経理の属人化を解消する6つの方法|原因・リスクと脱属人化の進め方

経理の属人化を解消する近道は、いきなりツールを入れることではなく、まず業務を棚卸しして“その人しかできない仕事”を見える化すること。

そのうえで、手順書による標準化・定型業務のチェックリスト化・クラウド化などを、効果と手軽さの順番で取り入れていけば、特定の担当者がいなくても回る経理に変わります。

本記事では、経理が属人化する原因と放置した場合のリスクを整理したうえで、今日から着手できる6つの対処法を優先度順に図解で解説します。

一人経理・少人数経理でも進められる順番で紹介します。

目次

経理の属人化とは?まず対処の全体像【優先度つき早見】

経理の属人化を解消する対処の全体像と優先順位の早見図

属人化とは、特定の業務をその人しか担えない状態のこと。
経理では仕訳の判断・月次決算・税務対応などが一人に偏りやすく、放置すると退職や不正のリスクに直結します。

まずは「属人化とは何か」と「どこから手をつけるか」を押さえましょう。

対処の順番を間違えると、重要度の低い業務から標準化してしまい、肝心の“止まると困る業務”が後回しになります。

属人化とは?経理で起きやすい理由

属人化は「サボり」や「怠慢」ではなく、仕組みが整っていないために起きる構造的な問題です。

属人化(ぞくじんか)とは、ある業務のやり方や判断基準が特定の担当者の頭の中にしかなく、他の人が代われない状態を指します。

専門性が高く、個別の判断を伴う業務ほど起きやすいとされ、経理はまさにその典型です。

月次・年次決算の段取り、イレギュラー処理の扱い、税務や給与の実務は、経験と社内固有のルールが混ざり合い、担当者の“暗黙知”になりがち。

とくに一人経理・少人数経理では、引き継ぐ相手がいないまま一人に知識が蓄積し、属人化が進みます。

日本では「担当者を信頼して任せる」「職人的に極める」という文化的背景もあり、属人化が生まれやすいと指摘されています。

労働人口が縮小するなかで人手に余裕がなく、兼務でバックアップが育たないことも一因です(厚生労働省の労働経済に関する分析でも人手不足の構造が示されています)。

まず何から?対処の優先順位

最初にやるべきは“棚卸し”。
現状を見える化してから、標準化→複線化へと進むのが失敗しない順番です。

脱属人化は、やみくもにツールを入れても進みません。

下の早見のように、現状把握から始めて、効果と手軽さの高いものから順に着手するのが定石です。

→ 表は横にスクロールできます

優先度対処法ねらい着手のしやすさ
① まず業務の棚卸し・一覧化“その人しかできない業務”を特定するすぐできる
② 次に手順書・マニュアルで標準化誰でも同じ品質で回せるようにするやや準備が要る
③ 並行定型業務のテンプレ・チェックリスト化記憶に頼らず抜け漏れを防ぐすぐできる
④ 統制ダブルチェック・承認フローミスと不正を防ぐやや準備が要る
⑤ 基盤クラウド化・ルール共有データと手順をみんなが見える場所へやや準備が要る
⑥ 根本担当の複線化・ローテーション特定の人がいなくても回る体制に計画が要る

