引き継ぎ資料がないときの対処法6選|再発防止の対策方法もあわせて解説

引き継ぎ資料がないまま業務を任されたとき、まずやるべきことは「一気に全部を理解しようとしない」ことです。

先に今ある情報源を棚卸しし、緊急業務だけを守り、残りは進めながら記録していく。この順番で動けば、資料が無くても実務は回り始めます。

資料が無いと、つい記憶と勘だけで走り出したくなりますが、前任者が仕事をしていた以上、メール・共有フォルダ・チャットなどに業務の痕跡は必ず残っています。

それらをかき集めて「業務の地図」を描くところから始めれば、抜け漏れや事故を最小限に抑えられます。

この記事では、引き継ぎ資料がないときの優先度順の6つの対処法を、実際の手順に落として解説します。

あわせて、自分用の引き継ぎ資料を作るテンプレートと、この苦労を次の担当者に繰り返させないための根本対策(業務の見える化・チームでの共有)まで整理しました。

目次

引き継ぎ資料がないときにまずやること【優先度つき早見】

引き継ぎ資料がないときの対処を優先度順にまとめた早見図

迷ったら、この順番です。
①情報源の棚卸し → ②緊急業務の対応 → ③走りながら記録 → ④上司へ共有
完璧な理解を待たず、動きながら整えるのが正解です。

引き継ぎ資料がない状況は珍しくありませんが、対応の順番を間違えると混乱が長引きます。

まずは「今すぐやること」と「落ち着いてからやること」を分けて考えると、頭の中が整理できます。

ここでは全体像を早見でつかんでから、次章以降で1つずつ掘り下げます。

着任直後の最初の3ステップ——「集める・守る・聞く」

最初にやるのは「集める・守る・聞く」。
この3つを押さえれば、大きな事故はほぼ防げます。

着任直後は情報がまったく無い状態からのスタート。優先順位をつけて対応することが大切です。

いきなり全業務をこなそうとせず、まずは足元を固める3ステップから始めます。

  1. 集める:前任者のメール・共有フォルダ・チャット・カレンダーから、業務の痕跡をかき集める
  2. 守る:締切が近い・影響が大きい業務だけを先に特定し、優先して対応する
  3. 聞く:前任者や周囲に、資料に残っていない判断基準や例外対応を早めに確認する

落ち着いてからやること——連絡先・アカウントの再構築と資料化

緊急対応を終えたら、再発を防ぐための対策に着手します。
連絡先・アカウントの再構築と、資料化がここに入ります。

緊急対応が一段落したら、腰を据えて取り組むフェーズです。

取引先の連絡先やシステムのアカウントを一覧に再構築し、自分がやった業務を手順書として残していきます。

ここで作った記録が、次の担当者への引き継ぎ資料にもなります

  • 再構築する:取引先の連絡先・システムのログイン情報をまとめ直す
  • 記録する:一度やってみた業務の手順を、そのつどメモに残す
  • 共有する:把握できたこと・不明点を上司やチームに共有し、抱え込まない

