタスクの「見える化」が実現することが大きいと思います。これによって、オペレーションの改善に着手することができます。

武田:そこで埋没しているコストも多くありそうですね。

小松:そうですね。本来は不必要なタスクを過去からの慣習でやり続けていたり、明らかにやり過ぎていて簡素化できるタスクがあったり、オペレーションの改善は利益ねん出の宝庫です。私も過去の企業再生で散々やってきたので、最終的な利益増に繋がることは経営者の感覚としても理解しています。

武田:そして、システム化への第一歩ですよね?

小松:そうです。スーツアップで全社的にタスクの「見える化」を実現したら、まず非定型タスクのうち、定型タスクへ移動できるものはないか考えることです。そこで定期的なタスクがあるならば、マニュアル作成などして標準化を進めるべきですし、そこの人件費負担が大きいようならばシステム化による自動化ができないかを考えるべきだと思います。

武田:やっぱりオペレーションの改善は合理的なので楽しそうですね。笑

小松:武田さんは総合商社よりもコンサルティング・ファームとかの方が向いてるかもしれませんね。今このタイミングでは一番輝いている職業だと思いますよ。

武田:そうなんですね。ワークフローを書き出して、無駄を省いて、システム導入するとかひたすら楽しそうです。笑

小松:適職かもしれませんね。とはいえ、スタッフを置いてけぼりの厳しいオペレーションとIT導入がされそうで怖いですけど。笑

話を戻しますが、このようにスーツアップを通じて、チームでタスク管理を行うことによって、タスク管理そのもののメリットと、タスクの「見える化」から始まる経営改革で、相当な労働生産性の向上が見込まれると思います。

あと、スーツアップでは専門家とAIによるタスク雛型の提供の準備をしています。全てのユーザーに業種業態や職種ごとのベストプラクティスのタスク設定そのものも自動できるようにし、タスク内容の品質向上を通じて労働生産性の向上を図っていくつもりです。

武田:こちらは非常に楽しみですね。

小松:そうですね。AIによるタスク雛型の提供については、世界のAI研究者である榊先生にご協力をお願いする予定です。まずはユーザーの皆さんのタスク設定のデータが溜まってからになりますのでもう少し時間がかかってしまいますが、必ず良い機能にしたいと考えているので、ぜひとも楽しみに待っていてもらえればと思います。

武田:タスク設定は”粒度”の問題があるなど、かなり人間的なことだと思っていますので、ここは本当に楽しみです。

小松:おっしゃるとおりでスーツ社としても技術的にチャレンジングな機能になります。

そして、最後に、スーツアップは中小企業等の経営統合にも貢献していきたいと思っていることも補足したいと思います。

武田:中小企業の数が多過ぎる問題ですね。どういうことでしょうか?

小松:スーツアップを通じて、ロールアップと呼ばれるM&A手法になるのですが、同業種のM&Aをしやすいようにしていきたいと考えています。スーツアップはタスク雛型を提供していきますので、ベストプラクティスのタスク設定ができていれば、それを同じ業界で横展開していけばいいわけです。そのタスク管理のインフラになりたいと考えています。

武田:それは素晴らしいですね。1社でビジネスモデルを紐解いてタスク設定まで落とし込んでいるならば、そのタスク設定を業界標準にするイメージですね!

小松:そうですね。そのタスク雛型のオープン化までいければ急速に日本社会の労働生産性が上がると思います。とはいえ、まずは、そのタスク雛型、つまり、よく考えられたオペレーションを活かして、同業種を買収していけば、規模の拡大による労働生産性の改善も実現できると思います。PMI(Post Meger Integration)と言いますが、間接部門の統合などもスーツアップを通してできると思います。

武田:やっぱり中小企業の数は減らさないと!笑

小松:そうですね。中小企業の数を減らすという言い方じゃなくて、大企業で働く人を増やすと言えばいいんですよ。笑

スーツアップのようなSaaSを導入するなどDX化して個別の会社の労働生産性を高めることも必要ですが、やはり日本経済全体のことを考えると、中小企業等のM&Aをどんどん進めていった方がいいことは明らかだと思います。

私たちは、スーツアップを通じて、中小企業等に広く全社タスク管理を導入することで、日本経済のために労働生産性の改善をしたいと考えています。

武田:日本の未来に繋がっていますね。スーツアップで労働生産性の改善をしていきましょう。今日も長時間にわたりお話いただきありがとうございました。

(続く)第9回 スーツアップの導入・運用の3つのポイント

 

【関連ブログ】
1.全社タスク管理が日本の労働生産性を上げる!
2.チームでのタスク設定とオペレーションの改善
3.チームで働くとは何か ~ 全社タスク管理を行うべき10の理由 ~

【初心者にもわかる!はじめての全社タスク管理ツール・スーツアップ】
第1回 スーツアップは全社タスク管理をかんたんに実現するツール
第2回 システムが導入できない!システムが運用できない!
第3回 スーツアップはかんたんに導入、運用できるタスク管理ツール
第4回 表計算ソフトによるタスク管理より、スーツアップはかんたん!
第5回 会社でタスク管理をすることは当たり前になる!?
第6回 どうしてスーツアップは開発されたのか?
第7回 スーツアップが実現する組織力アップとは何か
第8回 スーツアップは労働生産性を上げるタスク管理ツール
第9回 スーツアップの導入・運用の3つのポイント
第10回 スーツアップのターゲットと導入の方法
番外編(前編) 「タスク管理の現状と課題」から考えるタスク管理専用ツールの普及とスーツアップ
番外編(後編) 「タスク管理の現状と課題」から考えるエクセルによるタスク管理とスーツアップ


※ 「経営支援クラウド」「Suit UP」及び「全社タスク管理」は株式会社スーツの登録商標です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

目次