それぞれの具体的な進め方は、この後の「6つの対処法」で手順まで掘り下げます。

経理が属人化する4つの原因

経理が属人化する4つの原因を整理した図

原因の大半は「手順が文書化されていない」「人の余裕がない」という組織側の問題。
個人を責めても解決しません。

対処法に入る前に、なぜ属人化が起きるのかを押さえておきましょう。

原因が分かると、どの対処法が効くのかが見えてきます。

① マニュアル・手順書が整っていない

最大の原因。手順が口頭やOJTでしか伝わらず、担当者の頭の中だけに残ってしまう状態です。

手順が文書になっていないと、やり方はその人の記憶に依存します。

とくに経理は判断を伴う業務が多く、「なぜその勘定科目なのか」「例外時にどう処理するか」が暗黙知になりがち。

標準化の遅れは、そのまま属人化の進行につながります。

② 人員に余裕がなく、バックアップが育たない

一人経理・兼務が常態化すると、業務を分け合う相手がいないまま知識が一人に集中します。

中小企業では経理が1人、あるいは総務と兼務というケースが珍しくありません。

目の前の処理に追われ、手順書を書く時間もバックアップ人材を育てる余裕もない——この悪循環が属人化を深めます。

日本全体で公益財団法人 日本生産性本部が指摘するように労働生産性の底上げが課題となるなか、少人数で回す現場ほど構造的に属人化しやすいのが実情です。

実際、経理の負担そのものを軽くすることも対策の一つです。

『経理の無駄な作業を減らす対処法6選』のページを見直すと、手順書づくりや共有に充てる時間を生み出せます。

③「自分にしかできない」が評価される/抱え込み

共有するより抱え込む方が評価される環境だと、属人化は“得”になってしまいます。

「この業務は自分だけが分かっている」という状態が安心感や存在価値につながると、知識の共有が進みにくくなります。

これは個人の問題というより、共有やマニュアル化を評価する仕組みがないという組織設計の問題。

属人化をなくすには、共有した人が報われる評価のあり方もあわせて考える必要があります。

④ データが個人のPC・紙に分散している

エクセルファイルが担当者のPCにしかない、台帳が紙だけ——物理的な分散も属人化の温床です。

データの置き場所がバラバラで、本人しかありかを知らない状態も属人化の一形態です。

クラウド化や共有ルールが未整備だと、担当者が不在になった途端に「どのファイルが最新か分からない」といった事態に陥ります。

国もデジタル庁を中心に中小企業のデジタル化を後押ししており、データ共有は脱属人化の基盤になります。

経理の属人化が招く3つのリスク

経理の属人化が招く3つのリスク(退職・不正・停滞)の図

属人化の怖さは、業務が止まる・不正が隠れる・改善が進まないの3つ。
いずれも経営に直結します。

「今は回っているから大丈夫」が最も危険です。

属人化のリスクは、担当者に何かあったときに一気に表面化します。

① 退職・休職で業務が止まる

最大のリスク。担当者の退職や急な休職で、支払や決算が止まるおそれがあります。

一人経理で手順が共有されていないと、その人が辞めた瞬間に支払・記帳・決算が滞ります。

引き継ぎ資料がなければ、後任は手探りで業務を再構築することになり、取引先への支払遅延や決算の遅れにつながりかねません。

これは事業継続(BCP)の観点でも重大で、J-Net21(中小機構)でも事業継続の備えの重要性が解説されています。

退職が現実味を帯びてから慌てないために、『一人経理が退職する前にやるべき対処法5ステップ』のページもあわせて確認し、引き継ぎと後任確保を早めに動かすことが大切です。

② ミス・不正が見つかりにくくなる

1人で出金から記帳まで完結していると、誤りや不正が誰にもチェックされないまま通ってしまいます。

作成と承認を同じ人が担う状態は、内部統制上の大きな穴です。

金額の誤りや二重計上に気づけないだけでなく、残念ながら横領などの不正が起きやすい土壌にもなります。

金融庁が示す財務報告に係る内部統制の考え方でも、職務の分離(作成者と承認者を分けること)は基本とされています。

③ 業務がブラックボックス化し、改善が進まない

中身が見えないと、ムダやボトルネックを見つけられず、業務改善もDXも進みません。

属人化した業務は、外から中身が見えません。

やり方が妥当かを検証できず、非効率なやり方がそのまま固定化します。

多くの日本企業は仕事を「まわしている」のではなく過去のやり方を引き継ぐだけで「まわってしまっている」状態にあります。

見える化しなければ、その状態にすら気づけません。

生産性向上の前提として、まず業務を可視化することが欠かせません(独立行政法人 経済産業研究所(RIETI)でも生産性に関する研究が蓄積されています)。

経理の属人化を解消する6つの対処法【優先度順】

経理の属人化を解消する6つの対処法の早見図

結論は「棚卸し → 標準化 → 複線化」の順。
現状を見える化してから、効果と手軽さの高い打ち手を重ねます。

ここからは具体的な対処法を、優先度順に手順まで掘り下げます。

すべてを一度にやる必要はありません。上から順に、できるものから着手しましょう。

6つの対処法の進め方(全体像)