やってはいけない3つのNG対応

「全部を一人で・完璧に・記憶だけで」やろうとするのが最大の落とし穴です。

資料が無い焦りから、かえって遠回りになる行動を取りがちです。次の3つは避けましょう。

いきなり手当たり次第に着手する:全体像を描く前に動くと、重要業務を後回しにしてしまう。

記憶と勘だけで進めるあとで「言った言わない」やミスの原因になる。必ず記録を残す。

一人で抱え込む:資料が無いのは個人の責任ではない。早めに上司へ共有し、チームで対応する。

引き継ぎ資料がない3つのリスクと原因

引き継ぎ資料がないことで起きるリスクと、その背景にある属人化を示した図

対処法に入る前に、放置したときのリスクと「なぜ資料が無いのか」を押さえておくと、優先順位を判断しやすくなります。

引き継ぎ資料がない問題は、単なる「面倒」では終わりません。

業務の停止やミス、そして担当者交代のたびに繰り返される非効率という、組織全体のコストにつながります。

まずリスクを直視し、その根っこにある「属人化」まで理解しておきましょう。

引き継ぎ資料がないことで起きる3つのリスク

最大のリスクは「業務が止まること」。
次いで、判断ミスと、担当者への過度な負担が続きます。

資料が無いまま業務が引き継がれると、次のような問題が現実に起きます。

いずれも顧客や取引先の信頼に直結するため、軽視できません。

→ 表は横にスクロールできます

リスク何が起きるか影響
業務が止まる手順・締切・取引先が分からず対応が滞る納期遅れ・機会損失・顧客からの信頼低下
判断ミスが増える例外対応や過去の約束事を知らずに処理する誤発注・条件違い・クレームの発生
担当者に負担が集中する調べ物と対応を一人で抱え込む残業・ストレス・早期離職につながる

こうした引き継ぎの問題は、中小企業では事業承継の局面でも大きな課題として指摘されています(中小企業庁:事業承継・引継ぎ支援)。

担当者一人の交代であっても、業務が止まれば損失は無視できません。

根っこにあるのは「属人化・ブラックボックス化」

引き継ぎ資料が無い業務は、たいてい「その人しか分からない状態(属人化)」になっています。
ここが本当の問題です。

引き継ぎ資料が用意されていない業務の多くは、特定の担当者の頭の中だけで回ってきた「属人化」した業務です。

手順やノウハウが文書化されず、担当者本人にしか分からない——この状態をブラックボックス化と呼びます。

属人化は、担当者が休んだり辞めたりした瞬間に業務が止まるという大きなリスクを抱えます。

経済産業省も、業務やシステムが特定の人に依存してブラックボックス化することを、DX(デジタルトランスフォーメーション)を妨げる典型的な課題として挙げています(経済産業省:デジタルトランスフォーメーション(DX))。

引き継ぎ資料がない、という悩みは、じつは組織が属人化しているサインなのです。

属人化を解消した現場の具体例は属人化を「タスクの見える化」で解消した現場の事例が参考になります。
「見える化」で引き継ぎの負担そのものを軽くした事例です。

引き継ぎ資料が用意されないのは仕組みの問題

「忙しくて後回し」「作る文化がない」——多くは個人ではなく、組織の仕組みの問題です。

資料が用意されない理由は、担当者の怠慢とは限りません。

日々の業務に追われて資料化の時間が取れない、そもそも手順を残す文化やルールが無い、退職・異動が急に決まった、といった構造的な要因が重なっています。

この背景には、「仕事をそのまま次へ引き継ぐだけ」で日々が過ぎていく組織の姿があります。

多くの職場では、本来のマネジメントをしないまま、組織が「まわっている」のではなく「まわってしまっている」状態に陥っています。

引き継ぎ資料が無いのは、その典型的な例です。

【優先度順】引き継ぎ資料がないときの6つの対処法

引き継ぎ資料がないときの6つの対処法を優先度順に並べたフロー図

ここからが本題です。
上から順に取り組むほど効果が高く・手戻りが少ない並びにしています。
まず①②で足場を固め、③〜⑤で中身を埋め、⑥でチームを巻き込みます。

引き継ぎ資料がないときの対処法を、優先度の高い順に6つ挙げます。すべてを同時にやる必要はありません。

着任直後は①〜②を最優先で、慣れてきたら③以降を並行して進めるイメージです。

今ある情報源を棚卸しして「業務の地図」を作る(優先度 ★★★ / 着任直後にまず)

資料が無くても、業務の痕跡は必ずどこかに残っています。
まずは散らばった情報源を1か所に集め、担当業務の全体像(地図)を描くことが最初の一歩です。

引き継ぎ資料が無い状況で最もやってはいけないのが、ゼロから記憶と勘だけで走り出すことです。

前任者が仕事をしていた以上、メール・共有フォルダ・チャット履歴・スケジュール・請求データなど、業務の「痕跡」は必ず残っています。

これらを1枚のメモやスプレッドシートに集約し、「どんな業務が・いつ・誰に対して発生しているか」を洗い出すと、見えなかった担当範囲が輪郭を持ち始めます。

完璧な資料を探すのではなく、断片から地図を組み立てる発想に切り替えることが、混乱を最小化するコツです。

  1. 前任者のメール・共有フォルダ・チャット・カレンダーなど、アクセスできる情報源をすべてリストアップする
  2. 直近3〜6か月をさかのぼり、定期的に発生している業務(月次・週次のやり取り)を拾い出す
  3. 取引先・顧客・関連部署など「登場する相手」を業務ごとに書き出す
  4. 分かったことを1枚のスプレッドシートに「業務名・頻度・相手・締切・不明点」の列でまとめる

コツ:「分からないこと」も必ず同じ表に書き出す。
不明点リストが、このあとのヒアリングや調査の“やることリスト”になります。

効果的なのは着任・異動の直後、まだ全体像がまったく見えていない段階。ここを飛ばすと後工程がすべて手戻りになります。

緊急度の高い業務から優先順位をつけて着手する(優先度 ★★★ / 初日〜最初の1週間)

全部を一度に把握しようとすると必ずパンクします。
「今すぐ動かないと事故になる業務」だけを先に守り、それ以外は後回しにする割り切りが必要です。

資料が無い状態では、すべてを完璧に理解してから動こうとすると時間切れになります。大切なのは、期限や影響度の大きい業務から順に対応することです。

たとえば「今週締切の請求」「明日の顧客対応」「止めると他部署が困る定例作業」は最優先で、残りは一旦「保留」に置いて構いません。

緊急度と重要度の2軸で仕分け、まず火を消すべき業務だけに集中すると、限られた時間でも致命的なミスを防げます。

判断に迷うタスクは、抱え込まず上司に「これは今週中ですか」と確認するのが確実です。

  1. 棚卸しで出した業務を「締切が近い/影響が大きい」順に並べ替える
  2. 今週〜今日中に対応が必要なものを3〜5件に絞り、それだけを最優先タスクにする
  3. 締切が不明な業務は、上司や関係者に「いつまでに必要か」を確認して仮の期限を置く
  4. 緊急でないものは「保留リスト」に移し、落ち着いてから着手すると決める

コツ:「重要だが緊急でない」業務(マニュアル作成など)は、最初の週は無理に手をつけない。
まず火を消してから取りかかります。

効果的なのは対応が遅れると顧客・取引先・他部署に迷惑がかかる業務を抱えているとき。着任直後の1週間で特に効きます。

前任者・関係者・取引先にヒアリングする(優先度 ★★☆ / できるだけ早く)

資料に残らない「暗黙知」は、人に聞くのが最速です。
前任者と連絡が取れるなら早めに、無理なら周囲の関係者から業務の勘所を引き出します。

引き継ぎ資料が無い業務ほど、判断基準や例外対応といった「文書化されていないノウハウ」が多く眠っています。これは資料をいくら探しても出てこないため、人に聞くのが一番の近道です。

前任者が退職・異動していても、短時間だけ質問できないか打診する価値はあります。

連絡が取れない場合は、同じ業務に関わっていた同僚・上司・他部署、さらに取引先の担当者が「前はこうしていた」と教えてくれることも少なくありません。

棚卸しで作った不明点リストを手元に、質問を事前にまとめてから臨むと、短い時間でも要点を押さえられます。

  1. 棚卸しの「不明点リスト」を、聞く相手ごとに質問として整理する
  2. 前任者に連絡が取れるなら、まとめて1回で聞けるよう質問を優先度順に並べる
  3. 連絡が難しい場合は、同じ業務を知る同僚・上司・関連部署に声をかける
  4. 取引先には「担当が代わった」旨を伝え、これまでの進め方や約束事を確認する