「①棚卸し」で土台をつくり、「②③で標準化」、「④⑤で統制と基盤」、「⑥で複線化」と段階的に進めます。

まず着手:①業務の棚卸し(現状の見える化)

標準化:②手順書・マニュアル/③テンプレ・チェックリスト

統制と基盤:④ダブルチェック・承認フロー/⑤クラウド化・ルール共有

根本対策:⑥担当の複線化・ジョブローテーション

業務の見える化そのものの進め方は『総務の業務を見える化する4ステップ』、見える化を支える道具は『業務の見える化ツール』のページも参考になります。

ステップ1:経理業務を棚卸しして一覧化する(難易度 ★☆☆ / 効果 ★★★(最初の一歩))

すべての出発点。
「どの経理業務が・いつ・誰の手で動いているか」を一枚の表にして、属人化している業務を特定します。

属人化は「誰が何をどうやっているか分からない」状態から始まります。

だからこそ最初にやるべきは、新しい仕組みの導入ではなく“現状の棚卸し”。

日次・月次・年次の経理業務をすべて書き出し、担当者・頻度・所要時間・使っているシステムを並べると、「その人しかできない業務」がくっきり浮かび上がります。

逆に、棚卸しをせずにマニュアル作りから始めると、重要度の低い業務から手をつけてしまい、肝心の“止まると困る業務”が後回しになりがちなため順番に注意しましょう。

  1. 日次・月次・年次の経理業務をすべて書き出す(記帳・支払・請求・給与・月次決算・税務対応など)
  2. 各業務に「担当者・頻度・所要時間・使用システム(会計ソフト/エクセル)」を記入する
  3. 「担当者が1人だけ」「手順が頭の中にしかない」業務に印をつける
  4. 印のついた業務を“止まると困る順”に並べ、脱属人化の優先リストにする
  5. 棚卸し表はチーム全員がいつでも見られる場所(共有ドライブ・ツール)に置く
  • コツ:最初から完璧な一覧を目指さない。まず主要業務から着手し、印のついた業務を次の標準化の対象にする。
  • 着手すべきは、業務の全体像がまだチームで共有されていない、すべての経理部門。一人経理・少人数経理でも最優先で取り組む価値があります。

ステップ2:手順書・業務マニュアルを整備して標準化する(難易度 ★★☆ / 効果 ★★★)

頭の中にある手順を文書にして、誰が担当しても同じ品質で回せる状態をつくりましょう。
属人化から抜け出すために最も効果的なステップです。

棚卸しで特定した「その人しかできない業務」を、手順書に落としていきます。

ポイントは“完成された分厚いマニュアル”を目指さないこと。

まずは画面キャプチャと箇条書きで「入力する場所・判断基準・つまずきやすい点」を残すだけで十分です。

とくに経理は、仕訳の判断(どの勘定科目を使うか)や、イレギュラー処理(返品・値引き・立替)の判断基準が属人化しやすいため、“判断のルール”を明文化することが効果的です。

標準化が進むと、引き継ぎ時間が短くなり、担当者の休暇や急な欠勤にも耐えられるようになります。

  1. 優先リストの上位業務から、実際に作業しながら画面を記録する
  2. 「操作手順」と「判断基準(勘定科目の選び方・例外処理の扱い)」を分けて書く
  3. 専門用語は社内の呼び方に統一し、はじめての人が読んで再現できるかを確認する
  4. 別の担当者に手順書だけを見て一度やってもらい、詰まった箇所を追記する
  5. 更新日と担当を明記し、年1回以上は見直す運用にする
  • コツ:マニュアルは作って終わりにすると形骸化しがち。「実際に手順書どおりに別の人がやってみる」工程まで入れて、初めて脱属人化につながります。
  • 着手すべきは、決算・給与・税務など、担当者が替わると業務が止まる重要業務を抱える経理部門。

📝補足

標準化の考え方は『標準化とは?わかりやすく解説』、エクセルを使った進め方は『業務標準化をエクセルで進める方法』のページで詳しく解説しています。

業務標準化は国の中小企業支援でも重視されています(IPA(情報処理推進機構)のDX関連情報も参考になります)。

ステップ3:定型業務をテンプレート・チェックリスト化する(難易度 ★☆☆ / 効果 ★★☆)