コツ:口頭で聞いた内容はその場でメモし、あとで自分の引き継ぎ資料に転記する。
二度同じことを聞かずに済み、相手の負担も減ります。

効果的なのは:判断基準・例外処理・取引先ごとのルールなど、資料化されていないノウハウが業務の核心にあるとき

業務を実際に回しながら手順を記録する(優先度 ★★☆ / 業務を動かし始めたら常時)

完璧な理解を待たず、実際に一度やってみて手順を記録するのが最も確実です。
自分がやった記録が、そのまま次の人への引き継ぎ資料になります。

資料が無い業務は、頭で考えるより一度手を動かしたほうが理解が早いことが多いものです。

実際に作業をしながら「どのシステムに・どうログインし・何を入力し・どこに提出するか」を1ステップずつメモに残していきます。

この「走りながら書く」記録は、二度目以降の自分を助けるだけでなく、後任への引き継ぎ資料の下書きにもなります

最初から整った資料を作ろうとすると手が止まるので、まずは箇条書きやスクリーンショットの貼り付けで十分です。1回の作業で1つの手順書ができる、と考えると負担が軽くなります。

  1. 業務を実際に着手し、操作した手順を「①〜③」の番号付きで書き留める
  2. 使うシステム名・ログイン方法・入力項目・提出先など、迷った箇所を重点的にメモする
  3. 画面のスクリーンショットを貼ると、文章だけより格段に分かりやすくなる
  4. 1業務が終わったら、そのメモを清書して「業務手順書」として保存する

コツ:『迷ったところ』こそ資料に残す価値がある。
自分がつまずいた点は、次の人も必ずつまずきます。

効果的なのは:手順が複雑で口頭説明だけでは覚えきれない業務、定期的に繰り返す業務を担当したとき。

取引先・顧客・アカウント情報を再構築する(優先度 ★★☆ / 最初の2週間で)

「誰と・何を・どのアカウントで」やり取りしているかが分からないと業務は進みません。
連絡先やログイン情報を早めに再構築しておきます。

引き継ぎ資料が無い場合に特に困るのが、取引先の連絡先や各種システムのアカウント情報。ここが抜けていると、いざ対応しようとしたときに動けません。

名刺・メールの署名・過去のやり取り・契約書などから連絡先を集め、システムやSaaSのログイン情報は情報システム部門や管理者に発行・再設定を依頼します。

前任者の個人アカウントに紐づいていた業務は、自分のアカウントへ切り替える手続きも必要。

連絡先とアカウントを一覧化しておくと、次の担当者交代時にも同じ苦労を繰り返さずに済みます。

  1. メール署名・名刺・契約書・過去のやり取りから、取引先・顧客の連絡先を集める
  2. 業務で使うシステム・SaaSを洗い出し、自分のアカウントの有無を確認する
  3. ログインできないものは、情報システム部門や各サービスの管理者に発行・権限付与を依頼する
  4. 前任者個人に紐づく契約・アカウントは、自社・自分名義への切り替えを早めに進める

コツ:アカウント情報はパスワードそのものではなく「どのサービスを・誰が管理しているか」を残す。
セキュリティを守りつつ引き継げます。

効果的なのは:外部の取引先とのやり取りや、複数のシステム・SaaSを使う業務を引き継いだとき。

上司・チームに状況を共有し、抱え込まない(優先度 ★★★ / 早い段階で必ず)

引き継ぎ資料が無いのは、多くの場合あなた個人の責任ではありません。
現状と不明点を早めに共有し、チームとして対応する体制に持ち込むことが最善の対処です。

資料が無い状況を一人で抱え込むと、ミスの責任まで背負い込みかねません。

まずは上司に「引き継ぎ資料が無く、現状はここまで把握できている」「ここが不明で、こう進めたい」と事実ベースで共有します。

責任追及ではなく“状況報告と相談”として伝えるのがポイント。分かっている範囲・不明な範囲・想定リスクを見える形で示せば、上司も判断や支援がしやすくなります。

さらに、この機会に「今後は資料を残す運用にしましょう」と提案できれば、同じ問題の再発防止につながります。

属人化した業務をチームで見える化する第一歩にもなります。

  1. 棚卸しで作った「業務の地図」と不明点リストを、上司に共有できる形に整える
  2. 『把握できていること・不明なこと・想定リスク』の3点を事実ベースで報告する
  3. 判断が必要な事項は、選択肢を添えて相談する(丸投げにしない)
  4. 落ち着いたら「今後は引き継ぎ資料を残す運用にしたい」と再発防止を提案する

コツ:報告は「困っています」だけで終えず、必ず“自分の案”を1つ添える。
相談が前に進みやすくなります。

効果的なのは業務量や不明点が一人で抱えきれない規模のとき。着任直後のできるだけ早い段階が効果的です。

自分用の引き継ぎ資料を作る手順とテンプレート【無料】

引き継ぎ資料に最低限入れるべき項目を一覧にした図

対処と並行して、自分用の引き継ぎ資料を少しずつ作ると、業務が一気に安定します。
まず入れる項目を決めるのが近道です。

資料が無くて困った経験があるなら、次の担当者に同じ思いをさせない資料を、自分の手で作っておきましょう。

完璧なマニュアルである必要はありません。「これがあれば自分は助かった」という項目から埋めていけば十分です。

引き継ぎ資料に最低限入れる6項目

業務名・頻度・手順・関係者・締切・注意点」の6項目があれば、たいていの業務は引き継げます。

引き継ぎ資料に何を書けばいいか迷ったら、次の6項目を軸にします。

とくに「注意点・例外」は、資料に残りにくく人を最も助ける情報です。

→ 表は横にスクロールできます

項目書く内容
業務名何の業務か月次請求書の発行
頻度・時期いつ発生するか毎月末〜翌月5営業日
手順の概要どう進めるか(番号付き)①受注データ集計→②発行→③送付
使うシステムツール名・ログイン方法会計ソフト・共有ドライブ
関係者・取引先誰とやり取りするか経理部・A商事 山田様
注意点・例外つまずきやすい点・特例A社のみ締日が20日

引き継ぎ資料テンプレート(コピペ&エクセル無料ダウンロード)

そのまま使えるテンプレートを用意しました。
コピペでも、エクセルファイルのダウンロードでも使えます。

先ほどの6項目に「担当者」を加えた、実務で使える引き継ぎ業務一覧テンプレートです。

まずは自分の担当業務を1行ずつ埋めていくだけで、業務の棚卸しと引き継ぎ資料づくりが同時に進みます。

業務名,頻度・時期,担当者,手順の概要,使うシステム・ツール,関係者・取引先,締切・期限,注意点・例外
月次請求書の発行,毎月末〜翌月5営業日,自分,①受注データ集計 ②請求書発行 ③送付,会計ソフト/共有ドライブ,経理部・取引先各社,翌月5営業日まで,A社のみ締日が20日
週次進捗レポート,毎週金曜,自分,①各担当から進捗収集 ②集計 ③共有,スプレッドシート/チャット,チームメンバー・上長,毎週金曜17時,未提出者にはリマインド
,,,,,,,

↑をコピーして「hikitsugi-ichiran-template.csv」として保存し、エクセル/スプレッドシートで開けばそのまま使えます(文字化けする場合は文字コードを UTF-8 で開く)。列は自分の業務に合わせて自由に増減してください。

資料を「作って終わり」にしない3つのコツ

引き継ぎ資料は、一度作って放置すると必ず古くなります。
日々の業務の中で更新し続ける仕組みが要ります。

せっかく作った資料も、更新されなければ数か月で実態とズレて使えなくなります。

これは多くの職場で起きる「作ったのに使われない資料」の典型です。

  • 業務をやったついでに直す:手順が変わったら、その場で1行だけ書き換える
  • 保管場所を1か所に決める:個人PCではなく、チーム全員が見られる共有の場所に置く
  • 最新かどうかを更新日で示す:更新日を書いておき、古い資料を信じ込む事故を防ぐ