毎月・毎年くり返す業務を、テンプレートとチェックリストに落とし込み、記憶に頼らず回せる状態にします。

経理業務の多くは、月次決算・支払処理・請求のように周期的にくり返す定型業務。

これらは「やることリスト」を一度きちんと作ってしまえば、担当が替わっても抜け漏れなく回せます。

月次決算のように工程が多い業務ほど、チェックリスト化の効果が大きく出ます。

テンプレート化は手軽なわりに効果が高いため、マニュアル整備と並行して進めるのがおすすめです。

属人化した業務を“誰の記憶にあるか”ではなく“どのリストに書いてあるか”で回せるようにするのが狙いです。

  1. 月次・年次でくり返す業務を1つ選び、工程を順番に書き出す
  2. 各工程を「いつ・誰が・何を確認して完了か」のチェック項目にする
  3. よく使う書式(仕訳パターン・申請フォーマット)はテンプレートとして保存する
  4. チェックリストに期限を入れ、締め日から逆算したスケジュールにする
  5. 毎月同じリストを使い回し、改善点があればその都度更新する
  • コツ:チェックリストは「完了の定義」まで書くのがコツ。 『請求書を作成』ではなく『請求書を作成し、二重チェック後に送付まで完了』まで書くと、人による解釈のブレが消えます。
  • 着手すべきは、月次決算・支払・請求など、周期的にくり返す定型業務が多い経理部門。

📝補足

月次決算のような定型業務は、『月次決算のやること一覧と早く終わらせるコツ』や『経理のスケジュール管理を仕組みにする5ステップ』のページを参考にすると、チェックリスト化がぐっと進めやすくなります(中小企業の業務効率化は中小企業庁でも支援されています)。

ステップ4:ダブルチェックと承認フローを整える(難易度 ★★☆ / 効果 ★★☆(統制面で必須))

1人で完結している業務に“もう一人の目”を入れ、ミスと不正の両方を防ぎましょう。内部統制の基本です。

経理の属人化が怖いのは、業務が止まるリスクだけでなく、ミスや不正が発見されにくくなる点にあります。

出金・記帳・残高確認を同じ人が1人で担っていると、誤りがそのまま通ってしまいます。

そこで「作成する人」と「承認・確認する人」を分ける職務分掌を取り入れます。

これは上場企業だけの話ではなく、中小企業でも“お金に関わる業務は2人の目を通す”という最低限のルールを設けるだけで、リスクは大きく下がります。

承認フローを仕組みにすると、確認が属人的な善意ではなく手順として回るようになります。

  1. 出金・記帳・残高照合など、お金に直接かかわる業務を洗い出す
  2. 「作成する人」と「承認・確認する人」を分ける(最低限、支払は2人で確認)
  3. 承認の基準額や確認項目を決め、チェックリストに組み込む
  4. 確認の記録(いつ・誰が承認したか)を残す運用にする
  5. 少人数で分担が難しい場合は、経営者や外部の税理士が確認役に入る
  • コツ:「疑っているようで気まずい」と感じて省かれがちですが、ダブルチェックは担当者を守る仕組みでもあります。 “人を疑う”のではなく“仕組みで守る”と位置づけると定着します。
  • 取り入れるべきは、出金・記帳を1人が担っている一人経理・少人数経理。金額の大きい取引を扱う部門は特に優先。

📝補足

役割分担を明文化するなら『業務分掌とは?役割分担の基本』のページが土台になります。

ステップ5:会計・経理業務をクラウド化し、ルールを共有する(難易度 ★★☆ / 効果 ★★★)

データと手順を“個人のPC・頭の中”から“みんなが見える場所”へ移します。見える化が一気に進みます。

属人化の温床のひとつが、担当者のPCにしかないエクセルファイルや、本人しか知らない会計ソフトの操作です。

クラウド会計やクラウドストレージに移すと、データが共有され、誰でも最新の状況を確認できるようになります。

電子帳簿保存法やインボイス制度への対応でも、紙やローカル管理より運用がしやすくなります。

ツールを入れるだけでは属人化は消えませんが、「仕訳ルール」「ファイルの置き場所」「命名ルール」をあわせて決めることで、担当者が替わっても同じように扱える状態がつくれます。