こうした「業務を文書に残して誰でも回せるようにする」取り組みは、業務標準化と呼ばれます。

進め方はエクセルで始める業務標準化の進め方標準化とは?わかりやすく意味とやり方を解説が参考になります。

二度と引き継ぎで困らないための根本対策|属人化からチームの見える化へ

属人化した引き継ぎ資料頼みの状態から、チームでタスクを見える化した状態への変化を示すビフォーアフター図

ここまでは「今困っている人」への対処でした。
最後は、そもそも引き継ぎで困らない組織にするための根本対策です。

引き継ぎ資料がないと困る根本の原因は、業務が個人の中だけで完結し、日常的に見える化されていないことにあります。

ここを変えれば、担当者が代わっても業務は止まりません。

引き継ぎ資料は「負担」が大きい

引き継ぎのたびに分厚い資料を作る運用は、そもそも無理があります。
作る負担も、読む負担も大きいからです。

担当者交代のたびに、膨大な業務をゼロから資料化するのは現実的ではありません。

作る側は多忙で後回しにし、受け取る側は分厚い資料を読み切れない——だから引き継ぎは失敗しがちです。

発想を変えて、引き継ぎのときだけ頑張るのではなく、日常的に業務を見える化しておくほうが結果的に楽になります。

誰が・どのタスクを・いつまでにやっているかが普段から共有されていれば、引き継ぎは「特別なイベント」ではなくなります。

考え方は業務の見える化とは?やり方と効果タスクの見える化とは?進め方とメリットも参考になります。

日常のタスクを見える化して引き継ぎを軽くする

日々のタスク管理をチームで見える化しておくことが、最強の引き継ぎ対策です。
改善は「見える化」から始まります。

個人のToDoを、チーム全員が見られる状態にする。それだけで、担当業務・進捗・締切が普段から共有され、引き継ぎ資料に頼らなくても業務が回るようになります。

役割や責任の範囲をあらかじめ明確にしておく業務分掌とは?役割と責任を明確にする方法の考え方と組み合わせると、さらに引き継ぎがスムーズになります。

生産性向上の土台にはチームのタスク管理があり、その出発点は「見える化」です。

引き継ぎ資料がないという悩みは、裏を返せば「日々の業務を見える化する仕組みが無い」という課題でもあります。

その仕組みを持てば、担当者が代わっても慌てずに済みます。

チームのタスク管理を仕組みにするなら『スーツアップ』

引き継ぎ資料に頼らず業務を回すには、日々のタスクをチームで見える化しておくのが近道です。

とはいえ、専用の管理表を作り込むのは負担が大きく、続かないことも少なくありません。

そこで、表計算ソフトのような手軽さでタスクの見える化を始められるツールを紹介します。

チームのタスク管理を“続く形”にするなら『スーツアップ』

私たちが開発・運営するスーツアップは、表計算ソフトのような操作で、チームの「タスクの見える化」をして、タスクの抜け漏れや期限遅れを防ぐツールです。「誰が・どのタスクを・いつまでに、をチーム全員がいつでも見られる状態にする」に振り切っているので、特別な引き継ぎ資料がなくても、担当業務と進捗がチーム全員に見えます。

・表計算ソフトのような操作で、誰が何をいつまでにやるかを見える化
・自動の期限通知で、担当が代わっても抜け漏れ・期限遅れを防ぐ
・定型タスクやAIのサポートで、引き継ぎ時の入力負担も最小限に

※ 無料トライアルあり(最新の料金・機能は公式サイトでご確認ください)

よくある質問(FAQ)

引き継ぎ資料がないときによく寄せられる疑問に、実務目線で回答します。

引き継ぎ資料がないとき、まず何からやればいいですか?

まずは今アクセスできる情報源(前任者のメール・共有フォルダ・チャット・カレンダー)を棚卸しし、担当業務の全体像を1枚のメモにまとめることから始めます。そのうえで、締切が近い・影響が大きい緊急業務だけを先に対応し、残りは進めながら記録していくのが安全な順番です。

前任者がすでに退職していて連絡が取れません。どうすれば?