デジタル化は国としても中小企業に推奨されている方向です。

  1. 担当者のPCだけにあるエクセルファイル・データを棚卸しする
  2. クラウド会計ソフト・共有ストレージへデータを移し、アクセス権を整理する
  3. 仕訳ルール・ファイルの置き場所・命名ルールを文書で共有する
  4. 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応状況を確認し、保存方法を統一する
  5. 操作でつまずきやすい点を手順書(標準化)とセットで残す
  • コツ:ツール導入を“目的”にしないこと。あくまで「見える化」と「ルール共有」が目的で、クラウド化はその手段だと押さえると、導入しただけで満足して属人化が残る失敗を避けられます。
  • 着手すべきは、ローカルのエクセルや紙台帳で経理を回しており、電子帳簿保存法・インボイス対応も見直したい中小企業。

📝補足

電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は国税庁で最新情報を確認できます。

中小企業のDX推進は経済産業省でも各種支援が案内されています。

ステップ6:担当を複線化し、ジョブローテーションする(難易度 ★★★ / 効果 ★★★(根本対策))

「1業務1担当」をやめ、同じ業務を複数人が回せる状態にします。
標準化とセットで効果のある根本対策です。

棚卸し・標準化・チェックリストが整ったら、仕上げは“複数人で回せる体制”づくり。

1人の担当者がすべてを抱える状態(一人経理)は、退職・休職・急な欠勤で業務が完全に止まる最大のリスク要因です。

主担当と副担当を決めて業務を共有し、定期的に担当を入れ替える(ジョブローテーション)ことで、特定の人がいなくても回る組織になります。

これは人材育成の面でもプラスで、業務の相互理解が進み、チーム全体の底上げにつながります。

役割分担を明文化した業務分掌とあわせて設計すると、責任の所在も明確になります。

  1. 棚卸し表で“担当が1人だけ”の業務に主担当・副担当を割り当てる
  2. 副担当が手順書を見ながら実際に作業する機会を定期的につくる
  3. 四半期や半期ごとに一部の業務の担当を入れ替える計画を立てる
  4. 引き継ぎは口頭ではなく手順書・チェックリストを介して行う
  5. 役割と責任を業務分掌として明文化し、評価にも反映する
  • コツ:いきなり全業務を複線化するのは無理があります。棚卸しで印のついた“止まると困る業務”から、主・副の二人体制にするだけでもリスクは大きく下がります。
  • 着手すべきは、一人経理・少人数経理で「この人が辞めたら回らない」状態にある組織。根本からの脱属人化を目指す段階。

根本解決は「個人の経理」から「チームで回す経理」へ

個人に依存する経理からチームで回す経理への移行イメージ図

対処法を“続く仕組み”にする鍵は、個人のToDoをやめてチームでタスクを見える化すること。
ここまでの6つを定着させる土台になります。

棚卸し・標準化・複線化を一度やっても、運用が個人任せのままだと、時間とともに元の属人化へ戻ってしまいます。

最後の鍵は、業務を“チームで見える化して回す”状態に変えることです。

なぜ“チームで回す”と属人化が消えるのか

タスクを見える化すると、誰が・何を・いつまでにやるかが共有され、属人化が自然と解消されます。

個人がそれぞれの頭の中やPC内のメモでタスクを管理している限り、他の人からは中身が見えず、属人化は温存されます。

これをチームで共有できる形に変えると、進捗や担当が可視化され、抜け漏れや滞りに周囲が気づけるようになります。

経理の脱属人化も、担当者個人の努力ではなく、チームで見える化する仕組みに落とし込むことで初めて定着します。

属人化を引き継がざるを得ない場面での進め方は『先代の「属人化」を引き継ぐ5ステップ(脱属人化の仕組みづくり)』のページも参考になります。

タスクを見える化して“続く”仕組みにする

手順書やチェックリストを“置くだけ”で終わらせず、日々のタスクとして回る状態にするのがゴール。

棚卸し表やチェックリストは、作っただけでは使われなくなりがちです。

「誰が・何を・いつまでに」をチームで共有し、期限が近づいたら自動で知らせる仕組みにしておくと、人の記憶に頼らず業務が回り続けます。

これが属人化に戻らないための最後の仕上げです。

チームのタスク管理を“続く形”にするなら『スーツアップ』

私たちが開発・運営するスーツアップは、表計算ソフトのような操作で、チームの「タスクの見える化」をして、タスクの抜け漏れや期限遅れを防ぐツールです。「「誰が・どのようなタスクを・いつまでに」の3つに絞って、みんながいつでも見られるチームのタスク管理」に絞ることで、経理のように属人化しやすい業務も“チームで見える化”しやすくなります。