前任者に頼れなくても、業務の痕跡は必ず残っています。過去のメール・請求データ・共有フォルダ・チャット履歴から業務を再構築し、同じ業務に関わっていた同僚・上司・他部署、さらに取引先の担当者に「これまでの進め方」を確認します。分からない点はリスト化し、上司に共有して一緒に判断してもらいましょう。

引き継ぎ資料がないのは自分の責任になりますか?

引き継ぎ資料が用意されていないのは、多くの場合、資料を残す仕組みや時間が組織に無かったことが原因で、後任者個人の責任ではありません。大切なのは、現状と不明点を早めに上司へ事実ベースで共有し、抱え込まないことです。責任追及ではなく状況報告と相談として伝えると、チームで対応しやすくなります。

引き継ぎ資料には最低限、何を書けばいいですか?

「業務名・頻度や時期・手順の概要・使うシステム・関係者や取引先・注意点や例外」の6項目があれば、たいていの業務は引き継げます。とくに『注意点・例外』は資料に残りにくく、次の担当者を最も助ける情報なので、優先して書き残しましょう。本記事のテンプレートも活用してください。

引き継ぎ資料を作る時間が取れません。効率的な方法は?

最初から完璧な資料を作ろうとせず、業務を実際にやりながら手順をメモする「走りながら書く」方法がおすすめです。1回の作業で1つの手順書ができると考えれば負担が軽くなります。画面のスクリーンショットを貼るだけでも、文章だけより格段に分かりやすくなります。

そもそも引き継ぎで毎回困らないようにするには?

引き継ぎのときだけ頑張るのではなく、日常的にチームでタスクを見える化しておくのが根本対策です。誰が・どのタスクを・いつまでにやっているかが普段から共有されていれば、担当者が代わっても業務は止まりません。個人のToDoをチーム全員が見られる状態にするタスク管理ツールの活用が有効です。

まとめ:まず棚崩しで優先順位をつけ、進めながら手順を記録する

引き継ぎ資料がないときは、完璧な理解を待たずに動きながら整えるのが正解です。

最後に、対処の優先順位をチェックリストで振り返りましょう。

引き継ぎ資料がないときの対処チェックリスト
  • ① 今ある情報源を棚卸しして「業務の地図」を作った
  • ② 緊急度の高い業務から優先順位をつけて対応した
  • ③ 前任者・関係者・取引先にヒアリングした
  • ④ 業務を回しながら手順を記録している(走りながら書く)
  • ⑤ 取引先の連絡先・システムのアカウントを再構築した
  • ⑥ 上司・チームに状況を共有し、抱え込んでいない
  • + 日常のタスクをチームで見える化し、再発を防ぐ仕組みを作る

覚えておきたいのは、引き継ぎ資料がないという悩みの本質は業務が属人化し、見える化されていないことにある、という点です。

目の前の業務を守りつつ、日々のタスクをチームで見える化する仕組みへ——そこまで進めば、次に担当が代わっても、もう同じ苦労を繰り返さずに済みます。

参考文献・出典

チームのタスク管理 / プロジェクト管理でこのようなお悩みはありませんか?

そうなりますよね。私も以前はそうでした。タスク管理ツールを導入しても面倒で使ってくれないし、結局意味なくなる。

じゃあどうしたらいいのか?そこで生まれたのがスーツアップです。

これ、エクセル管理みたいでしょ?そうなんです。手慣れた操作でチームのタスク管理ができるんです!

見た目がエクセルだからといって侮るなかれ。エクセルみたいに入力するだけで、こんなことも

こんなことも

こんなことまでできちゃうんです。

エクセル感覚でみんなでタスク管理。
まずは以下よりお試しいただき、どれだけ簡単か体験してみてください。

 

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この記事を書いた人

小松裕介のアバター 小松裕介 代表取締役社長CEO

株式会社スーツ 代表取締役社長CEO 小松 裕介

2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。
2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。

2025年5月に、『1+1が10になる組織のつくりかた チームのタスク管理による生産性向上』を出版。

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