・表計算ソフトのような操作で、チーム全員が同じ最新の状況を見られる
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よくある質問(FAQ)

経理の属人化の解消について、よく寄せられる疑問に回答します。

経理の属人化はまず何から手をつければいいですか?

まず業務の棚卸し(一覧化)から始めるのがおすすめです。日次・月次・年次の経理業務を書き出し、「担当が1人だけ」「手順が頭の中にしかない」業務に印をつけます。その印のついた“止まると困る業務”から、手順書づくり(標準化)に進むと失敗しません。

一人経理で、手順書を書く時間がありません。どうすれば?

完璧なマニュアルを目指さず、作業しながら画面を記録し、箇条書きで要点だけ残す方法がおすすめです。まずは退職・休職で最も困る業務(支払・決算)の1つに絞って着手します。日々の無駄な作業を減らして時間を生み出すことも並行して有効です。

属人化を放置すると、具体的にどんなリスクがありますか?

主なリスクは3つです。担当者の退職・休職で支払や決算が止まること、1人で完結するためミスや不正が見つかりにくくなること、業務がブラックボックス化して改善が進まないことです。いずれも経営に直結するため、早めの対策が重要です。

ダブルチェックは少人数でも必要ですか?

はい。とくにお金に直接かかわる出金・記帳は、少人数でも「作成する人」と「承認・確認する人」を分けるのが基本です。人手が足りない場合は、経営者や顧問の税理士が確認役に入る方法もあります。ダブルチェックは担当者を不正の疑いから守る仕組みでもあります。

会計ソフトを導入すれば属人化は解消しますか?

ツール導入だけでは解消しません。クラウド化はデータの見える化に有効ですが、「仕訳ルール」「ファイルの置き場所」「操作手順」をあわせて文書で共有して初めて、担当が替わっても回る状態になります。ツールは手段であり、標準化とセットで使うのがポイントです。

どのくらいの期間で属人化は解消できますか?

業務量や人数によりますが、棚卸しは数日〜数週間、手順書の整備は対象業務ごとに段階的に進めるのが現実的です。一度に全部を目指さず、優先度の高い業務から着手し、半年〜1年かけて複線化まで到達するイメージで進めると無理がありません。

属人化の解消は経理担当者だけで進められますか?

担当者だけでは限界があります。複線化やジョブローテーション、評価への反映、ダブルチェック体制づくりは、経営者や管理部門の関与が必要です。属人化は個人の問題ではなく組織の仕組みの問題なので、経営の判断とセットで進めるのが効果的です。

まとめ:属人化は「個人の問題」ではなく「仕組みの問題」

経理の属人化は、担当者の能力や姿勢の問題ではなく、手順や体制が整っていない“仕組みの問題”です。

だからこそ、仕組みで解決できます。

ポイントは、棚卸しで現状を見える化し、標準化・統制・基盤を整え、最後に複線化で“止まらない体制”にするという順番です。

最後に要点をチェックリストで振り返りましょう。

脱属人化チェックリスト
  • 経理業務を棚卸しし、“その人しかできない業務”を特定した
  • 重要業務の手順書・判断基準を文書化した(標準化)
  • 定型業務をテンプレート・チェックリストにした
  • 出金・記帳はダブルチェック/承認フローを通している
  • データをクラウドに移し、ルールを共有した
  • 主担当・副担当を決め、複線化・ローテーションを計画した
  • 手順やタスクをチームで見える化し、“続く”仕組みにした

一度に完璧を目指す必要はありません。

まずは棚卸しから始め、個人に依存しない経理へ少しずつ移行していきましょう。

参考文献・出典

チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。

 

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

2025年5月に、『1+1が10になる組織のつくりかた チームのタスク管理による生産性向上』を出版。

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